ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー青森レポート
「なぜ なぜ? 何故?」2016/Oct/25

若きチーム青森の皆さん

若きチーム青森の皆さん

10月15日〜16日、青森県青森市にある合浦(がっぽ)ヨットハーバーでジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーが開催されました。

今回のアカデミーの参加者は青森工業高校と大湊高校の選手、指導者、青森県セーリング連盟の方々です。コーチは、トヨタ自動車東日本所属の轟賢二郎さんと蛭田香名子でした。

冬支度で臨んだ青森でしたが、2日間とも晴天に恵まれ、ひなたでは半袖でも暑いくらいでした。昼頃から3〜5m/sの程よい風が吹いてくれたこともあり、素晴らしいアカデミーとなりました。

朝の風がない時間帯に陸上講義から始まりました。
轟コーチの講義では、ヨットが走る原動力は何かという話から始まり、気象の知識やヨットに欠かせない道具を大切にすることの重要性を学びました。

轟コーチがよく口にしていた言葉は「なぜ?」です。
スタート前には何をするかという轟コーチの質問に対して、参加者からは「風、潮などを確認する」という答えが返ってきました。まさしく正解なのですが、「なぜ潮を確認するのか」と返されます。この他にも「なぜ早く出艇するのか」「なぜ、なぜ? 何故?・・・・・・」。「なぜ」にこだわる理由は本質を理解しないと実際のレースでは役に立たないということです。

「潮を確認して何をするのか」「早く出艇して何をするか」「風を確認して何をするか」。「理由がなければやらない方がいい」とまで言われ、選手たちは自然と考え積極的に発言するようになり、セーリングへの理解も格段に深まりました。

私からは動作に関することを1つ伝えました。それはヨットを体で動かすことです。
ラダーでまっすぐ走らせるのは1年もあればできるようになりますが、肝になるのは次のステップです。体のバランスで船を行きたい方向へ操ることができるようになるとハンドリング技術が格段にレベルアップします。これを私の経験から伝えたいと思いました。

さて、頭をたくさん使った講義の後は楽しい海上練習です。
今回はサポート体制がしっかりしていたため、コーチは実際に乗って見せる、一緒に乗るという時間を取ることができました。

ダブルハンドで轟コーチと同乗した選手は言うまでもなく、コーチのセーリングを間近で見ていた選手たちは目を見張るスピードで上達していきました。自分との違いを見つけてたくさんの質問もしてくれました。講義で正しい知識を身につけ、コーチのセーリングを目の当たりにしてイメージを膨らませたうえで実際にやってみる。とても効果的なカリキュラムとなりました。

今回、初めてアカデミーに参加し、セーリングの本質やシーマンシップをうまく伝えられたか不安ですが、少しでも選手たちの成長に繋がればうれしいです。

青森県の指導者、スタッフの方々には大変お世話になりました。合浦ヨットハーバーは合宿ができる艇庫になっていて、とても効率よく練習ができる環境だと思いました。冬になると1mもの積雪になり

セーリング活動はオフになるようですが、体づくりにはオフシーズンも必要です。その地域の特色を強みに変えてほしいと思いました。チーム青森は若い方々が多いですし、選手たちの今後の活躍がとても楽しみです。(レポート/豊田自動織機 蛭田香名子)



正しいスピンのしまい方

正しいスピンのしまい方





正しいハイクアウト

正しいハイクアウト







轟コーチの青空教室

轟コーチの青空教室





蛭田コーチによるロールタックの実践

蛭田コーチによるロールタックの実践







陸上講義では道具を学ぶ

陸上講義では道具を学ぶ





真剣に耳を傾ける選手たち

真剣に耳を傾ける選手たち







夕方の講義ではアプローチの取り方を学ぶ

夕方の講義ではアプローチの取り方を学ぶ





水平線の向こうは津軽海峡?

水平線の向こうは津軽海峡?