● レース情報 / Race Informations |
斎藤 愛子氏のレポートです
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)イエール参加日本チームの全員集合です。 470級女子 近藤 愛・鎌田 奈緒子組が優勝!
表彰式の動画 (メディアプレーヤー 6.9M)
関連サイト: 大会のURL:
http://sof.ffvoile.net/index.php?page=3
2008年イエール・オリンピックウィーク のお知らせ
南仏のコートダジュールにあるイエール(Hyeres)にて、4月20日よりオリンピックセーリングウィークが開催されます。同大会は国際セーリング連盟のグレード1の大会であり、各国の強豪が出揃う世界選手権の次にレベルの高い大会となります。日本からは五輪代表選手、トレーニングパートナーを含めて6種目9艇が参加します。
イエールはマルセイユから東へ100kmほどの地中海沿岸の街で、巨大なマリーナには五輪11種目に加えて、パラリンピックの2種目が集まりました。スター級は17日までマイアミでレースを行っていたため、今回は参加がありませんが、それ以外のクラスは五輪代表選手がほぼ出揃い、また、ポーランドや中国、他いくつかの国はこの大会を五輪代表選考の最終大会としています。
日本チームは先週のガルダウィークで男子が3種目で優勝を果たして勢いにのりますが、今回はより高いレベルでの戦いとなるため、五輪本番へ向けての課題が克服されているかを確認する上でも重要なレースとなります。
大会スケジュール:
4月17日−19日 受付と計測 4月19日 プラクティスレースと開会式 4月20日−22日 予選があるクラスはグループ分けで予選レース)1日2レース、合計6レース)を実施。 4月23日−24日 決勝レース(予選があるクラスは1日2レース合計4レースを実施 4月25日 各クラスのトップ10艇によるメダルレース、表彰式 *予選レースがないクラスは20日から24日の5日間で1日2レース、合計10レースを実施。
日本からは9艇、14選手(男子11名、女子3名)出場します。 470級女子 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 コンドウ アイ ・ カマタ ナオコ アビームコンサルティング 470級男子81艇参加予定 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 マツナガ テツヤ ・ ウエノ タロウ スリーボンド 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 イシカワ ユウヤ ・ ヤナガワ ショウイチ 関東自動車工業 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 ハラダ リュウノスケ ・ ヨシダ ユウゴ アビームコンサルティング 49er級44艇参加予定 石橋 顕・牧野 幸雄 イシバシ アキラ ・ マキノ ユキオ 福岡ヨットクラブ(Team Believe) RSX級男子93艇参加予定 富澤 慎 トミザワ マコト 関東自動車工業 上野 一也 ウエノ カズヤ ウィンタートゥール生命保険 RSX級女子63艇参加予定 小菅 寧子 コスゲ ヤスコ ジェイ・ウィル・パートナーズ レーザー級163艇参加予定 飯島 洋一 イイジマ ヨウイチ 飯島木型
厳しいレースになると思いますが、25日のメダルレースに1艇でも多くの日本選手 が残れるように応援をよろしくお願いします。
2008年イエール・オリンピックウィーク 第1日目
2008年イエール・オリンピックウィーク 第2日目
前線のような低気圧が通過し、朝は激しい雨に見舞われましたが、レース開始時には西からの風が10−15ノット(エリアによって異なりました)入り、49erは昨日の中止になった分を取り戻すために4レース、その他のクラスは2レースを行い、いいレース日でした。
470女子は近藤・鎌田組が2−3で、トータル2位にあがりました。イエールでは上位3位までの各クラスの選手名をボードで掲示していますが、久々に日の丸が張り出されて、何かうれしい気分です。しかし、男子のほうは松永・上野組が今ひとつコースがひけておらず、27位に後退。近藤組のトレーニングパートナーで遠征をしている原田・吉田組が18位にあがりました。
RSXは富澤が今日もシングル2レースでかためて、トータルでは1歩前進の10位です。「思ったよりも、トップレベルの選手に吹いてもついていけてるので、前と比べたら走れるようになりました。セールを浅めに張って走れるようになったのが大きいです。(富澤談)。」小菅も新しいマストが固めなので、セールの張り方を工夫しています。昨日は全く走れなかったので、今日はダウンの引き方を工夫して、2レース目は強めの風域でも10位に入ることができました。男子の上野は昨日の吹きレースでマストを破損したため、今日は出ていませんでした。
15ノットのコンディションだと誰もが走るレーザー級は飯島が苦しいながらも奮闘しています。今日は17−19というスコアですが、途中アップダウンがあり、ガスティーな中では1ブローでトップから10位まで落ちたエストニアの選手や、15位から4位まであがったトルコの選手など、ドラマが多い1日でした。ボーダーに近いながらも、ゴールドフリート圏内で4レースを終えていますから、明日が最初の山になります。
