Day5
男子ウインドサーフィン種目iQFOiL級
富澤慎選手、5度目のオリンピックは総合18位で終了
PARIS2024 | 2024.08.01
2024.7.31
マルセイユ・2024年7月31日
レース4日目。今日はスキフ種目予選最終日で、男女ともに3レースを行い、メダルレースに進出する上位10艇が確定しました。
49erFX級の田中美紗樹/永松瀬羅組は、今日の3レースで13位-19位-11位となり総合17位。残念ながら目標としていたメダルレース進出はかないませんでした。二人にとって初めてのオリンピックは、成長を感じながらも悔しい結果で幕を閉じました。
男子ウインドサーフィン種目iQFOiL級の富澤慎選手にとっても厳しい1日でした。予定されていたマラソンレースが行われなかったため、長い、長い待ち時間の後、スラロームレースを4本こなしましたが、13位-17位-18位-21位という結果で暫定18位に後退しました。世界の強豪の壁は厚いようです。
明日は男女スキフ種目のメダルレースが行われます。男女ウインドサーフィン種目は明日が予選最終日。また男女のディンギー種目・LCA7/6級のレースも始まりセーリング競技は後半戦に突入です。
ところで、今日の目玉はオリンピックで初めて行われるウインドサーフィン種目のマラソンレースでした。その名前のとおり、マリーナに面した湾をぐるりと周回する長距離レースで、所要時間は60〜90分を予定。得点は通常レースの2レース分、倍の得点がカウントされます。
コース内にはフランス文学「モンテ・クリスト伯」の舞台となったシャトー・ディフ(ディフ島)などの観光地があり、またレースの様子は海岸線のいたるところからも見ることができます。フィニッシュは地元で人気のビーチ、プラージュ・ド・ポワンテルージュの目の前。観客を意識した意欲的なコース設定でしたが、距離が長く天候に左右される要素が大きいことが、今回は凶と出ました。
昼過ぎに女子のレースがスタートしましたが、スタートしてまもなく、ディフ島の島影に入ると風がなくなりフォイリング(水面に浮いた状態)ができない状態に。そこを抜けると再びフォイリングできるようになりましたが、風向の変化や風の強弱が大きく、レースは予定どおりに進みません。
結局、女子のマラソンレースは予定時間の90分を超えても1艇もフィニッシュできず、トップ艇団が最終マークを回ったところでレースがキャンセルとなりました。照りつける日差しの中、水分補給もできずにレースを続けた選手たちは体力的にもキツかったはずですし、レースが成立しなかったことで、特に先頭集団の選手は精神的なダメージもあったはずです。
女子レースのキャンセルを受け、男子のマラソンレースは実施されませんでした。また、4つあるレースエリアすべてを横切るため、その間はほかの種目のレースも実施できず、レース委員会はスケジュール調整にも頭を悩ませていました。マラソンレースについては再考の余地があると言えそうです。
【選手コメント】
49erFX級スキッパー・田中美紗樹選手
「最後の第12レース、成績自体は良くありませんでしたが、自分たちのベストパフォーマンスを出せたと思います。初日から段々と順位が下がる結果になってしまいましたが、全体を通して最初の予想よりはだいぶ良いレースができていたのかなと思います。自分たちの強みも弱みも全部出た大会でした。世界に通用する部分があることも分かり、課題だった部分もギリギリなんとか食らいつくことができました。次はまだあまり考えていませんが、何をするにしてもこの経験を活かせるようにしたいと思える大会になったと思います」
49erFX級クルー・永松瀬羅選手
「初日がすごく良かっただけに、日に日に順位を落としてしまってすごく悔しいです。ただレースをしていく中で、自分たちが課題としていたスピードはけっこう克服できたと感じられました。自分たちの中では納得したレースができており、そうした部分で悔いなく終われたのは自分としては良かったと思っています。毎日、岸壁で日の丸を掲げて、名前を呼んでくださる方々がいました。正直、その声を聞く度に嬉しい気持ちと、その気持ちに成績で応えたいのに応えられなくて、やるせなく悔しい気持ちがありました。今後、そういう方々に恩返しができたらなと思います」
iQFOiL級・富澤慎選手
今日は長い待機の後、スラロームを4レース行いましたが、大会期間中、今日が一番ダメでしたね。トップグループとのスピードの差はちょっと桁違いだと痛感しました。4回のスタートでいろいろ試しながらもがきましたが、スタートの瞬間のスピードが太刀打ちできませんでした。トップ選手とのスピードの違いがずっと課題でしたが、そこはまだ克服できていません。自分的には今日がビッグデイのつもりでしたが、予選最終日の明日、もう一度頑張ってみます」