ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー 福岡県・小戸2024/Feb/25


2024年2月17日~18日、福岡ヨットハーバーにて、OPセーラーを対象としたシーマンシップアカデミーを行いました。集まったのは初級B・Cクラスから全日本選手権に参加するAクラスまでの総勢16名。福岡ジュニアヨットクラブの皆さんを中心に遠く広島からの遠征組もありました。

Junior Youth Academy at Odo

小戸で開催されたアカデミーにの参加者たち


私はAクラスを担当し、B・Cクラスはクラブの岡田コーチを中村委員長が補佐する形で役割分担しました。二日間とも微風ではありましたが、両日とも海上練習を行うことができ、まずは普段通りの練習から、皆さんの実力や練習内容を観察させていただき、その後、コーチの皆さんともディスカッションしながら、選手からのリクエストも聞きつつ、練習メニューを工夫していきました。

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テーマを提供する高木コーチ


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ブリーフィングを行う岡田コーチ


Aクラスは既にスタートやコース練習をしたいというレベルでしたので、基本を徹底することを伝えながら練習を進めました。私の個人的な見解ですが、ジュニア選手はよく他艇ばかりを見ていて風を見ていない選手が多く見受けられます。いわゆる「対艇」が主体で「対風」が戦略の主軸にありません。ヨットは風を使って走るスポーツですので、小さくまとまらずに風を中心とした大局を捉えることが大事であり、失敗や皆と違う方向へ進むことを恐れずチャレンジしてほしいということを伝えました。そのためには自分で考える力を養うことが重要となります。クラブのコーチ陣も選手に「考える力」を持たせたいと話していましたが、コーチが全ての指示を出すのではなく、選手自身が自分で考えられるように導くことがコーチングの肝となります。二日間を通して同じ練習メニューを行いながら、徐々に難易度を上げていきましたが、選手たちは目を輝かせながら練習に取り組んでくれました。楽しむことが上達への一番の近道です。練習終了後も「まだ練習したい!」と要望してくる彼らは、将来有望なヨット界の宝です。

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コーチングを受ける参加者


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OPが大きく見える初級クラス


最後の講習では、シーマンシップについて「競技としてセーリングに取り組むからには1番を目指すことは大事なことで、既に皆さんにはその資質は十分備わっています。今後、自分が目標として尊敬できる選手像に近づけるよう、更に頑張っていきましょう」と伝えました。尊敬される選手は技術力に人間性の高さも比例しています。ヨットが速いだけでは十分ではありません。

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海上講習後の振り返り(Aクラス)


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海上講習後の振り返り(BCクラス)


私はアカデミーの講師陣の中では年齢が上の方で、もう52歳になりますが、講師陣には珍しくまだ現役選手でもあります。50歳を超えてもまだ大学生を相手に対等に競えるセーリング競技は、素晴らしい生涯スポーツだと言えます。二日間でお伝えできることには限りがありましたが、今回の講習が皆さんの成長のきっかけになっていただければ幸いです。また機会があれば一緒にセーリングしましょう!(レポート:アカデミーコーチ 高木 克也)

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スタートをチェックする高木コーチ