49erは昨日、マストを破損、クルーの牧野は足首のけがをしていましたが、今日は元気に4レースを戦いました。あわただしい1日で、調子をあげてきたところで終っています。レーザー同様、明日がゴールド目指しての勝負になります。
明日の予報は西風が20−25ノット。ガストで30を超えるというのですが、各クラス11時スタート、吹き上がる前に2レースを予定しています。12時半スタートのレーザーは爆風のいけにえになりそうです。吹きのイエールの醍醐味とでもいうのでしょうか。
日本選手の成績:
日本からは9艇、14選手(男子11名、女子3名)出場します。 470級女子 25カ国37艇参加 1グループ 本日2レース 2位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−10−2−3 470級男子 28カ国73艇参加 予選2グループ 本日2レース 18位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 22−6−11−13 27位 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 スリーボンド 16−6−23−15 36位 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 関東自動車工業 23−10−18−18 49er級 20カ国42艇参加 予選2グループ 本日2レース 26位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) DNF−15−11−7−10 RSX級男子 33カ国92艇参加 予選2グループ 本日2レース 10位 富澤 慎 関東自動車工業 6−5−5−9 80位 上野 一也 ウィンタートゥール生命保険 35−30−DNC−DNC RSX級女子 24カ国59艇参加 1グループ 本日2レース 30位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ 25−DNF−24−10 レーザー級 51カ国156艇参加 予選3グループ 本日2レース 34位 飯島 洋一 飯島木型 8−19−17−19
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)石川柳川 470エリアは西風が吹いても陸から離れているため、波が悪く、フィニッシュはスピンなしのリーチングでした。
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)「成績、見ないでください。明日、戻しますから・・・(松永)」
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)レース海面に向かって出艇していくのは飯島。万国旗の横を毎朝通過していきます。
Photo:関 一人
(写真をクリックで拡大)強い選手についていけて、うれしいっすよ!」とは、富澤選手。
Photo:関 一人
(写真をクリックで拡大)中村健次(関自工のもとじめコーチ)から、「報告がないぞ!」とレース展開を追及されていました。
Photo:関 一人
(写真をクリックで拡大)「今日はダウンの引き方をかえて、昨日と比べてよくなりました。明日のバン吹きになったら、もっとひいて試してみたい。」何かをつかんで元気になった小菅です。
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)第4レースの第1上マークにトップでアプローチする近藤愛/鎌田奈緒子(アビームコンサルティング)
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)昨日、マストを破損した石橋顕/牧野幸雄(チーム・ビリーブ)。この日の第4レースでは7位に入った
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)昨日の第2レースをリタイアした小菅寧子(ジェイウェルパートナーズ)だが、今日は2レースとも完走
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)昨日に引き続き、好調を持続している富澤慎(関東自動車工業)
2008年イエール・オリンピックウィーク 第3日目
3日目は朝から西北西の風が吹き始め、9時前に20ノットオーバーのコンディションになり、レース委員会は早めに470男子、RSX男子、レーザー、ラジアル以外の種目は今日はレースを行わないことを掲示しました。この4クラスのうち、470男子とラジアルは11時スタートに合わせて10時すぎに出艇しだしたのですが、風のほうは平均が25ノットを超えるようになり、ラジアルはスタートせずにハーバーへ引き返してきました。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)朝、9時半すぎに470男子、RSX男子、レーザー、ラジアルの4クラス以外はレースがないと掲示が出され、470男子とレーザーラジアルは11時のスタートに間に合うように出艇しました。 唯一スタートした470男子の黄組は1上マークでトップのオーストラリアが吹き倒されて沈してしまい、アウターループへのリーチングの途中でN旗があがり、ハーバーへ戻りました。4位を走っていた石川・柳川組は気がつかずに下マーク付近までスピンを張っていきましたが、残念ながら中止でした。青組はスタート信号の1分前にAPがあがり、そのままハーバーへ戻りました。ガストで30ノットを超えるようになり始めましたから、レースを続行していてもフィニッシュできない艇が多かったでしょうし、破損も凄かったかもしれません。日本チーム3艇はスピンポールを流した艇がいるくらいで、無事に戻りました。
