● レース情報 / Race Informations 

アメリカズカップ レポート


斎藤 愛子氏のレポートです

大会全体のウェブサイトは:
http://americascup.yahoo.com/
をご覧ください。


Index アメリカスカップ これまでの流れ
アメリカスカップ
2月14日

いよいよチームニュージーランドの登場です。横綱を待つ大相撲のように舞台は決戦を前に 興奮、緊張、期待、恐怖が入り交ざった複雑なところです。今日はレース前の記者会見があり、 スキッパーの顔色を見るチャンスがありました。

晴れ舞台に登場して元気だったのがチームニュージーランドのスキッパーであるディーン・ バーカーです。チームのシンジケートヘッドであるトム・シュナッケンバーグは明日のレース にならないとわからないといいつつも、2000年の決勝前日と比べると自信に満ちた印象で した。あの時よりも自信があるのであれば、今回も期待どおりなのか・・・それとも、やっと 出番になって元気があるのか。全ては初戦で明らかになるわけです。

対するクーツ率いるアリンギチャレンジはスイスからの参戦ですが、セーリングチームの 6名がチームニュージーランドからの移籍ですから、印象としては枝分かれしたチームニュー ジーランド2000が決勝で対戦するように見えます。シンジケートヘッドのアーrネスト・ ベルタレールはナビゲーターとしてレースにも出ますが、緊張とうれしさが入り混じったよう な表情でした。今度の敵は手ごわいことがわかっているようにも思えました。

前回の艇公開からあまり大きな変更はなく、フラがついているのはチームニュージーランド だけです。どちらもリギンはダブルになっており、リグとセールには若干の変更がありますが、 目立ったものはチームニュージーランドのマストのジャンパーストラットと一番上のスプレッ ダーの間に小さなスプレッダーのような棒がついたことでしょうか。チームニュージーランド はアリンギの1.5倍はあるかと思われる長いキールバルブを採用し、重心を低くすることに 重きをおいています。

第1レースのエントリーはアリンギがスターボード側(イエロー)、チームニュージーラン ドがポート側(ブルー)です。チームニュージーランドはかなり過激なマニューバリングをす るというので、どんなセールを使ってくるのか楽しみです。クーツもそれに対抗はしてくると 思いますが、どんな動きになるのやら。

明日の天気予報は南の風が15-18ノット。ルイヴィトンカップとちがい、数字で強風、 軽風でのリミットを定めていません。レース委員長のハロルド・ベネットが強風での危険度、 軽風での風向の不安定さを判断してレースを行うかどうか決定します。南風ということは波が 少ないので、明日は吹いてもレースができそうだという判断です。ちなみに、北東の風では波 が悪いので、強風では早めに中止になる可能せいがあるということでしょうか。

レーススケジュールは2月15日、16日、18日、20日、22日、23日,25日、 27日、3月1日がレース日となり、抜けている日はレイデーです。レース日が中止になって もレイデーにふりかえることは2月中はありません。あまりにも中止が増えてしまった場合 は話し合いをもってスケジュールを変更することがあります。

明日からのレース、蓋をあけてみたらワンサイドの可能性もありますが、毎日レポートを 送りますので、今日のうちにニュージーランドがカップを防衛できるかどうか、考えてみて ください。私の予想は5−1でチームニュージーランドが防衛するというものです。(前回 は見事にはずしていますから、あてにしないでください)。

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カップを間に見合っている
ラッセル・クーツ、アーネスト・ベルタレーリ (アリンギ)と
ディーン・バーカー、トム・シュナッケンバーグ(チームニュージー ランド)


Index アメリカズカップ 2月15日 第1レース
ニュージーランド国民がため息をついた初日
アメリカスカップ
2月15日 

アメリカスカップ初戦はチームニュージーランドにギアブレイク(破損)発生、スタート後 25分たったところでリタイアし、コースを単独で完走したアリンギが1勝目をあげました。 レースコースは南の風が20ノットを越え、ACボートにとって厳しい条件でしたが、チーム ニュージーランドはブームエンドとジブタックを固定している金具の破損に加えてジブトラック も破損したため、第1マークに到達することなく白波が飛び散るレース海面を去りました。

チームニュージーランドのギアブレイクを整理すると、まずスタート前にジブセールのトップ のハリヤード金具が壊れ、スタートの8分前くらいになってからやっとセールがあがりました。 次のトラブルはコックピットに入ってくる水でした。スタートはチームニュージーランドが右、 アリンギが左をとりましたが、チームニュージーランドはプレスタートの間に2−3回波をかぶって コックピット内に水がかなり入りました。スタートはほぼ同時でしたが、スタート後もチームニュー ジーランドは水がどんどん入り、ミッドバウのマシュー・ミッチェルがトイレ用バケツでかいだすも のの、波がくるたびにもっと水が入り、かき出すよりも入るほうが明らかに多いものでした。トム・ シュナッケンバーグが入った水の体積を計算したところ、6トン近い水がたまっていた可能性があり 、沈んでしまうのではないかと心配するような光景になりました。

