ハンザクラス 2つの国際大会が盛況のうちに閉幕2022/Oct/31



2022 Hansa World

僅差の白熱した戦いが行われたハンザクラスの国際大会



10月20日~23日、「ハンザクラス」の2つの国際大会が広島観音マリーナで開催され、ヨーロッパ、中東、アジア、オセアニア、北米、南米の13カ国から114人の選手が参加し、フレンドリーな雰囲気の中、熱戦が繰り広げられました。

2つの国際大会のひとつは「2022ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップ」。性別、年齢、国籍、障がいの有無に関係なく同一ルール、一斉スタートで競います。もうひとつは「パラワールドセーリングチャンピオンシップハンザクラス」で、障がいのクラシフィケーション(クラス分け)評価を持つパラアスリートによるレースです。

表彰式では「ハンザクラスアジアパシフィックチャンピオンシップ」および「パラワールドセーリングチャンピオンシップハンザクラス広島」のほか、特別賞、SDGsレース賞、それぞれの表彰が行われました。瀬戸内海の夕景を見ながら行われた表彰式の後は、参加したセーラーたちが連絡先を交換し、再開を約束している姿があちこちで見られました。

Liberty1,2,3

パラワールドのリバティサーボクラスでは日本の佐々木亮さん(車椅子右端)が3位に


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Group Photo

表彰式の後、再会を誓って笑顔で記念撮影!


【セーリングをパラリンピック種目に!】

今大会に参加した選手たちの中には、「夢はパラリンピック出場・メダル獲得」という目標を掲げる選手も少なくありません。
パラ・セーリングがロサンゼルス2028大会の種目としてで採用されるよう*、世界中で「#BackTheBid」「#SailToLA」キャンペーンを展開しており、今大会においても選手たちは積極的にキャンペーンに取り組んでいました。
*パラリンピックにおいてセーリングは、1996年のアトランタ大会でデモンストレーション種目として採用され、2000年のシドニー大会から公式種目に採用されました。以後リオデジャネロ大会まで5大会連続で行われましたが、東京2020大会では実施されず、パリ2024大会でも実施されないことが決まっています。

セーリング競技のパラリンピック復活を目指して #BacktheBid #SailtoLA!!

セーリング競技のパラリンピック復活を目指して #BacktheBid #SailtoLA!!


【SDGsへの取り組み】

我々セーラーにとって、「SDGs目標14. 海の豊かさを守ろう」は密接に関わる切実な課題です。
今大会では、日本セーリング連盟が開発した「SDGsアプリ」を使って「SDGsレース」も実施しました。例えば、「ペットボトルを使わなかった」ら「1ポイント」ゲット。「ユーズドセールでリサイクルバッグを作った」ら「5ポイント」ゲットと、楽しくポイントを獲得するというものです。

大会会場では、ユーズドセールを再利用するバッグ作りワークショップや、アウトドアウェアメーカーのパタゴニア広島店様とのコラボレーション企画であるビーチクリーン活動、そして近畿大学工学部のご協力で実現したマイクロプラスチック研究ブースを設け、セーラーそして大会関係者の多くが「残したいのはきれいな海」という認識を再度確認、より一層「いま自分たちができることからアクションをしていこう」という気づきと行動につながったようです。

●ビーチクリーン
毎日13時にマリーナセンター隣接の浜辺で実施、SDGsレースでは参加したら10ポイントと高得点を獲得できるアクションでした。
パタゴニア広島店様では、ビーチに流れ着いた牡蠣養殖場で使用されるプラスチックパイプを再利用する取り組みを実施。今大会期間中実施したビーチクリーンで拾われたプラスチックパイプは、パタゴニア広島店様にお渡ししました。

Beach Clean

大会ボランティアも参加してのビーチクリーン


●近畿大学工学部マイクロプラスチック研究ブース
海上に出た選手が海水を汲んでブースに持って来たらSDGsレースで10ポイントと、こちらも高得点アクションでした。
研究ブースでは顕微鏡で、海水に含まれるマイクロプラスチックを見たり、また研究チームの苅部講師や学生さんに自由に質問することができ、知っているようで知らない「マイクロプラスチック」のことや、マイクロプラスチック研究の最新情報を伺うことができました。

Kinki university

マイクロプラスチックに関するパネル展示を行った近大ブース


microplastic

レース海域の海水を採取して海洋ゴミの調査研究に協力


●ユーズドセールのリサイクルバッグ製作ワークショップ
JSAF環境委員会によるユーズドセールを使ったバッグ作りのワークショップ。セーラーも気軽に参加しリサイクルバッグ作りに挑戦していました。

recycle sail work shop

リサイクルバッグ作りに熱中する徳良湖ヨットクラスのメンバー