第56回パールレースの運営について、フィニッシュ側実行委員会から寄稿いただきました。(J-SAILING編集部)
■経過
第56回パールレースは7月24日(金)午前11:00五ヶ所湾口を27艇(エントリー40艇)でスタートし、7月25日(土)20時過ぎに全艇が江の島へフィニッシュしてレースを終了しました。
約半年前よりJSAF外洋東海、外洋湘南、江の島ヨットクラブ等のスタッフで打合せを重ね、NOR、五ヶ所側・江の島側案内、SI・通信要項、危機管理プログラム等を検討し準備してきました。
■台風発生
ところが台風12号の発生により、最も危惧される状況が……
にわかにレース艇の安全や特にレース後の江の島ヨットハーバーでの外来艇繋留について、ハーバーマスターやレース関係者との連絡調整が頻繁になり、12号の動向に注視しました。
かつて相模湾のヨットハーバーは、台風の直撃により岸壁の崩壊、繋留艇の破損、沈没、桟橋の流出等かなりの被害があり、悲惨な情景が目に浮かんできます。
予想によると、レース終了までは12号の大きな影響は少なく、予報円の南側いっぱいが江の島にかっていました。江の島の海上保安庁からは実施するのか? との問いかけもありました。
■情報提供
12号の動向を考慮し江の島で最終調整しつつ、スタート前日23日(木)の艇長会議で台風時における江の島ヨットハーバーの状況について、具体的なバースの数や漁船の避難艇数、緊急避難港として入港した場合の状況等、また合わせて周辺ハーバーについて説明をしました。
また関東から参加する艇で江の島係留希望の艇は遠来艇に譲るようお願いしました。これらは台風が最も南側通過を想定したものです。このような中でも私たちコミッティは全力で尽くす旨お伝えしました。
■結果
台風の影響はほとんどなく、フィニッシュ後、入港希望の艇は江の島へ繋留することができ、その後、台風は消え、真夏の太陽の下、随時母港へ向け手を振り出帆して行きました。その笑顔が何よりです。レースへの回航からフィニッシュ、そして母港につないだ航海が終了します。「UW」
■運営とスタッフ
レース前夜祭から表彰パーティの4日間だけで延べ120名程のヨットの仲間たちがボランティアで手伝っています。パーティ準備、スタート、ロールコールおよびその整理、フィニッシュタイムキーパー、泊地の誘導、事故発生への備え等、ワッチを組んで数日間張り付いています。
みなさん、運営に携わることによってヨットレースをより理解することができます。レースに参加するだけでなく、どんなレースでも結構です。まず運営に参加してみてください。ヨットの視野が少し変わると思います。(フィニッシュ側実行委員長、江の島ヨットクラブ副会長・押小路 実弘)