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2008年レーザー級世界選手権

斎藤 愛子氏のレポートです
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   日本セーリングチームオリンピック出場枠を獲得!

関連サイト:
大会全体のURL
http://aus08.laserinternational.org/
成績のリンク http://aus08.laserinternational.org/results.php

Index 2008年レーザー級世界選手権 のお知らせ

2月4日から2月13日まで、オーストラリア・シドニー郊外のテリガルにおいて、 2008年レーザー級世界選手権が開催されます。シングルハンドクラスでは世界1 普及をしているレーザー級ですが、57カ国160艇がワールドタイトルを争いま す。また、北京五輪の国枠がとれていない26カ国については、残り10カ国の枠を 勝ち取るためにシビアーな争いになります。

日 程: 2月4−6日 受付、チャーター艇引渡し
  2月6日 14:30よりプラクティスレース
  2月7−10日 予選ラウンド
  2月11−13日 決勝ラウンド

 レーザー級 57カ国160艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 飯島 洋一  イイジマ ヨウイチ  飯島木型
 永井 久規  ナガイ ヒサキ  豊田合成
 沖西 祥宏  オキニシ ヨシヒロ  エスピーネットワーク
 イアン・ホール  イアン ホール  福岡経済大学
 安田 真之介  ヤスダ シンノスケ  鹿屋体育大学
 齋藤 大輔  サイトウ ダイスケ  秋田県立ゆり養護学校
 小野寺 正一郎  オノデラ ショウイチロウ  宮城県セーリング連盟

大会のみどころ 予選は5レース以上、最大で8レース、決勝6レースを予定しています。160艇が 3グループに分かれてレースしますが、国枠を獲得するためには、ゴールドフリート に残ることが必至です。昨年のカスカイスでは1番ちがいで枠を逃していますが、今 回は枠とりだけではなく、より上位に入ることと、枠をとった選手が代表という、日 本代表選考も兼ねています。

飯島は葉山での選考レースが終わった直後にシドニーへ遠征し、シドニーインター、 オーストラリアナショナル、セールメルボルンと3大会をへて、1月20日からテリ ガルで現地練習を続けています。永井はメルボルンで2大会に出た後、一度帰国し て、1月末から現地に入りました。沖西、ホール、齋藤、小野寺は国内で練習を重ね ての遠征になりますが、大学生の安田は12月中旬から飯島といっしょにメルボルン の大会と現地練習を続けてきました。この中から、必ず、ゴールドフリートに残って くれる選手がでることを期待します。160艇という数は圧倒されます。マイペース で、自分の走りができた選手が上位にいきます。

今年のオーストラリアは東海岸で雨が多く、内陸で洪水になったり、気温があがらず じまいです。大会初日に前線が通過していくと、その後は夏らしい天気がやってきそ うですが、今のところ、2月に入ってからは毎日雨ばかりです。

1月の49erと同様、枠とりは厳しい争いになると思いますが、13日の最終日ま で応援をいただけますよう、よろしくお願いします。

Photo:斎藤 愛子
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5日の朝、前夜の嵐で本部船が係留ブイからロープが切れて流れてしまい、砂浜に座礁していました。
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レーザーワールドは全部チャーター艇ですが、ラダーにLaserロゴが入っているバージョンです。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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ダガーボードにもLaserロゴが入っています。
Photo:斎藤 愛子
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5日は計測でした。レーザーはリグをたてて、ロープやショックコードの取り回し、バテンなどをチェックします。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第1日目

レーザー世界選手権は56カ国158艇の選手が受付と計測を済ませ、本日2レースを予定していましたが、天候がすぐれず、レースを行うことができませんでした。

今年のオーストラリアはどうなっているのでしょうか・・・13時スタート予定で昼前に集まった選手達は、風がなくて回答旗があがり、12時30分まで陸上待機となりました。旗が降りて海に出たものの、30分もしないうちに南のほうで雷雲が発達しだしてストーム予報がでてしまい、本部艇にはAPとH旗があがりました。全艇が浜に帰着してから15分後に雨が降り出し、雷が四方八方で鳴り始め、周辺でいくつもの雷雲が発達している様子でした。

もしかしたら、雷雲が通過した後でレースができるかもしれないという運営側の希望は、「別の雷雲がテリガルを通過する予定」との気象台からの通報でうちくだかれてしまい、本日レースは終了、明日のスタート時刻は定刻の13時から2レース」とアナウンスがありました。

