● レース情報 / Race Informations 

2008年470級世界選手権

斎藤 愛子氏のレポートです
Photo:斎藤 愛子
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関連サイト:
大会全体のURL
  http://www.sailmelbourne.com.au/event/470worldchampionships2008
 
男子予選の成績
  http://www.yachting.org.au/site/yachting/event/11221/overall_1_1.html
男子ゴールドフリートの成績
  http://www.yachting.org.au/site/yachting/event/11221/overall_1_4.html
男子シルバーフリートの成績
  http://www.yachting.org.au/site/yachting/event/11221/Overall_1_3.html
 
女子予選の成績
  http://www.yachting.org.au/site/yachting/event/11221/overall_2_1.html
女子ゴールドフリートの成績
  http://www.yachting.org.au/site/yachting/event/11221/Overall_2_3.html
 
代表選考のポイントについて

http://www.jsaf.or.jp/olytoku/Document/NTFinalSelection470PT.pdf

Index 2008年470級世界選手権 のお知らせ
1月21日より、オーストラリア・メルボルン郊外のモーディアリク(Mordialloc)にて470級世界選手権が始まります。日本が一番種目で力を入れている470級の五輪代表が、この大会と、先に11月に広島で行われた選考会のポイント
とを合わせて選出されます。ほとんどの選手が1月頭に現地入りをし、セイルメルボルンでは女子3艇がトップ10に入る活躍でした。いよいよ、本番が始まるわけですが、大会の詳細、日本からの参加艇は下記のとおりです。

開催地: オーストラリア・メルボルン郊外のモーディアリク(Mordialloc)
参加国: 470男子 36カ国97艇
470女子 30カ国56艇
日 程: 1月21日−23日 受付と計測
  23日 プラクティスレースと開会式
  1月24日−26日 予選シリーズ6レース
  1月27日−30日 決勝シリーズ7レース
30日の最後に上位10艇がメダルレース
日本からの参加:
470男子 4艇    
 関 一人・柳川 祥一   セキ カズト ・ヤナガワ ショウイチ  (関東自動車工業)
 山田 寛 ・ 中村 健一   ヤマダ カン ・ナカムラ ケンイチ   (チームスレッド)
 松永 鉄也 ・ 上野 太郎  マツナガ テツヤ ・ウエノ タロウ  (スリーボンド)
 石川 裕也 ・ 野呂 英輔   イシカワ ユウヤ ・ノロ エイスケ   (関東自動車工業・日本大学)
 
 470女子 3艇    
 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子   コンドウ アイ ・カマタ ナオコ   (アビームコンサルティング)
 吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ヨシサコ ユカ ・オオクマ ノリコ   (ベネッセコーポレーション)
 田畑 和歌子 ・ 栗田 直美   タバタ ワカコ ・クリタ ナオミ   (福岡経済大学教職員)

大会のみどころ:
日本が誇る470女子の3強チームが、この大会で、たった1枠の五輪代表の座を争います。常に1歩リードしてきた近藤・鎌田組が逃げ切るか、急追の2チームが大逆転を果たすか、最後まで目が離せない大勝負です。近藤組は世界の頂点目指して練習を重ねてきましたが、この大会では昨年の世界選手権で4位に甘んじた悔しさを忘れずに、再び表彰台を目指して戦います。近藤を破るチームは世界の頂点に出るチームですから、女子は凄く高いレベルで戦うことになります。吉迫組も田畑組もやる気満々で、一歩も譲らない気構えです。しかしながら、プレッシャーが全3チームにブレーキをかけることもあるわけで、そうなった場合は心の強いチームが勝ち抜くことになるでしょう。最初から最後まで集中力を保ち、普通どおりのレースができた人が前にいくでしょう。

男子も同様に4チームがしのぎを削るわけですが、国際レベルの中では女子よりも上位争いの常連が数多くおり、フリートのサイズが大きいため、トップ10に入ることが最初の目標です。関・柳川組は現地入りしてから若干スピードが足りないとスピードアップに熱心でした。セイルメルボルンでは最後に10位にあがり、調整はうまくいっているようです。山田・中村組はオーストラリアのワールドチャンピオンや海外のチームと練習を重ね、調子をあげて世界選手権の準備をしてきました。松永・上野組はセイルメルボルンに出ずに、モーディアリクで同様に残ってレース海面で練習する他国とのレース練習を重ね、地の利を得ようと取り組みました。心配なのは石川・野呂組の石川で、セイルメルボルンの最中に腰を痛めて治療しながら世界選手権に備えています。早めにストップして休んだので、中村健次コーチは大丈夫だろうと話しています。男子はゴールドフリートに残らないと選考ポイントがつきませんから、予選からしっかり戦うことが代表への1歩となります。男女ともに30日に代表が決まります。

日本はすでに国枠を獲得していますが、この大会で男子16カ国が7枠、女子17カ国が5枠の獲得のために厳しい争いが始まります。また、オーストラリアのウィルモット組(男子)とオランダのデコニング組(女子)が4回目のタイトルを獲得することができるかにも注目が集まっています。

