第46回全日本470級ヨット選手権大会 兼 第31回全日本女子470級ヨット選手権大会2017/Aug/29

優勝を決めた直後の岡田奎樹(右)、外薗潤平

優勝を決めた直後の岡田奎樹(右)、外薗潤平

第46回全日本470級ヨット選手権大会 兼 第31回全日本女子470級ヨット選手権大会が2017年8月17日〜23日、神奈川県藤沢市・江の島ヨットハーバーで行われた。


8月開催の全日本—―海外からトップ選手も多数参加

今年の470全日本は、昨年までと一味違った大会となった。毎年11月に開催されていた大会が真夏の8月に行われ、エントリー113艇中30艇が外国勢と国際大会のような様相を呈していたからだ。
「3年後の東京五輪を見据えて、開催時期を8月にしました。五輪本番と同じ時期ということもあって海外選手も多く、いつものストイックで悲壮感すら漂う全日本とは違い、明るく開放的な雰囲気の大会になりましたね」と、信時 裕 日本470協会理事長。

明るく楽しげな雰囲気とはいえ、マット・ベルチャー(AUS)、ルーク・ペイションス(GBR)、ルーカス・カラブレッセ(ARG→現在USA)のロンドン五輪金、銀、銅メダリストや、ベルチャー/ライアン組(AUS)、Skrzypulec/Gliszczynska(POL)組の現世界チャンピオンが男女ともに参加するなど、いつもにも増してハイレベルな戦いが繰り広げられた。

1日をのぞき、微〜軽風に終始した今大会。決勝シリーズ序盤でリードしたのは、愛媛国体に向けペアを結成した今村亮/大嶋龍介組だ。
「軽風が予想される愛媛国体で優勝を狙うため、減量しています。それが軽風コンディションに活かされていると思います」と今村選手。

大会期間中、唯一、夏らしく南からのシーブリーズが吹いた決勝シリーズ2日目には、海外転戦組の磯崎哲也/高柳彬組、市野直穀/長谷川孝組らが安定した走りで上位に浮上。ベルチャー/ライアン組など強豪外国勢をおさえ、最終日のメダルレースへと進んだ。

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全日本優勝は岡田/外薗組、全日本女子タイトルは宇田川/関組へ

男女の区別なくレースが行われる全日本。海外選手、特に女子選手は慣れない環境に苦戦したようだ。
「男子と一緒に走るのは初めて。風が上がってくるとマーク回航などの混戦で競い負けてしまうこともありました。でも、いろいろ勉強になり収穫の多い大会でした」と話すのは、女子1位(総合21位)のシルバ・マス/パウラ・バルセロ組(EPS)。

微〜軽風では男子と互角に戦い、一時は総合8位につけた宇田川真乃/関友里恵組は、強風に苦戦し最終成績は総合23位。しかし日本人女子トップで全日本女子のタイトルを獲得した。
「今年、海外遠征に二度行き、ボロボロになりましたが、少しずつ自分たちの走りができるようになってきたと感じています。まだまだ課題が多いですが、全日本女子のタイトルが取れたのは素直にうれしいです」と宇田川選手と関選手は笑顔を見せた。

大会最終日は、外国勢4チームを含む上位10チームによるメダルレースのみが行われた。コンディションは再び微風。昨日まで共に戦った選手たちが観戦艇から熱い視線を送る中、さすがトップテンというきれいなスタートでレースが始まった。

第1マークをトップで回ったのは、決勝シリーズ8位の出道耕輔/中川大河組。決勝シリーズ2位の磯崎/高柳組が第2マークでトップに出るものの、最後のダウンウインドで出道/中川組と競い合ううちにレイラインをオーバーして後続艇に逆転を許してしまった。

トップフィニッシュしたのは、岡田奎樹/外薗潤平組。決勝シリーズ3位でメダルレースに進んだ大学生と社会人ペアが優勝し、全日本タイトルを手にした。
「即席ペアということで練習時間は短かったですが、お互いに良いコミュニケーションが取れた結果が優勝に繋がったと思います」と外薗選手。
「1位、2位との差がそれほどなかったので、とにかくトップをとって優勝するぞと思っていました。僕はまだ東京五輪を目指すペアが固まっていませんが、今はいろいろな人と乗って知識やテクニックを増やす時期だと思っています」と言う岡田選手はフィニッシュ直後、外薗選手と抱き合って喜びを爆発させた。

五輪メダリストをおさえ日本勢が表彰台を独占し、大学生スキッパーが全日本タイトルを手にした真夏の全日本。東京五輪までの3年間は、毎年8月に江の島ヨットハーバーを拠点に開催されることが決定している。(レポート/西朝子、写真/平井淳一)

大会サイト https://www.alljpn470.org



優勝 岡田奎樹/外薗潤平組

優勝 岡田奎樹/外薗潤平組





優勝 岡田奎樹/外薗潤平組

優勝 岡田奎樹/外薗潤平組







磯崎哲也/高柳彬組

2位 磯崎哲也/高柳彬組





磯崎哲也/高柳彬組

2位 磯崎哲也/高柳彬組







市野直穀/長谷川孝組

3位 市野直穀/長谷川孝組





市野直穀/長谷川孝組

3位 市野直穀/長谷川孝組







Mathew Belcher/Will Ryan

4位 Mathew Belcher/Will Ryan(オーストラリア)





Hippolyte Machetti/Sidoine Dantes(仏)

5位 Hippolyte Machetti/Sidoine Dantes(フランス)







Carl-Fredrik Fock/Marcus Dackhammar(スウェーデン)

7位 Carl-Fredrik Fock/Marcus Dackhammar(スウェーデン)





Deniz Cinar/Ates Cinar(トルコ)

8位 Deniz Cinar/Ates Cinar(トルコ)





女子優勝の宇田川真乃/関友里恵組

全日本女子優勝の宇田川真乃/関友里恵組



女子の表彰式

女子の表彰式