通常よりもボートが重くなり、重くなった分、リグにかかる力が増え、まず、メンセールの端を 固定しているブームエンドのクリュー部分が壊れました。スタートしてから7分半後に水が入って スローダウンしたせいで、アリンギに下先行され、タックをして逃げましたが、11分56秒にス ターボードに戻した時、「バン」という音とともにブームエンドのカーボン部分に亀裂が入りまし た。そして、ピットのバリー・マッカイがそれを修理しながら走っている時に今度はジブタックの 金具がいきなり「バーン」という音とともに壊れてしまいました。スタートしてから僅か17分1 9秒でした。チームニュージーランドのクルーは飛んだジブセールを回収し、21分20秒に再度 あげようと試みましたが、最初に飛んだ時にフォイルも破損したようで、セールはまた宙に舞って しまいました。この時点でチームニュージーランドはリタイアを決め、サポートテンダーが曳航し はじめました。

アリンギは2回目のタックでチームニュージーランドがスターボードに返した後、やけにメンセ ールのフットが深くなっていることに気がつき、チームニュージーランドに何かトラブルが起ったと 、ブラッド・バタワースは考えました。そして、その後、ジブが飛んだ時点では、自分達も20ノッ トを超える風の中でトラブルを起こさないように、より注意しながら着々と走りました。ランニング のレグでは1周目こそ途中までスピンをあげましたが、それ以降、チームニュージーランドのリタイ アを確認すると、ジャイブする前にスピンを降ろし、後のレグは何事もなく、トラブルを起こさない 安全な走り方でレースコースを完走して貴重な1勝をあげました。アメリカスカップの歴史の中で、 1920年のリゾルートがメンハリヤードのトラブルで初戦をリタイアして落としています。

チームニュージーランドはトラブルの元になった異常な量の水が入ってくるという問題を解決す るためにボートエンジニアが必死に作業をしています。チームニュージーランドのメンセールは見た 感じ他よりも薄いのか、軽い印象があります。また、アリンギよりもセール自体にシェイプが入って いるようにも見えました。マストも結構ストレートに起こしてあり、ちょっとパワフルすぎないかと 思っていましたが、よくヒールしていました。トム・シュナケンバーグは記者会見の席上で話はじめ たらとまらない機関銃トークでトラブルの原因を説明してくれましたが、フラは水が入る原因ではな いと確信しています。

初戦の朝、バイアダクトハーバーはチームニュージーランドを激励しようと集まった人で賑わい、 耳をつんざく音響ホーンと拍手で何も聞こえないくらいでした。僅か20分余りで終わってしまった 初戦にチームニュージーランドのサポーター達は悲しげな、そしてカップがクーツに持っていかれて しまうという不安げな顔を見せていましたが、スキッパーのディーン・バーカーは明日はまた初日だ とがっかりした中にも気持ちの切り替えを見せていました。がっかりというよりは、何かに対する怒 りをもった顔だったかもしれません。

アリンギは淡々としています。チームニュージーランドが自滅してくれたのだから、楽なレース ではありましたが、とにかく1勝です。スタートしてから最初の7分間はドラッグレースになりま したが、両艇の性能を正確に比較するために7分間という短い時間で、しかも6トンの水が入ってい たのでは参考になりません。まだ誰もどちらが速いのかわかっていませんから。明日も13時15分 スタート予定で、天気は穏やかになり、午後からのシーブリーズが期待され、12ノットまであがる だろうというチームニュージーランドの予報です。トム・シュナケンバーグは今日の一連のトラブル を「ウエイクアップ・コール」と表現していました。また眠ったりしないでくださいよと、ニュー ジーランドの人々は祈っています。

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チームニュージーランドのジブタックがとんだ!


Index アメリカズカップ 2月16日
第2レース レース達者なバタワース
アメリカスカップ
2月16日

日曜日のオークランド、凄いレースになりました。ヨットレースは最後まで何が起るかわからないものです。 逆転につぐ逆転で、心臓バクバクな1日でしたが、アリンギが7秒差で2勝目をあげました。

今日のハウラキ湾は北東からの海風が入ってくるのが遅くなり、スタートは3時50分、3000隻近い観 覧艇が左へシフトする風に合わせてレース海面を作るために動きます。それに、少し時間がかかり、3時半 スタート予定が少し遅れてしまいました。

北東の風が10ノット前後の中でスタートし、アリンギがスターボードタックで左側、チームニュージーラ ンドがポートタックに分かれて右側から出ました。今日のレース海面は風の変化が大きく、スタートしてか ら風が左へシフトしだすと、パフが入るのが左側からになり、先に強めの風をうけたアリンギが先行して第 1マークを回航しました。