Photo:斎藤 愛子
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計測はテントの中で行われました。
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松永・上野組の計測。チーフメジャラーのディミトリスさんがチェックをしてるのを見守るのは松永のサポートにきている渡辺哲雄。

 

 



Index 2008年470級世界選手権 プラクティスレース
Photo:斎藤 愛子
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プラクティスレースの女子、第1マークです。コースが非常に短く、行列になりました。
1月23日は計測が終了し、15時からプラクティスレースでした。日本の男子4艇、女子3艇は全部レースに出ましたが、男子は1上マークをトップで回った山田・中村組がそのまま浜へ戻り、女子は非常に短いコースでのレースとなり、30分もしないうちにフィニッシュとなりました。明日からの本番レースは浜からでて左側がアルファー、右がブラボーエリアです。男子は3グループ、女子は2グループにわかれておおよそ30艇で予選を行います。

21日にオリ特山田委員長が到着、今日は選手、コーチが集まって短い日本チームミーティングを行いました。ここまでがんばってきたものどおしですから、最後まで正々堂々と戦いましょう、と、山田さんからの挨拶でした。また、昨日、選手には大谷さんから届いた、オリンピック選考と世界選手権での相手のカバーの仕方で細かい違いがあることを、ルール2とケース78を説明した書類を配布しました。最終選考会に進んだメンバーの顔ぶれだけを見て、関東自動車工業の選手が2チームいるから、1艇が代表になりそうになったら、もう1艇は相手をおさえにいくのではないか・・・などと勝手に想像を膨らませている方々もあるかもしれませんが、現場では心配の種はありません。どの選手もクリアに代表になることを目標に努力をしています。大谷さんからの説明で、やっていいことと、違反になることとがはっきりしましたので、しっかりと勝負ができることでしょう。今回の7チームは最後まで努力をおしまず、1つの代表の座を目標にメルボルンへやってきました。思い切り、いいレースをしてほしいと思います。石川裕也の腰痛も、トレーナーの飯島さんの努力のかいあって、何とか本番に間に合いました。歩けずに寝ていた日々を思えば、海に出てレースできることは、幸せです。選手全員、最終日まで怪我や病気なく、100%で戦ってほしいです。

18時から始まった開会式には各国のコーチや監督がチームを代表して会場に足を運び、選手はあまり集まりませんでした。男女合わせて22カ国が国枠を目指してしのぎを削ります。ウクライナでオリンピックメダルを3個持っているルスラナ・タランは、非常に厳しいレースになるだろうと、残り5枠の女子の予選を見据えて、大きなため息をついていました。女子は16カ国が5枠を目指します。

明日はむわっとした北東からの風が入り、上空には南極からの寒気が少し入ります。
大気が不安定になる場所は雷雲が発達するかもしれませんが、13時のスタートは期待どおりの海風になりそうです。

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田畑・栗田組はレース前の最後の調整で日本チームの中でもっとも遅くまで海にでていました。戻ってからセッティングを確認し、最後の追い込みモードでした。
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18時より開会式があり、シドニー五輪470男子金メダリストクルーのマーク・ターンブルが挨拶。現在、セールメルボルンの推進本部で働いています。

 

 

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開会宣言は470協会の副会長になったビクター・コバレンコでした。
短い言葉の中にビクターらしい力強さがありました。
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開会宣言とともに参加各国の国旗が掲揚され、いよいよ明日からレースが始まります。
 


Index 2008年470級世界選手権 第1日目

470世界選手権の初日は、やはり緊張した空気の中でスタートしました。日本チームは7艇がヨットクラブの入口を入った最初の壁のところに並んでいるのですが、各チームとも、少し落ち着きのないコーチ陣が落ち着いた様子を見せようとふるまいながら、選手も緊張していないぞ、っと、自分に言い聞かせているような、どこか普段とは異なる様子でした。当たり前のことです。

12時前頃からみんなが一斉に出艇していきますが、今日は北東の風が南西に変わるという予報がでており、途中小雨もぱらつくどんよりした曇り。風はスタート時刻になって210度、10ノット前後で、O旗があがるコンディションでした。470級は今年1月からクラスルールが変更になり、これまで10ノット以上であがっていたパンピングフラッグが、8ノットにさがり、選手はより活発にセールコントロールができるようになりました。8ノットといえば、女子は軽いチームならフルバランスになりますから、トラピーズにちゃんと出るようになったら・・・というのが目安になるのでしょうか。

13時から2レースが行われましたが、女子はすんなり終わり、男子は第2レースの青組がスタートの際に運営がリコール旗を間違えてXと第1代表旗の両方をあげてしまい、そのレースがやり直しになりました。この遅れが響いて、男子は2レース目の後半になると風がなくなり、R旗があがってパンピングなしになり、最後は軽風でのフィニッシュとなりました。

