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江ノ島オリンピックウィーク2006

JSAF Enoshima Olympic Week 2006

斉藤 愛子氏のレポートです

Photo:斉藤 愛子
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成績表 Result (PDF File)
470級 470 (M&W) 49er級 49er RSX級 RSX (M&W) 420 (M&W) Laser (M&W) FJ (M&W)

English      
  Notice of Race (PDF File) Entry Form (PDF File) Sailing Instructions (PDF File)
       
Japanese      
  レース公示 (PDF File) 参加申込書 (PDF File) 帆走指示書 (PDF File)


Index 江ノ島オリンピックウィーク2006 第1日目
Photo:斉藤 愛子
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軽風の中、フィニッシュマーク手前の第3マークで内側を争う470艇群。
10月19日

セーリング競技のオリンピッククラスとユースクラスが集まる江ノ島オリンピックウィークが始まりました。今年は国体が10月にあり、日程がタイトだったこと、福岡で開催される全日本大学選手権が近いことなどの影響があり、エントリーが少ない大会となりました。また、レーザー級は中部選手権、レーザーラジアル全日本が稲毛で開催されることもあり、オリンピック種目のシングルハンドも姿を見せない寂しい大会です。

北京五輪から新しいウィンドサーフィン種目となったRSX級は2回目の大会となりました。今日は弱い風で2レースを行ったRSX級ですが、「2レース目の最後はパンピングがきつくて、倒れそうでした。(富澤)」というくらい、2レース目後半は無風に近い状態での争いとなりました。

470とRSXは男女同時スタートでレースを行いましたが、この大会に招待選手として出場しているウクライナのタラン/パコルチック組が470でトップをとりました。スタートから北よりの風が弱まる中、残る風をよくひろい、第1マークを3位で回航した後、第2マークから第3マークでのランニングでトップにでると、後は堅いコースどりであぶなげなくトップを快走しました。アトランタ、シドニーと2回連続で470女子銅メダルを獲得したチームですが、シドニー後、パコルチックは6年間のブランクをへて、今年から復帰しました。タランはアテネ五輪で3人乗りのイングリング級で銅メダルをとり、4回目の五輪挑戦は470に戻ってきました。「江ノ島にきて、日本のナショナルチームの選手とトレーニングを行い、ウクライナではできないような、まとまったチームトレーニングができて自分達の技術を取り戻すために大きなプラスとなっています。(タラン)」と、いうくらい、この数日でスピード感覚を取り戻しているベテランチームの鋭さを見せています。470女子の近藤・鎌田組は第1マークを中盤以下で回りながらも、広い視野で遠くの風をよく見て、各マークで順位をあげ、先に開催された世界選手権での銀メダリストの貫禄の走りを見せてくれました。

Photo:斉藤 愛子
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RSX級の第2レーススタート。ゼネリコの後、ブラックフラッグが上がってのスタート。

470と49erは第2レースをスタートしましたが、途中で無風となり、ノーレースになりました。

大会は22日まで、毎日最初のスタートは10時です。ユースクラスは21日土曜日から始まります。

10月19日の成績:
ウィンドサーフィンRSX級男子   本日2レース 
1位 富澤 慎 (関東学院大学)
1−1
2位 谷賢 二郎 (山口県セーリング連盟)
2−2
3位 小川 達朗 (旭硝子)
3−3
 
ウィンドサーフィンRSX女子  本日2レース (男子と同時スタート)
1位 野津 千尋 (宮城県セーリング連盟)
6−7
2位 須長 由季 (MikiHouse)
13−6
3位 石野田 恵江 (マリンブルー)
12−DNF
 
49er級 本日1レース
1位 轟賢 二郎・高橋 賢次 (関東自動車工業)
2位 城 航太・梅田 佳英 (SPN)
3位 石橋 顕・牧野 幸雄 (FYC)
 
470級男子  本日1レース (女子と同時スタート)
1位 松永 鉄也・上野 太郎 (スリーボンド)
2位 高木 克也・久保 博 (ヤマハ・学習院大学)
3位 本吉 夏樹・池亀 有紀 (神奈川大学)
 
470女子 本日1レース (男子と同時スタート)
1位 タラン・パコルチック (ウクライナ)
2位 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)
3位 井嶋 千寿子・加藤 彩香 (東亜建設工業)


Index 江ノ島オリンピックウィーク2006 第2日目

10月20日

大会第2日は定刻の10時に風が弱く、陸上待機になり、12時40分に回答旗が降下されるまで、スタート延期となりました。13時20分から49erがスタート、470が続いて第2レーススタートとなりましたが、RSXは14時28分にスタートで本日1レースを行いました。

