江の島ヨットハウスに1964年東京オリンピックの写真が展示2015/May/27

ヨットハウス1階の写真展示

ヨットハウス1階の写真展示

昨年、新装オープンした江の島ヨットハーバー内にある江の島ヨットハウス。

オープン以来、すでに多くのレースの基地となり、レース本部が置かれて艇長会議の場所となり、ヨット乗りにとってはなくてはならない存在として機能しているが、そのヨットハウスに江の島を舞台に繰り広げられた1964年東京オリンピック・セーリング競技の貴重な写真が展示されている。

場所は2階のオリンピックメモリアルコーナー、そして1階のミーティングルームに通じる(ロッカールームに挟まれた)廊下の壁面。撮影はカメラマンの中島房徳さん。1964年当時、アメリカズカップの撮影などでニューヨーク在住していた中嶋さんに、日本ヨット協会(当時)の小澤吉太郎さんからオリンピックの撮影のために日本へ戻ってほしいとの依頼があり、中嶋さんは急遽帰国し、撮影することになった。

当時のカメラは大型で、フィルムカメラ式。レンズにはズームもなく、もちろんのことオートフォーカス機能もない。「アップを撮りたいときは、撮影艇が近づくしかない」という状況。しかもその撮影艇には自衛隊の協力の下、魚雷艇が用意された。魚雷艇は時々エンジンを高速に回す必要があり、撮影艇はしばしばレース海面を離れて周囲の海面を高速で走り回っていたという。

そのような困難な状況下で撮影された数々のレース写真は、当時のヨットレースの醍醐味を伝えて余りある迫力だ。モノクロゆえの、深い味わいも伝わってくる貴重な作品群だ。江の島ヨットハーバー来訪の際には是非ともご覧いただきたい。なお、2階のオリンピックメモリアル(展示室)内には、1964年オリンピック・セーリング競技に関するデータ(映像編、写真編、雑誌編、記録編)が閲覧できるタブレットも設置されている。オリンピックメモリアル(展示室)の利用方法に関しては湘南港港湾管理事務所(0466-22-2128)に確認のこと。(photo by Yoichi Yabe)

ヨットハウス2階のオリンピックメモリアル(展示室)

ヨットハウス2階のオリンピックメモリアル(展示室)



オリンピックメモリアル(展示室)内の写真展示

オリンピックメモリアル(展示室)内の写真展示