ヤンマー国際モス級世界選手権大会2016
トップスリーは大混戦2016/May/29

東京五輪のセーリング会場・江ノ島を臨む海面で行われたレース YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN

東京五輪のセーリング会場・江ノ島を臨むレース海面YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN

「ヤンマー国際モス級世界選手権大会2016」もいよいよ大詰めを迎えました。

28日の葉山港は朝から大勢の人たちの姿が。ヨットファンはもちろん、普段はヨットに馴染みのない人たちも、地元で開催されているセーリング競技の世界大会を一目見たいと集まってきたのです。主催者が用意した観覧艇は予約席が一杯でしたが、当日席を求める人の長い行列ができました。
この日、観覧艇で海に出たのは約170人。そのほか、30隻以上のヨットやボートがレース海面を取り囲み、国際モス級のレースを観戦していました。

しかし、朝から風が弱く、選手たちは長い時間、陸上待機を強いられました。風が少し吹いてきた午後1時過ぎにようやく港を後にしましたが、レース海面の風は思ったより弱く、海上で1時間以上待つことになりました。最初のレースがスタートしたのは午後3時35分。午後遅くなって6、7ノットの安定した南南西風が吹き、3レースを行うことができました。

28日、大きく順位を上げたのは、世界一周レースにも出場した経験を持つ、国際モス級現ヨーロッパチャンピオンのロバート・グリーンハウシュ選手(イギリス)です。3レースを1位、2位、1位でフィニッシュしました。

グリーンハウシュ選手は初日でトップに立ちましたが、2日目にレース艇が破損し2レースをリタイヤ。それが響いて成績を大きく下げてしまいました。しかし諦めずにレースを続けた結果、トップと5点差の3位まで上がっています(今大会は全15レースが予定されており、10レース以上成立した場合には最も悪い順位2つを除外することができます)。

前半戦をトップで折り返した北京五輪セーリング競技の金メダリスト、イギリスのポール・グディソン選手は、今日も堅実なレース運びでトップを守っています。1点差でグディソン選手を追うのが、初タイトルを狙うイギリスの若手クリス・ラシュリー選手です。

29の最終日を前に、イギリス勢がベストスリーを独占しています。上位3人の得点差はわずか5点です。4位には国際モス級世界協会の会長である、オーストラリアのスコット・バベッジ選手が付けています。

日本勢は葉山を拠点すると後藤浩紀選手が猛烈な追い上げを見せ12位に浮上。日本人トップの梶本恆平選手は11位です。
「ようやく思い通りの成績が出せました。梶本選手の背中も見えてきたので、残り1日ベストを尽くします」と後藤選手。「今日は思ったようなスピードが出ませんでした、今、その原因を模索しているところです。明日が最終日なので悔いが残らないようなレースをしていきたいです」と梶本選手。
梶本選手と後藤選手の点差は15点。日本人のライバル対決も手に汗握る接戦となっています。

最終日の29日は3レースが予定されています。風はお昼過ぎから安定する予定です。
ワールドチャンピオンの栄冠は誰の手に渡るでしょうか?(レポート/西朝子 モスワールド実行委員会)

大会HP:http://www.mothworlds.org/hayama/
フェイスブック:https://www.facebook.com/mothworlds/

 

トップのポール・グディソン選手 YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN

トップのポール・グディソン選手 YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN



 

4位のスコット・バベッジ選手(手前)と後藤浩紀選手 YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN

4位のスコット・バベッジ選手(手前)と後藤浩紀選手 YANMAR Moth World Championship 2016@JUNICHI HIRAI / BULKHEAD magazine JAPAN