第57回パールレースは51艇エントリーがあり、夏のレースを楽しもうとする外洋艇が三重県南伊勢町・五ヶ所湾に集まりました。

■50艇を超えるエントリー

50艇を超えるエントリーは久々のことです。最終的には1艇がプロペラの不具合で回航できず、結果50艇のスタートとなりました。

7月29日11:00、南東4～5m/sの風を受け、布瀬田水道南の暗礁帯先をめがけて、上下ほぼイーブンなスタートとなりました。左海面の半島沿いに向かう艇、右海面の沖出しをする艇と大きく分かれました。

レースフリートは引き続き南東の風を受け、片上りで一路、利島を目指しましたが、利島回航では弱い風の中、潮の流れの影響に苦労した艇が多くあったようです。

結果や各艇の航跡は、GPS Loggerデータによる「どこでもヨットレース」でご覧ください。レース海域は終始上りの風で、全般に涼しく、熱中症の心配のないレースでした。

初参加の艇が10艇ありました。また西は長崎からはるばる回航してきた艇、東は仙台・宮城から参加した遠来艇、新たな艇を購入しての参加したチームなど、最新デザインの新艇から、船齢の長いベテラン艇など、「パールレース」の目指す、どのような艇でも参加できるヨットレースとなりました。しかし、最新艇でもベテラン艇でも簡単に勝てるレースではありません。

新たに参加された艇には、参加の動機について伺ってみます。全国の外洋艇のみなさん、ぜひ「パールレース」においでください。

■参加艇のデータ

今回参加艇51艇の乗員数は、ダブルハンド部門：4艇・8名、IRC部門：47艇・397名、合計参加者数：405名、1艇の平均乗員数は7.9名で昨年の8.2名とほぼ同じです。

乗員の平均年齢は52.2歳、昨年の平均49.9歳から少し上がりましたが、意外に若いのではとの印象です。年代分布は以下のとおりです。

50代：40.0%
60代：27.2%
40代：25.4%
30代：8.6%
20代：3.2%、
70代：2.2%

最高齢は73歳のベテランが活躍されました。一番若い方は20歳でした。

年代には一つの傾向があるのではと思います。オーナーはじめクルーがみなリタイアの時期を迎え、「絶好のチャンス」か「まだ動けるうちに」との気持ちでチャレンジした艇もあると思います。

IRC部門の総合優勝は<NOFUZO(のふ～ぞ)>（X 41OD 、JPN6301、高畑 慎次オーナー、内海所属）でした。乗員の平均年齢は51.7歳、今回で三回目のパールレース総合優勝。「さらに四回目の優勝を目指す」とのオーナーの力強いコメントがありました。<1122TREKKEE>（MUIR 40、JPN1122)、<Joker>(X 41 、JPN6687)と終始トップ争いを続けての勝利でした。

ダブルハンド部門の優勝は< Thetis 4>（First 40.7、JPN 380、児玉 萬平オーナー、三浦所属）の乗員の平均年齢は57.5歳。沖縄-東海ヨットレースにも参加した実績の下、今回で5回目の優勝です。

今回のレース・フィニッシュにおいて、フィニッシュ30分前および5分前にコミッティへのコールをお願いしましたが、30分前コールとフィニッシュ時刻がぴったりの艇が2艇ありました。

< CONTESSA ⅩⅢ>（JPN 188）、< Thetis 4>のベテラン艇は、見事にぴったりでした。コミッティから何らかの表彰をしようとの発案があり、お土産を差し上げました。

■来年は7月28日にスタート予定

歴史あるパールレースを始めとする「外洋レースを続けていく努力をしていこう」との、外洋三崎の新田会長のコメントに同感です。引き続き「パールレース」をしっかりと開催できるよう、外洋東海、外洋湘南ともに努めたいと思います。

2018年から2020年までの間、東京オリンピックおよび関連するレースが江の島で開催される予定があり、その影響で向こう3年間の開催場所が未確定ですが、レースの時期から台風対策も含めて、安全なレースができるよう検討していきたいと思います。

基本的にパールレースのスケジュールは、8月の他のレース・イベントと重ならないよう、7月中に表彰式も終了することとしています。次回のパールレースは、2017年7月27日に出艇申告・艇長会議、7月28日にスタート、7月30日に表彰式というスケジュールで開催する予定です。

今回のレース開催にあたり、開催場所の自治体および関係する団体の大きな支援をいただいております。また「㈱気象海洋コンサルタント」からは毎年「パールレース応援情報」の提供をいただき、安全なレースに大きく貢献しております。レースに直接関わったボランティア・コミッティのみなさま他、多くのみなさまのご支援に感謝します。（第57回パールレース実行委員委員長・河内道夫）