男子は山田・中村組が黄色、松永・上野組と関・柳川組が青、石川・野呂組がピンクと3組に分かれての予選です。関組、山田組は少し硬い様子で、思い切ったコースよりは安全第一と判断してみたり、それではいけないと思い切りいってみて順位を落としたりと、今日は歯車がかみ合わなかった様子です。松永組は世界選手権のときにいつも予選突破で苦労するため、今日は積極的なレース展開が光り、2レースともシングルに入って総合でも20位にいます。石川組もどこまでいくの・・と驚くような1本もありましたが、10番台前半を2回とり、33位でした。

女子は昨日遅くまで頑張っていた田畑・栗田組(青)が滑り出し好調で10位、1レース目で出遅れた近藤・鎌田組(黄)は2レースめで2位と挽回して19位、少し落ち着きのない展開が見え隠れする吉迫・大熊組(黄)が26位でした。この風なら、日本チームがどちらのフリートでもトップを走ってこれるはずですから、女子も緊張してちょっと歯車が空回りしているのかもしれません。明日はぐっと集中してミスを減らしてもらいたいです。

レース全体は、イタリアが男女ともに総合1位をとりました。男子は1−2、女子は1−3と、圧倒的な初日でした。男子のザンドナ・トラニ組は2003年カディスワールドでのチャンピオンですが、あの時も初日はイタリアが男女総合1位だったと思います。イタリアはタイトル奪回に気合がはいっています。

明日も13時スタートで2レースを予定しています。予選2日目ですが、天気は今日とあまりかわらず、場所によっては雷雨の予報がでています。南極からの寒気が意外とがんばっているのが気になります。今は真夏なのですが、40度の日差しと猛烈な海風はどこへいってしまったのでしょうか。

日本選手の成績
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国57艇  本日2レース
 10位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4
 19位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   19−2
 26位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−19
 
 470級男子 36カ国94艇  本日2レース
 20位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9
 33位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11
 40位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13
 45位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11

Photo:添畑 薫
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田畑・栗田組
Photo:添畑 薫
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女子470予選第1レーススタート

 

 

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男子470級 松永・上野組 
 
Photo:斎藤 愛子
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スタート前に中村昭仁コーチと相談する吉迫・大熊組。49erの石橋組の初日にちょっと似た感じの空回りでした。
Photo:斎藤 愛子
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2回目のワールドタイトルを狙うイタリアのザンドナ・トラニ組。去年までのスピンは怒った顔していたはずなのに、今年はハニカミ笑いになっています。イタリアでもハニカミが流行りなのでしょうか?

 

 

Photo:斎藤 愛子
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松永・上野組は自分達の苦手に正面から取り組んで、初日をいい形でスタートしました。今回はゴールドめがけて猛突進してほしいです。
 


Index 2008年470級世界選手権 第2日目

世界選手権の第2日は予選3レースが行われました。朝のコーチ会議で、レース委員会が明日の気象状況から考えて、今日のうちに3レースを行う意向であると伝えられ、実際には、10ノット前後の2レースと弱まる海風の1レースが行われました。

今日も女子はすんなり3レースを消化しましたが、男子は第5レースの途中で風が弱まり、コースを短縮してのフィニッシュでした。今日は男子の松永・上野組が青、残り3艇はピンク組で、3番目にスタートしたピンク組の2上マークまでの間に風は90度シフトしましたが、レースは続行し、アウターループの上マークで短縮フィニッシュとなりました。このレースで、山田・中村組は1上を2位、石川・野呂組は6位、関・柳川組は9位で回ったのですが、風が大きく変化したときに反対サイドにいた山田組と関組は大きく順位を落としてしまいました。

明日の予選最終日には1レースを予定していますが、女子は3艇ともゴールドフリートに残れる順位です。今日は3艇とも青組みでした。中でも近藤組は今日5レースを終了してもっとも悪い1レースをカットするようになりましたので、総合4位に浮上、第3レースでトップをとった田畑組も総合10位につけています。

男子は松永組がゴールドフリート圏内にいますが、山田組と関組はボーダーで数点足りない位置のため、明日の最終レースでのがんばりに期待します。関組は1点でも稼ごうと今日の第5レースで救済の要求をだしていますが、運営に手落ちはないとのジュリーの判断で、救済はとおりませんでした。しかし、オーストラリアの出した抗議で、RUS7とISR9が第3レースで失格になるため、総合32位のイスラエル9と山田・中村組が入れ替わる可能性があります。深夜になるため、成績が確実に出るのは明朝となります。23時現在のHP成績はプロテスト結果が含まれていない暫定となっています。

明日は北からの風が強くなる予報です。日本では北風というと寒い印象があるかもしれませんが、メルボルンでは陸からのむわっとした熱風です。13時から1レースを予定しています。

日本選手の成績 (確定)
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日3レース
 4位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   (19)−2ー5−1−8
 10位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−(13)−10
 22位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11
 
 470級男子 36カ国94艇参加  本日3レース
 23位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−(14)−11
 32位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   (21)−11−5−15−7
 38位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)
 46位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8