第2マークへ行くダウンウィンドの時はアリンギが先行するものの、後ろを行くニュージーランドが角度を おとして走れる有利さで追いつき、2度のダミージャイブ(ジャイブするとみせかけて元にもどして相手を だます)の後に位置が悪くなったチームニュージーランドが反対サイドへ逃げるようにジャイブ。アリンギ はセールの選択を間違えて、セールチェンジを準備していたせいかジャイブせずにいたため、2艇が離れて しまったのですが、離した相手が風をつかんで、逃げられてしまった結果となり、第2マークではチームニ ュージーランドが逆転しました。この後はチームニュージーランドが先行しながら、第3、第4マークを先 行し、第5マークまでは33回に及ぶタッキングマッチでも全部左サイドをカバーしながら逆に距離をあけ る走りでした。

しかし、最後のレグに落とし穴が待っていました。後ろから追い上げるアリンギは10ノットを超える風に なるとダウンウィンドでジェネカーの他にステイスルというヘッドセールをあげてセールエリアを増やしま す。角度をつけたリーチングで走ると深めのジェネカーだけのチームニュージーランドよりもスピードがあ ることを察知すると、風上へ上って先行する作戦にでました。チームニュージーランドは対抗して上ります が、上るとスピード差ができてしまい、アリンギの思う壺です。最初のスターボードタックは何とかジャイ ブまで持ちこたえましたが、ジャイブした後に速攻で後ろから上って攻めてきたアリンギの動きに対応する のが遅すぎました。風上突破された後は苦し紛れに後方から攻めるものの、形成は不利です。この時のアリ ンギはジェネカーに小さな穴があいていたのでセールがリーチングのプレッシャーで裂けてしまわないかと ハラハラしましたが、タクティシャンのバタワースが見事なポジショニングでチームニュージーランドを最 後の最後で抜き去り、僅か7秒差で逆転勝利を飾りました。遅くにスタートしたレース海面にはニュージー ランドの初勝利を見ようと、午後6時になろうとしているのに1000隻近い観覧艇がフィニッシュエリア に残っていました。最後の攻防を見ながら悲鳴やため息があがり、アリンギの応援艇から聞こえてくるカウ ベルの「シャンシャンシャンシャン」という音が激戦の結末を物語っていました。

今日のレースを終えて、チームニュージーランドは艇のポテンシャルがあることがわかりましたが、ダウン ウィンドのタクティクスでアリンギに負けています。ダウンウィンドで先手をとれるようにならないと、バ タワースのように巧妙な勝負をしかけてくるつわものにはやられてしまうというのが今日の教訓でしょう。 明日のレイデーをはさみ、18日の第3戦に、どう立て直してくるのか。

アリンギも今日は第2レグでダウンウィンドジェネカーの選択を間違えたり、相手と離れたり、他にも大き なミスをしていますが、最後の最後にいい勝負ができ、結果オーライというところでしょうか。それにして も、バタワースの計算高いタクティクスには驚かされます。ヘルムスマンのクーツですら嫌がるような作戦 を平気で押し通す強引さにも驚かされました。最後のレグは攻めて攻めて攻めて、相手がミスするませ攻め まくるという戦法は見事でした。チームニュージーランドに足りないのは、こういった強引さと勝負に対す る欲なのではないでしょうか。

明日はレースがありませんので、レポートもお休みです。また、18日に第3戦がありますので、お楽しみに。

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ここからアリンギがチームニュージーランドの風上突破をしていきました。
「相手がミスするまで攻める」アリンギです。


Index アメリカズカップ 2月18日 第3レース
「右でいいぞ!」
アメリカスカップ
2月18日

スタート2分前のバタワースの支持です。今日のレースはこの一言がキーワードでした。最初はスタート の時に左側をとろうと打ち合わせしていたアリンギが、プレスタートのマニューバリングに入ってから、 スタート2分前にバタワースのひと声で方針をかえて、右側から出ることにしました。ポートタックでス タートラインをきってから1分20秒、アリンギはタックしてスターボードにかえした後、少しづつ右か らパフが入るたびに右へシフトしていく風に入り、20度のシフトを利用して1マークを先行すると、そ のリードをきっちり最後まで守りきって3勝目をあげました。

一度前に出るとアリンギは押さえが固いし、難しいランニングのレグでも相手に引きずり込まれることな く、位置取りをしっかりとっています。第3マークへ行くアップウィンドのレグでは第2マークからタッ キングマッチを繰り返し、11回目のタックでチームニュージーランドが右へ逃げた時にそれまでずっと 追いかけてきていたアリンギが追いかけるのをやめて、左へのばしました。しかし、その2分後にチーム ニュージーランドがもう一度タックして同じスターボードタックの風上後方に位置してからは右からのパ フとシフトを利用して、差を一気に縮めてきました。タクティシャンのバタワースが今日のレースの中で 唯一、「お、まずいな。」と思った時だったかもしれません。しかし、バタワースはまずいと気がつくの が非常に早く、手遅れになる前にもう一度チームニュージーランドに寄せて、再びコントロールする側に 戻すことができました。経験というのはこういったリスクマネージメントのところで優先順位を間違えな いもので、アリンギはそこが凄いです。

