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2006年レーザーラジアル級世界選手権大会

秋山 紀夫氏のレポートです

関連サイト:
大会のサイト
http://www.calyachtclub.com/cms/index.cfm?mainid=10&vNavID=18&vSubNavID=0
全体の成績
http://www.calyachtclub.com/cms/index.cfm?vNavID=125&mainid=10

Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会のお知らせ
Photo:秋山 紀夫
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事前練習で海に出る日本チーム。練習では弱い風が多く、小柄な日本選手には良いコンディション。
2006年レーザーラジアル級世界選手権大会のお知らせ

北京五輪女子1人乗り種目であるレーザーラジアル級の世界選手権が下記の要領で開催されます。

場所:
アメリカ・カリフォルニア州ロスアンゼルス、マリーナ・デル・レイ沖
ロサンゼルス国際空港からサンタモニカ側にある世界1の複合マリーナ(ハーバー機能と居住機能が備わっている開発地帯)として有名な場所です。1980年代前半に世界に先駆けて建造された巨大マリーナをベースに、カリフォルニアヨットクラブが運営で大会が開催されます。

日程:
7月20日ー26日 事前練習(チャーター艇利用可能期間)
7月27日ー29日 受付、チャーター艇配布、計測
7月30日-8月1日 予選レース(1日2レース、合計6レースを予定)
8月2日ー4日 決勝レース(1日2レース、女子については最終日に上位10艇によるメダルレース実施の予定)

日本からの参加:
石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ

 

ラジアル級一般;
榮楽 洋光 (えいらく ひろみつ)
前田 博志  (まえだ ひろし)
原田 高歩 (はらだ たかふみ)
林 雅一 (はやし まさかず)
コーチ: 秋山 紀夫

参加国数、エントリー数、成績のサイトについては、受付と初日のレースが終了した時点でお知らせいたします。



Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会(レポート1)
Photo:秋山 紀夫
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3−4mの風はマリーナデルレイの予想情報に反する。今年は各地で異常気象というか、風が吹いていない。
「ラジアルワールド初日まで、あと3日」

ロサンジェルスのマリーナ・デル・レイをベースに各国から選手が集まりだしています。男子ワールド、女子ワールドの両方を合わせて200艇ほどの規模です。2年後の北京オリンピックを目指して各国女子チームの緊張感が高まっています。アメリカはもちろん中国、ドイツ、イギリス、等は2週間前から現地入り。そして、日本チームも10日前から現地入りして海上トレーニングをつんでいます。今日(27日)から受付開始、テントも張られ新艇の受け渡し、セールに番号、国別イニシャル(日本はJPN)貼りと、会場も盛り上がってきています。

今日の海上トレーニングは230°から2−4m.sほどの弱い風、潮は約0.5ノットの120°(300°)、波長が恐ろしく長いうねりが入ってきます。外国選手に交ざってショートコースや帆走練習をおこないましたが、この長いうねりに 翻弄されて、まだリズムがつかめていないようです。艇をおこして、波に負けないハンドリングが要求されます。



Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会(レポート2)
Photo:秋山 紀夫
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秋山コーチと3人娘(左から長谷川、濱口、秋山、石川)。世界的にレベル急上昇中のレーザーラジアル級の中、追いつけ追い越せで、がんばっています。
開会式

今日(7月29日)は計測の後 プラクティスレースでしたが 天気が悪く、風もそれほど吹いていないため、多くの選手が出艇せずに休養をとっていました。日本チームも今までのイメージを整理したり、体を休めたりと、明日からのレースに備えました。艇の確認、帆走指示書の確認、を行い皆、最後のイメージトトレーニング(シミュレーション)を行っています。

そして、18時から開会式。年々、盛大にスピーチも多くなってきているのは、やはり、ラジアル女子が オリンピック種目になったからでしょうか。ここ、カリフォルニア・ヨット・クラブ(CYC)のセレモニーの手際の良さも、さすがビッグイベントに慣れている伝統あるクラブという感じです。

最終調整:

