2024 JSAF ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー at 沖縄県・石垣島2025/Mar/20


Seamanship Academy Ishigaki

シーマンシップアカデミーに集まったジュニアセーラーたち



2025年3月8日、9日の2日間、沖縄県石垣島にてジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミーが開催されました。

開催日:2025年3月8日、3月9日
開催場所:沖縄県石垣島
講師:吉岡美帆 (パリ2024オリンピック混合470級 銀メダリスト)
対象:石垣海洋少年団、石垣ジュニアヨットクラブ OP級 約12名

2日間を通して、曇りや小雨でしたが気候は寒くもなく暑くもなく心地の良い気温でした。
まず今回のアカデミーを通して皆さんに伝えたいこと、それは海が好き、セーリングが好きという気持ちを大事にして欲しいということです。
私が3大会オリンピックに出場し、長年色んな壁を乗り越え頑張ってこられたのは、私の根本にあるセーリングが好きという気持ちと海が好きという気持ちを大切にしてきたからです。

Seamanship Academy Ishigaki

オリンピック銀メダリストの吉岡美帆さんが講師として指導


まず現地に着くとみんなは準備を済ませ、海で楽しそうに遊んでいました。私からすると海に入るにはまだ寒いくらいだと思いましたが、子供たちは無邪気に遊んでいて本当に海が好きなんだと感じました。
1日目の午前中は防波堤に囲まれた湾内で、リーダー艇についていくフォローザリーダーを行いました。まだヨットに乗るのが数回程度の子供も数人もいましたが、頑張って前の子について行き、ヨットを操っているのが印象的でした。
また、途中で沈をしてしまう子もいましたが、指示をきちんと聞いて、落ち着いて沈起こしをすることもできました。

Seamanship Academy Ishigaki

湾内は初心者でも安心してセーリングできる環境


午後からは湾外に出て少し遠い海面でコースを回りました。
B,Cクラスの子にはティラーの持ち方、テルテールを見ること、クローズでしっかりセールを引くこと、乗る位置などをアドバイスし、まっすぐ走ることを目標に頑張りました。
Aクラスの子は潮が強かったのでスタート時のアプローチの仕方やコースの取り方に苦戦していました。また、ダウンウィンドで波に乗るための乗艇位置や上らせ方、下らせ方などをアドバイスしました。
練習後は懇親会が行われ、ジュニアのお母さんが沖縄のご飯を用意してくださり、沖縄そばや魚のフライ、ジューシーいをみんなで頂きました。

Seamanship Academy Ishigaki

メダリストの講義を真剣に聞くジュニアたち


2日目の午前中はAチームとBチームに分かれ、Aチームを中心に練習を見させてもらいました。
湾内でゴムボートをサークリングしたあと、タック、ジャイブ練習、短いコースを回り動作をメインに練習しました。動作時のロールのかけ方、マーク回航の仕方、セールの引き方などをアドバイスしました。何回も同じことを繰り返すことで子供たちが上達していくのがわかりました。
動作練習はヨットの基本で大事なことです。私も現役時代は課題を克服するまで何回も練習することで体に染み込ませていました。

Seamanship Academy Ishigaki

陸上で自らタッキング動作を披露する吉岡講師


午後からは湾外に出て、帆走練習をした後、レース練習を行いました。午前中練習した動作をレースで再現することを意識して取り組む、スタート前の準備をしっかり行おうという事をミーティングで話し、海に出ました。
AチームBチーム合同で行ったので全体を見させてもらい、気づいた点はその場で個々にアドバイスさせて頂きました。Aチームは細かいヒールバランスやセールトリム、ハイクアウトにも意識して行いました。Bチームはテルテールをしっかり見て走ることを意識し、Aチームに頑張ってついていこうと頑張りました。

Seamanship Academy Ishigaki

湾から出ると様々なコンディションでの練習ができる


2日間を通して風は軽風、中風が吹き、いいコンディションで練習をする事ができました。
私は練習に取り組む前には毎回何か課題と目的を持って取り組んでほしい。その課題が克服できるよう、一つのことに集中して取り組んで欲しいということを伝えました。
私自身も現役の時は毎回、一つでもいいので課題を克服できるよう、その課題に焦点を当てて練習してきました。それは確実にその課題を克服するためです。何でもいいので1日1つでも課題を克服することができれば、自分が成長している証だと思います。
そして、まずヨットの練習をするために重要なことは安全です。必ず1人で行って帰って来ることがヨットに乗る上での第一条件だと思います。石垣ジュニアたち達は沈起こしの練習をしたいと自ら言ってくれたことは、シーマンシップにとっても大切なことだと思います。

石垣島はセーリングをするのにとてもいい環境です。湾内だと波が立たず、初心者も乗りやすく、見渡せる範囲なので安全です。湾外に出ると波は高くなり、風も入ってくるのでいろんなコンディションで練習ができます。何より綺麗な海で乗るヨットは気持ちがいいです。
こんなに素晴らしい環境がある石垣島で、セーリングというスポーツがもっと盛んにことを祈念して、私のレポートとさせて頂きます。(講師 吉岡美帆)