2回目のランでは差が15秒までつまりましたが、マーク付近は観覧艇の引き波が凄く、チームニュージ ーランドはその中で3度もタックをすることになり、差が少しづつ広がってしまいました。このままアリ ンギが楽勝で逃げ切るのかと思いきや、チームニュージーランドはそれから後もしつこく右から攻め、第 5マークの手前までにまた距離をつめることができました。

しかし、最後の上マークでのスピンホイストの差がレースをほぼ決定ずけました。ベアウェイセットでス ピンをパーフェクトにあげ、21秒遅れて回航したチームニュージーランドの回航とともにジャイブした アリンギですが、チームニュージーランドはマークでベアウェイセット、ジェノアをあげたまま即ジャイ ブという作業の流れがスムーズにいかず、ポールがセットできるまでに1分近くかかってしまいました。 その間にアリンギは優位な位置を確保すると、15ノットまであがった海面をフィニッシュラインまで確 実な位置取りと正確なジャイブポイントで逃げ切りました。

チームニュージーランドの選手達は気の毒なくらい厳しいプレッシャーの中でレースをしています。3連 敗になり、オークランドの街はオールブラックスが負けた時のように暗い雰囲気で、苛立つ人あり、落ち 込む人あり、力の抜ける人ありという寂しさが漂いはじめました。逆にアリンギの連勝でヨーロッパから 応援にきている人々はカップがヨーロッパにきたら、今以上にインターナショナルなイベントになり、素 晴らしいイベントになると確信しているようです。スイスのジャーナリストが、「カップがヨーロッパに 動いたほうが、日本だってスポンサーを獲得するのが楽なんじゃないの?マーケットはヨーロッパのほう がずっと大きいし、宣伝効果もニュージーランドのような地の果てよりも高いでしょう?」と、すでにカ ップが動いた時の話をおおっぴらにするようになってしまいました。

明日は再び、レイデーです。次のレースが行われる20日までにチームニュージーランドが立て直してく ることができるでしょうか。

アリンギを含む、ルイヴィトンカップのチャレンジャーのウエザーについて、私のウェブサイトでまとめ ています。今日のアリンギの「右だ!」コールはウエザーチームがスタートの7分前に連絡してきた右コ ールだそうです。ウエザーチームの働きにいてまとめてありますので、見てください。

http://www.marine.co.jp/aiko/ac2003/sds.html

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「右だ!」この一言で方針をかえたアリンギが
最初のシフトをあてて、レー スの主導権を握りました。


Index アメリカズカップ 2月20日
今日はレースが延期になりました。
アメリカスカップ
2月20日

レースは後日延期になりました

ルイヴィトンカップでは19回の後日延期(そのうちの2日は半分のマッチだけでしたが)がありましたが、 アメリカスカップ本戦でも最初の「後日延期(回答旗とA旗)」信号があがりました。今日はタスマン海か らニュージーランド北島の北側へ向かって高気圧が張り出してきており、北島をゆっくりと寒冷前線が通 過していく途中になりました。ハウラキ湾は西からの風が15-20ノットという予報が出ていましたが、空は 低い雲に覆われて、風は230度を中心に30度の左右へのシフトがあり、海面のあちこちで風速にも強弱が ある、安定しない条件でした。

レースは予定されていた13時15分に延期信号があがり、しばらく風が安定するのを待ちましたが、230度 の風が10ノット前後で吹き始めたので、15時スタートで運営が動きました。そして、準備体制に入ろうと カウントダウンをしかけたところで、風が大きく右にシフトし、15時スタートはなくなり、様子を見るこ とになりました。本部艇に乗るレース委員長のハロルド・ベネットはレース艇両方に無線で連絡をし、15 時30分以降にレースを行うかどうかを聞きました。実施要項の13にコンディションとして、15時30分 以降にレースを行う場合には両艇の同意が必要というものがあります。チームニュージーランドはナビゲ ーターのマイク・ドロモンドが「明日まで延期してください。」と、同意をしないむね連絡してきました が、アリンギはブラッド・バタワースが「Bitterly disappointed」と、レースをしないことに失望の意 志を示していました。ま、本当に失望しているのかどうかはわかりませんが、本部艇のハロルド・ベネッ トとチームニュージーランドの絆が強いことは、前回の防衛でクーツやバタワースほか、チームニュージ ーランドにいた面々はよく知っています。ハロルドがチームニュージーランドに不利になることはしない と考えています。風を待つ間の暇つぶしかとも思われるほど、アリンギの艇上はリラックスしながら、ベ ネット委員長とチームニュージーランドをからかうような雰囲気がありました。これも3−0の余裕なの でしょう。