7月28日、ラジアルワールド2日前。
計測を終了して、昼過ぎから多くの選手が海上トレーニングに出て行きました。日本チームも出艇しましたが、早朝より晴れて気温が高く、シーブリーズが入るコンディションでした。海上は沖からの(250°)4−6m・sの風、潮もありますが 影響は少ないです。各国ほとんどの選手が集まりだしています。ヨーロッパ勢、南米ブラジル、アジアでは日本、中国が早くから到着の他、マレーシア、シンガポール、韓国とそろいだしています。コーチボートも20艇近くあり練習海上を走り回っています。
Photo:秋山 紀夫
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大会2日前の練習。オリンピック種目になってから加速度的に各国で強化が進んでいます。日本も長谷川、濱口は大学生ですが、アメリカや中国のトップ選手は昨年までユース大会で優勝争いしていたような若手です。
数年前ののんびりした雰囲気ではなく オリンピックを目指す選手達が集まった緊張感が伝わります。もちろん日本チームもコーチボートをチャーターして 選手の後ろから叱咤、激励、檄を飛ばしています。練習レースを何度も行っていますが スタート、マーク回航も本番さながら、とてもシビアです。フリーでは皆、フレッシュウインドを取るべく、そして、波に乗るべく、練習レース海面の左右に広がっていきます。



Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第3日目
Photo:秋山 紀夫
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スタート直後の濱口。それほど強い風ではないものの、スタート後の展開で前に出ていけませんでした。
予選第1日  7月30日

男子71艇、女子90艇のワールドがはじまりました。朝から曇りで海面も振れのある3m/sの弱い風が吹いています。予定通り午後1時5分女子ラジアルワールドの予選Aグループのスタート。続いて女子予選Bグループ、男子のスタートです(男子は予選なく1フリート)。女子Bグループスタート後 250°の風が 40°左に振れて 210°になるなど 安定しません。コミティーもマーク変更するなど 対応におわれています。

日本チーム女子3艇はスタートのつまずき、コース取りのまずさから成績がのびません。今日は予選2レースを終えましたが三日間で6レースの予選なので決勝にのこるにはあと4レースを上位で終えなくてはなりません。

男子チーム4艇は榮楽選手が2レースを10位8位とまとめ 総合4位と大健闘です。フリー、ランニング(追って)の走りがとてもいいとのことです。あとの3艇は中盤、終盤と苦戦しています。

日本選手の成績:
ラジアル女子: 参加 31カ国 90隻 本日2レース
濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
  39−39
石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
  41−41
長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ
  44−44
Photo:秋山 紀夫
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ハーバーは160隻のレーザーラジアルで満杯になります。

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
4位 榮楽 洋光 (えいらく ひろみつ)
  10−8
48位 前田 博志  (まえだ ひろし)
  49−44
64位 原田 高歩 (はらだ たかふみ)
  66−59
66位 林 雅一 (はやし まさかず)
  63−67


Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第4日目
Photo:秋山 紀夫
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何となくうす曇のせいか、思ったほど風の強くないマリーナ・デル・レイ沖。ラジアル女子の混戦です。フィンランドのムルタラ(FIN)は昨年軽風で走りが悪く予選落ちしたのを克服して、弱い風でも上位に入ってくるようになりました。
予選第2日  7月31日

朝の曇り空でも、ひる頃には真っ青なブルースカイとなり、昼頃から徐々に230°のシーブリーズが入ってきました。朝方の曇りのせいか風速はそれほど上がらず 4m/sほどのシフティーな風です。

今日は女子予選第3,第4レースが行われ、男子も第3,第4レースです。昨日は苦戦していた日本・女子選手は、スタートで臨機応変に空いたスペースから第一線でスタートすることをこころがけるようにのぞみ、なんとかフリートで競り合うようになりました。しかし、スタートで一旦つまずいてしまうと、すぐに2線スタートとなり、後ろに取り残されてしまいます。そんな中、石川選手が本来の調子をとりもどし、27位、24位と中盤でレース展開ができるようになってきました。中国は7人の女子選手を派遣し、3艇のコーチボートと力のいれ様はすごいです。トップ3はアメリカ、フランス、ポーランドとすさまじいトップ争いです。