Photo:斎藤 愛子
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快心のトップフィニッシュを果たした田畑・栗田組。やっぱり日本女子はこうでなくては!
Photo:斎藤 愛子
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次のレースは近藤がトップ。コーチボートから見守るのは小松、吉田、原田のアビーム・サポート隊

 

 

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男子のマーク付近は大混戦ですが、「最近はトップセーラーがスマートなので、全体的にルール違反がへった」とは、関選手のコメントです。
 


Index 2008年470級世界選手権 第3日目

早すぎる結末かもしれません。本日、男子は予選第6レースが行われ、松永・上野組のみが明日からの決勝でゴールドフリートに残ることが決まりました。代表選考ポイントでは、ゴールドフリートに残らなければ、最終選考会でのポイントがつきませんので、関組、山田組、石川組は広島での選考会のポイントのみとなり、松永組は広島の選考3位で3ポイントと第2次選考の1位4ポイントで合計7点で、もう逆転がありません。従って、まだ世界選手権の予選が終わった段階ですが、五輪代表は松永・上野組になることが決まりました。正式な発表は女子が決まり、大会が終了する1月
30日になります。

選考ポイントを決めた際には、誰もゴールドフリートに残ることができなかったらどうするかということも争点になっていましたが、日本の470代表は五輪でメダルを取ることが使命です。プレッシャーのかかった世界選手権でゴールドフリートに残れない選手にその可能性は少ないですから、あえて厳しい選考基準にした結果、松永組のみがクリアしたわけです。この大会は選考3位できていましたので、まずはゴールドフリートに残ることに全神経を集中させていたのがよかったのでしょう。470男子のレベルは非常に高く、僅かなミスが命取りになります。次は、ゴールドフリートの中で、どこまで順位をあげていかれるかです。

女子は近藤組がいた黄組が2回スタートを試みましたが、途中でノーレースとなり、風待ちをしている間に上空に雷雲が発達し、稲光やスコールに見舞われ、陸待機となり、結局今日はレースができませんでした。明日、11時から予選最終レースの第6レースを行い、14時予定で決勝の1、2レースをゴールド、シルバーのフリートに分かれてはじめます。男子は3フリートに分かれて決勝が始まります。このまま最後までグループ分けは変わらず、最終日にトップ10でメダルレースを行います。

日本選手の成績
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日レースなし
 4位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   (19)−2ー5−1−8
 10位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−(13)−10
 22位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11
 
470級男子 36カ国94艇参加  本日1レース
 26位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−14−11ー(25)
 35位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8ー4
 39位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11−5−15−7ー(24)
 41位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)−15

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第6レースでスタートからあまり良いペースでいけなかった松永・上野組ですが、このレースが捨てレースになってもゴールドフリートに残るような点数でしたから、26位で日本選手トップ、1チームだけゴールドに残りました。
Photo:斎藤 愛子
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スタートしてから最初に右へ行かれなかったスレッド。下マークでコース変更があっても、もう手遅れなくらい前集団とは離れてしまいました。C旗がうらめしくみえます。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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女子は一度陸へ戻り待機していましたが、サンダーストームの通過で、結局、今日はレースができずに終わりました。
 


Index 2008年470級世界選手権 第4日目

今日は午前11時から女子の予選第6レースを行いましたが、女子は一度陸へ戻り、予選のプロテストを待ち、成績を出して決勝グループを分け、14時45分から決勝グループで2レースを行いました。男子は予定どおり、13時から決勝2レースを行いました。

女子は3艇ともゴールドフリートに残りましたが、決勝レースが始まると、8−10mの南南西の風で、チョッピーなコンディションの中でいまひとつ良いレースができませんでした。田畑組は第7レースのダウンウィンドでジャイブ中にバウ沈し、スピンがフォアステイに絡んで回収できず、何度も沈を繰り返してDNFとなりました。
近藤組は決勝に入るとアップウィンドのスピードもいまひとつですが、ダウンウィンドでうまくおとして走ることができず、風のシフトの反対に出たりもして、順位を落としてしまいました。吉迫組は無難に走っているのですが、アップウィンドでのコース展開で迷いが出ています。ただ、ダウンウィンドが良いので、何とか中盤でフィニッシュできています。アップウィンドは集団と反対を向いていることが多く、リズムにのれていませんでした。3チームとも、明日は気分をあらたに、しっかり集中してレースをしてほしいです。

男子は2レースを行い、ゴールドフリートに残った松永・上野組は第7レースでは1上を4位で回りました。しかしながら、2上では右にふれた風に乗り遅れ、順位をおとしてしまったのは、もったいなかったです。続く第8レースはスタート時の弱めの風に設定したリグとセールが、吹き上がってきた風の中でうまく対応できず、スピードが出せないまま終わってしまいました。シビアなゴールドフリートの洗礼を受けています。シルバーフリートでは山田組が2位、関組が5位、石川組が7位と上位をしめています。

