ジュニアユースセーリング・シーマンシップアカデミー 光市会場レポート2017/Nov/17
■効率的な施設で講習
光市の海は、瀬戸内特有の温暖な気候と無数の島々に守られた穏やかな海面を有しており、ビギナーやシニアセーラーには最適のゲレンデです。それでいて東西南北、風向、風速にかかわらず常にトリッキーで、レーサーに必要な感性や風を読む力が養われます。
スポーツ交流村のヨットハーバーは宿泊、トレーニングジム、プールやレクリエーション施設などを備えており、今回のような合宿を行うにはたいへん効率的です。http://kouryumura.net/
参加者は兵庫、高松、松山、広島、光、北九州、福岡、別府、長崎など西日本のOPっ子が25人で、11月に行われるOP級全日本選手権に全員が参加するということでした。
■シーマンシップとは
今回のアカデミーでは、レースで使えるシーマンシップをいかに習得するかに力点を置きました。
シーマンシップとは自分の判断で海に出て、海上での有意義な時間を過ごし、安全に確実に陸に戻るための技能や知識、それを実現するための思考や体力だと考えています。シーマンシップの理解や習得度を見極めるためのひとつの手段がレース活動です。レースで好成績をあげる選手のほとんどが、シーマンシップのレベルが高く、カテゴリーが進むほどにシーマンシップと競技力は比例する関係にあります。
具体的にはレース当日を想定した陸上での時間の使い方、出艇してからレースを行い帰着するまでの海上での時間の使い方を中心としたレクチャーと基本動作、スタート、レース運びなどセーリング技術に特化したトレーニングを行いました。
■一番のサポーターは保護者の皆さん
今回のアカデミーは、全日本選手権前のレース練習を通じてそのことを子どもたちに伝えることができればという思いで講習しました。その気持ちが通じたのか、参加者全員がキラキラと目を輝かせながら私の話を聞いてくれ、海上でも積極的にドリルに取り組み、非常に好感のもてる講習となりました。
ジュニア世代のセーラーには保護者の支援が必須です。今回も多数の保護者が参加され、その情熱は選手とかわりません。私の講習に熱心に耳を傾けていただき、加えて海上運営の技術の高さはすばらしく、皆さんのサポートにより格段に講習の質は向上しました。一番のサポーターである保護者の皆さんと情報や理念を共有し、協働していくことがとても重要であると再認識しました。
今回の光市のアカデミーはセーリングの世界に深くかかわる私にとってもたいへん意義深いものでした。そして、日本の海から世界に誇れる数多くのシーマンが育っていくことを確信した2日間でした。(レポート/白石潤一郎)