RACE REPORT

Day7

2024.8.3

男女混合ディンギー種目、暫定1位をキープ
男女混合マルチハル種目は今日レース初日

マルセイユ・2024年8月3日

レース7日目。今日は地中海特有の北寄りの強風、ミストラルが吹く1日となりました。レース海面にもよりますが、コンスタントに15〜20ノット、ガストで25〜30ノットの風が吹くコンディションで、男女のディンギー種目ILCA7/6級、男女混合ディンギー種目470級、そして今日からレースが始まった男女混合マルチハル種目Nacra17級のオープニンシリーズが行われました。また昨日延期になったウインドサーフィン種目のメダルシリーズも行われました。

今日からレースが始まった男女混合マルチハル種目Nacra17級。スキッパーの飯束潮吹選手にとっては東京大会に続き2度目、クルーの西田カピーリア桜良選手は初めてのオリンピック出場です。強風予報で難しいレースになることを覚悟していた2人ですが、ギアトラブルなどもあり成績はふるいませんでした。

レースは始まったばかり。明日以降は再び風が落ちる予報なので、気持ちを切り替えて順位アップを目指します。男女混合マルチハル種目は1日3レース、計12レースのオープニングシリーズを経て、8月7日に上位10艇によるメダルレースが行われる予定です。

男女混合ディンギー種目470級は今日も予定どおり2レース行われ、岡田奎樹/吉岡美帆組は暫定首位をキープしています。

どちらかという強風でのスピードに課題がある岡田/吉岡組。強風予報の今日が一つの山場になると本人たちも意識してレースにのぞみました。1レース目はピンエンドのスタートを決めてレース中盤までトップでしたが、最後のダウンウインドで強風を得意とするスウェーデンに抜かれ2位でフィニッシュ。

続く2レース目は風向がコンスタントにシフトするコンディションの中、スウェーデンを意識しすぎてダウンウインドで後続艇団に追いつかれ、6位でのフィニッシュとなりました。それでも岡田/吉岡組は危なげなく暫定首位を守っています。明日は風が少し落ちる予報で、岡田/吉岡組が得意な風域となりそうです。

今日行われた男女ウインドサーフィン種目のメダルシリーズでは、新フォーマットならではのドラマがありました。

メダルシリーズはオープニングシリーズの得点がリセットされ、10〜4位による準々決勝、準々決勝上位2人と2〜3位による準決勝、準決勝上位2人とオープイングシリーズ1位による決勝が行われ、決勝の着順によってメダルの色が決まります。

大番狂わせは女子iQFOiL級で起きました。オープンニングシリーズで2位にダブルポイント以上の差を付け独走し、金メダル確実と思われていたイギリスのEmma Wilson選手が、決勝でまさかのビリとなり銅メダルに。レースが終わった瞬間、ボードの上でうずくまり頭を抱えた姿は悲痛なものがありました。優勝はオープニンシリーズ3位のイタリア、Marte Maggetti選手でした。

以前のフォーマット(オープニンシリーズの得点がリセットされない)であれば、こうした大逆転劇は起こりませんでした。賛否両論はありそうですが、最後まで何が起こるか分からないというスリリングさは、セーリング競技の新しい一面であることは間違いないでしょう。

【選手コメント】

Nacra17級クルー・西田カピーリア桜良選手
「初めてのオリンピックですごく気合いが入っていました。1レース目は感覚もすごく良くて、いい感じで上マークを回ったあと、ダウンウインドでジェネカーのハリヤードのカムが外れてしまって。それが5回ぐらい続いて、それでちょっと体力を消耗してしまったのと、3艇ぐらいに抜かれてしまったのが残念です。」

Nacra17級スキッパー・飯束潮吹選手
「初日は強風予報だったので難しいレースになると思っていました。出だしは良かったですが、ちょっとした艇のトラブルがあって、それから波に乗れずに今日1日が終わっちゃったという感じです。トラブルで集中力が落ちてしまい、しっかりレースに挑めなかったのが良くなかったね、というのはレース後にチームで話し合いました。明日以降は風域が変わる予報ですし、まだ始まったばかりなので、チームとしてクヨクヨはしていません。明日以降、切り替えてしっかりやっていこうと思います。」

470級クルー・吉岡美帆選手
「今日が山場だと思っていましたが、1レース目、2レース目ともにちょっとしたミスはありましたが、2位と6位、シングルにまとめられたので上出来だったと思います。レース後にハーネスの計測を行いましたが、まったく問題ありませんでした。今日はそうですね、さっぱりしたものが食べたいです。」

470級スキッパー・岡田奎樹選手
「1レース目の2番はまあしょうがないと思います。スウェーデンのアントンは強風が速いですし、最後のダウンウインドではブローの入りを逃してしまって、そこはちょっと運がなかったかなと思います。
2レース目は、途中からおさえておくべき順位を意識して、ヘダーでも構わず寄せていったんですが、ヘダー、ヘダーが続いちゃって、後続艇にも追いつかれてしまいました。昨日もやってしまったんですが、相手をガチガチにおさえずにノビノビと、ある程度ソフトにカバーして、(自分の順位を)3番以内に決定させてから、またダウンウインドで勝負すればいいのに、ちょっと固くおさえてしまい、後ろからドンと追いつかれちゃって、それで結局ダウンウインドも苦しくなっちゃいました。最後のレグで団子になった時、自分たちはルール的に避けなきゃいけないポジションだったので順位を落としてしましました。 振り返れば、なんでそんなことやったんだろうと思うんですけど、その瞬間は固くいったほうがいいなとか思っちゃう。ソフトにいったほうがいいのに、ついやっちゃうんですよね。テンションがあがっちゃって、『いったっれー!』みたいな。(スウェーデンの)アントンが2レース目もいい順位だと、カットしたらけっこう上がってくるので、そこ意識しすぎました。その挙げ句、自分だけ順位を落としちゃってね。まぁしゃあないですね。でも、全体的にみれば上出来じゃないですか、今日は風が強く、一番の山場でした。
明日からもう少し風が弱くなるので、そうしたら全然問題ないと思います。だから、明日からは期待してください!」