オリンピック特別委員会 
オリンピック特別委員会

セーリングチームをヨーロッパで支えてくれる皆様へ − ありがとうございます!

セーリング競技は乗馬の次に荷持つが多くて移動が面倒な種目です。毎年のヨーロッパ遠征は艇の輸送から始まり、転戦のためにはヨーロッパ内を自動車に牽引でトレーラーを引くというスタイルになります。以前はトラック便で艇を送り、自分達は航空便で移動ということもありましたが、コストの面から、自分で運ぶことが必要になり、コンボイを組んで何チームかがまとまって移動をするようになりました。

いつものことですが、日本から凄い荷持つを抱えて、JALのセーリングチームの強化選手用の超過荷持ありチケットを片手にチェックイン。成田からアムステルダムまで飛んで、スキポール空港に到着したらJAL無料バスにのってブリュッセルへと移動。だいたい夜の9時頃にホテルへチェックインして、翌朝は歩いてブリュッセルのトヨタへ行きます。

トヨタはセーリングチーム用にハイエースを3台サポートしてくださるので、チーム全体でこれを分乗して使います。関東自動車工業チームは別枠でハイエースがあるため、足りなくなると、ここにも便乗させてもらいます。五輪本番の年はチームが小さな規模になるので問題はないのですが、前年は国枠とりをかけてチームが最大規模になるため、とても3台では足りません。そうなると、有償でランドクルーザーのように牽引できる車両をお借りして、何とか全員が動けるように整えます。

トヨタ号には立派なルーフラックがついていますから、屋根に470やレーザー、ウィンドサーフィンを積むことは可能です。また、荷持つが多いので、とにかくスペースが大きい貨物車は助かるのです。選手は長距離の移動にそなえて、音楽設備を持参し、自分の曲に飽きてくると交換して他の人のレパートリーを聞くようになるのです。

アトランタ五輪の頃からセーリンクチームへのサポートをしていただき、オリンピック3周目となりました。セーリングが会場となる青島でも、実はトヨタ号に運転手さんつきで、応援してもらっています。中国では国際免許が使えないので、自分で運転しませんが、オーストラリアやアメリカの大会も含めて、世界各地でセーリングチームをサポートしてくださり、ありがとうございます。


車をブリュッセルでピックアップしたら、オランダのティルブルグへ向かいます。レーザー級や欧州へ置きっぱなしの貨物はヘルメックス倉庫に保管していただいてますので、セキュリティーのしっかりした倉庫へと入ります。ヘルメックスの永島さんは、実はアトランタ五輪の際にもセーリングチームをサポートしてくださった経験があり、銀メダルをとった重・木下組の470をアメリカへ送ったとき、引き取りを手伝っていただきました。そんな縁もありますが、今は雑然としたセーリングチームのヨットやトレーラー、いつのまにか増えていた自転車などなど、格安料金で預かってくださります。

ヘルメックス倉庫から街の反対側へ向かうとMOL倉庫があり、日本から送った貨物はこちらでバンだしします。2006年にセーリングチームがMOL船にお世話になりはじめ、その頃にティルブルグへ赴任されてきた宮崎さんや高橋さん − 最初はヨットにびっくりされていましたが、この頃はすっかり慣れて選手のわがままなリクエストにも対応してくださり、たよりにさせてもらってます。 2006年レポートでも紹介しています。



五輪本番では、ヨーロッパ選手権が終わった後に、カルネで輸入通関している貨物を分割してアムステルダムからマストを中国へ航空貨物で送り、残りは日本へ出すとか、最後は押せ押せで無理難題を押し付けてしまいました。アムス空港の及川さん、ドイツの加藤さん、ロッテルダムの岩本さんほか、MOLグループの現地でがんばる日本の皆さんがいなかったら、語学達者でない選手達は活動こんなにスムーズに活動することができなかったと思います。おかげさまで、航空貨物は無事に青島へ到着、近藤・鎌田組は7月6日に海に出ることができました。

いつものことですが、アムステルダム空港から帰るRSXチーム − 国際空港の中をウィンドサーフィンひっぱりながら歩く姿は、ちょっと考えてしまいます。これをエレベーターに載せる姿を想像していただけますか?セーリングチームの遠征って、たいへんなんです。皆様の応援があってこそ、ここまで無事にこれました。後は、青島で仕上げにはいります。選手、役員、一同から、あらためて、御礼させてください。ありがとうございます。