今日はレースができませんでしたから、昨日の成績のまま、決勝シリーズに入ることになります。470男子3チーム、レーザー、RSX富澤はゴールドフリートに残りました。レーザーの飯島は5回目のイエール挑戦で初ゴールドです。昨日、前にいたオランダが失格となり、34位にあがりましたので、ここから先はゴールドで30位以内を目指して明日からのガチンコ勝負をがんばります。49erはマストが折れるし、牧野はねんざするしで傷だらけですが、26位で惜しくもシルバーフリートになってしまいました。RSXの上野もマストの破損で昨日レースに出られませんでしたのでシルバーフリートになりましたが、残り2日はコーチボートから上位艇の走りを研究して、富澤のサポートを手伝うことになりました。
残り2日は決勝シリーズです。明日も11時スタートで2レースを予定しています。
今日は吹き上がった西風ですが、明日は15ノットくらいの北西で、レースは大丈夫でしょうか。
日本選手の成績:
日本からは9艇、14選手(男子11名、女子3名)出場します。 470級女子 25カ国37艇参加 1グループ 本日ノーレース 2位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−10−2−3 470級男子 28カ国73艇参加 予選2グループ 本日ノーレース 18位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 22−6−11−13 27位 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 スリーボンド 16−6−23−15 36位 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 関東自動車工業 23−10−18−18 49er級 20カ国42艇参加 予選2グループ 本日ノーレース 26位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) DNF−15−11−7−10 RSX級男子 33カ国92艇参加 予選2グループ 本日ノーレース 10位 富澤 慎 関東自動車工業 6−5−5−9 80位 上野 一也 ウィンタートゥール生命保険 35−30−DNC−DNC RSX級女子 24カ国59艇参加 1グループ 本日ノーレース 30位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ 25−DNF−24−10 レーザー級 51カ国156艇参加 予選3グループ 本日ノーレース 34位 飯島 洋一 飯島木型 8−19−17−19
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)全てのレースが延期となってハーバーに戻る日本チーム
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)スタート直前にAP/A旗が上がり、ハーバーに戻る松永鉄也/上野太郎(スリーボンド)
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)第2マークを回って下マークに向かう関東自動車工業の石川/柳川。このあとN旗が揚がりレースはキャンセルされた
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)岸壁から見守る家族や友人は心配そうでしたが、ラジアルはあまりにも風が強すぎて、スタートせずにハーバーへ戻りました。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)すべてのクラスがノーレースになった後は、大会委員長のベルナードもやさしい顔に見えましたが、ラジアル女子の選手には、出艇を命じたときに鬼に思えたかもしれません。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)本日、風の神のいけにえになったのは470男子でした。潮まみれの中村健次コーチ。「カメラにカード入れ忘れた!」と傑作がとれたはずが、からぁ写真になってしまいました。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)イエールのスコアボードの前で近・鎌ではなく、愛(子)・奈緒(子)コンビで記念撮影。明日は1番上にあがりますように。
2008年イエール・オリンピックウィーク 第4日目
昨日の西風はどこへいってしまったのかと思うほど、朝から雲ひとつない快晴で、午前中は高気圧のへりの風が西から吹き、午後になると東側のサントロペ付近にできた低気圧からの風が東から入り、ちょうどレース中に風がかわって途中ノーレースになったエリアがありましたが、ほぼ全クラス2ないし3レースを行いました。朝一番で大会委員長から、「今日のイエールは青島スペシャルの風を用意しました。今日から初夏です。」とチームリーダー会議でコメントがありましたが、そのとおり、20度を越える気温と初夏の日差しで軽風レースとなりました。
