12月8日~9日の2日間、7月に続いて今年度2回目となる光アカデミーが山口県のスポーツ交流村で開催されました。
■参加者はウインドサーフィンのタレントたち
山口県では、セーリング競技を含む3競技(レスリング、フェンシング)特化型のJOCタレント発掘事業が展開されており、今年が節目の10年目ということでした。
毎年、セーリングに関する適正があると認められる小学生アスリートを選抜し、将来のオリンピアンを目指して活動しています。今回参加したのは、中学2年生になる7期生から小学5年生の10期生までの11人です。アカデミー終了後に和歌山ナショナルトレーニングセンターで行われるTechno293世界選手権選考会に出場する選手も含まれており、選手はもちろんのこと指導者や保護者も熱気にあふれていました。
■見ること、優先順位をつけること
まずは、前回7月上旬にアカデミーを実施した際のテーマ、「1.見ること」「2.優先順位をつけること」の2つを確認しました。そこはまだまだ経験の浅い子どもたちです。2つのことを忘れている選手が多かったので再確認を徹底しました。
■初日のセッション
初日は風が強くなるとの予報だったので、海上コンディションをしっかりと話した後に出艇しました。午前中はスピードトレーニングと方向転換の練習を行い、昼食時のデブリーフィングを挟んで午後のセッションに向かいました。午後には予報通りの風が入り、技術差によって一律の練習ができなくなりましたので、コース練習に切り替えました。
強風の経験値が低いこともあり、フォームがしっかり固まっていないことからセールを離してしまう子、バランスを崩して沈をしてしまう子が多くいました。また、午後に強くなった風に合わせて適切なセールセッティングができる選手もまだまだ少ない印象です。改めて見ること、優先順位をつけることの重要性を説き、初日のセッションを終えました。
■2日目のセッション
2日目は初日と打って変わって軽風となり、皆でまとまって練習するにはとても良いコンディションとなりました。前日の課題もあり、セールセッティングのアドバイスをした後に海上練習を始めました。練習のテーマは昨日と同じで、海面をよく見ることと優先順位をつけることです。選手たちは昨日からのアドバイスを生かして、風やマークをよく見ながらセーリングすることができました。セーリング歴1年未満の10期生も同じメニューにはじめは苦戦していましたが、次第に周りを見ながら上手にコースを回れるようになりました。
■最後に
シーマンシップとはテキストにもあるとおり「航海術に優れていること」で、身近には出艇してミッション(レース)を終えて無事に着艇することでしょうか。最後のブリーフィングでは、各自のミッション(夢や目標)に近づくためには、まず練習の前に何をすべきか、次にどのようなことに気をつけて練習に臨むべきなのか、また、目的意識を持つことの重要性や基礎練習の大切さについて話しました。
私は、専任コーチとしてもジュニア、ユースの指導や育成に深く携わっていることもあり、可能性を持っている選手なのに焦りなどが原因で基礎練習が疎かになったり、今何を練習すればいいのかが分からなくなっている選手を多く見かけます。ジュニアユース世代においては、安全な活動環境の構築や選手の可能性を伸ばすための適切なコーチングの重要性を改めて感じました。光の皆さん、ありがとうございました。 (レポート/宮野幹弘)