
参加総数58名の津アカデミー
7月18日~19日の2日間、三重県の津ヨットハーバーにおいて第3回となるシーマンシップアカデミーが開催されました。
まずは、誘致先を代表して2名のアカデミーコーチをはじめとするJSAFのサポートに感謝を申し上げます。
コンディションに恵まれ、初日は20kt前後の強風、2日目は午前が8kt前後の軽風、午後が12kt前後の中風のなか、参加者たちは大きな疲労感とともに充実した2日間をおくることができました。
また、講習を通してセーリング競技の価値の一つである「シーマンシップ」の学びを得られたことも大きな収穫でした。
活動目的が競技上の勝ち負けに偏りすぎると、セーリング人口や認知度が停滞し、最終的には競技力向上にも繋がらない改めて感じました。

初日強風レースのスタート直前

初日教示のILCAセーリング練習
普段は決まった指導者の元で活動している選手たちですが、全国や国際大会で活躍する指導者からの言葉には重みがあり、真剣に取り組む姿がとても印象的でした。
また、近年の高体連では専門の指導者が不在のチームも少なくなく、現に今回、引率者のスケジュール問題により急遽参加を見送らざるを得ないチームもありました。
こういった現状を踏まえて、今回のようにシーマンシップはもちろんのこと、知識や技術を整理して教えてもらえる機会は、選手たちにとってたいへん貴重なものです。
私自身、地元での合同練習会や遠征先でのこと、活き活きとした目で質問に来る高校生がたくさんいます。
自然環境や道具も揃っており、知識も十分に得られる恵まれた環境にいる自チームよりもはるかに前向きな姿勢を感じる選手が全国各地に存在しています。
チャーター艇を用意することができたならば、もっと多くのユースセイラーが参加できたのかな?と実施責任者として反省しています。※今回は420を1艇準備

中村公俊コーチの練習後デブリーフィング
一方で、高体連のなかでセーリング競技は非常に苦しい立場にあります。
子どもの数は減り、各学校の持つ予算は減少し続けている状況のなか、活動に必要な備品や消耗品、支援艇のガソリン代等の価格が上昇し、遠征はもとより日々の活動すら難しくなってきています。
高校部活動の良さは誰でも低予算で活動ができることですが、今後は一定の受益者負担を求めざるを得ない見通しにあります。
セーリングの価値をもっと高めることにより、地域や保護者の理解を得ていくことが必要でしょう。
今回の津アカデミーでは、対象を広げることにより参加者数が自分たちのキャパを超えてしまうことを懸念して、ユース世代を中心にアナウンスしましたが、ジュニア選手も取り込んで、その指導者や保護者を巻き込んで連携すれば、より良いアカデミーになったといまさらながらに振り返っています。
改めて、今はまだまだ少ないジュニア〜ユース世代が所属するクラブがもっと増えて、高体連とも連携していければと感じました。

真剣な眼差しの受講者の皆さん

山本悟コーチのシーマンシップ講義
JSAFでは、アカデミー事業の主管が育成委員会に移ったこともあり、参加者の中から選抜チームを推薦し、今後の育成を支援していく方針ということをお聞きしました。
これは非常に良い取り組みだと思います。所属するチームによっては、スケジュール等の事情はあると思いますが、機会があればうまく連携し、是非参加したいと考えています。
レポートのおわりに、今後も日本のジュニア~ユースセイラーがもっと増えて、盛り上がっていくことを心より祈念いたします。(レポート:日本420協会副理事長 津工業高校ヨット部顧問 伊藤 秀郎)