日本選手は風待ちの間、佐々木コーチの冗談に笑ったり、リラックスした様子で、今日のノーレースは初日の堅さをとるのにちょうど良かったかもしれません。明日は2レースの予定のままです。予選は4日間で5レース以上なので、残り3日間で6レースできたらいいということでしょう。

Photo:斎藤 愛子
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雷雨の予報がでており、急激に発達した雷雲と競争で陸へ戻りました。
全艇帰着後の15分で突風と雨がきて、落雷が始まり、セーフでした。
Photo:斎藤 愛子
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ジュリーボートから手を振るのは、ジュリー・チェアマンの大谷たかを氏。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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急いで帰らないと嵐がきます。30分で青空がこの色に変化しました。
Photo:斎藤 愛子
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振り出した雨の中、片付けて、次の指示を待ちます。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第2日目

小雨まじりの中、最初は200度近くから吹いていた風が徐々に南東へ回り、15ノットから最後は6ノットまで弱まる中で2レースを行いました。157艇が3グループに分かれての予選は最初の2グループがゼネリコなしの1発スタート、3組目で初めてゼネリコ、ブラックフラッグのスタートとなり、飯島選手ほか4艇がブラックでよまれて失格になりました。

今日の日本選手は飯島の失格もありましたが、第1レースではスタートがきちんと出られず、あいた場所が見つからず2列目の出遅れが目立ちました。2レース目は特にスタートの部分を修正して、永井は9位、沖西は6位、飯島は快心の2位をとることができました。また、ワールド初挑戦の小野寺も良いスタートから1上マークを上位で回ることができ、厳しい中でも20番台でフィニッシュすることができました。8ノット前後の中軽風だったのが良かったのでしょう。沖西はトータルで25位、永井が42位、飯島が85位にいます。沖西の順位は枠とりでは1番になります。レーザーチームの目標はゴールドフリート54艇の中に3艇が残ることなので、初日はまずまずのすべりだしでした。

いつも上位に入る海外のトップ選手達が不安定な中軽風のレースで悪い順位をとらされています。明日は立て直してくるでしょうから、予選のレースでは積極的にスタートから出ていき、最初のシフトをつかむことが肝心です。それにしても、アルゼンチンは2レースともトップで、スーパーな1日でした。

明日も13時から2レースを予定しています。南西の風が20ノット前後と予報されており、強めの風になれば異なる顔ぶれが上位にでてくるのでしょうか。

日本選手の成績
 レーザー級 56カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日2レース
 25位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
   23−6
 42位  永井 久規  豊田合成
   28−9
 85位  飯島 洋一  飯島木型
   BFD−2
 101位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
   38−24
 145位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
   52−42
 147位  イアン・ホール  福岡経済大学
   51−44
 150位  安田 真之介  鹿屋体育大学
   47−49
Photo:斎藤 愛子
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齋藤選手は「秋田」の国体用ビブでレーザーワールド初挑戦。今日は洗礼の日でした。
Photo:斎藤 愛子
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しょっぱなからブラックフラッグのえじきになったのは飯島選手(98)でした。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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南からの巨大なうねり、潮は1ノットを超える時間帯がありました。
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ブラックフラッグにくじけず、第2レースでは良いスタートから最後は2位に入った飯島選手。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第3日目

とても長い1日でした。13時の定刻スタートに合わせて12時に飯島が1番出艇したのですが、すぐに回答旗があがり、一旦陸へ戻ってスコールが通過するのをやりすごし、時間をずらして出艇しました。しかし、海上へでること2時間。巨大な雨雲が低気圧のように発達し、周囲は風が徐々に右へシフトしていくため、マーク設置ができず、スコールの中をひたすら待機。15時に一度ハーバーへ戻り、16時に回答旗がおりて、再度スタートを試みたのが17時30分でした。