男子は榮楽選手が第3レースはよくないものの第4レースで 11位と調子がいいです。振れる軽風から順風が得意のようで、最初悪くても、確実に順位を上げてきています。

日本選手の成績:
ラジアル女子: 参加 31カ国 89隻 本日予選2レース
77位 石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
  39−42−27−24
84位 濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
  36−39−43−43
87位 長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ
  42−44−39−41

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
10位 榮楽 洋光 (えいらく ひろみつ)
  10−8−48−11
49位 前田 博志  (まえだ ひろし)
  48−44−42−26
63位 林 雅一 (はやし まさかず)
  62−66−50−65
67位 原田 高歩 (はらだ たかふみ)
  65−58−64−63


Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第5日目
Photo:秋山 紀夫
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「第5レースで8位と首の皮1枚でつないで、予選最終レースにかけたけど、だめでした。」力足らず、シルバーフリートでの決勝レースとなってしまった石川あゆ美選手。
予選第3日  8月1日

久々に朝からカリフォルニアの青い空です。気温も高めで昼頃より 250°のそよそよとしたシーブリーズが入り始めました。今日は女子ラジアルの予選最終日で、男女それぞれ2レースを行いました。男子は予選がなく、一つのフリートで最後まで競います。
女子は全部で89艇を 明日からゴールド、シルバーフリートの2グループにわけての決勝となります。ラジアル女子が北京オリンピックで女子一人乗り種目となってから急速にレベルが上がってきています。各国、コーチ専属で長期合宿、海外遠征とすさまじい力の入れようです。

風上マークまでの上りのコース取りも風が右に振れたら皆スターボードで走り、左に振れたら皆、ポートタックで走ります。そして風がイーブンなときはスターボード、ポートタック入り乱れてポジション争いです。風にたいしてとてもシビアで誰一人として ロスしません。

日本チーム女子は石川選手が最初8位とよかったのですがその後シーブリーズが上がり始め2レース目には7m/s近くまで強くなり軽風が得意な彼女にっとてはつらい2レース目となりました。結果、期待された女子は3人ともシルバーフリートとなり明日から後半戦となります。

男子の榮楽選手は2レース目で12位と手堅く総合12位と残り後半の頑張りに期待です。

日本選手の成績: ( )最も悪い1レースをカットします。
ラジアル女子: 参加 31カ国 89隻 本日予選2レース
68位 石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
  39−(42)−27−24−8−35
83位 濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
  36−39−(43)−43−28−42
88位 長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ
  42−(44)−39−41−43−42

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
12位 榮楽 洋光 (えいらく ひろみつ)
  10−8−(48)−11ー37−12
53位 前田 博志  (まえだ ひろし)
  48−44−42−26−(56)−44
60位 原田 高歩 (はらだ たかふみ)
  (65)−58−64−63ー22−65
64位 林 雅一 (はやし まさかず)
  62−66−50−65ー40−(70)


Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第5日目
Photo:秋山 紀夫
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吹いても負けない榮楽選手。直前の国内合宿では女子の石川選手に走り負けて青かったはずなのに、何かをカリフォルニアでつかんだようです。
決勝第1日  8月2日

アメリカは、各地で猛暑になっているようで、ここロサンジェルスもヒートアップしてきました。朝から気温があがり、シーブリーズ(海風)が入り出し、午後1時のレーススタート時は7m/sの風、2.5mの波と絶好のコンディションでした。女子ゴールド(45艇)、シルバー(44艇)フリート、男子ラジアル各フリートで2レースを行いました。

今日は風が強まり、レース展開ががらっと変わりました。昨日まで軽風に苦戦していた選手が今日は思いっきり、のびのびと走っており、軽風が得意な選手は逆に今日は風と波に翻弄されていました。シルバーフリートとなったラジアル日本女子3選手は、スタートから積極的に出て行きますが、コースを回るうち重量級の外国選手においていかれます。1レース、約1時間20分の戦いですが最後まで艇をハイクアウトして起こして、集中し続けるのは、厳しいコンディションになってきました。

