ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー 山口県・光2022/Jan/13


2022年最初の光アカデミーに参加した皆さん

2022年最初の光アカデミーに参加した皆さん


私の地元である光市で開催されたジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーの講師を依頼され、2022年1月4日、5日の日程でアカデミー初講師に挑むこととなりました。

高校卒業後すぐに活動拠点をオークランドに移して東京オリンピックに向けた活動を行っていたため、ジュニア~ユース期に慣れ親しんだ光の海に浮かぶのは5年ぶりのことでした。海面を後輩たちがセーリングするのを観察しながら、「光の海面ってこんなに難しかったんだ!?」そんな発見もありました。

参加者は、地元の高校生たちを中心に420級、レーザーラジアル級のユースセイラー25名でした。2日目には鳥取県の高校生も合流し、420級は10艇のフリートとなりました。

参加者には地元出身の大学生もおり、彼らは参加者というよりもむしろ私のアシスタント役として高校生との同乗を買って出てくれました。このことにより、私が講義でアドバイスした海面の見方や基本的なボートハンドリングを海上ではしっかりと感覚的に捉えることができていたように思います。後輩の大学生たちには感謝です。

また、地元指導者の先生方は、私がコーチングに専念できるよう、配艇の工夫やマークセッティング、動画撮影やシェアグループの構築等、阿吽の呼吸で海、陸にわたって絶大なるサポートをいただきました。地元との繋がりを再認識できる私にとっても意義ある2日間でした。

参加者には1年生が多く、競技経験の差にも開きが大きかったこともあり、初日の午前中は帆走練習の中で各チームの特性や課題を確認し、午後からマークラウンディングに移りました。

2日目は初日の各課題をテーマにマークラウンディングからスタートし、午前午後の最後はレース形式の練習を行いました。ユース期の冬季練習、特に1年生にとっては海上でセーリングすること自体が高いハードルですが、寒さにも負けず最後まで集中してセーリングに取り組み、あっという間に様々な技術を習得していき、相乗効果でセーリングへの興味が深まっていく様を目の当たりにし、指導する私も嬉しくなりました。

2日間の練習を通じて私が伝えたことは、セーリングを楽しむということです。楽しむためにも、主体性をもって自ら考えて行動し、もっともっと積極的であってほしいと伝えました。もう一つは、動機や目標を明確にするということです。楽しむことが重要ですが、セーリングは危険を伴うスポーツです。覚悟と自覚を持って取り組む必要性からも明確なビジョンが自らを助けることになります。具体的に講義した内容は、気象海象の知識や道具の特性、セーリングのメカニズムや競技ルール、仲間やチームとのコミュニケーションの取り方などです。正しくシーマンシップなのです。

東京オリンピックが無事に閉幕し、2022年、新しい年がスタートしました。今回コーチングの機会を提供していただいた主催者の皆様、現地で私をサポートしていただいた指導者の皆様、そして、慣れないコーチングにもかかわらず一生懸命参加していただいたジュニアユースセイラーの皆様に感謝を申し上げるとともに、ますますのご活躍と海上安全を祈念して、光アカデミーの報告といたします。(レポート/小泉維吹)

穏やかにスタートした光の2022年アカデミー

穏やかにスタートした光の2022年アカデミー



シーマンシップの大切さを説く維吹コーチ

シーマンシップの大切さを説く維吹コーチ



海上で個別に指導する維吹コーチ

海上で個別に指導する維吹コーチ



維吹コーチの話に集中する受講生

維吹コーチの話に集中する受講生



維吹コーチは受講生たちに「明確なビジョンが自らを助ける」と主体性を持つことの大切さを伝えていた

維吹コーチは受講生たちに「明確なビジョンが自らを助ける」と主体性を持つことの大切さを伝えた