215度設定のコースで3グループがスタートし、風は18ノットまであがったいい条件になりました。黄色組では飯島が1上マークで30番くらいだったのを最後11位まで挽回しました。永井は風のシフトと逆へいってしまい、ビリ3で1上マークを回ったのですが、最後には36位まであがりました。赤組の沖西は1上マークを20位で回り、フィニッシュは23位、トータルでは34位の日本人トップです。昨日よりも若干後退していますが、すでに国枠がとれている上位陣の中で奮闘していますから、枠とりは今日もトップです。飯島は気迫が走りに表れました。最後はポルトガルのリマと競り合いになり、2003年ワールドチャンピオンに僅かな差で負けてしまいましたが、最後まで集中できていたと思います。安田、ホールの大学生コンビは体格は外国勢に負けていないので、飯島の気迫を見習って世界にくいついてほしいです。普段どおりの走りができたら、あと10番は上を目指せるのではないでしょうか。ワールドの雰囲気にのまれて、どうするんだ!と、渇をいれたいところです。

今日は待ち時間が長く、1レースしかできませんでしたので、明日はスタートを午前9時30分にくりあげ、3レースを予定しています。今日は最終フィニッシュの赤組・小野寺選手をエスコートして浜に到着したのが日没後の19時45分でした。今日も十分、長い1日でしたが、明日はそれ以上のものになりそうで、たいへんです。
予報は南の風が10−15ノット、安定して吹くようです。

日本選手の成績
 レーザー級 55カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日1レース
 34位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
   23−6−23
 54位  飯島 洋一  飯島木型
   BFD−2−11
 63位  永井 久規  豊田合成
   28−9−36
 125位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
   38−24−49
 147位  安田 真之介  鹿屋体育大学
   47−49−41
 149位  イアン ホール  福岡経済大学
   51−44ー43
 152位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
   52−42ー49
Photo:斎藤 愛子
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朝から空には真っ黒な雲がひろがっていました。スコールがくるとわかっていましたが、飯島が出艇しました。
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エリアではスコールと雷にやられてしまい、雨が顔にささるようで痛かったです。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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雨あがりには虹も見えました。
Photo:斎藤 愛子
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たった1レースしかできませんでしたが、15ノット前後のいい風でレースできました。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第4日目

予選最終日は午前9時30分に第4レースを200度でスタート、続いて第5レースも200度、第6レースは軸が左へふれて170度でスタートし、無事に3レースを行うことができました。最初の2レースは15−20ノットのコンディションでしたが、最後のレースは途中から天気がよくなり、風も10ノットまで弱まりました。2レースできついハイクアウトが続いた後でしたから、弱まってくれたのは、どちらかといえばほっとした選手が多かったのではないでしょうか。

今日は第5レースの青組ではブラックフラッグで失格の艇がでましたが、永井がその中に含まれていました。良いスタートだったので、自分でもそのスタートがゼネリコになった時には番号をよまれたかもしれないと思ったようです。失格が掲示された時には、予選でゴールドに残れないと飯島、沖西だけが残って五輪選考から脱落してしまうと考えたかのように、うなだれていました。

昨日まで日本チームを引っ張っていた沖西は最初の2レースでスタートが消極的になり、風の弱くなった第6レースこそ18位に入りましたが、ゴールドへのふんばりがききませんでした。また、最初のレースがBFDで爆弾を抱えてのレースを続けていた飯島もスタートが悪く、1上を前で回ることができませんでした。第5レースでは1ノット以上の潮があるのがわかっていながら、マークへのアプローチが中途半端になりました。10番台前半で回れそうでいながら、最後までねばりすぎたために、内側でタックやジャイブを繰り返すはめになり、順位を大きく落としてしまい、日本チームのトップにでながらも、8点差でゴールドフリートに残ることができませんでした。

予選が終わった段階で、55カ国参加のうち、枠をもっていない25カ国がありますが、その中から韓国だけがゴールドフリートに残りましたので、枠とりに関しては勝ち抜けになります。今回は10枠ですから、残り9枠をシルバーフリートに残った11カ国で争うことになりますが、日本は、その中でトップにいます。61位の飯島、63位の永井、66位の沖西の3艇が国枠とりと代表の座をかけて、明日からのシルバーフリートでのレースで戦うことになりました。永井はBFDのショックから見事に立ち直り、第6レースで6位フィニッシュをはたして、飯島に3点差、沖西も10点差ですから、代表争いは振り出しに戻りました。3艇の1歩も譲らない戦いぶりに、枠とりも期待できると思います。

全体では連覇を狙うオーストラリアのスリングスビー選手がトップをキープしています。一番の脅威になりそうだったイギリスのグディソン選手が第6レース(4位)が失格となり、トップ10圏外へ落ちたことは、タイトルの行方に影響しそうです。