男子の榮楽選手も重量級ではありませんが、いいレース展開ができているのでフィニッシュも無難にまとめてきます。今年、アジア大会(12月)にラジアル種目があるので、今大会に韓国、シンガポール、マレーシア、インド、中国(女子)がトレーニングを兼ねて参加しています。

日本選手の成績: ( )最も悪い1レースをカットします。
ラジアル女子: 参加 31カ国 89隻 本日決勝2レース 
  ゴールドフリート (45艇)、シルバーフリート(44艇)
シルバーフリート
33位 石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
  39−(42)−27−24−8−35ー40−36
39位 濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
  36−39−(43)−43−28−42ー34−29
42位 長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ
  42−(44)−39−41−43−42ー39−32

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
20位 榮楽 洋光 (鹿児島フリート) えいらく ひろみつ
  10−8−(48)−11ー37−12ー45−16
46位 前田 博志  (広島フリート) まえだ ひろし
  48−44−42−26−(56)−44ー26−20
61位 原田 高歩 (唐津フリート) はらだ たかふみ
  (65)−58−64−63ー22−65ー61−57
64位 林 雅一 (鹿児島フリート) はやし まさかず
  62−66−50−65ー40−(70)−68−61



Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第5日目
Photo:秋山 紀夫
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石川選手(187340)のダウンウィンド。風が弱くなると上位を走ることができるのだが、シフトのよみが難しい海面になっています。
決勝第2日  8月3日

大会が始まってから、晴れてシーブリーズ続いていた毎日ですが、異常気象の影響のせいか、内陸は猛暑でありながら、ここサンタモニカ湾は朝から曇りで肌寒く、風もそよそよと弱めでした。今日も風向は230°から260°と安定しません。曇りの時には3m/sの風ですが、晴れ間がでると、そこから5m/s位まで強まります。

今日は各フリートで第9、10レースが行われました。日本チームにとって軽風は順位を上げるいい機会なのですが、振れ回る風にはとことん翻弄されます。地元選手でさえ手堅いコース取りができずにいますから、普段とは異なる状況なのでしょう。そんな中、昨日総合でトップにたった中国の リジャ選手は今日の2レース目でトップをとり、まさに独壇場です。彼女は最初のうちは中盤の順位でも 必ず追い上げてきてトップ争いでフィニッシュします。走らせかたも、アメリカやヨーロッパ選手のように、何が何でも起こしてパワーで走らせるのではなく、クローズホールド(風上へ)は波を利用して高さとスピードを追求し、 リーチング、フリー(風下へ)は圧倒的な速さです。そうとう乗り込んで風、波を知り尽くしているかのようです。中国チームは皆、フリーの走らせかたがうまく、速いです。

男子の榮楽選手は最初のレースで4位と好調でしたが、引き続き行われた2レース目は、上りでコースの左端に出てしまい、風が反対の右から吹き出してきたためにフィニッシュ順位を落としてしまいました。

明日は最終日になります。

日本選手の成績: ( )最も悪い1レースをカットします。
ラジアル女子: 参加 31カ国 89隻 本日決勝2レース 
  シルバーフリート(44艇)
27位 石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ
  39−(42)−27−24−8−35ー40−36−11−25
39位 長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ
  42−(44)−39−41−43−42ー39−32−26−17
40位 濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ
  36−39−(43)−43−28−42ー34−29−38−37

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
17位 榮楽 洋光 (鹿児島フリート) えいらく ひろみつ
  10−8ー48−11ー37−12ー45−16−4−(50)
51位 前田 博志  (広島フリート) まえだ ひろし
  48−44−42−26−(56)−44ー26−20−52−42
63位 原田 高歩 (唐津フリート) はらだ たかふみ
  (65)−58−64−63ー22−65ー61−57−62−67
66位 林 雅一 (鹿児島フリート) はやし まさかず
  62−66−50−65ー40−(70)−68−61−61−68


