ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー 大分県・別府2023/Dec/30


Beppu seamanship academy

大分・別府で開催されたシーマンシップアカデミーの参加者たち


別府アカデミーレポート(2023年12月23日~24日) 
               
 OPのクリスマス合宿が12月別府で毎年開催されていると聞き、一度は行ってみたいイベントでした。私にとって久しぶりのアカデミーであり新鮮な気持ちで参加させていただきました。別府の町は本当にコンパクトで何も不自由を感じさせないロケーションです。12月の海水こそ少し冷たいですが、海も澄んでいてまた沖から陸を見渡すと壮大な山々が自然の素晴らしさを演出してくれています。また、ここ別府の出身のセーラーには470や420の世界チャンピオンなどたくさんの優秀なセーラーが誕生しています。幼少期にここで育ったセーラーはきっと学ぶことが多かったのだと思います。

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別府湾から見る山々の山頂付近にはうっすら雪が


 そんな別府には本年は43人のOPセーラーが集いました。まだ、ヨットに乗って間もない選手から世界で戦うことを目標としている選手まで様々ですが、子供達が集まると歳や所属に関係なく自然と仲間になり、また海では良きライバルとして技術を試すことができる関係性が本当に素晴らしいと思います。大人にはなかなか真似できないことです。

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開会式に集まったジュニアセーラーたち


 沖の運営は選手を4グループに分け、私は上位から2番目のA2を担当。普段したことがない練習もあったりで選手は大変なこともあったかもしれません。しかし、基本的な練習を繰り返し行うと選手はどんどん上手くなっていくのが目に見て取れます。初日は陸からのフレフレの順風でした。昼からは全員で合同コース練習。夜にはコロナ禍を終え、4年ぶりの花火を見ながらのバーベキュー。非常に有意義な会となりました。二日目は残念ながら風がほとんどなく陸で座学を行いました。午後から海に出ますが、やはり風弱くほとんど練習できませんでした。これもセーリングです。

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初日にリブボートに乗って海上講習を指導する松永コーチ


 今回選手を見ているとみんな声を掛け合って楽しそう乗っていたのが印象的でした。セーリングを長く続けていると時々忘れがちなのが「楽しむ」ことです。時には思うようにならなくて悲観的になってしまうことも人間誰しもあります。しかし、今回のようなイベントに参加している選手を見ると本当に楽しそうだなっていうのがひしひしと伝わってきました。私自身もOPからセーリングを始めましたが、当時は同じような気持ちでいつもフレッシュな気持ちでセーリングしていたことを思い出しました。選手の皆さんからたくさんエネルギーをもらい、考えさせられることもあり、私自身初心に戻ることができた良い機会になったと思っています。また、私からは少しでも選手に刺激(意欲)を与えてあげることができたのであれば何よりです。

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無風に近い中で出艇した2日目の午前練習


 ジュニア・ユースのセーラーには良い競争の場と自分たちで考えることができるようなコーチングがあればどんどん伸びていくと思います。セーリングは自然が相手の競技なので絶対という言葉はなかなか当てはまらない競技です。競技中に止まることもコーチからアドバイスすることも一切禁止されているため自分で感じ、考え、判断する力を養わなければ選手の成長はありません。また、成長していく過程を選手自身が楽しめることがあれば、それが何よりも高みを目指して競技を続けていくモチベーションになるのではないでしょうか。

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2日目の午後は曳航の演習となりました


最後に、このクリスマス合宿に際しご尽力いただきました関係者各位、感謝申し上げます。また、機会があればこのイベントに参加させていただきたいと思います。
(レポート:ジュニアユースアカデミーコーチ 松永鉄也)

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練習を振り返る松永コーチ