追い込まれたチームニュージーランドは今日からタクティシャンがハイミッシュ・ペッパーからフランス 人のベルトラン・パセに変わり、ディーン・バーカーとアフターガードにとっては不安定な西風のレース はあまり歓迎していませんでした。ナビゲーターのマイク・ドロモンド(デザイナーでもあります)は神 経質になるタイプですが、ベネットからの連絡に即答で早々と後日延期を申し出ていました。

明日はレイデーで、第4戦は土曜日になります。土壇場のチームニュージーランドを応援するヨットやボ ートでハウラキ湾がいっぱいになるのでしょうか。3−0からひっくりかえして勝ったチームは150年以 上あるカップの歴史の中にいません。3−1からひっくりかえしたのは83年にアメリカからカップを奪い 取ったオーストラリアだけです。チームニュージーランドがその歴史を塗り替えて、3−0から逆転勝ち することができるのかどうか。土曜日と日曜日は高気圧がくる中でのレースになりそうですが、私の血圧 も高くなりそうです。

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3時21分、本部艇に後日延期の旗があがりました。


Index アメリカズカップ 2月22日
天気に恵まれないオークランド
アメリカスカップ
2月22日

バイアダクトハーバーには午前7時前から人が集まり始めました。チームニュージーランドが出艇する 姿を人目みて、応援しようという人々です。いつもなら、午前10時にチームニュージーランド、アリン ギの順で出艇していくのですが、今日は9時前にレース委員会から風が安定しないので、1時間の延期を するという知らせが入りました。その後、1時間が、「レース委員会が次の知らせをするまで延期」と なりました。12時前にレース海面の様子を見たら、まるで風がない状態で、12時20分に後日延期が決ま りました。

アメリカスカップでは、陸上待機になった時にレースを行うことに決まってから3時間後にレーススタ ートとなります。3時半以降にレースを行う場合は両艇の合意がないとだめということに決まっています から、レース委員会は12時半までに陸上での決定が必要になります。12時20分にチームニュージーラン ドもアリンギも今日は無理だと判断し、早めに後日延期が決まりました。両方ともウエザーチームは定 刻の9時頃から海に出て、海上の風を分析していましたから、レース運営艇よりも天気についての見通し はできていたのでしょう。チームニュージーランドは朝早くからバイアダクト周辺に集まった人々や海 で待機していたヨット、ボート、カヌーから客船まで、応援してくれるファンに感謝の気持ちをこめて 挨拶ライド(テンダーに乗って手を振って回りました)にでました。

明日も天気予報はかんばしくありません。この週末でカップがスイスへ行くと思って準備を始めている スイスチャレンジにとってはいらいらするところかもしれませんが、そんな気持ちに反してカップは1 日でも長くニュージーランドにいたいと粘っているのかもしれません。それとも、風の流れが変わろう としている前兆なのでしょうか。まずは、明日の天気に期待して、第4戦ができることを祈ります。

今後の予定ですが、明日、レースができれば24日月曜日は予定どおりレイデーになります。明日もレー スができない場合は月曜日のレイデーが取り消しとなり、レースをすることになります。月曜日のレー スがどうなるかは明日の15時に決まります。

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ウォーターフロントにはレース艇を人目みようと人があふれかえっていま す。
黒い服と赤い靴下が増え、祈るような気持ちでチームニュージーランドを応援し ています。


Index アメリカズカップ 2月23日
風が吹かないハウラキ湾。
アメリカスカップ
2月23日

風が吹かないハウラキ湾 日曜日、朝から凄い数の観覧艇がレース海面に向かいましたが、今日のハウラキ湾は東からのシーブリ ーズが入ろうとする流れと、傾度風が入ろうとする流れがぶつかって、湾の少し西側で巨大な雨雲が発 達してしまいました。シーブリーズが入ろうとしていた時はよかったのですが、雨雲の吸い込みが始ま った頃から風は弱くなり、レースができるコンディションではなくなりました。

明日はレイデーをとりやめて、13時15分スタートで第4戦を行います。今週のオークランドの天気 は水曜日、木曜日頃にストーム予報がでており、明日24日、あさって25日のレースは何とかなりそ うですが、それを超えると、更に長引きそうです。

まずは、第4戦が明日無事にできるように祈りましょう。

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今日もレースはありませんでした。
第4戦ができるのはいつになるのでしょうか。


Index アメリカズカップ 2月24日
午前8時30分に延期決定
アメリカスカップ
2月24日

と、いうことで、今日もレースがありません。アメリカスカップは2月15日からスタートし、10日目 を迎えますが、今日は風がなく、午前8時の段階でレース運営のハロルド・ベネットとチームニュージー ランド、アリンギが協議の上、早々と明日への延期を決定しました。