49erはシルバーフリートでのレースですが、折れたマストの後遺症とでもいうか、予備マストをたてたら、本来でるはずのスピードがだせずに苦労しています。
レース終了後にセッティングをチェックしなおしているので、明日はカムバックを期待します。3レースを行った470女子は日本がトータルでトップに出ました。この大会で話題になっているのはオランダ女子で、第4レースの途中でラダーがはずれ、トランサムについている金具がもげるようなトラブルがありましたが、造船所に修理にだしている間、昨日のレースがノーレースになったおかげで、DNCにならずにすみました。
今日も本当あ3−1−1でまとめたはずだったのですが、トップの1レースがOCSになり、トータルはがくっと落ちてしまいました。近藤・鎌田はスタートがうまくでられずに苦労していますが、青島の軽風を意識して上位陣がダイエットだけでなく、マストやボート、セールなどでスピードアップをはかっており、その成果が出始めたのか、前ほど軽風での有利さがなくなってきています。近藤・鎌田組も帰国後には新艇を本番用に準備しますので、青島スペシャルを目指している各国の様子は要チェックというところでしょうか。470男子の松永・上野組は手堅い走りで14位にあがりました。強風域ではスピード差がまだあるものの、中軽風では走りに自信をもっています。明日の2レースでまとめられればメダルレースに残れるところまでつけました。
RSX女子の小菅は弱めの風でレースらしくなりましたが、オリンピックでチャーター艇として出される新しいタイプのマストを試しているため、硬さになれることができずに苦労しています。女子で五輪マストを使っている選手はみんな走りがおかしくて困っている様子です。アテネでゴールドメダルだったフランスもトライしていたのですが、今日でレースをやめてしまいました。RSXは本番でチャーター艇を使うため、道具の面での準備が難しいところです。富澤は今日の風が得意でない苦手というとおり、プレーニングコンディションは上位についていかれませんでした。ノーレースになったときは風の変化が大きく、弱かったのでトップだったのですが、反対から風がきてしまったのだからレース取り消しはしょうがありません。
ゴールドフリートに残って厳しい洗礼をうけたのは飯島洋一です。最初のレースは10ノットいかないくらいで15位をとることができたのですが、第6レースではフリートの一番後ろを走らされ、10ノット前後の風では誰もがトップスピードで走るゴールドフリートでの厳しい戦いをしいられました。スタートで優位にたとうと思っても、ちょっと飛び出すとブラックフラッグにひっかかってしまいます。並んだ状態からいかに走り負けずにでていくかが課題です。
明日は決勝レースの最終日で、残り2レースを予定しています。470女子と49erは最大で3レースを行う可能性がありますが、予選・決勝シリーズできたクラスは2レースのみとなります。470男子とRSX男子は最後の追い込みで、ぜひともメダルレースに残ってほしいと思います。
日本選手の成績:
日本からは9艇、14選手(男子11名、女子3名)出場します。 470級女子 25カ国37艇参加 1グループ 本日3レース 1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−10−2−3−6−7−(17) 470級男子 28カ国73艇参加 予選2グループ 本日2レース 14位 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 スリーボンド 16−6−23−15−11−4 33位 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 関東自動車工業 23−10−18−18−19−22 34位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 22−6−11−13−(OCS)−OCS 49er級 20カ国42艇参加 予選2グループ 本日3レース 26位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) (DNF)−15−11−7−10−4−9−8 RSX級男子 33カ国92艇参加 予選2グループ 本日2レース 15位 富澤 慎 関東自動車工業 6−5−5−9ー23−(37) 85位 上野 一也 ウィンタートゥール生命保険 35−30−(DNC)−DNC−DNC−DNC RSX級女子 24カ国59艇参加 1グループ 本日2レース 21位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ 25−(DNF)−24−10−7−17 レーザー級 51カ国156艇参加 予選3グループ 本日2レース 38位 飯島 洋一 飯島木型 8−19−17−18−15−(47)
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)スタートで出遅れながらも、順位を上げてトータル首位に立った近藤愛/鎌田奈緒子(アビームコンサルティング)
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)この日、とうとう日の丸がボードの一番上に