Index 2006年レーザーラジアル級世界選手権大会 第6日目(最終日)
Photo:秋山 紀夫
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頂点にたつ19歳のシュー(中国)と2位のニーマン(ドイツ、左)、3位のエリス(メキシコ、右)。ニーマンとエリスはヨーロッパ級の五輪代表からラジアル級へ転向してきました。シューはOPからヨーロッパ級をへて、ユースワールドのためにラジアルに乗り始め、初ワールドタイトルを獲得しました。
最終日  8月4日

今日も朝からうす曇り空でしたが、午後から晴れ間がひろがり、シーブリーズも徐々にはいり出してきました。250°の振れる風、4m/sほどです。最終日、ラジアル女子は決勝、男子も最終日で 今日は11, 12レース目です。

女子、優勝のゆくえは昨日トップにたった中国のシュー・リジャ選手が今日も無難にまとめて逃げ切れるかが見所でした。11レース、第一風上マークからトップ集団で回航し、無理せずそのまま4位でフィニッシュした時点で最終12レースをのこして優勝となりました。オプティミストから世界の舞台で活躍し、その後ヨーロッパ級をへて、昨年のユースワールドでは最後まで優勝争いに残っていたシューは、オリンピック種目の初タイトルにも落ち着いた反応で、「北京五輪が開催される青島は風が弱い場所なので、現在よりももっと体重を落としてのぞむこと、それまでにもっと技術を高めて、強くなりたい」と、19歳とは思えないほど落ち着いたチャンピオンの誕生となりました。2位には最終レースでトップをとったドイツのニエマン、3位はメキシコのエリスです。

昨年の覇者であり、ユースワールドチャンピオン、地元のエースとして注目されたワールドランキング1位、アメリカのライリー(フロリダ)は11レース目にジュリー(審判艇)により3回目の42条(推進違反)の笛を吹かれてリタイヤし、結果すべてのレースで失格となりました。総合45位は不本意な結果です。

日本チーム女子は石川選手が最終日に10位をとるなど、3艇ともシルバーフリートの上位、中盤でレース展開ができるようになってきましたが、課題は山積みであり、乗り込む量をもっと増やし、今回のレースを十二分にイメージして、目標を設定し取り組むことです。

男子はブラジルのピラール・ファビオが優勝、2位3位にはオランダの若手が入りました。前半調子のよかった榮楽選手は20位となりました。

今回のラジアルワールドでは各国、北京オリンピック2年前で女子の力のいれようが大きいです。また、男子はスタンダードへのステップとして若いセイラーの育成もかねてレーザーラジアルをバックアップしているようです。各国、コーチボートを1−3艇用意し、レース海面もつきっきりで見守ります。そして、海上、陸上でレース、気象、について分析し、選手に指摘、助言しています。食料や、ウエァーだけではなく、すぐに選手に情報やミスについて伝えるのは当然のことになりつつあります。

日本選手の成績: ( )最も悪い2レースをカットします。
ラジアル女子: 参加 31カ国 89隻 本日決勝2レース 
  シルバーフリート(44艇)
22位 石川 あゆ美 (ベネッセコーポレーション) いしかわ あゆみ 234点
  39−(41)−27−24−8−34ー(40)−36−11−25−20−10
38位 濱口 睦美 (早稲田大学、鳥取県セーリング連盟) はまぐち むつみ 333点
  36−31−(43)−(43)−27−41ー34−29−38−37−23−27
39位位 長谷川 哲子 (静岡大学) はせがわ さとこ 335点
  42−(43)−38−40−(43)−42ー39−32−26−17ー26−33

ラジアル級男子: 参加22カ国 71隻 本日2レース
20位 榮楽 洋光 (鹿児島フリート) えいらく ひろみつ 205点
  10−8ー(48)−10ー37−12ー45−16−4−(48)−40−23
52位 前田 博志  (広島フリート) まえだ ひろし 383点
  49−43−42−25−(55)−43ー26−20−(51)−40−44−51

62位

原田 高歩 (唐津フリート) はらだ たかふみ 567点
  (65)−58−64−62ー22−63ー60−56−61−(65)−59−62
66位 林 雅一 (鹿児島フリート) はやし まさかず 603点
  62−66−50−64ー40−(68)−67−60−60−66−DNF−DNF


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