2019年度JSAFジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー
第13回日南アカデミーレポート
高い気温と海水温、最適な冬季練習地と確信!2020/Feb/07

九州のユースセーラーたち

九州のユースセーラーたち

2019年12月25日、26日、宮崎県南のセーリング拠点である日南市大堂津で日南アカデミーが行われました。

受講生は、アカデミー翌日から開催される九州ユースチャンピオンシップのため、九州各地から前入りしたユース選手61人、引率者8人ほか関係者合わせ総勢80人ほどの大所帯になりました。

JSAFからは中村公俊委員長が帯同し、講師には9月まで男子470級で東京オリンピック選考を戦っていた、前回リオオリンピック代表の今村公彦コーチと私、山本悟(ロスオリンピック代表)が務めました。

年末とは思えない暖かな初日の朝、艇庫にあふれんばかりに集まった受講生を前に、中村委員長の挨拶とシーマンシップについての説明があり、続いて各講師の自己紹介と簡単な思い伝えるところから始まりました。

420級は今村コーチと中村委員長、シングルハンダー級を私が担当することになり、早速練習海面へと向かいました。

420級はすぐにショートコースでマークが打たれ、回航練習に入りました。岸から吹くムラのある軽風だったため、経験の異なる2年生と1年生では、かなりコンビネーションに差があるようでした。それらが交じり合う20艇前後の1艇1艇に声をかけながら、並行してコーチボートから指摘箇所を撮影しました。また、風がなくなり練習が中断された際、まるで水面を無抵抗に舞う枯葉のようなランニングを中村委員長が披露しました。これも撮影のためであり、アカデミーならではの光景です。

練習後の陸上座学は、大型スクリーンに映した動画を用い、積極的に講師から受講生に質問を投げかける形式で行われ、2日間にわたり大人数の受講生の集中力を途切れさせないようにしました。

シングルハンダー級は「アクティブラーニング」を今回も取り入れました。これは2012年から講師をさせていただいている私が1年ほど前から強く感じている「考える力の必要性」を用いた手法です。具体的には、初日「動作の3技術」と2日目「ランニング2つの走らせ方と風の流し方」を情報共有し、練習で各自に速い方を選んでもらい、練習後に選んだ理由を発表(プレゼン)してもらうというやり方です。考えることに集中してもらうため、私は海上で一言も発しませんでした。一見何も指導していないようですが、子どもたちの集中の度合いとプレゼン内容から見て、さらに深めたい指導法だと感じています。

2日目は昼から風がなくなり早上がりとなり、午後4時にアカデミーを終えました。2日間を通して、九州の熱心な指導者と関係者の皆様のサポートにより、安全面から食事面に至るまで何も心配することなく指導に専念できました。本当に、ありがとうございました。

最後に、特筆すべきは宮崎県の自然環境です。

冬の練習は体が冷えて辛く感じますが、高い気温と海水温のため非常に楽で、練習効果が上がったと実感しました。毎年、プロ野球チーム等がキャンプを行う宮崎県はセーリングにとっても最適な冬季練習地です。九州だけではなく全国から選抜されたセーラーがこの地で練習することができれば、2020年東京オリンピック以降の国際競技力を更に高めることにもつながります。日南は世界有数の冬季練習地であると確信しました。(山本悟/ジュニアユースアカデミーコーチ)

シーマンシップを学ぶ九州のユースセーラーたち

シーマンシップを学ぶ九州のユースセーラーたち



今回が初登場となる今村コーチ

今回が初登場となる今村コーチ



シングルハンダーたちとアクティブラーニング中の山本コーチ

シングルハンダーたちとアクティブラーニング中の山本コーチ



選手権前とあって集中度の高かったレース練習

選手権前とあって集中度の高かったレース練習



地球温暖化の影響か、珍しく終始微軽風であった日南

地球温暖化の影響か、珍しく終始微軽風であった日南



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