年 頭 挨 拶
2023年の年頭に当たり、JSAF会員の皆様、ボランティアやスポンサーの皆様、すべてのセーリングファミリーに謹んで新年のお祝いを申し上げます。皆様におかれましては、新春を清々しい気持ちでお迎えのことと、心からお慶び申し上げます。
冒頭、皆様におかれましてもご承知おきの通り、河野博文前会長が昨年11月5日にご逝去され、連盟と致しましても偉大な先達の突然の訃報に大変なショックを受け、大きな喪失感に襲われることとなりました。心より故人のご冥福をお祈り申し上げます。
2023年を迎えるにあたりまして、JSAF会長と致しましては、前会長のご遺志を受け継ぐものとしてこの悲しみを乗り越え、敢然と前を向いて進んでいく決意を新たにしております。
昨年は、引き続き新型コロナウィルスの世界的な蔓延の影響が色濃い年となりましたが、皆様の各方面におけるご尽力の結果、日本各地でのレース活動が再開され、セーリング活動の正常化に向けて動きが本格化すると共に、密を避ける取組として公式掲示板や審問がオンライン形式となるなど、アフターコロナの新しい運営の形が模索され、徐々にスタンダードとして浸透していった一年でありました。
オリンピック強化委員会においては体制が一新され、東京オリンピック後の厳しい財政状況の中ではありますが、①2024年パリ五輪でのメダル獲得、②2028年ロサンゼルス五輪を見据えた次世代育成、③物的・人的資源配置の最適化の3点を指針として掲げて強化活動に邁進しており、ユースの大会においては早速複数メダルを獲得するなど、嬉しいニュースも入って参りました。
また、東京オリンピック以降で最初の国内での国際大会である「2022 ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップ」と「パラワールドセーリングチャンピオンシップハンザクラス 」の2つの大会を、広島県セーリング連盟を始め多くの方々のご協力の下、広島観音マリーナにおいて無事に開催することが出来ましたことも、今後の障がい者セーリング、インクルーシブセーリングを強力に推進していくにあたって非常に良いニュースとなりました。
また同大会においては参加する選手が楽しみながら環境保全活動に携わることができるよう「SDGsレース」を実施するなど、新たな試みが行われた画期的な大会となりました。
更には、和歌山においては5月に「外洋ダブルス日本選手権」が開催されるなど、外洋レースシーンにおいても新たな兆しが見られ、セーリングの在り方の多様性について、改めて再認識をすることのできる魅力多い一年となりました。
そして、JSAF内部の組織体制につきましては経営企画室を設置し、JSAF業務基盤の強化に向けて各種施策の実施に取組んでおります。スポーツ界の不祥事が相次ぎ、スポーツの価値が改めて問われる時代だからこそ、ガバナンスを強化し、コンプライアンスを徹底し、社会からの期待に応え得る組織を作って参ります。
今年の干支は「兎」です。JSAF会長と致しましても、就任3年目となります今年を一層の跳躍の年とするべく、就任当初より掲げております「生涯スポーツとしてのセーリング」というキーワードを改めて胸に刻みながら、オリンピック強化、インクルーシブセーリング、環境保全、コンプライアンス遵守・ガバナンスの確立・維持・発展といった重要課題に全力で取り組んで参ります。
また、全国各地のヨットクラブをご訪問させていただきながら、クルージングとヨットクラブライフの充実、若手セーラーの受入れとパスウェイの構築といった課題に着手をして参りたいと思います。
2023年が昨年にも増して「明るく、楽しく、前向き」にセーリングができる日々になりますとともに、皆様が健康にこの一年をお過ごしになられますようにお祈り申し上げて、新年のご挨拶とさせて頂きます。
2023年1月1日
公益財団法人日本セーリング連盟
会 長 馬 場 益 弘