JOC・JSPO主催のカンファレンスで環境委員会がJSAFの取り組みを発表2022/Dec/16



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JOC/JSPO主催「令和4年度スポーツと環境カンファレンス」登壇者たち©JOC/アフロスポーツ



12月3日、ジャパンスポーツオリンピックスクエアにて日本オリンピック委員会・日本スポーツ協会主催の「令和4年度スポーツと環境カンファレンス」が開催されました。アルペンスキーの皆川賢太郎さん、リュージュの小口貴久さん、カーリングの近江谷杏菜さんという3人のオリンピアンとともに当連盟・環境委員会から永井真美がパネリストとして登壇。当日は事例紹介として10月に広島県・広島観音マリーナで開催された「ハンザクラスワールド広島大会」でのSDGsレースの話をしました。

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発表する永井委員©JOC/アフロスポーツ


広島大会では使い捨てのプラスチックをなるべく使わない日々の環境保全への貢献*1、大会期間中のイベントへの参加等様々な取り組みを試みましたが、その中でも特にSDGsアプリを駆使しての環境貢献の可視化については新たな取り組みとして他のNFからも大きく称賛されました。

またJSAFの掲げるDEI(デイ:Diversity, Equity & Inclusion)、特にEquity*2の考え方についても「思いもつかなかった視点」と評されました。

1980年以降気温上昇率は深刻化し、このまま温暖化が進むとオリンピックを開催できる都市はどんどん減っていきます。冬季オリンピックでは雪確保が深刻な事態です。もはや人間による活動が地球を温暖化させてきたことに対し疑う余地はなく、スポーツの環境によっては競技場建設や、夜間照明により私たちも加害者にもなり得ます。また一方で、自然災害では被害者にもなりうる。IOCでも「アスリートは自然の保全、環境保全の義務がある」としています。

知識=意識、新しい社会作りの力=人数X意識X行動
「スポーツを通じ次世代に何を残せるか?」

アスリートはロールモデルや指導者として、ファンや多くの関わる人に広くメッセージの発信を求められています。一人ひとりは小さな力でも、皆が集まれば大きなパワーとなります。NFを横断したつながりも大切です。他の競技団体からも学び、良いことは取り入れてみんなで環境保全活動を広げ、発信していきたいです。(レポート:永井真美 業務執行理事・環境委員会委員)

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現役の若いアスリートも熱心に聞き入った©JOC/アフロスポーツ



*1
大会期間中、ハーバー内にウオーターサーバーを数カ所設置し、マイボトルでの給水を促しました。ウオーターサーバーによる会期中の水消費量は8リットルタンク X65本=520リットル。これは500mlのペットボトル換算1,040本分となります。マイボトルの導入により、ペットボトルをそのまま廃棄した場合と比べて163,280gのCo2を、またペットボトルを全数リサイクルしたとしても102,960gのCo2相当量が削減できたと言えます。*
*(単純に500mlのペットボトルのみの排出量比較 -ペットボトルリサイクル推進協議会データを引用)

*2
JSAFは「DEI」Diversity(ダイバーシティ、多様性), Equity(エクイティ、公平性), Inclusion(インクルージョン、包括性)を重視しており、EはEquality 「平等」もよく耳にしますが、我々はEquality ではなくEquity「公平」「公正」をうたっています。つまり、すべての人に平等な機会を与える以上に、ちゃんと一人ひとりの個々に合わせて支援内容を調整し、公平な土台を作り上げることによりDiversityも成り立つ。Diversity をやればよいというのではなく、Diversity の実現のためには同時にEquityが必要だと思っています。
例えば何かにアクセスする場合、簡単な例でいうと全員に同じサイズの踏み台を平等に配るのではまだアクセスできない人もいるかもしれません。背の低い人も高い人もいます。Equity は個々に合わせた踏み台を配ることによりみんなが同じようにアクセスできるように公平な土台をつくるということです。つまり、配る踏み台の数を変えて、誰でも公平にアクセスできるようにすることが重要だと考えています、とイラストを使い概念の説明しました。