男子のゴールドフリートではイギリスのエイシャー組が救済がもらえたので、平均点をもらうのか、その時の順位をもらうのかがわからないのですが、それによっては、ロジャース組を抜いてトップに立ちます。2006年のワールドチャンピオンですが、怪我でレースから離れていただけに、イギリスのワンツーでタイトル争いが始まるのでしょうか。正式な結果は明朝出ます。

明日は13時から2レースを予定していますが、今日の夕方に25ノットまで吹き上がった風は明日の朝には落ちる模様で、午後のレースは海風の予報です。南から15ノット前後かと考えています。

日本選手の成績
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日予選1レース、決勝2レース
 7位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   19−2ー5−1−8ー3−13−(22)
 20位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−13−10ー16−DNF−20
 21位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11−11−19−13
 
 470級男子 36カ国94艇参加  本日2レース
 27位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−14−11ー(25)−10−25
 
 シルバーフリート
 2位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11−5−15−7ー(24)−4−2
 5位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)−15−8−9
 7位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8ー4−18−12
Photo:添畑 薫
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トップを走る、近藤・鎌田組
Photo:添畑 薫
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470男子ゴールドフリート・スタート

 

 

Photo:添畑 薫
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チョッピーな海面
 
Photo:添畑 薫
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荒れた海面でも無難にこなす吉迫・大熊組
Photo:添畑 薫
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25ノットまで吹きあがった風は夕刻になっても止まず

 

 

Photo:添畑 薫
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男子ゴールドフリート、松永・上野組
 
Photo:斎藤 愛子
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予選最終レースを行う女子の海面では、本部艇に「おかえりなさい、女子 選手!」と、ユーモアーたっぷりのメッセージが掲示されていました。
Photo:斎藤 愛子
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第5レースでトップを走る近藤・鎌田組。残念ながらフィニッシュは3位。今日はダウンウィンドがトップレベルの連中を相手に走れていなかったです。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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激戦の男子で僅差ながらもトップにでたのはイギリスのロジャース組。
トップだったイタリアは僅差ながらも7位に後退。
Photo:斎藤 愛子
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強風でも位置取りでマークに集団に突っ込む吉迫・大熊組。中国チームとの間にはプロテストの甲高い声が響きましたが、吉迫組はうまくすり抜けて前に出ま
した。
 


Index 2008年470級世界選手権 第5日目
Photo:斎藤 愛子
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今日からゴールドフリートの男女が1海面になり、コーチボートは全部で 49艇、かなりの数が周囲を走っています。
決勝2日目は予想よりも弱い海風でレースが始まり、2レース目のはじめには10ノット近くまであがったものの、直前に6ノットまで落ちてしまい、最後は軽風の争いになりました。ゆっくり左へ変化する中で、男子のゴールドフリートでは、第9レースで松永・上野組が待望のトップフィニッシュを飾りました。「代表らしくない代表といわれないように、ちゃんと結果を残したい(松永)」と、昨日とは別人のような走りを見せてくれました。2レース目も14位をとり、大きくジャンプアップし ての総合15位です。

男子はポルトガル、イスラエル、イギリスの順ですが、5位のフランスまで7点差し かありません。女子もアメリカがトップに出ましたが、オランダ、オーストラリア、 イタリアの4位まで僅差です。

日本女子は近藤・鎌田組がブルーな1日になりました。緊張のせいか、どうも歯車が かみ合っておらず、スタートがうまく出られない、近場にしか目が届いていない・・ 自分のレースができていません。落ち着いてスタートすることが鍵でしょう。

昨日、たいへんな思いをした田畑・栗田組は朝、すっきりした顔で登場しましたが、 今日はいい走りを見せて2−13とまとめ、14位にあがってきました。「明日の2 レース頑張って、何とかメダルレースへ残ることが自分の目標です。」と、田畑は最 終日まで近藤組と代表の座を争う気構え十分です。差は11点。2組とも爆弾順位の 捨てレースをかかえていますから、ミスは最小限度にとどめたいところです。吉迫組 も1上を後ろで回っても、必死に上位までおいついてくるのですが、あと1歩の頑張 りが必要です。

明日は13時から2レースを予定しています。女子のほうは最初の大きな山を迎えま す。近藤組が1艇だけメダルレースに残り、代表の座を確定するか、田畑組、吉迫組 がトップ10にすべりこんで3艇でメダルレースで決着をつけるか、それとも3艇と も落ちてしまい、ゴールドフリートの最終レースに勝負がかかるのか・・・。皆さ ん、ハラハラしてください。明日も晴れ、南の風が10−15ノットの予報です。メ ルボルンは心地よい夏です。

日本選手の成績(暫定)
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日2レース
 9位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   19−2ー5−1−8ー3−13−22ー(29)−5
 14位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−13−10ー16−DNF−20ー2−13
 19位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11−11−19−13−12−10
 
 470級男子 36カ国94艇参加  本日2レース
 15位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−14−11ー(25)−10−25ー1−14
 
 シルバーフリート
 2位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11−5−15−7ー(24)−4−2−1−4
 5位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8ー4−18−12−2−14
 6位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)−15−8−9−19−8

Photo:添畑 薫
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決勝2日目第1レース吉迫・大熊組&近藤・鎌田組
Photo:添畑 薫
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ゴールドフリート、初のトップフィニッシュ松永・上野組

 

 

Photo:添畑 薫
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快挙!松永・上野組。満面の笑顔!
 