470は近藤・鎌田組が2レースともトップをとりました。クルーがトラピーズにのることのない弱い風での2レースでしたが、ブローをよく見て、潮の影響を考えたコースどりが光っていました。女子のトップはもちろんのこと、総合でも男子チームを抑えてトップです。

ウクライナのタラン・パコルチック組は第2レースでライフジャケット着用の帆走指示書の項目で違反があり、失格となりました。男子の1位は松永・上野組で、トップとは2点差です。

49erは轟・高橋組が堅い走りでトップをとり続けています。また、RSXは本日もパンピング競争になり、富澤がリードをひろげています。

明日からはジュニアクラスのFJと420が加わります。オリンピッククラスの最初のレースは10時スタート予定です。明日はもっと風が吹くように祈っています。

10月20日の成績:
ウィンドサーフィンRSX級男子   本日1レース 
1位 富澤 慎 (関東学院大学)
1−1ー1
2位 谷賢 二郎 (山口県セーリング連盟)
2−2−2
3位 小川 達朗 (旭硝子)
3−3ー5
 
ウィンドサーフィンRSX女子  本日1レース (男子と同時スタート)
1位 野津 千尋 (宮城県セーリング連盟)
6−7−7
2位 須長 由季 (MikiHouse)
13−6ー8
3位 石野田 恵江 (マリンブルー)
12−DNF−OCS
 
49er級 本日1レース
1位 轟賢 二郎・高橋 賢次 (関東自動車工業)
1ー1−1
2位 石橋 顕・牧野 幸雄 (FYC)
3−2−2
3位 城 航太・梅田 佳英 (SPN)
2−3−3
 
470級男子  本日2レース (女子と同時スタート)
1位 松永 鉄也・上野 太郎 (スリーボンド)
2ー6−2
2位 渡辺 哲雄・今村 公彦 (和歌山星林高校職員・JR九州)
9− 8−4
3位 中村 公俊・後藤 浩紀 (山口県スポーツ交流村)
17−3−3
 
470女子 本日2レース (男子と同時スタート)
1位 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)
6ー1−1
2位 田畑 和歌子・栗田 直美 (第一経済大学職員)
8−18−6
3位 タラン・パコルチック (ウクライナ)
1−DSQ−8
Photo:斉藤 愛子
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470の第2レース、第3マークでの混戦です。軽風で潮の影響があるコンディションでの接戦は青島テストイベントや470世界選手権を思い出させます。


Index 江ノ島オリンピックウィーク2006 第3日目
Photo:斉藤 愛子
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420は12月のアジア大会代表2チームがデッドヒートを繰り返しています。今日は男子が3勝、女子1勝。打倒シンガポールで、日々進歩しています。
10月21 日

凄い勢いで4レースを行いました。午前10時のスタート時には13ノットの北東風が吹き、RSX級は大会始まってから初めてプレーニングするレースとなりました。

RSX級は2レースしてから、一度陸へ戻り、再度海上へ出て第6レースを行いましたが、風は14時を過ぎる頃から弱まり、本日合計3レースを実施しました。第4レースではセールエリアの小さい女子の須長が男女同時スタートながらも4位でフィニッシュし、13ノットでは着実な走りを見せました。依然、トップは富澤で、第6レース以外はすべてトップフィニッシュをはたしています。

49er級は本日4レースを行いましたが、連続トップをキープしていた轟・高橋組が第4レースで沈して3位。それほど強い風ではなかったものの、連日の軽風でパフの中でのスピンホイストでミスってしまいました。

470男女は今日も近藤・鎌田組が安定してトップをキープしています。スタート後、集団の中から徐々に抜け出し、強弱があり、シフトの多い海面の中、有利なサイドに寄せていくレース展開は確実です。風が弱くなるとスピードと角度で他艇を引き離しています。男子の松永・上野組は失敗がなく、安定したスコアで男子1位を守っていますが、初日にいまひとつだった関・柳川組が今日はトップ2回を含めて安定したスコアで、男子2位に浮上してきました。明日の最終日も13時まで、できるだけ数多くのレースを行う予定ですから、最後まで優勝の行方はわかりません。女子の2位には吉迫・大熊組が手堅くあがってきました。

今日からスタートしたユースクラスでは、420、FJ,レーザーが4レースづつ行いました。420級ではアジア大会代表の2チームが接戦を繰り返しています。第1レースでは最後に女子の高橋・津ケ谷組が逆転して、トップをとりましたが、残りは男子の飯束・古谷組を抜くことができません。今大会にさきがけ、420代表チームは12月にカタール・ドーハで開催されるアジア大会にむけて470、レーザーとともに合宿をくみ、スパルタ練習を重ねた成果がでています。

