● 指導者委員会 

JSAF 指導者委員会


今、この追い風の時に
・・・全国安全指導者会議を開催して・・・


指導者委員会 斉藤 威


  「ゆとりの時間」「自然体験」「水辺活動」などが学校教育の現場で取り入れられる。
  また、4月からは学校の週休2日制が始まろうとしています。
  今こそ子供たちがセーリングの楽しさを知る。そして私たちが子供たちをヨットに誘う大きなチャンスがやってきているのです。
  「どうぞ私たちのクラブに。」と、都道府県のセーリング連盟はこれからクラブ作りに、自らがクラブになることを 目指して行こうとしています。

クラブライフのすすめ…全国会議をつづけて
さてヨットマンの皆さん、「ヨットに出会えるのはどこ?だれが教えてくれるの? どのように教えてくれるの?」と尋ねられたとき、何てお答えになりますか。
  「私についてきてください。私のクラブには、公認の指導者がいて、 公認のセーリング教室があって、安全に楽しくヨットを教えてあげますよ。 小さい子供から、おじいさん、おばあさんまでのクラブ員があなたを快くお迎えいたしますよ。」と言えたらどうでしょう。
  このようにこれからのセーリングライフを支える母体を考えるとき、生涯ス ポーツ、レクリエーションとして人と人とのふれあいの中で、安全に、ながーくセーリングを楽しむには、 幅広い人員構成(子供から大人まで。女性も男性も。障害者も健常者も。ビギナーからトップレーサーまで。) や幅広い道具(ボードセーリングやディンギー、クルーザーまで。ヨットだけでなく、サーフィン、ボート、 カヌー、カヤック、はたまたモーターボートまで。)や幅広い活動(セーリングだけでなく、釣り、 ダイビング、ライフセービングまで。水辺環境保全や地域社会づくりなどのボランティア活動) を有するヨットクラブがあれば・・・ということをこの4年間、全国会議のテーマとして取り上げてきました。

今こそクラブライフを…今年も、横浜で
本年11月17日、18日に横浜市のみなと未来で全国安全指導者会議を開催。40都道府県の理事長さん、 指導者の皆さん60人を含む、ヨットの普及に携わっておられる財団などの関係者の方々約100人のご参加をいただきました。
  セーリングの指導者としてどうあるべきか、いかにセーリング人口の増加を図るか、今こそクラブ作りに向けて、 をテーマに多くの講師を迎えお話を伺いました。
  まず、鹿屋体育大学教授で生涯スポーツ実践センター所長の川西先生には、現在国で進めているクラブ作り にはNPOのなどにおけるボランティア活動と、そのリーダーの役割が大事であることをお話いただきました。
  次には、昨年に引き続き笹川スポーツ財団の藤本常務さんには、クラブ作りの重要性、クラブ作りに フィロソフィーを持つこと、マネージャーの、特に女性の役割の大きさなどを、外国のクラブに滞在した 経験からお話いただきました。
  次には、琵琶湖でヨット教室を経営している井上さんには、30年前からヨット教室を「商売」として続け、 「サンセット」や「ナイト」「サンライズ」セーリング、パドリングを取り入れ、好評を得ていること、 また、最近では「修学旅行」の一日を琵琶湖での自然体験を取り入れている学校もあり、これにより 地域のホテルなどの利用を高め、地域観光にも大きく寄与していることなど、「何を与えるのか」 ではなく「何が求められているのか」を改めて考えなければならないことを学びました。
  次には、ライフセービング協会の小峯理事長さんには、「ライフセーバーは人を救うではなく、 自分の命を自分で」という活動の原点や理念を伺い、なぜ今大学生の中でもっとも人気のあるクラブとして 愛好者が多いのか、また浜の清掃などによる地域社会への貢献、競技による技術の向上などを図っていること、 はたまたヨットの活動とのリンクで水辺の安全を幅広く確保しましょう、とのエールを送られました。
  次の日、日本体育協会の田中スポーツ指導者育成部長さんからは、国では地域スポーツクラブ作りに関し、 ハード(施設)は公共で、ソフト(運営)は民間で、が今後の流れ。その中で、今県連やヨットクラブも幅広い活動を。 と私たちの組織に期待するとともに、公認指導員の活躍が求められていることをお話いただきました。
  次には、アクセス・ディンギーの輸入、販売をされているSAILABILTYの西井さんには、アクセス・ディンギーとの出会い、 その性能と特徴については実物を前に不沈構造(センターボードが重く、重心がその先にある)であり、 肢体不自由、知的障害、視覚障害、精神障害、聴覚障害など殆どの障害を持つ人がセーリングを楽しむことが できるヨットであると説明を受けました。西井さんは奥様と一緒に各地を回り、「商売」というより障害の ある方々に夢と希望を与えるボランティアをしているとも言える活動家のようです。
  最後に、佐賀県のというか、日本のオリンピックメダリストの重さんに唐津での松山先生などと 行ってきた普及活動を熱く語っていただきました。子供から仕事をリタイアーした人まで、 ヨットのほかにカヌーも。ビギナーからトップレーサーまで。部活でない高校生のヨットの練習など、 幅広い指導活動を行っている中でも、今回はニュージーランドのウオーターワイズをモデルとした 小学生のヨット授業のご苦労、工夫についてお話いただきました。

  以上、今回2日間でお話いただいた方々の概要を取りまとめてみましたが、 ご参加いただいた都道府県の方々、財団や地域などの方々はどのようなお気持ちで お帰りでしたでしょうか。来シーズンは何とかクラブ作りに挑戦してみようと 思われた方々が多くいるものと期待しております。

  会員の皆さん。あなたも所属している団体、ヨット部のクラブ化を目指してみてください。 そして、ヨットを始めたい人をお誘いください(JSAFの会員にも)。それより何よりあなたが ヨットを楽しみ続けてください。会員登録の継続をお忘れにならないで・・・




この講習会は「日本財団」から助成金をいただいて実施しました。
「日本財団」からは、毎年ファミリーレース、セーリング体験などの 事業にも助成をいただいております。