2月14日の記者会見の時にハロルド・ベネットは、「23日の週末までは最初に決められている予定ど おりのレーススケジュールで、レイデーはレイデーとするが、それ以降は話し合いで考える。」と話して いました。初日から3レース目までは順調に行われましたが、その後は4回連続で延期となり、今から先 はレース日程をレース委員会、チームニュージーランド、アリンギの3者が合意の上で決定していきます。

3者合意といっても、それぞれの思惑がありますから、現在は心理合戦になっています。アリンギはすで に3−0で優位な立場にいますから、いつでもレースをやってかまわないため、風が弱くて不安定でも、 強風でも、何でもこいというところです。チームニュージーランドは強風では壊れるかもしれない(初日 のバケツ排水を思い出してください)、微風の不安定なコンディション(運が左右するかもしれません) などはあまりレースをやってほしくない気分なので、安定した中風でのコンディションを選んでレースを したいと望んでいます。レース委員会はアメリカスカップのレースにふさわしい条件でレースをするとい っていますが、基本的にはカップがオークランドに残ることを祈りつつ運営をしているわけですから、同 じ風の記録を見ても、チームニュージーランド有利のものさしで計ろうとします。そんなことはフェアじ ゃないと怒るスポーツファンも多いかと思いますが、カップ本戦は防衛艇が挑戦艇を破るためにあらゆる 手を使って優位にたとうとする、極めて理不尽な戦いが歴史の上でも何度もありました。最近で凄かった のは89年のカタマラン対ビッグボートなんていうのもあったではありませんか?そして、昨日のレース でもチームニュージーランドの若手選手達はそのゲームを熟知しているトム・シュナッケンバーグやマイ ク・ドロモンドに引っ張られてはいるものの、かなりアリンギの心理作戦にやられてしまっています。

アメリカスカップを興行(テレビ中継や観客動員する競技など)として、1スポーツイベントとして考え たら、こんなに馬鹿げたものはないのです。しかし、その馬鹿げたことに私産を投じて挑戦してくる金持 ち達がいるわけで、その見栄の塊がカップをおもしろくしているエッセンスなのではないでしょうか。オ リンピックがフェアプレーを尊ぶイベントであるなら、アメリカスカップは挑戦者が不利で、防衛艇が有 利な極めてアンフェアな戦いなのかもしれません。一番強い挑戦艇を選ぼうという目的で運営されている ルイヴィトンカップとは性質が異なるマッチレースなのです。

と、いうことで、今後のスケジュールの見通しですが、今日のレースは明日25日に延期されています。 その先については、毎日、予定を協議の上、3者合意が得られれば決定していくというものになります。 ここから先は全く異なるゲームであること、何か不思議な決定があっても驚かないこと、そして、これが アメリカスカップであることをご了承ください。私の調査によると、明日からオークランドは強風になり 、それがおさまるのは金曜日くらいになりそうです。うまくいけば明日はレースができるかもしれません が、その後は週末まで延期、延期、延期などということもあるかもしれません。ベネットはチームニュー ジーランドとアリンギの両ウエザーチームともコンタクトしており、3者ともにかなり詳しい気象情報の もとに判断をしていますが、気象条件によっては長いペンディングお覚悟しなければならないでしょう。 私もとりあえずは帰国の日程をずらして、何とか最後までオークランドからカップレースをカバーしたい と思っていますが、果たして許可が得られるやら・・・・バイアダクトハーバーのバーは儲かってしょう がないみたいですけれど。

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朝からどんより曇り、
シーブリーズの入りが期待できない
うす雲が高い場所 でひろがっています。
ルイヴィトンメディアセンターで日本からの
ジャーナリストの世話をしてく ださる西さんは、
朝から中止の連絡で大忙しです。


Index アメリカズカップ 2月25日
今日は8時にノーレースを決定
アメリカスカップ
2月25日

早々とレースが行われないことが決定しました。ニュージーランドの北には亜熱帯 低気圧があり、発達した雨雲と強い風が今日の昼頃にはオークランドに到達すると いう予報がでています。従って、朝から雨が降ったり止んだりしている天気の中、 レースは明日に延期されました。予報ではこの低気圧に吹き込む東風が2-3日は 吹き続けるというので、水曜日か木曜までレースはないだろうといいます。この低 気圧は午前1時から7時の間に9ヘクトパスカルも気圧が下がり、南太平洋の湿っ た空気を吸い込みながら発達しています。小さな台風のような動きなのですが、日 本で見るような雲の吸い込みが見られませんから、規模としては小さいように思え ます。

