夜から吹き続けた南風の影響でうねりは前日よりも大きくなり、第2集団以降は転覆するレース艇が続出。装備が壊れてリタイヤする選手もいました。
若手育成プログラムでこの大会に出場している八山慎司選手は、第3レース直前に転覆し、ティラーエクステンションが折れるアクシデントに見舞われましたが、応急処置を施して第3レースも完走しました。「何が起こってもレースに出るのが楽しくてしようがいないです。日々、上達しているのが分かるし、僕は今までクルーとしてヨットに乗っていたので、舵を握るのが楽しくて」と、八山選手は目を輝かせていました。
前半戦を終えてトップに立ったのが、北京五輪のレーザー級金メダリスト、イギリスのポール・グディソン選手です。第1レースと第2レースは、すべてのマークをトップ回航し、そのままフィニッシュという完璧なレース運びでした。
2位はイギリスの若手、クリス・ラシュリー選手です。グディソン選手に逆転されたものの、その差は1点。イギリス勢の新旧対決から目が離せません。
第3レースでトップフィニッシュしたのが、オーストラリアのスコット・バベッジ選手です。国際モス級世界協会の会長でもあるバベッジ選手は、虎視眈々と逆転のチャンスを狙っています。
昨日まで好調だった梶本恆平選手も、トラブルに泣かされた一人です。強風用の水中翼が破損して港に戻ったため、第1レースはスタートに間に合いませんでした。交換した予備の水中翼は軽風用で、強風下ではレース艇のコントロールに苦労しましたが、それでも、日本人トップをキープしています。
27日は予備日で、これまで順調にスケジュールが消化されているためレースは行われません。選手たちは観光やレース艇の整備、休息と思い思いの1日を過ごします。28日からは再びシビアな戦いが再開されます。風は徐々に弱まっていく予報です。(レポート/西朝子 モスワールド実行委員会)
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2位のクリス・ラシュリー選手(左)とスコット・バベッジ選手 YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN