JSAFジュニア・ユースアカデミー委員会は、全国のジュニア~ユース層の選手とその指導者や関係者を対象に、シーマンシップについての理解を深める啓発活動「ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー事業」を行っています。
本事業は、歴代のオリンピアンやナショナルチーム経験者を講師に迎え、シーマンシップをキーワードとした座学や海上講習、講演活動を行うものです。
その一つ、2015年度の第7回のジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーが10月31日~11月1日、愛媛県松山市の堀江海岸で開催されました。
開催地の堀江海岸は360度島々に囲まれた安全な場所で、海面も十分な広さを有しています。瀬戸内特有の軽風と強い潮流という水域独特の特徴に悩まされることがあるかもしれませんが、同じ瀬戸内セイラーとして思うには、そのハンディさえも繊細さと創造力を鍛える強みになり得ます。
砂浜からの出着岸に不便を感じるかもしれません。しかし、ヨットも救助艇もクラブ員で協力して運ぶ必要があり、それによってクラブの一体感を生み出すという効果を生み出します。施設はコンパクトですが艇庫とクラブハウスが整備されており不自由はありません。余談ですが、3kmほど西には白石ノ鼻という巨岩が海岸線から突出しており、無風時にOPを曳航してこのパワースポットを参拝しました。ご利益のあることでしょう。
今回参加されたのは、松山B&G海洋クラブのOPセイラー12人とクラブの指導者・保護者の皆さん、そして愛媛県セーリング連盟の関係者の皆さんでした。
派遣されたコーチは、ロスオリンピック470級代表クルーの山本悟氏です。同氏は470級で活躍された後、レーザーやスナイプ、大型艇のタクティシャンとして、幅広い選手経験と実績を積まれ、現在では、当アカデミーでのコーチングはもとよりオリンピックを目指すチーム、県連、学連、高体連、ユース、ジュニア等のコーチとして活躍されています。
氏のコーチングで感心させられたのは、選手の年齢や経験値に合わせた指導内容や話術の巧みさです。レクチャーの間は、参加者全員と言葉のキャッチボールがあり、楽しさと緊張感が絶妙にバランスされていました。
毎回のアカデミーに帯同するたびに思うことですが、子どもたちが選手として人間として成長していくように、それを後押ししたり引き上げたりする指導者や大人も、機会を得ては進化していく必要があります。
今年度の開催予定のほぼ半分を終了しました。残る半年、アカデミーの取り組みが選手のみならず、クラブや地域を啓発し、盛り上げていく活動となるよう取り組んでいきます。興味のあるクラブや県連の関係者の方には、本シーマンシップアカデミーを是非ともご活用いただけるようご案内申し上げます。(ジュニア・ユースアカデミー委員会委員長・中村公俊)
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