ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー 新居浜2022/Jan/13


新居浜アカデミーの参加者、スタッフの皆さんと

新居浜アカデミーの参加者、スタッフの皆さんと


2021年11月13、14日、愛媛県新居浜市でシーマンシップアカデミーが開催された。山田真コーチとコーチと佐藤麻衣子コーチのレポートを紹介する。(J-Sailing)

■ヨットを続ければ必ずいいヨット乗りになってくれる
元オリンピック代表の佐藤麻衣子コーチと共に2日間のコーチングをさせていただきました。2日間とも新居浜には珍しく気温は低めではあったものの、6mほどの西風が入り、練習海面に恵まれたのコーチングとなりました。

今回のコーチングの要請を受けたときに、普段は高校生・大学生を中心に社会人等もコーチングを行っている私が、小中学生に、しかもほとんど経験のないOPを教えることに躊躇しました。しかし、セーリングの本質はどの艇種も一緒という考えの下、「これも経験だ」と自分に言い聞かせて引き受けました。

初日は、中学生を中心としたAクラスを佐藤コーチが、小学生を中心としたBクラスを私が担当しました。
Bクラスは小さな子どもが多く、少し風が上がると怖くて泣いてしまったり、私の言葉が理解できなかったりということがあり、セーリングの内容よりも、言葉遣いや雰囲気に気を使いながら、楽しくヨットに乗ってもらうか、どのようにセーリングを学んでもらうかがテーマとなりました。試行錯誤しながら、気疲れと笑い疲れで過ごした1日であり、夕方にはほぼコーチとして挫折状態の自分が出来上がっていました。
ヨットを教える中で一番難しいのはヨットを始めたばかりの子どもが対象の時であると確信し、普段からジュニアを教えているコーチや父兄の皆様には本当に頭が下がる気持ちでこの日を終えました。
他方、一生懸命ヨットを上手になろうと頑張る子がいたり、楽しんで乗っている子がいたり、この気持ちでヨットを続けてもらえれば必ずいいヨット乗りになってくれると楽しみにもなりました。

2日目は佐藤コーチと交代し、Aクラスの子どもたちを教えました。次週に全日本が控えているという状況もあり、朝のミーティングからスタートについての質問やコースについての考え方など大人顔負けの質問が飛び交い、子どもというより選手としての対応をしなければいけないと感じながらのコーチングとなりました。

普段から船や風を感じ、船にストレスのない状態でセーリングを行うように指導していますが、子どものころからセーリングを行ってきているAクラスのほとんどの選手は感覚がつかめており、少しの変化を伝えるだけで良くなることも多いと感じました。今後は、起こった事柄を自分なりに理論的に考えられると、もっと確実な技術や自信に成長すると考ます。

この2日間で私もジュニアコーチを学ぶよい機会となり、皆様には大変感謝しております。ありがとうございました。(レポート/山田真)

■マークを上手に打つのもシーマンシップです
今回のアカデミー開催はちょうどOP全日本の前週というタイミングであり、全日本に参加する選手にはいいトレーニングになりました。

11月13日、Aクラスは全日本に向けてのトレーニングを中心に、レースで注意すること、ルールなどの話をしながら練習しました。
BクラスはまだどちらかというとCクラスレベルの選手が多く、アビーム、タック、ジャイブなどのセーリングを練習しました。

14日は少し天気が崩れましたが、講師を入れ替えて練習をしました。
Bクラスの選手も、日曜日の午後にはセールをしっかり引き込んで、クローズホールドを走り、上下のマークを回ることもできるようになりました。来シーズンからはAクラスに昇格できそうです。
Aクラスの選手たちは午後から、岸近くからはOPが見えなくなるほど風上に上っていって、しっかりスピード練習ができたようです。
両日とも、新居浜では珍しく風が終日あり、参加者たちはしっかり乗り込むことができました。
参加者はセーリングの技術だけではなく、講師たちから様々なシーマンシップの話を聞き、大変楽しく過ごせたようです。
久しぶりの新居浜は潮が速く、マークを上手に打つのが難しかったのですが、これもひとつのシーマンシップですね。(レポート/佐藤麻衣子)

開会式で挨拶する山田コーチと佐藤コーチ

開会式で挨拶する山田コーチと佐藤コーチ



海上練習の様子

海上練習の様子



海上練習の様子

海上練習の様子



出艇前の入念なミーティング

出艇前の入念なミーティング



準備体操

準備体操



帰着後、ホワイトボードを境にしてA、B各クラスのミーティング。様々な質問がとびかっていた

帰着後、ホワイトボードを境にしてA、B各クラスのミーティング。様々な質問がとびかっていた