Photo:添畑 薫
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決勝2日目ゴールドフリート女子2戦目スタート
Photo:添畑 薫
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近藤・鎌田組、第2レースは2位に追い上げ

 

 

Photo:添畑 薫
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田畑・栗田組も快心の2位フィニッシュ
 
Photo:斎藤 愛子
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オーストラリアのウィルモット組はまったくさえがなく、上マークで内側 に入って、もしかするとマークタッチです。
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昨日、沈でDNFがついてブルーだった田畑組ですが、今日は気合の1日 で近藤組まで11点差につめよってきました。根性あります。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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今日からアビーム応援し隊が到着。海上でハラハラどきどきしながらレー スを見守っています。
Photo:斎藤 愛子
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松永・上野組はゴールドフリートでの初トップ。「後ろ指さされない代表らしい成績をとりたい」と、15位以内を目標に、良いスタートを心がけてレースしています。
 


Index 2008年470級世界選手権 第6日目

2レースを終えてハーバーへ戻った時に近藤・鎌田組のコーチの小松さんが、ボート を片付けながら、「やっぱり、選考レースだよなぁ・・・」と、ため息をついていま した。女子は14位近藤組、19位吉迫組、20位田畑組となり、3艇がメダルレー ス圏外になり、明日の最終レースで決着がつくことになりました。

プレッシャーというのは、怖いと思ったところから始まるのですが、昨日脅威となっ た田畑組は最初のレースでOCSとなり、近藤に差をつけて逆転することはほぼ無理 な点差になりました。吉迫組も第11レースのOCSで勝負あったかにみえたのです が、近藤組が12レース目でもたついてしまい、数字の上ではまだ吉迫に逆転のチャ ンスが残っています。

近藤組は第11レースの1上へいく途中、1位のイギリスと並んで走っている時にツ イーカーロープがメンシートブロックの中に入ってしまい、メンシートがロックされ た状態になってしまいました。オーバーヒールしながら近藤がとろうとしたものの、 うまくとれず、クルーの鎌田が引き抜いて、やっと戻りましたが、普段起こらないこ とが突然おこって、リズムにのれません。

セーリング競技はメンタルな部分が非常に大きく、4連覇を狙っていたオランダ女 子、オーストラリア男子もケースばかりおこして、オランダは第11レースで失格、 オーストラリアもペナルティーターンをして違反の解消をするなど、優勝の可能性は ともになくなっています。勝ちたいレースで勝つことの難しさをトップセーラー達が 苦い思いで経験しています。

男子は松永・上野組が今日はスタートがうまく出られず、上位にくいつくことができ ませんでした。それでも、17−20位ととり、総合でも16位にいます。「15位 とは5点差なので、明日、もう一度、あがれるようにがんばります。(松永)」。ま た、シルバーフリートでは石川組3位、山田組4位、関組5位と、3艇が並んでいま す。

明日は最終日で、上位10艇はメダルレースに進み、残りの艇はラストレース(12 時スタート予定)に進みます。ゴールドフリートは上位10艇が抜けるため、残りの 艇でレースをします。吉迫組がトップをとり、近藤組が19艇のレースでラストにな ると逆転があります。しかし、近藤はやるべきことをきちんとやれば、圧倒的に優勢 なわけで、とどめのレースになるのでしょうか。明日も今日と似た状況で南から10 −15ノット前後の風でレースとなりそうです。結末まで、もう1日、まってくださ い。

日本選手の成績
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日2レース
 14位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   19−2ー5−1−8ー3−13−22ー(29)−5−15−27
 19位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11−11−19−13−12−10−OCS−115
 20位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−13−10ー16−DNF−20ー2−13−OCS−21
 
 470級男子 36カ国94艇参加  本日2レース
 16位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−14−11ー(25)−10−25ー1−14−17−20
 
 シルバーフリート
 3位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8ー4−18−12−2−14ー2−1
 4位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11−5−15−7ー(24)−4−2−1−4−21−17
 5位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)−15−8−9−19−8−1−9
Photo:添畑 薫
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レース前の準備中の選手たち
Photo:添畑 薫
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田畑和歌子選手

 

 

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吉迫由香選手
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近藤愛選手
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29日男子ゴールドフリート、松永・上野組

 

 

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29日最終レース、吉迫・大熊組
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29日最終レース、近藤・鎌田組
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第11レースの1上マーク。このケースでCHN25とNED11の両方がDSQとなりました。オランダの4連覇はなくなりました。
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イギリスのエイシャー組はおとといのレースでオーストラリアのベルチャー組とケースを起こし、8、910レースで救済をもらっています。その点が6.70とよい点数のため、3位になり、上位陣からは不満たらたら。怪我して病院へ行ったのでこういうことになりました。

 

 

