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29er全日本

斎藤 愛子氏のレポートです
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29er全日本(2010年12月11-12日、神奈川県・江の島)

 2000年から毎年開催している全日本ですが、今年は江の島に12艇が集まり、中学生から還暦セーラーまで幅広い年齢層の愛好者を集めてのレースとなりました。

 11日は南西の超強風となり、とてもレースができるコンディションではなかったので、4艇のボートに5艇のレスキューを出して、スキフに乗りなれているメンバーが交代で中学生、高校生セーラーを指導することにしました。49erの牧野、高橋、飯島、和歌山の鈴木國央、全日本チャンプの重、それぞれ、よく沈しましたが、FJとかSSとかと異なる点を感じ取ってもらえたのではないでしょうか?

 12日は朝から5レースを行い、始めは強めの北風が、気温の上昇とともに弱まる江の島の冬パターンでレースしました。B+エリアは岸に近いので、左右からのシフトがありましたが、30分かからない短いレースですから、とくに後半は白熱したレース展開となりました。

 山口から初めて参加の小泉兄弟、内富・廣田組は唐津から29erを1艇借り、地元で何度か乗っての参加でした。クルーの弟・イブキくんはトラピーズも5回目とか。それでも他の選手と走り合わせる中で上達していく姿は、若い選手達の吸収力に圧倒されました。

 ディフェンディングチャンピオンの重・宮崎組には、「40kgのクルー探して!」とのリクエストでOPの深沢をクルーにしたスターセーラーの鈴木、昨年負傷で途中欠場となった平井・籠田、就職が決まりイケイケの川添と新境地を開拓しようと模索している板倉、中でも川添は初めて29erに乗ったにもかかわらず、第5レースでは重組に果敢にもスターボードをかけて、重組はペナルティーターンで5位まで落ちました。ここで平井が2位で入っていたら逆転という場面でしたが、平井は僅差の4位。結果、重・宮崎組が2連覇となりました。

 今回はOPワールドに行く中学生が2名、高校生チームが6組。SSで国体を中心に活動する女子チームが2、ほか還暦を超えるベテランチームがあり、風が弱くなった第5レースでは野上・大野組が6位でフィニッシュ。走ること、レースすることの楽しさを満喫しました。

 山口の小泉くんは、地元山口の国体強化で、29erにも乗ってスキフのスキルが上達したいという目的で参加してきました。ISAFユースに出たいという希望を持ってきましたので、重・宮崎組に勝ったら協会からジュニアユース委員会へ推薦しようと伝えました。残念ながら、今回はまだまだ技量不足という結果に終わりましたが、全日本の翌週の会議で、2011年に29erの数を増やし、12月のユース強化合宿からユースの活動に加わって、3月には420やレーザーラジアル、ウィンドサーフィンと同時に選考レースができるように活動を活発にできたなら、2012年からは派遣してもらえる可能性がでてきました。ユース選手の皆さんが未来のスキフセーラーを目指してがんばるなら、世界への道が開けます。2011年は夏に何か所かで試乗会を実施すること、11月の唐津全日本では日本にある29erが全部集まること(16艇ですが・・)を目標に、活動していきたいと思います。今回の橋本先生のように、生徒に載せてみたいという興味をお持ちの方がありましたら、29er事務局担当・斉藤か、唐津の重さん、和歌山セーリングセンターの鈴木にコンタクトしてください。

(成績・別表

 さて、オリンピック種目であらたに女子のスキフが入るという方針が出されています。セーリングが五輪種目で生き残るためにはメディアうけする種目が必要で、49erと同様に女子もスキフを導入する動きとなってきました。2011年5月までに艇トライアルがあり、決定するはこびです。29erはすでにユース種目として普及しているスキフですが、その改良で29erXXがトライアルに出ます。すでにヨーロッパや北米、豪州ではレースも行われています。

 12月のシドニーでのレースを見てきましたが、将来、ユース種目の29er→29erXX(男女)→女子はそのままで、男子は49erへとのステップアップが描かれているようです。しかしながら、スキフでヨットの基本を覚えることは難しいため、420→470というステップアップを五輪種目で残すために各国から意見が出ています。

 話よりも、実物を見たほうがいいということで、大谷さんが苦労して29erXXを日本でも走らせてくれました。初乗りは10日の夕方、重さんと平井恵子の2女子が6-8ノットでダブルトラピーズに出ました。12日は49erの中村健次、牧野、高橋賢次が29erレース中に試乗。健次さんの加速を久々に見て、29erXXも結構、いけるなという印象を持ちました。乗れるようになったら、49er同様にどんどん軽い選手が速くなるのではないか。以外とパワーがあると思います。14フッターとか、49erとかと比べても入門艇に近いものがあります。沈しても壊れるものが少ないので、いいと思います。中村・牧野組のセーリングは富士山をバックに「賀正」という文字が見えるようです。

(報告:斉藤愛子 − 29er事務局)


Photo:斎藤 愛子
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破損したセールから富士山がのぞける
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11日は大風で練習でのスピンラン

 

 

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11日は沈も多かったです
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29erXX(ダブルエックス)日本に上陸で乗るのは重・平井
 
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29erXXと富士山(中村・牧野)
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29erXXに乗る中村健次・高橋賢次

 

 

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29erの29号艇も健在です
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OPからの挑戦もありました(小泉兄弟)
 

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ダウンウィンドでの競り合い
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二人の合計が120歳を超える野上・大野組

 

 

 

 





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