ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー事業が、9年目を迎えることとなりました。
これまで北は北海道、南は沖縄までの全国津々浦々を巡ってきましたが、アカデミー委員と現地の皆さまとの間で「シーマンシップ」を通じての結びつきや共感が深く広がっているように感じています。これからも世代間、地域間をつなげる役目を果す中で、セーリングの素晴らしさを皆さまと共有していければと思います。
今年度の第1回アカデミーは蒲郡で開催しました。現地からのレポートを紹介いたします。(JSAFジュニア・ユースアカデミー委員会)
■蒲郡アカデミー・レポート
2017年4月22~23日、愛知県蒲郡市海陽ヨットハーバーでジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーが行われました。
講師にジュニア・ユースアカデミー委員長の中村公俊さん、レーザーラジアルクラスで選手としてもご活躍中の蛭田香奈子さんをお迎えし、愛知県の高校ヨット部員、海陽ヨットハーバーで活動するヨットクラブ員など11人の選手とその指導者や保護者5人が参加し、シーマンシップを基本とした座学と海上練習が行われました。
アカデミーはまず講師と選手の簡単な自己紹介から始まりました。中村さんと蛭田さんは常に選手たちを苗字ではなく名前で呼ばれ、より親近感のある雰囲気が生まれました。
中村さんは座学冒頭で、何事にも「基礎・基本が大切」という事を語られた後、「シーマンシップとは?」との質問を選手たちに投げかけ、選手たちがそれぞれに考え答えました。このように、講師が質問し、選手が考えて答えるという形式でヨットレースおける重要な要素についてまずは陸上で学びました。
海上練習では、1日目は習熟別に、2日目は4.7とラジアルクラス別に2グループに分かれ行われました。
1日目はおよそ8m/s前後、2日目は5~6m/sほどの風があり、体力的にきつそうな選手も見受けられました。しかし講師陣は一人ひとりのレベルや適性をしっかりと把握され、選手のレベルに合った的確なアドバイスをされていました。選手たちは練習しているその現場でアドバイスを受けられるということに、手ごたえを感じていたようです。
座学でも海上練習でも、中村さん、蛭田さんは教えるだけではなく、なるべく選手自身が自分で気づき考えるように指導をされていました。特にユースの年齢の選手にとって、自分で気づき、間違いを修正するスキルを身に着けることは、成長への近道であると感じました。指導者や保護者にとっても、大変に勉強になるアカデミーでした。
愛知県では、高校ヨット部に属さないシングルハンドの選手たちは練習相手や指導者の不足などで練習環境に恵まれず、OPで育ってきたジュニアセイラーの卒業後の受け皿となる環境がないことが課題でした。今年度からは蛭田さんが海陽ヨットハーバーでレーザー級の選手たちの指導にあたっていただいています。感謝するとともに、私たち保護者も地元愛知のセイラーを育てるために何ができるのか、考えなくてはいけないと思います。
2日間に渡り、熱心にご指導くださいました中村さんと蛭田さんに深く感謝を申し上げます。 (三軒わかば/海陽海洋クラブ 保護者)