明日の最終日は10時スタート予定です。13時のスタートリミット時間まで、できるだけレースを実施する予定です。

10月21日の成績:
ウィンドサーフィンRSX級男子   本日3レース 
1位 富澤 慎 (関東学院大学)
1−1ー1ー1−1−2
2位 谷賢 二郎 (山口県セーリング連盟)
2−2−2−2−2−1
3位 小川 達朗 (旭硝子)
3−3ー5ー7−5−5
 
ウィンドサーフィンRSX女子  本日3レース (男子と同時スタート)
1位 須長 由季 (MikiHouse)
13−6ー8ー4−12−8
2位 野津 千尋 (宮城県セーリング連盟)
6−7−7ー11−13−10
3位 石野田 恵江 (マリンブルー)
12−DNF−OCSー14−9−14
 
49er級 本日4レース
1位 轟賢 二郎・高橋 賢次 (関東自動車工業)
1ー1−1ー1−3−1−1
2位 石橋 顕・牧野 幸雄 (FYC)
3−2−2−2−1−2−2
3位 城 航太・梅田 佳英 (SPN)
2−3−3ー3−2−3−
 
470級男子  本日4レース (女子と同時スタート)
1位 松永 鉄也・上野 太郎 (スリーボンド)
2ー6−2ー7−3−1−7
2位 関 一人・柳川 祥一 (関東自動車工業)
21−11−5−1−1−6−8
3位 渡辺 哲雄・今村 公彦 (和歌山星林高校職員・JR九州)
9−8−4ー5−7−10−4
 
470女子 本日4レース (男子と同時スタート)
1位 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)
6ー1−1ー19−2−2−3
2位 吉迫 由香・大熊 典子 (ベネッセコーポレーション)
13−4−21−2−15−8−1
3位 田畑 和歌子・栗田 直美 (第一経済大学職員)
8−18−6ー17−RAF−4−16
 
ユースクラス
420級 本日4レース
1位 飯塚 潮吹・古谷 信玄 (福岡第一高校)
2−1−1−1
2位 高橋 友海・津ヶ谷 加依 (三ケ日高校)
1−2−2−2
3位 成田 有沙・櫻井 輝宙 (捜真女学校 ・ 関東学院高校
3−3−3−3
 
FJ級 本日4レース
1位 倉田 知実・永田 貴彦 (三ヶ日高等学校)
1−1−1−2
2位 市川 航平・今井 充 (早稲田大学高等学院)
2−2−DNE−1
3位 前島 雄太・荒川 友宏 (早稲田大学高等学院)
3−3−2−4
 
レーザー級(ユース) 本日4レース
1位 飯塚 修太郎 (高輪高校)
1−2−1−3
2位 大滝 海太郎 (横須賀学院高校)
3−1−3−1
3位 中村 光希 (桐朋高等学校)
2−3−2−2
Photo:斉藤 愛子
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男子1位の松永・上野組。トップをいく近藤組を6点差で追いかけています。明日は逆転をするのか・・・
Photo:斉藤 愛子
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やっとプレーニングしました。トップを走る富澤は、第6レースこそ谷に続いて2位になりましたが、トータルではトップを快走しています。
Photo:斉藤 愛子
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49erは轟・高橋組が7レース中6レースでトップをキープでしたが、第5レースは沈して3位になりました。


Index 江ノ島オリンピックウィーク2006 第4日目(最終日)
Photo:斉藤 愛子
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無風のレースを2位でフィニッシュした近藤 /鎌田組
10月22 日、最終日

最終日は定刻10時にRSXがスタートし、最初のレースは北風が弱まる中で行われました。スタート時は6ノット、時折8ノットのブローが入りましたが、徐々に弱まるコンディションで、むらのあるレース海面で止まった人がまけというレースになりました。

RSXは2レースを行い、後半はほとんどパンピング競争で、2レース目は途中でコース短縮になりました。49erは2レースともフィニッシュしましたが、最後に城・梅田組が左海面のブローをとって、逃げ切りトップをとりました。