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オーストラリアのウィルモット組も上マークでケースを起こし、ペナルティーターンをしています。こちらも4回目のタイトルは届かなくなりました。
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首の皮一枚でつながっている吉迫・大熊組。最終レースはトップ目指すしかないのですが、1%でも可能性があるなら、あきらめませんと、最後まで食いついています。


Index 2008年470級世界選手権 第7日目(最終日)

速報です。

現地から入った連絡によりますと、

470級男子 松永 鉄也・上野 太郎 (スリーボンド)

470級女子 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)

が、それぞれ代表候補に内定したとのことです。

近藤、鎌田が、やっと笑いました。スタートでリコール旗があがり、近藤はもしかし て・・・と思い、ラインへ戻るのですが、ラウンジエンドをせずにディップだけで 戻ったつもりになり、頭の中が真っ白になるほど緊張している様子でした。それで も、近藤はリコールをしていませんでしたから、途中からはいつものようにチャンス を生かして最後には6位まであがることができました。世界選手権12位は本人にし てみれば不本意なできだと思いますが、とにかく、代表の座を確保する目標は達成で きました。吉迫・大熊組、田畑・栗田組も近藤組を追い詰めてよく戦いました。吉 迫・大熊組が補欠となります。

男子の松永・上野組は最終レースで気合の5位をとり、トータルでも15位にあがり ました。これから先は五輪目指してよりレベルアップをしていかなければなりません が、軽風域に強いチームですから、青島スペシャルで秘策をねっていきたいと思いま す。シルバーフリートは関・柳川組が5位となり、広島の選考ポイントから補欠となります。

明日、全体をふりかえったレポートを掲載します。

日本選手の成績(最終成績)
 日本からは7艇、14選手(男子8名、女子6名)出場します。
 470級女子 30カ国58艇参加  本日1レース
 12位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   19−2ー5−1−8ー3−13−22ー(29)−5−15−27−14
 17位  吉迫 由香 ・ 大熊 典子   ベネッセコーポレーション
   8−(19)−17−3−11−11−19−13−12−10−OCS−15−12
 18位  田畑 和歌子 ・ 栗田 直美  福岡経済大学 教職員
   10−4ー1−13−10ー16−DNF−20ー2−13−OCS−21−16
 
 470級男子 36カ国94艇参加  本日1レース
 15位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   7−9ー5−14−11ー(25)−10−25ー1−14−17−20−15
 
 シルバーフリート
 3位  石川 裕也 ・ 野呂 英輔  関東自動車工業 ・ 日本大学
   14−11ー(19)−19−8ー4−18−12−2−14ー2−1ー19
 4位  山田 寛 ・ 中村 健一  SLED
   21−11−5−15−7ー(24)−4−2−1−4−21−17−16
 5位  関 一人 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   15−13ー13−5−(19)−15−8−9−19−8−1−9−25
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近藤・鎌田組
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ファイナルレース

 

 

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思わず駆け寄るアビームチーム
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ホッとした表情で

 

 

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小松コーチと


Index 2008年470級世界選手権を振り返って
Photo:添畑 薫
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総勢46名のチームディナー!やけ酒と祝福のシャンパンで乾杯!」
大会最終日の速報で、「明日、送ります」と記載しておきながら、レポートが遅れて しまい、毎日、楽しみにチェックしてくださった方々、申し訳ありませんでした。 チームディナー、コンテナ積み込み、シドニーまで1000kmの陸路移動を終えて、やっと、机に座ってレポートを書く時間ができました。

2008年世界選手権では、男子の松永・上野組(スリーボンド)が総合15位、女 子の近藤・鎌田組(アビームコンサルティング)が総合12位で、先に開催された広 島でのNT選考レース(五輪代表1次選考)との合計ポイントで、日本代表に決まり ました。同時に、五輪への夢が終わってしまったチームが5チームいます − 最終 選考にきた全チーム、みんな、よくがんばりました。お疲れさまでした。

近藤・鎌田組は日本のエースですが、吉迫・大熊組、田畑・栗田組の猛追で心が乱れ たのか、集中していつものレースをすることができませんでした。選考だからきつ かったと、いってしまえばそれまでですが、この弱い部分が金メダルをとれそうで銀 になったプレ五輪であり、銅メダルを逃した2007年世界選手権で、近藤・鎌田が 足りなかったところだったのでしょう。また、ダウンウィンドで吉迫組のように多彩 な走りができないのも他国のコーチ陣が見出していたウィークポイントのひとつで す。しかしながら、日本女子のライバル達に相当プッシュされた世界選手権で、普段 経験することのできない緊張と勝負の厳しさ、眠れぬ夜を体験したことから、練習で は克服できない精神面でのトレーニングをしっかりとさせてもらいました。この経験 は必ず、五輪の表彰台につながるものだと思います。吉迫組、田畑組には、ただた だ、残念!としか、いいようがありません。

