● レース情報 / Race Informations 

第5回全日本チームレース
(財)広島県ヨット連盟 競技委員長
大原博実氏のレポートです



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2005年4月4日に開幕した「愛・地球博記念国際セーリングシリーズ」も、9月18日のデニスコナーズカップと9月19日〜25日に開催されるジャパンカップを残すだけとなり、愛知県のセーリング関係者はラストスパートの体制で、25日には、成功裏に閉会式が実施されることでしょう。>
昨年まで、蒲郡の海洋ヨットハーバーで開催されていたスナイプ級を使ってのチームレースは、上記の国際セーリングシリーズ開催の影響で過密スケジュールとなるため、昨年秋頃に他の水域で開催できないものかとの打診があり、平成14〜16年度まで3年連続で全日本OPチームレース選手権を開催した経験を活かして、広島での全日本チームレースの開催となったものです。

企画段階では、SSF(笹川スポーツ財団の助成金事業)による財源を予定しましたが、残念ながら助成事業に選考していただくことが出来ず、経費的に厳しい状況の中での開催となりましたが、少しでも多くのチームに参加してもらえるようにと、夏休み最後の土日に当たる8月26日(金)〜28日(日)を開催日と決定し準備を進めました。レース公示段階では12チームをMAXとして計画し、昨年度準優勝のアイシスチームの参加もあったものの最終的には5チームのエントリーとなりました。

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初日の26日については、午後からチームレース講習会を企画し、JSAFからはアンパイア小委員長の田中正昭氏、チームレース小委員長の末木創造氏に講師をお願いし、選手、ジャッジと運営スタッフが一同に会してセミナーを受講し、付則DとRRS2章との関係や、帆走指示書の確認等を行って、翌日からのレースのイメージを脹らませました。また、講習会後には対戦表に応じたチームの抽選を行い、27日の予選ラウンドの対戦が決まりました。
レース艇は、3チーム分9艇のスナイプを準備し、スタートラインの風下50m程度に設置した仮設の浮桟橋で艇の乗換えを行い、各チームが公平に艇の乗換えが出来るよう各予選ラウンドで10レースを予定し、合計30レースの予選シリーズを目指しました。なお、使用するスナイプには愛知県連からお借りしたカラージブを装備し、ジブの色に応じた識別旗を予告信号として採用するよう帆走指示書に規定しました。

27日の第1レース予告信号は、9時57分を予定していましたが、夏の瀬戸内海ならではの不安定な風のため1時間程度の風待ちを余儀なくされ、漸く入ってきた200度前後の風を得て、11時ごろに識別旗を掲揚して予告信号が揚がりました。吹き始めは2.5m程度の風でしたが、午後に入って次第に風は上がり2時〜3時頃にはMAXで5m程度の風も吹いてきましたが、最も風のいい状態でレース艇のハリヤードトラブルが発生し、40分程度ロスしてしまい、夕方6時近くまでレースを実施しましたが、結果として予選第2ラウンドが完了した時点でAP+H旗が掲揚され、予選ラウンドは第2ラウンドをもって終了となり、アイシス、マツダ、広島大学の3チームが決勝ラウンド1で、ヤングメン、修道大学の2チームが決勝ラウンド2で決勝シリーズを対戦することになりました。

また、陸上に上がってからは、ささやかではありますが簡単なパーティーが開催され、運営スタッフや選手、地元のサポーターが一緒になって、瀬戸内海の海の幸に舌鼓を打ちながら、大いに交流を図りました。
明けて28日は、朝もやがかかって北風が残るという、余り歓迎したくない状況でしたから、昨日の夕方に予定してできなかったブリーフィングを1時間程度かけて風待ちの間に実施し、漸く入ってきた南風で決勝シリーズがスタートしました。

決勝については、決勝ラウンド1(9レース)を先に実施して1位から3位を決定し、その後に決勝ラウンド2(6レース)を実施して4〜5位を決定することになりましたが、昨日に比べると風が弱いためか、体重のある社会人チームは今ひとつ波に乗り切れないようで、女子選手を含み軽量級の広島大学チームが6戦全勝で1位となり、9月の世界選手権の下調整を兼ねて参加したアイシスチームは、レギュラーメンバーが揃っていなかったこともあり3位という結果になりました。地元の社会人チームのマツダも総体重との関係から2位となり、大学生に勝ちを譲る結果となりました。
また、4〜5位を決める決勝ラウンド2は、6レースを予定していましたが、4戦全勝でヤングメン(地元高校生主体チーム)が修道大学に勝利し4位、修道大学は残念ながら5位という結果となりました。

表彰の後、主催者を代表して赤羽根専務理事の挨拶に続いて、加者全員でチームレース世界選手権大会でのアイシスチームの検討を祈って、拍手でもって閉会としました。

最後になりましたが、JSAFルール委員会の田中正昭氏、同レース委員会の末木創造氏をはじめ、多くの方々のお陰で無事に大会を終えることができ感謝しております。

 成績表