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)ゴールドフリート入りを果たしたレーザー級の飯島洋一選手
Photo:関 一人
(写真をクリックで拡大)幻のトップに終った富澤。風がかわってノーレースとなりました。今日は他の2レースは「今日は墜落です。課題が明確になりました。僕が一番苦手なプレーニングコンディションの下限の風で、思ったように走れなかった・・・(富澤)」
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)参加700艇の先頭をきって1番出艇の近藤・鎌田組。成績のほうもスコアボードのトップにあがりました。
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)4位を取ったレースです。今日、だいぶ追い上げたので、明日はメダルレースに残れるように勢いでがんばります。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)飯島洋一の下マークラウンディング。イエールのレーザー・ゴールドフリートの洗礼をあびて、今日は15位と47位でした。下マークは目をつぶって内側へ入るしかありません。この遠征で、飯島は図々しく中へ入っていかれるようになりました。
2008年イエール・オリンピックウィーク 第5日目
初夏になったイエールは朝からまったりした天気で風がなく、昼すぎから少しずつ入りだした海風で13時半から470がまずレースエリアへ向かい、後は順に海へ出ました。470男子、レーザー、49erは2レースを行いましたが、RSX男女と470女子は1レースのみ行いました。
470女子は近藤・鎌田組が2位をとり、首位で最終日のメダルレースに入ります。
2位と12点差なので、明日はがっちりおさえて、優勝をもぎとってくれることを期待します。男子は松永・上野組が2レース行ったうちの最初のレースで2位に入り、メダルレースへの希望をつないだのですが、最終レースで20位とふるわず、トータルで12位になり、惜しくもメダルレースには進出できませんでした。RSX男子の富澤も1レースを行いましたが、途中7位を走る場面がありながら、13位に終わり、トータルは15位で変わりませんでした。女子の小菅はアップダウンでせりながら、最後は8位で入り、17位にあがりました。
49erの石橋・牧野組は軽風では調子をあげ、今日の2レースを1−3でまとめ、トータル23位です。マストが折れたことに泣かされましたが、最後は軽風域での走りを取り戻しました。
レーザーの飯島は第7レースでスタートから終始トップをキープしてトップでフィニッシュラインを横切ったものの、OCSで失格となり、残念でした。しかし、上位の選手と競り合いながら、アップウィンドもダウンウィンドも負けずに走ってこられましたので、今後の自信にしてほしいです。その後のレースも12位を走っていたのですが、レース運営がマークの打ちかえで問題があり、途中で取り消し、やり直しとなってしまいました。第8レースがスタートしたのは19時15分、フィニッシュしてハーバーへ戻ったときには日没をすぎて、暗くなってしまいました。いくら青島スペシャルとはいえ、日没までレースするのをまねしなくても・・・と、長い1日を終えました。
メダルレースに残った470女子以外は今日までの成績でレースを終了します。明日は朝から各クラスのメダルレースが行われ、近藤・鎌田組は10時45分スタート予定です。470女子は2006年に吉迫・大熊組が銀メダルを獲得しましたが、今回は金を狙う絶好のチャンスです。日本からも応援をよろしくお願いします。
日本選手の成績:
日本からは9艇、14選手(男子11名、女子3名)出場します。 470級女子 25カ国37艇参加 1グループ 本日1レース 1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−10−2−3−6−7−(17)-2 470級男子 28カ国73艇参加 決勝2グループ 本日2レース 12位 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 スリーボンド 16−6−(23)−15−11−4−2−20 24位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 22−6−11−13−(OCS)−OCS−14−2 32位 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 関東自動車工業 23−10−18−18−19−22−18−(32) 49er級 20カ国42艇参加 決勝2グループ 本日2レース 23位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) (DNF)−15−11−7−10−4−9−8−1−3 RSX級男子 33カ国92艇参加 決勝2グループ 本日1レース 15位 富澤 慎 関東自動車工業 6−5−5−9ー23−(37)−13 89位 上野 一也 ウィンタートゥール生命保険 35−30−(DNC)−DNC−DNC−DNC−DNC RSX級女子 24カ国59艇参加 1グループ 本日1レース 17位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ 25−(DNF)−24−10−7−17−8 レーザー級 51カ国156艇参加 決勝3グループ 本日2レース 42位 飯島 洋一 飯島木型 8−19−17−18−15−47−(OCS)−32