明日は一転して北/北東の風、また小雨がぱらつく予報です。13時スタートで2レースを予定しています。

日本選手の成績
 レーザー級 55カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日3レース
 61位  飯島 洋一  飯島木型
96  (BFD)−2−11−22−38−24
 63位  永井 久規  豊田合成
99  28−9−36−20−(BFD)−6
 66位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
103  23−6−23−(41)−33−18
 137位  イアン ホール  福岡経済大学
196  (51)−44ー43−42−25−42
 140位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
206  38−24−(49)−49−48−47
 143位  安田 真之介  鹿屋体育大学
210  47−(49)−41−44−43−35
 149位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
229  (52)−42ー49ー51−45−43
Photo:斎藤 愛子
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きつい3レースですが、1上マークはいつも混雑です。トップの選手はハイクアウトがちょっとちがいます。
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永井は094でブラックフラッグにひっかかり、思わずうなだれてしまいました。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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レースエリアの潮は1ノット以上あり、風が少しでも弱まると上マークで回航できなくなります。飯島は内側でえじきになりました。飯島はミスが続き、ゴールドフリートに残れませんでした。
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 「BFDのあと、失うものはなくなりましたから、思い切りレースしました。」と永井選手。第6レースで1上20位から最後は6位まであがり、満足な笑顔。飯島がもたついてくれたおかげで、明日からシルバーフリートで代表争いは仕切りなおしです。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第5日目
Photo:斎藤 愛子
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 「ダウンウィンドで抜かれちゃうんです・・」と、苦戦をしいられている沖西選手。
決勝の初日は東からの風が10ノット前後で始まり、少しづつ左へシフトしていく中で2レースを行いました。途中、15ノットくらいまで強まった時間帯もありますが、強弱あり、シフトあり、エリア内で風のむらがあり、難しいレース展開となりました。

そんな中、ゴールドフリートではアルゼンチンのアルソガレイ選手が4位を2回とり、トータルでオーストラリアを抜いてトップにたちました。アルゼンチン・ミュージックののりで、シフト大好き、ひらめきでいいサイドを攻めるのが勝因だそうです。勝つつもりでオーストラリアへきたので、明日からも負けないと、ラテン系独特の勢いがあります。

シルバーフリートでは、日本3選手がアップダウンのある2レースでした。第7レースで永井が14位、第8レースで飯島が9位と奮闘するものの、残りのレースは20番台後半や30番台前半で、順位をさげてきています。沖西はダウンウィンドで順位をおとしてしまい、点差をつめていかれませんでした。また、国枠ですが、昨日、シルバーフリートに11カ国残り、1カ国がとれないというのは誤りで、11のうち、9カ国しか獲得できませんので、2カ国がとれないことになります。今日の成績で、日本はシルバーの中では1位ですが、シンガポールが今日の2レースで一気に追い上げてきました。

明日も13時から2レースを予定しています。10レースを行うと2レースがカットになりますので、順位に大きく影響してくる可能性もあります。明日も今日と似たコンディションでのレースとなりそうです。

日本選手の成績
 レーザー級 55カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日2レース
 シルバーフリート
 8位  飯島 洋一  飯島木型
   (BFD)−2−11−22−38−24−29−9
 12位  永井 久規  豊田合成
   28−9−36−20−(BFD)−6ー14−34
 17位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
   23−6−23−(41)−33−18ー33−20
 
 ブロンズフリート
 26位  イアン ホール  福岡経済大学
   (51)−44ー43−42−25−42ー24−18
 33位  安田 真之介  鹿屋体育大学
   47−(49)−41−44−43−35−25−21
 37位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
   38−24−(49)−49−48−47−43−36
 42位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
   (52)−42ー49ー51−45−43−45−32
Photo:斎藤 愛子
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永井選手の上マーク。今日は波の波長が短く、チョッピーで走りにくいものでした。うねりも残っていたので最悪です。
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スタートで出遅れて苦戦の飯島選手。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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今日はブロンズフリートで11艇、シルバーフリートが4艇のブラックフラッグでの失格がありました。ゼネリコで、まもなく番号のボードが掲示されるため、緊張ぎみのシルバーフリートです。
Photo:斎藤 愛子
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シルバーフリートでトップを走るのはクロアチア。明日は日本選手がこんな風景できてほしいです。


