第六話 大会を終えて [ 16/Aug/2017 ]
〈ブラック〉優勝おめでとう。
そして2018年に向けて
「ジャパンカップ2017」は、
優勝 〈ブラック〉
2位 〈サマーガール〉
3位 〈スランジバー〉
と、1位~3位までを関西ヨットクラブからの遠征組で独占することになりました。
最終成績は→こちら
昨年の優勝艇で連覇がかかった〈サマーガール〉は、インショアレースだけの結果を見ると、6-1-2-1-1-1と圧勝。つまり、大会3日目のショートオフショアレースでのリタイヤ(18点)が大きく効いて連覇を逃しています。逆に、3位の〈スランジバー〉はショートオフショアでのフィニッシュが良い方に効いています。
大会3日めに行われたショートオフショアレースでは、〈ブラック〉、〈スランジバー〉の2艇のみがフィニッシュ。〈エスプリ〉、〈パピヨン〉はタイムリミットの2300に間に合わずDNF。その他の艇はどう考えてもタイムリミットには間に合わないとみてリタイヤしています。
本来、RRSでの"タイムリミット"は、
タイムリミット内に1艇もフィニッシュしない場合、そのレースは中止となる
という意味のもので、そのレースが成立するか否かの"タイムリミット"ということ。レースが成立すれば、以降、フィニッシュした艇はすべてそのタイムが記録され順位がつきます。
ところが今回は、帆走指示書で、
タイムリミット内にフィニッシュしなかった艇はDNF
とRRSが変更されています。
これは、タイムリミットの2300までにフィニッシュできるかどうかを競う競技、とも解釈できます。
「ジャパンカップ」はワンデザインの着順勝負ではなく、TCCで時間を修正して競うもので、今回のフリートでいえば、TCC最大艇と最小艇のTCC差は13時間走ったとして約2時間30分。つまり、先頭艇がフィニッシュしてから2時間以上経っても熾烈な順位争いが繰り広げられている、ということで……。
タイムリミット内にフィニッシュしなかった艇はDNF
という、RRSを変えた設定も珍しくはないと思いますが、この場合、コース短縮の判断は難しくなります。タイムリミット内にフィニッシュできるか否かを競う状況になると、ゴールポストを動かすことになってしまうわけだから。
とはいえ、帆走指示書に明記されたこのルールの元で全力を尽くしフィニッシュしシリーズを征した〈ブラック〉の栄誉は揺るぎなく、「ジャパンカップ2017」の勝者として永遠に記録されます。
〈ブラック〉優勝おめでとうございます。
今の「ジャパンカップ」には、参加艇のTCC差が開きすぎるという問題が根底にあり、じゃあどうするか。
来年の「ジャパンカップ2018」をめざして、さっそくミーティングが開かれるということです。