明日のレース予定はまた明日の朝、レース委員会とアリンギ、チームニュージーラ ンドとの話し合いで決定します。ハウラキ湾の風を予想する局地予報に関しては、 アリンギとチームニュージーランドのウエザーチームのほうが気象局で働いている 予報官よりも正確なことはわかっています。気象局は凄い嵐を予報しており、チー ムは明日の風は今日の低気圧の通過状況によると判断しています。あまり期待はで きないものの、明日もレースがあるかどうか、のんびり構えて待つことにしましょ う。

オークランドではカップがヨーロッパへ動いたら凄い勢いで参加チームが増えるだ ろうとか、乗り手やデザイナーに関する国籍がオープンになったら金持ちの興味が 減るだろうとか、暇になったジャーナリストや観覧客達から好き勝手な予想が飛び 出しています。その傍らで、ひたすらカップがオークランドに残ることを祈ってい る多くのニュージーランド国民がいるわけです。あまり長くひきのばされると、飽 きてきてしまいませんか?勝負の興奮というよりも、いいから早くレースやってよ !と叫びたい気持ちのほうが勝ってきませんか?

でも、待たねばなりません。ヨットレースは気象に左右されるスポーツで、アメリ カスカップは気象をももち手に加える実に悪賢いスポーツなのであります。今日は みんな、仕事にせいだしましょう。

2月25日の午後5時に、AC2003(アメリカスカップのオーガナイザー)が、 明日はレイデーとなることを発表しました。今晩から明日にかけて40ノットの風が 予報されており、明日の午後も風は落ちることがない見込みなので、早々とレースが ないことを決定しました。

1899年にトーマス・リプトン卿がシャムロック号でアメリカスカップに挑戦した ときは防衛艇のコロンビアが3勝をあげるまで、18日(10月3日から20日)か かり、これが現在までのアメリカスカップ最長記録です。この調子でいくと、アリン ギかチームニュージーランドのどちらかが5勝をあげるまでに、記録が更新されそう な勢いです。

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自信満々のクーツとアリンギクルー。
日曜日の朝の出艇風景です。
第3戦が 終わってから1週間が過ぎてしまいました。


Index アメリカズカップ 2月27日
今日もレースは中止ですが・・・
アメリカスカップ
2月27日

2月27日も朝8時にレースの後日延期が発表されました。今日はオークランドハーバーマスターから の連絡でロイヤルニュージーランドヨットスコードロンのレース委員長であるハロルド・ベネットが明 日に延期を決定しました。今日は波が悪く、観覧艇やレース艇の安全を確保するのが難しいという理由 です。明日は天気の回復が見込め、レースができそうだから、明日やってほしいという連絡でした。チ ームニュージーランド、アリンギ、レース委員会と3者合意の上、今日はレースをやらず、明日をレー ス日とすることになりました。

中止の決定が出た後、午前9時50分、チームニュージーランドのNZL81が雨の中、出航していき ました。NZL81は初日のレース前に海上で壊れて、チームニュージーランドのサポートボートが全 艇一斉に救助に向かったといういきさつがあります。デッキ部分から剥離があったとか、バルクヘッド がはがれたとか、ラダー回りから浸水したとか、いろいろな憶測が飛び交いましたが、どうやらデッキ 部分とバルクヘッドの剥離というのが正しいようです(発表がないので、まだ憶測です)。その日はボ ートビルダーが30名以上やってきて、2艇を同時に修理するという作業が24時間体制で行われまし た。NZL82は翌日もレースをしましたが、2日目のレースの後にも、修理が続いていたという話で す。その後はレースがありませんし、北東からの波の中で走っていませんでした。冷たい雨が降る中、 黒いウエアーにかためたチームニュージーランドはNZL81だけを沖合いに出して耐久テストを行う ようです。じっと待つよりは、仕事をしながら集中力を高めていくのでしょうか。明日のレースはチー ムニュージーの逆転を期待したいです。

昨日はアリンギのウエザーチームの取材をしてきました。写真を交えて「風は何色パート2」をhttp://www.marine.co.jp/aiko/index. htmlに掲載する予定です。暫くしてから、見てください。



Index アメリカズカップ 2月28日 第4レース
マストが折れてリタイアしたチームニュージーランド
アメリカスカップ
2月28日

雨が降ったり止んだりのハウラキ湾で、定刻どおりにスタートしたアメリカスカップ第4戦は第3 マークへ向かう途中のアップウィンドレグでチームニュージーランドのマストが折れ、チームニュ ージーランドはリタイア。アリンギは単独でレースコースを完走し、4勝目をあげて、トータル4 −0とカップ獲得まで残り1勝にこぎつけました。