470は近藤・鎌田組が今日も難しいレースながらも、しつこく風をひろって危なげなく優勝を手中に収めました。ナショナルチームの男子が勢ぞろいする中、女子チームがとうとう総合優勝を獲得しました。総合2位ながら、男子の1位は松永・上野組となりました。2レース目は2マークでコース短縮となり、無風の中での順位の変動が大きく、総合成績でも上下が激しい結末となってしまいました。しかしながら、4日間をとおして25隻ながらも非常にハイレベルなレースとなり、フリートの中でミスしたらすぐに抜かれるという内容の濃いものでした。適度に短いコースで、上位の選手が揃った中、参加した大学生やジュニアチームも得るものが多かったのではないかと思います。

ユースクラスは2レース目の途中で風がなくなり、1上マークでノーレースになりました。残念でしたが、2日間で5レースできましたから、まずまずでしょうか。420男子の飯束選手は4年前にOPでアジア大会金メダルをとりましたが、今度は420で2回目の挑戦になります。順調な仕上がりで、12月のレースが楽しみになりました。クルーの古谷選手は、「強風が得意だから微風でまだまだ。」と、課題を見出しています。

昨年と比べると、海外からの参加が少なくなりました。特にアジア地域は韓国が国体と重なってしまったり、アジア大会でドーハへ遠征する準備がせまっていたりと、アジアの国々が参加しにくい状況でした。また、日本も国体が10月初旬にあり、遠方からの参加が厳しかったこともありました。来年は日程調整をし、早めの公示で、より多くの参加をつのっていけるよう、努力したいと思います。

10月22日の成績:
ウィンドサーフィンRSX級男子   本日2レース 
1位 富澤 慎 (関東学院大学)
1−1ー1ー1−1−2−2−1
2位 谷賢 二郎 (山口県セーリング連盟)
2−2−2−2−2−1−1−6
3位 小川 達朗 (旭硝子)
3−3ー5ー7−5−5−8−4
 
ウィンドサーフィンRSX女子  本日2レース (男子と同時スタート)
1位 須長 由季 (MikiHouse)
13−6ー8ー4−12−8ー9−7
2位 野津 千尋 (宮城県セーリング連盟)
6−7−7ー11−13−10−13−11
3位 石野田 恵江 (マリンブルー)
12−DNF−OCSー14−9−14−11−DNF
 
49er級 本日2レース
1位 轟賢 二郎・高橋 賢次 (関東自動車工業)
1ー1−1ー1−3−1−1−1−2
2位 石橋 顕・牧野 幸雄 (FYC)
3−2−2−2−1−2−2−2−3
3位 城 航太・梅田 佳英 (SPN)
2−3−3ー3−2−3−3−3−1
 
470級男子  本日2レース (女子と同時スタート)
1位 松永 鉄也・上野 太郎 (スリーボンド)
2ー6−2ー7−3−1−7ー2−16
2位 渡辺 哲雄・今村 公彦 (和歌山星林高校職員・JR九州)
9−8−4ー5−7−10−4ー17−1
3位 山田 寛・中村 健一 (Team Sled)
12−2−17−6−4−5−22−6−5
 
470女子 本日2レース (男子と同時スタート)
1位 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)
6ー1−1ー19−2−2−3−1−2
2位 吉迫 由香・大熊 典子 (ベネッセコーポレーション)
13−4−21−2−15−8−1−11−8
3位 仲野 照美・森 菜津子 (龍谷大学)
11−20−13−22−5−9−18−4−4
 
ユースクラス
420級 本日1レース
1位 飯塚 潮吹・古谷 信玄 (福岡第一高校)
2−1−1−1−1
2位 高橋 友海・津ヶ谷 加依 (三ケ日高校)
1−2−2−2−2
3位 成田 有沙・櫻井 輝宙 (捜真女学校 ・ 関東学院高校
3−3−3−3−3
 
FJ級 本日1レース
1位 倉田 知実・永田 貴彦 (三ヶ日高等学校)
1−1−1−2−2
2位 市川 航平・今井 充 (早稲田大学高等学院)
2−2−DNE−1−1
3位 前島 雄太・荒川 友宏 (早稲田大学高等学院)
3−3−2−4−4
 
レーザー級(ユース) 本日1レース
1位 大滝 海太郎 (横須賀学院高校)
3−1−3−1−1
2位 飯塚 修太郎 (高輪高校)
1−2−1−3ー4
3位 中村 光希 (桐朋高等学校)
2−3−2−2−2
Photo:斉藤 愛子
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420の飯束(右)、古谷組(左)。アジア大会へ向けて順調な仕上がりです。
Photo:斉藤 愛子
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RSXの富澤は次のアジアコンチネンタルカップにむけて即遠征となります。
Photo:斉藤 愛子
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男子のNT選手をおさえて、初優勝の近藤(右)と鎌田。まったく、危なげない、王道のヨットレースでした。

 



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