Index 2008年レーザー級世界選手権 第6日目
Photo:斎藤 愛子
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 スタートラインの中央付近で、トップを争うアルゼンチンとオーストラリアが並びました。今日はオーストラリアが2回トップでしたが、アルゼンチンも粘ってトータル2点差で最終日に激突勝負です。
安定した北北東の風の中、13時定刻にゴールドフリートがスタートし、何回かのゼネラルリコールがありましたが、12−18ノットのコンディションの中、2レースを行いました。相変わらず、巨大なうねりとチョッピーな波が混ざった走りにくい海面でしたが、ワールドタイトルや国枠、各国の代表争いなど、さまざまな戦いがくりひろげられていました。

北京五輪の国枠は今回10カ国が新たに獲得しますが、ゴールドフリートに残った韓国が1枠、残り9枠をシルバーフリートに残った12カ国が争います。日本は今日の結果でスイスに抜かれたものの、シルバー内では2位ですから、全体の3枠目をキープしています。明日の2レースで逆転されて落ちる可能性はほぼなくなりました。

そうすると、気になるのは日本代表ですが、枠をとった選手が代表になりますから、今日までの結果で、飯島がリードをひろげて最終日を迎えます。永井とは35点差、沖西とは52点差がつきました。最終日は2レースを予定していますから、飯島がきっちりレースをして逃げ切るか、永井と沖西がミラクルな走りをみせて大逆転を果たすか。1レースでひっくり返すのはかなり厳しいのですが、2レースあれば届かない差ではありません。明日は3選手が持てる力を全部出し切って、いいレースをしてほしいです。

ワールドタイトルのほうも、オーストラリアのトム・スリングスビーが今日はトップを2回とって、トータルでもトップに戻りました。しかし、アルゼンチンも2点差の2位ですから、明日の勝負はコンディションに左右されそうです。安定した強風ならオーストラリア有利、変化の多いシフティーなコンディションならアルゼンチン有利となるでしょう。明日は前線通過の後、南西の強風が吹く予報ででています。

明日、代表選考については、速報でお知らせする予定です。

日本選手の成績
 レーザー級 55カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日2レース
 シルバーフリート
 10位  飯島 洋一  飯島木型
144  (BFD)−2−11−22−(38)−24−29−9−31−16
 27位  永井 久規  豊田合成
179  28−9−36−20−(BFD)−6ー14−34−(44)−32
 36位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
196  23−6−23−(41)−33−18ー33−20−40−(41)
 
 ブロンズフリート
 28位  イアン ホール  福岡経済大学
227  (51)−(44)ー43−42−25−42ー24−18−18−17
 31位  安田 真之介  鹿屋体育大学
259  (47)−(49)−41−44−43−35−25−21−26−24
 39位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
325  38−24−(49)−(49)−48−47−43−36−45−44
 44位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
338  (52)−42ー49ー(51)−45−43−45−32−41−42

Photo:斎藤 愛子
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ゴールドフリートの下マークは僅差の激戦です。よくぶつからないものだと、レーザーセーラーの技術の高さに驚かされました。
Photo:斎藤 愛子
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沖西選手は第9レースの途中を14番で走っていたのですが、2下マークでの沈が痛かった。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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ダウンウィンドで波にのれない永井。何かリズムが狂ってしまった1日でした。
Photo:斎藤 愛子
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よっしゃ!と、代表の切符に王手をかけた飯島選手。複雑な笑顔は、歯を食いしばってハイクアウトしてフィニッシュした直後です。まだ決定ではありませんが、永井、沖西が逆転するにはミラクルな走りが必要です。



Index 2008年レーザー級世界選手権 第7日目(最終日)
Photo:斎藤 愛子
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強風で陸上待機の最中にペリカンが悠々としていました。
テリガルの海はタスマン海というか、南太平洋というか、沖には何もない外洋になります。今日はブリスベン沖にある低気圧と、南から発達してオーストラリアを覆ってきた高気圧の間に気圧の谷と前線ができており、南からの強い流れが30ノットを超える強風となってシドニー沿岸を通過していきました。午前10時45分には突風が吹き、レーザーを保管しているラグビー場の外枠にたてたフェンスが風で吹き倒されてしまいました。

