ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー
宮古島レポート2022/Feb/20



海洋少年団の制服で集合写真

海洋少年団の制服で集合


シーマンシップアカデミーが2月12、13日、沖縄県宮古島パイナガマビーチで開催された。今回は磯崎哲也コーチと土居愛実コーチの2人態勢だった。

■セーリングの楽しさをさらに広めたい
今回の参加者は地元の海洋少年団の小学1年生~6年生の20人。半数を占める高学年生は、陸でヨットの練習はしていましたが、海で乗るのは初めて。残る低学年生は、ヨットに乗ること、ふれること自体が初めてでした。
2日間とも雨で、彼らにとって人生初のセーリングを心から楽しめるか不安でしたが、終わったときには全員が笑顔で感想をうれしそうに伝えてくれたので、ほっとしました。

今回は、セーリング経験が初めて、ということを踏まえて、
・「セーリングを楽しんでもらうこと」
・「初めてのことへの挑戦を経験してもらうこと」
を2日間の目標としてプログラムを進めることにしました。

1日目の午前中は2人でヨットに乗りました。
午後からは、1人で乗りたい、という積極的な姿勢を尊重して1人ずつヨットに乗り、ゴムボートを目指して帆走しました。
人生初のセーリングにもかかわらず、その日のうちに全員がまっすぐ目標に向かって帆走することができ、技術の吸収力の高さに驚かされました。

2日目の午前中は出艇前にタックのシミュレーションを行い、ゴムボートを目標にタックとジャイブの動作練習をしました。
午後からは、グループ対抗のミニレースを行いました。チームごとに作戦を話し合い、それぞれが戦略を考えながら取り組みました。チームごとにチームメイトへの声がけや手助けを積極的にしており一体感を感じました。
最後は、海に落ちた時を想定した船への戻り方を練習しました。最初は怖がりながらも自分たちで一生懸命考えながら取り組みました。

今回は、参加者全員がセーリング初体験ということで、私たちにとっても初めての経験となり、とても刺激を受け、様々なことを学びました。
参加者のまっすぐで素直に心からヨットを楽しんでいる様子が見られて、セーリングの楽しさをさらに広めていきたいと感じました。
関係者の皆さま、2日間お世話になり、ありがとうございました。(レポート/磯崎哲也)


■講師も考えさせられるとてもよい機会
参加者全員がセーリング初体験ということで、「ひとりでヨットに乗れるようになること」「安全に海を楽しむこと」に重点を置き、セーリングの楽しさを伝えられるよう努めました。
沖縄の冬は風が強く、海に出られるかが心配でしたが、子どもたちの願いが届いたのか、幸運にも2日間ともに海に出てセーリングを楽しむことができました。

子どもたちは海洋少年団という団体に所属し、普段からボーイスカウトや環境保護活動などに取り組んでおり、子どもたち同士の連携やコミュニケーションがとても取れているように感じました。そして教えたことをすぐに吸収し、自分たちで一生懸命教え合っている姿を見て、教えている私たちが癒されました。

人数が多く船の数も限られていたため、参加者の半数が出艇し、半数が陸で待機する形を取りました。陸で待機をしている間はタックやジャイブのシミュレーションに加え、海の環境保護を目的としたマイクロプラスチックに関する講習も行ないました。

宮古島の子どもたちは身近にキレイな海があるからか、環境問題への意識が高いことに感銘を受けました。セーリングを楽しんでほしい、うまくなって活躍する選手が現れたらいいなという気持ちの一方で、普段からセーリングに取り組む海をもっと大切にしなければならないと、講師である私たちも考えさせられるとてもよい機会になりました。

宮古島の海洋少年団はまだ発足したばかりで、これからセーリングにもっともっと取り組んでいきたいという意欲的な子どもたちばかりです。今回のアカデミーを機にキレイな海に囲まれた最高の環境である宮古島で、ひとりでも多くの子どもたちがセーリングを楽しんでくれたらとてもうれしく思います。(レポート/土居愛実)

サバニ小屋で行われた開会式

サバニ小屋で行われた開会式



艤装の練習から開始

艤装の練習から開始



皆で協力して艤装

皆で協力して艤装



陸上で乗り方の練習

陸上で乗り方の練習



初めての海上練習。まっすぐに走らせることに集中

初めての海上練習。まっすぐに走らせることに集中



2日目の午後は「エイエイオー!」のかけ声と共にグループ対抗レースを行なった

2日目の午後は「エイエイオー!」のかけ声と共にグループ対抗レースを行なった