松永・上野組は、これまで国内の大会では何度も優勝していながら、世界選手権では ゴールドフリートに残れない不思議なチームでした。今回は、そういった自分に正面 から向き合い、「僕らだけシルバーでは話になりません。」と、予選を突破すること に最初の目標をおいて、大会に入りました。そして、他のチームがその壁に阻まれ て、気がついたら自分達だけがゴールドという状況になり、早々と代表決定になりま した。海外のライバル選手達が関、山田が代表になれなかったと聞いたときには正 直、ラッキーだと思ったようですが、松永・上野は次の日に軽風で難しいコンディ ションの中でイスラエルやスペインを相手に競り合いからトップフィニッシュを飾 り、総合でも15位まであがりました。代表が決まってからは顔つきもシャープにな り、世界選手権の期間中に大きく成長したチームです。マツナガという名前はでてこ なくても、Three Bondとセールに貼ってあるロゴで外国勢から呼ばれてい ました。

4連覇を狙っていたオーストラリアのウィルモット組、オランダのデコニング組は結 局、タイトルに手が届きませんでした。どちらのチームも今回は絶対の自信を持って いたのですが、足元をすくわれた印象が強いです。得意なコンディションでも、自分 のレースができなければ、「え、これがオランダ?」というようにミスばかりでし た。ウィルモット組もペナルティーターンが目立つ大会でした。アテネ五輪では関から出されたプロテストで失格となりペースが乱れたそうですが、今回も相手を無視した強引さが裏目にでたようです。

ワールドチャンピオンは男子がイギリス、女子がアメリカになりましたが、この2組 は五輪代表ではありません。イギリスのエイシャー組は2006年のワールドチャン ピオンで、怪我で2007年のシーズンを棒にふった間にロジャース組が代表に決定 してしまいました。エイシャー組は、2006年に優勝したときに、まぐれだと言わ れ続けたのが悔しくて、五輪には出られないとわかっていても、今回も優勝したいと 思って参加したそうです。しかし、成績表を見てわかるとおり、途中3レースでRDGをもらい、非常に有利な平均点をもらったがゆえに勝ち得たタイトルであるため、 ルール上のしくみで仕方がないとわかっていても、何か納得できない点がありまし た。怪我したクルーが1日休んで、次の日までRDGが延長されたという点で、復帰 できないほどの怪我ではなかったのではないかと疑われた点もあります。2位になっ たポルトガルにチャンピオンと同じかそれ以上の賞賛があがったのも、選手達の気持 ちが表れていたと思います。

また、アメリカのマクスウェル組も昨年11月の代表選考レースで負けてしまい、世界選手権には勝つことだけを念じてやってきたそうです。そして、チャンピオンに なってもオリンピックに出られない悔しさをまぎらわすため、大学へ戻って卒業することと、結婚することで、新たなる人生を踏み出したいとスピーチしていました。

男女両ワールドチャンピオンが五輪に出ないという不可解な結果になりましたが、最 後の最後まで白熱したバトルを展開したのがフランス男子です。メダルレースに3艇 が残り、代表は昨年のレース結果からずっと考慮して、選考委員会が決定するという 超厳しいオリンピックトライアルでした。中国も4月のイエールまで代表を決定しな いで競いあっていくそうです。フランス男子をみていて、日本女子も、本当は同じよ うにメダルレースで決着をつけてほしかったと、寂しい感じがしました。

日本の選考は終了しました。近年の予選・決勝システムでは、予選の間に上位をとり まくり、決勝で捨てレースを作るようにするペース配分になりますが、スロースター ターな関組はこのしくみにフィットしていなかったと思います。山田組は、ここ一番の大勝負的なレースでは力を発揮できないことがこれまでにもありましたが、最後の 山でも、力を出す前に予選が終わってしまったという印象です。ベテラン勢が意気消 沈する中でひたすらマイペースでレースしていた石川組にはロンドンへの道が見える のではないでしょうか。

最終日の夜、日本選手、サポートスタッフ、応援団、モーディアリクのような郊外ま で毎日取材に足を運んでくださったメディアの皆さん、総勢46名でのチームディ ナーを開きました。北京五輪へむけてNTが活動を始めた3年半前、大学生だった鎌 田、バックアップスポンサーのない近藤、食べていくのにも苦労してバイトしていた 松永、一流商社から脱サラの上野 − 大きく成長してトップチームになり、日本を 代表して北京五輪へいくことが決まりました。ディナーの最後に、この2チームが表 彰台にあがれるように、拍手で激励しました。これから半年、本番まで、まだまだ プッシュしていきますので、これからも応援をよろしくお願いいたします。

(7日からはレーザー世界選手権です。国枠とりがかかっていますので、今度は、こ ちらの応援もお願いします。)

Photo:斎藤 愛子
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世界選手権が終わり、31日はコンテナ6本の積込でした。雨が降り、たいへんな作業となりました。
Photo:斎藤 愛子
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松永組の470とコーチボートはヨーロッパ便に入ります。車でバックしながらコンテナに入れていきます。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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オーストラリア遠征ではトヨタからサポート車を出していただきました。
セーリングチームのロゴをはりました。


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