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)必死にパンピングする富澤。途中7番で走っているときもありました。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)幻のトップ。「愛子さんがフィニッシュで正面から写真とってなかったので、リコールだってわかりました・・・リコールじゃなかったらゴールドフリートのトップだからガッツポーズのはずだったのに。(飯島談)」
2008年イエール・オリンピックウィーク 第6日目(最終日)
最終日は全クラスのメダルレースが行われ、470女子の近藤・鎌田組は6位でフィニッシュし、優勝しました。メダルレースを残して、近藤組の表彰台は確実で、届くのはイタリアとドイツだけでしたから、非常に有利な展開でレースに入ることができました。
朝吹いていた北よりの風は470男子のメダルレースが終わるころになくなり、女子は南東から入った海風の中でレースが始まりました。ちょうど風の変化している最中でしたから、一時風がなくなり、苦しい場面もありましたが、最後のランでは6位にあがり、トップをとったドイツがイタリアを逆転して銀、近藤・鎌田組はイエールでの初優勝を飾りました。
「もう、2番はいやです。」といっていた近藤がやっと笑いました。きつい練習が続き、疲労が蓄積していた鎌田も一回り気分的に大きくなりました。勝つということは、それだけでチームが大きくなるものだというのを現場で感じた1週間でしたが、1976年のモントリオール五輪の時から日本チームがずっと挑戦してきた大会で、470女子は重・木下が3位に入ったこともありました。2006年には吉迫・大熊組が2位にはいり、2008年は近藤・鎌田がやっと優勝をなしとげました。イエールの表彰式ではブラスバンドの国歌演奏がありますが、初めて流れる日本の国歌に、オリンピック本番の青島でもぜひ聞きたいものだと、新たなる目標が設定された時でありました。
「なんだか、とても疲れたぁ。」ともらしていたのは今朝一番で緊張していたコーチの小松さんでしょう。ほっとした表情で、優勝を祝福していました。
イエールウィークの後、470男女、レーザー、49erは日本へ帰国して、新艇の準備や国内での強化練習に取り組みますが、RSX男女はブレストへ移動して、5月1−10日の日程でヨーロッパ選手権に参加します。男子の富澤はガルダウィークでの成績の誤りが訂正され、ガルダ・オリンピックウィークは優勝になりました。イエールでは15位でメダルレースに残れずに終わりましたが、「自分が苦手な風域の日に2レース悪い成績をとったことが残れなかった敗因です。ブレストは修正して、何とかしたいです。」と、次の大会への意欲を見せています。
6日間にわたり、応援をいただき、ありがとうございました。470女子の優勝、470男子12位、RSX男子15位、RSX女子17位、レーザー級は42位ですがゴールドフリートに残りました。49erも新艇の準備を日本で行い、北京への準備をしっかりしてまいります。470女子と49erは5月下旬にホランドレガッタに参加しますので、詳細はあらためてレポートいたします。
やっぱり、優勝が最高です!
日本選手の最終成績:
470級女子 25カ国37艇参加 1グループ 本日メダルレース 1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−10−2−3−6−7−(17)-2−6M 470級男子 28カ国73艇参加 12位 松永 鉄也 ・ 上野 太郎 スリーボンド 16−6−(23)−15−11−4−2−20 24位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 22−6−11−13−(OCS)−OCS−14−2 32位 石川 裕也 ・ 柳川 祥一 関東自動車工業 23−10−18−18−19−22−18−(32) 49er級 20カ国42艇参加 23位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) (DNF)−15−11−7−10−4−9−8−1−3 RSX級男子 33カ国92艇参加 15位 富澤 慎 関東自動車工業 6−5−5−9ー23−(37)−13 89位 上野 一也 ウィンタートゥール生命保険 35−30−(DNC)−DNC−DNC−DNC−DNC RSX級女子 24カ国59艇参加 17位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ 25−(DNF)−24−10−7−17−8 レーザー級 51カ国156艇参加 42位 飯島 洋一 飯島木型 8−19−17−18−15−47−(OCS)−32
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)メダルレースを6位でフィニッシュして優勝を決めた近藤愛/鎌田奈緒子(アビームコンサルティング)のウィニングラン
Photo:松本 和久
(写真をクリックで拡大)イエールでは日本人として初めて表彰台の中央に立った近藤/鎌田
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