2015 NST伊藤園マッチレース・ファイナル クリスマス・マッチ2015/Dec/26

伊藤園マッチレース・ファイナルで優勝した大野稔久選手(左端)とチーム<アドローズ>

伊藤園マッチレース・ファイナルで優勝した大野稔久選手(中央)とチーム<アドローズ>

2015 NST伊藤園マッチレース・ファイナル クリスマス・マッチ(主催:ニッポン・セール・トレーニング)が、7人のスキッパーの参加を得て12月19日~20日、神奈川県逗子市三浦郡・葉山マリーナで開催されました。

優勝したのは大野稔久選手。大野選手は葉山マリーナヨットクラブ(HMYC)の<アドニス>、<フェローズ>という2艇の混成チーム<アドローズ>で参戦し、待望の優勝を遂げました。最終結果は、1位大野稔久、2位藤井麗、3位加藤琢也、4位上松勲、5位山本将大、6位加藤文弥、7位戸谷壽男となりました。

ここで、本レースの主催者であるニッポン・セール・トレーニング(NST)について説明します。

NSTは葉山マリーナにYAMAHA30S を6艇所有し、ビギナー向けのセール・トレーニング(ST)を年間9回、フリートレースの「葉山シリーズ(HS)」を9回、そしてマッチレース(MR)を8回開催しているNPO法人です。

6艇のYAMAHA30Sは上記のイベントのほか、レンタル艇としても使われており、近隣ヨットクラブが主催するレースに参加しているグループや、デイセーリングやインカレ応援、レースの開催など様々な用途で利用されています。

NSTの始まりは、2000年にアメリカズカップに挑戦したニッポン・チャレンジが解散した後、練習艇だったY23、8艇を引き取ったことからでした。その後、HMYCが主催していた国際マッチレース大会「ニッポン・カップ」で2003~2004年に制式艇だったY30Sを引き継ぎ、現在に至っています。

NSTの発足は、マッチレースを日本に根づかせ、日本のセーラーに世界へ向けて活躍する場を提供したいというNST代表、小田切満寿雄氏(日本マッチレース協会=JYMA名誉会長、元JSAF副会長、元HMYC会長)の情熱と貢献なくしてありえなかったことです。30ftの艇が6艇、いつでも利用できる状態で維持されているNSTの存在は、マッチレースのみならず、我が国のセーリング普及に計り知れない貢献をしていただいています。

一昨年のMRシリーズからは、小田切氏の情熱に共感した「お~いお茶」の株式会社伊藤園さんがスポンサーとしてサポートしてくださるようになり、「NST伊藤園マッチ・シリーズ」として新たな発展のステージを迎えているのです。

年間8回のうち、MR1~7の通算ポイント上位がMR8シリーズ・ファイナル(今回のNST伊藤園マッチレース・ファイナル)に進出し、年間優勝を決定します。第7戦までのMR 1~7には優勝賞金3万円、そしてファイナルでは優勝30万円、2位10万円、3位5万円の賞金が提供されます。ちなみに、ヨットレースとしては日本で唯一の賞金レ―スとなります。

今、日本のマッチレース界は世代交代の過程にあります。今回の顔ぶれを見てもひところに比べ、ガラッと変わっています。JYMAが主催する「学生マッチ」を経て出てきた人も多数含まれます。伊藤園さんのサポートを得て、NSTのMRシリーズがさらに発展し、マッチレースが再び盛り上がることに大いに期待しています。(レポート・田中正昭=チーフアンパイア、写真・Taku SATO / Shutterz)

NSTのフェイスブック

https://www.facebook.com/NipponSailTraining/

「お~い お茶」のスピンを掲げて競われたマッチレースの1シーン

「お~い お茶」のスピンを掲げて競われたマッチレースの1シーン



 

優勝賞金30万円を受け取る大野選手。左はNST代表の小田切満寿雄氏

優勝賞金30万円を受け取る大野選手。左はNST代表の小田切満寿雄氏