ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー
宮城県松島レポート2016/Nov/16

 

地元宮城県、山形県、北海道の皆さんと

地元宮城県、山形県、北海道の皆さんと

11月5、6日、宮城県松島ヨットハーバーにてジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーが開催されました。

今回のアカデミーは第1回北海道・東北420級選手権大会との併催として行われました。両日ともに晴天と良い風に恵まれたのですが、2日目は10m/sを超える強風となり、受講生にとっては少し厳しいコンディションだったようです。それもそのはず、セーリングを今年の春から始めた子達がほとんどで、それでも果敢に出艇を試み、結果的にはレースどころではなかったのですがひとつの経験を積むことができました。

この経験を踏まえて、「何となくセーリング」から脱却するために、基本を中心とした講義を時間をかけて陸上で行いました。講義内容は以下のとおりです。

1.天気を知る
セーリングは自然と共存するスポーツで、その日の天気を知ることはとても大切、一歩間違えれば命にもかかわる重要な情報なので、疎かにしないでしっかりと把握しておくこと。併せてウエアーの選択も間違えないように!

2.道具を知る
レースで速く走る前に自力で帰ってくる。そのためには道具の特徴を知ることも重要です。風が吹けば吹くほどリスクは大きくなるので、風に近いスピードで速く走れるセッティングやボート、セールに備わっている道具の役割を正確に知る必要があります。

3.ボートハンドリング
道具の話と同じで、正しい操船技術が身につくと速く走れるようになり、すなわちボートの安定性、快適な操船に繋がります。ボートハンドリングの話にはとくに時間を割き、メインセールとジブセールを連動させた正しいセールトリム、安定したボートバランスを得るための身体の使い方など、座学とランドヨットの繰り返しによりイメージできるようにしました。

とは言うもののセーリングを始めたばかりですから、そう簡単には上手くいきません。裏ジブは張るし、タックしたら一周回るし、勢い余って沈もする。もしすぐにできたら、天才です。しかし、強風にも屈することなく果敢にチャレンジし、自分たちなりに考えてセーリングを楽しんでいた東北セーラーたちにはとても好感が持てました。

最後に、この記事を見る他のジュニアユースセーラーたちにも伝えたいことは、「私にはなくて、貴方たちにあるもの」、 それは「若さ」と「時間」です。今の私に若さと時間がないと言ったら、先輩セーラーの皆さんに怒られるかもしれませんが、無限の可能性を秘めたジュニアユースセーラーの皆さんには、海という自然の下、セーリングスポーツあるいはセーリング競技を通じて、社会で生き抜くための強さやしなやかさを身に付け、人生をより豊かに過ごすための術を学べる今、この素晴らしい機会を大切にしてほしいと思います。是非とも、よく「見て」「聴いて」「真似して」「考えて」「チャレンジ」し続けて下さい。

きっと「君たちならでは」の道が拓けると信じています。(トヨタ自動車東日本/轟 賢二郎)



初日の午前中はベタでスタート

初日の午前中はベタでスタート





午後からは6kt

午後からは6kt







徐々に風が上がり最終日は20ktオーバー!

徐々に風が上がり最終日は20ktオーバー!





轟コーチの「乗船指導」

轟コーチの「乗船指導」







 「松島や、ああ松島や・・・・・・」とばかり、観光船がすぐ横を通過していきます

「松島や、ああ松島や・・・・・・」とばかり、観光船がすぐ横を通過していきます





CE、CLRの関係性について解説する轟コーチ

CE、CLRの関係性について解説する轟コーチ







「ランドヨット」を使ってレクチャーする轟コーチ

「ランドヨット」を使ってレクチャーする轟コーチ





轟コーチの「風について」

轟コーチの「風について」







中村コーチ(左)の「シーマンシップについて」

中村コーチ(左)の「シーマンシップについて」





第1回となる北海道・東北選手権で入賞されたみなさん、おめでとう!

第1回となる北海道・東北選手権で入賞されたみなさん、おめでとう!