スタート時は15ノット前後の北東の風で、スタートでやや出遅れたチームニュージーランドは第 1マークを8秒差で回る健闘を見せましたが、ランニングで第2マークに到達する手前くらいから 雨雲とともに25ノットの風がレース海面を吹きぬけ、ACボートにとって厳しいコンディション になりました。北東の風が吹くとハウラキ湾のレース海面は大きな波と小さな波が入り混じったラ フな状態になりました。初日に浸水さわぎで苦労していたチームニュージーランドは薄いクロスで 波よけをデッキに張ってきましたが、その努力も空しく、今日もガンガン水が入ります。25ノッ トの中を安定して走るアリンギと比べるとメンセールに入るバックウィンドもひどいもので、ヘッ ドセールがきちんとトリムされているようにも見えません。走りのバランスは悪く、リグもあおら れてしまっていました。チームニュージーランドの強風での走りは決して良いものではありません でした。

悲劇が起こったのは第3マークまでのアップウィンドの途中です。巨大な波が連続してくる中、3 個目がよけきれずにバウが突っ込んだ直後、マストが第1スプレッダーの上で折れてしまいました 。マストのチューブが先に折れてしまったのか、それともシュラウドが破損したのが原因でマスト が折れたのかは陸に戻ってから破損部分を見て確認しないとわかりませんが、マストが折れて、チ ームニュージーランドは初戦に続いて2回目のリタイアとなりました。

アリンギは単独でレースコースを走り、スコアを4−0としました。アメリカスカップの実施要項 によると、こういった破損によるレース延期の申し入れはできないため、明日も予定どおり13時 15分にスタートします。チームニュージーランドはNZL81にたっているマストをレース艇の 82に載せかえて明日の朝までに準備を間に合わせるといいますが、ディスマストした後は各部分 のチェックもありますから、オールナイトの作業になります。破損したマストの回収作業に切り替 わるまでのチームニュージーランドの選手の様子を見ていると、呆然としたり、怒りを表したり、 現実を受け入れるまでに時間がかかっていました。勝っていたレースをおとしたのとはわけが違い ますから、間に合わせの準備でアリンギに勝てるとは思えません。オークランドの市民はもうアメ リカスカップから目をそむけるようになりましたし、後は時間の問題かという空気が漂っています 。エキサイトしているのはヨーロッパからのアリンギ応援隊とスイスメディアでしょうか。周辺で は次のチャレンジャー・オブ・レコード(挑戦するヨットクラブ)がどこになるのかという憶測が 流れています。

3月1日はラッセル・クーツの41歳の誕生日です。アメリカスカップをとってバースデーパーテ ィーを祝うのか、ニュージーランドが踏ん張るのか。いよいよです。

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チームニュージーランドのマストが折れて、リタイア。4−0になりました。
いよい よクライマックスが近づいてきました。


Index アメリカズカップ 3月1日
あがりきらない海風
アメリカスカップ
3月1日

北東からの海風で13時15分にスタートかと思いきや、13時4分に本部艇に延期信号があが りました。それからずっと、良い天気の土曜日で、これでレースさえあったらというほどのいい 日でした。15時15分、本部艇には後日延期の旗があがり、アリンギのカップ挑戦は明日まで 持ち越されました。風向が定まらない弱いシーブリーズでは仕方がありません。

明日はやや強めの風が予報されているため、レースができることを期待しています。

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バイアダクトハーバーを出航していくチームニュージーランドと、
見送る観 衆。
空にもバナーが飛びます。


Index アメリカズカップ 3月2日 第5レース
カップはアリンギへ 5−0
アメリカスカップ
3月2日

第31回アメリカスカップは3月2日に第5戦を行い、アリンギが45秒差で勝ち、5−0とな り、見事カップを獲得しました。挑戦艇が勝ったのは1995年にチームニュージーランドがア メリカから勝って以来になります。ニュージーランドのロイヤルニュージーランドヨットスコー ドロンは2度目の防衛はなりませんでした。

アリンギがフィニッシュラインを通過した直後、サンフランシスコのゴールデンゲートヨットク ラブが新たなる挑戦クラブとなり、正式にソサエティー・ナウティック・デ・ジュネーブに挑戦 しました。(ゴールデンゲートヨットクラブはオラクルチャレンジとしてルイヴィトンカップの チャレンジャーファイナルで敗退しています。)アリンギは2日後の3月4日にプロトコールを 発表します。

朝から、勢いがちがいました。アリンギは15ノット前後の風の中、スタートからリードを奪う とそのままフィニッシュまで逃げ切り、カップはニュージーランドからスイスへ動くことになり ました。経験の差もありますが、プロフェッショナルなスポーツではやはり資金豊富なシンジケ ートが有利ということになるのでしょう。カップを持ち上げるベルタレーリ氏の顔が印象に残り ました。

アリンギはスイスの湖ではなく、地中海か大西洋のどこか、風が安定して吹く場所を選ぶという 話です。詳細は3月4日まで待たなければなりません。152年のアメリカスカップの歴史の中 で、ヨーロッパへカップが戻るのは初めてです。よりいっそう、エキサイティングなレースにな ることを祈ります。

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カップを掲げるベルターレリ氏。
カップはスイスへ行きました。


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