- 取り組み概要
- ・同競技の発展を支援すると共に国際パラリンピック委員会(IPC)の競技採用基準を満たすために戦略の優先順位を決定
- ・同競技に親しむ地域を2023年までに6大陸の45か国に拡大
- ・世界中の選手たちが、SNSを利用した#SailtoLA キャンペーンを展開
ワールドセーリングは、多様性と包括を実現し、手ごろな価格でスポーツを楽しみながら上達できることに焦点をあてており、障がい者も健常者も参加できるイベント数を増やしてきました。ワールドセーリングのデイビッド・グラハムCEOは、「過去5年でパラセーリング国際大会の参加国は30%増加しており、代表選手らは次世代のアスリートに夢を与えた」とコメントしました。今年10月2日~9日に行われたハンザクラスの世界大会では、アジアやアフリカを含む23か国から181人の選手が出場しました。
パラセーリングの大きな特徴は、障がい者と健常者を区別しないスポーツであることです。スペインのパラセーリング選手、ガブリエル・バロッソデマリア氏は、「私たちは同じルールの下で一緒に競い合うが、勝敗を分けるのは身体の障がいではなく選手としての技能」と述べた上で、「セーリング競技のインクルーシブ(社会的包括)は、社会全体にとっても大きな学びとなる。海の上で実践できるのであれば、社会生活の中でも実現できるはず」としています。
日本セーリング連盟の馬場益弘会長は、「東京2020パラリンピックは、オリンピックと同様に私達に大きな感動を与えてくれました。しかし残念ながら、東京大会においてパラセーリング競技は実施されませんでした。日本でも1996年のアトランタ・パラリンピックから今日まで、多くの選手が最高峰の舞台で日の丸を掲げることを目標に練習に励んで参りました。また連盟としても障がい者セーリング推進委員会を中心に国際大会の誘致や大会運営に携わり、知見を積んで参りました。今回のパラリンピックにパラセーリング競技を復活させるワールドセーリングの取組みに対し、当連盟としても深く賛同し、協同して参ります。また、当連盟は、2026年にわが国で開催される愛知・名古屋アジアパラ競技大会において、パラセーリング競技が実施されるように、連盟一丸となって目指しています」とコメントしました。
パラセーリングは1996年のアトランタ大会でデモンストレーション競技(公開競技)としてデビューをし、2016年のリオ大会まで採用されていました。東京パラリンピック大会と2024年パリ大会では不採用となっていました。
ワールドセーリングの戦略的優先事項
- ・2023年までに6大陸の45か国で競技展開
- ・2023年までに、競技人口のうち30歳以下のアスリート比率を20%とする
- ・2023年までに、競技への女性参加率を30%にする
国際パラリンピック委員会(IPC)の競技採用プロセス
- ・2028年LA大会についての競技採用プロセスは明らかになっていないが、東京やパリ大会でと同じであれば、2021年10-12月期に採用に向けた申請を行い、2022年5月を目途に内定が出される見込み。