11時頃から選手が集まりだしましたが、横殴りの雨の中、全員がクラブハウスに納まりいきらない状態で陸上待機の回答旗があがるのを見つめました。レース委員会は本部艇が海上に出て、可能な限り、レースを行う方針を発表し、トリマランの本部艇は巨大なうねりの中をレースエリアへ向かって出発。波にもまれる姿をみながら、とてもレーザーがレースをできるコンディションには思えませんでした。13時30分にブロンズフリートが、本日レースなしとなり、片付けが始まりました。ゴールドとシルバーはそれからしばらくの間、旗の合図がおかしかったので、マストをたてて出艇準備を始めたり、やめたり、落ち着かないうちに全グループ中止、大会終了の知らせが出ました。

待ち時間が長かったのですが、結局ノーレースで、昨日までの成績がそのままファイナルになります。日本は10カ国の枠のうち、3番目に五輪への切符を手にすることができました。最終選考は国枠をとり、日本選手で1位となった飯島洋一が北京五輪の代表になります。飯島は器用なタイプのセーラーではありませんが、12月に葉山で選考が終わった後、シドニーインター、年末年始にブレアグローリーで開催されたオーストラリアナショナル、セイルメルボルンに参加し、この60日間、ほとんど毎日海へ出る勢いで練習を重ねました。本当はゴールドフリートに残って、かっこよく代表になってほしかったのですが、飯島は努力が信条ですから、五輪本番までに今回足りなかったことを必ず克服してくれると思います。また、日本選手2番手の永井久規が補欠にきまりました。

永井、沖西も精一杯戦いましたが、最後に力尽きて飯島についていかれませんでした。二人とも、中軽風では光るものを見せてくれましたが、サイボーグのようにタフなセーラーが数多く存在するレーザー級では、15ノットを超えた風の中で勝負ができませんでした。また、飯島を含めて、世界との大きな差はダウンウィンドでのスピード維持です。3選手とも部分的にはトップスピードを出せますが、息つぎしないで潜水してくるようにダウンウィンドを突っ走るトップセーラーには、自分が息つぎしている間においていかれます。これから世界を目指す日本のレーザーセーラーは、とにかく、ダウンウィンドの技術をマスターしなければ、ゴールドフリートは遠い彼方かもしれません。北京五輪まで、アップウィンドではトップレベルについていかれる飯島にはダウンウィンドスペシャルの猛特訓が必要です。

8回目のワールドチャレンジになった永井は、「1回もゴールドフリートに残れなくて悔しいです。」と、予選最終日にもらしていました。五輪代表選考は今日で終了となりますが、悔しいなら、北京で区切りをつけないで、来年のカナダへむけて、もう一度チャレンジしてほしいと思います。ゴールドに残るまで、やめてはいかん!といいたいところで、レーザー世界選手権はオリンピック以上にチャレンジする価値のある大会であることを忘れないでほしいと思います。

レーザーワールドは本日で終了しました。レース期間中、たくさんの応援をいただき、ありがとうございました。木型職人の飯島は、北京を目指して努力していきますので、今後も応援をお願いします。

日本選手の成績
 レーザー級 55カ国157艇参加  
 日本からは7艇が出場します。
 本日レースなし
 シルバーフリート
 10位  飯島 洋一  飯島木型
144  (BFD)−2−11−22−(38)−24−29−9−31−16
 27位  永井 久規  豊田合成
179  28−9−36−20−(BFD)−6ー14−34−(44)−32
 36位  沖西 祥宏  エスピーネットワーク
196  23−6−23−(41)−33−18ー33−20−40−(41)
 
 ブロンズフリート
 28位  イアン ホール  福岡経済大学
227  (51)−(44)ー43−42−25−42ー24−18−18−17
 31位  安田 真之介  鹿屋体育大学
259  (47)−(49)−41−44−43−35−25−21−26−24
 39位  小野寺 正一郎  宮城県セーリング連盟
325  38−24−(49)−(49)−48−47−43−36−45−44
 44位  齋藤 大輔  秋田県立ゆり養護学校
338  (52)−42ー49ー(51)−45−43−45−32−41−42
Photo:斎藤 愛子
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結局レースができなくて、撤収作業が始まりました。
Photo:斎藤 愛子
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コーチボートの上にレーザーを積み、明日のコンテナ積み込みに出発準備OKです

 

 

Photo:斎藤 愛子
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全員で記念撮影。初ワールドの選手もいれば、8回目のベテランもいます。おとうさんやサポートの面々もいっしょにお疲れさまでした。
Photo:斎藤 愛子
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選手7名。ほっとした表情で、代表の飯島にはっぱをかけていました。




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