● レース情報 / Race Informations 

2009年470ジュニアワールド

現地からのレポートです

関連サイト:
公式サイト http://www.470junior2009.gr/
成績
http://www.470junior2009.gr/default.aspx?catid=80

Index 2009年470ジュニアワールド のお知らせ

報告:松永鉄也

今大会は470級でジュニア(満21歳以下)の頂点を決めるレガッタであり、オリンピックセーラーをはじめ、過去にはたくさんの著名セーラーが参加した、言わば「一流470乗りセーラー登竜門」とも言えるレースである。今年の開催地はギリシャのテッサロニキ。海上からは綺麗な街並みを一望できる非常に穏やかな場所である。現地で風の情報を聞いているとあまり風は吹かないようだ。7月のギリシャは雨の降る日は少なく、暑い日が非常に多いので、熱中症にならないよう対策する必要がある。選手にはできるだけ多くの水分と栄養を取るように気をつけてほしいと言っている。

470級に関しては、海外ではこの世代からオリンピックに出場する選手は決して少なくない。ジュニアではハイレベルな今レガッタにおいて、日本チームがどのように戦うか楽しみではある。そして、若い世代の選手に希望をあたえるような結果を期待したい。

皆様のあたたかいご声援をよろしくお願いします。

日程:7月10日〜18日(レース:予選12日〜14日・決勝シリーズ15日〜18日)
開催地:ギリシャ テッサロニキ
エントリー: 男子54艇・女子25艇
日本代表チーム
男子:スキッパー クルー 
    富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)
    飯束潮吹  大島龍介(福岡経済大学)
女子:松下結   森下紀代(関西学院大学)

帯同コーチ:栗田直美(競技力向上委員会)
       松永鉄也(オリ特470級担当)

Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
大会会場の風景。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
応援していただいている方の応援メッセージ入りの日の丸を持って。頑張ります。


Index 2009年470ジュニアワールド 第1日目

報告:栗田直美

日本チームは、7月6日に出国し現地に夜遅くに到着しました。

今回は、最初の問題として日本発のコンテナがいつ到着するのか分からない状況になり、計測までにコンテナが間に合わなかった事を考えて、現地でのチャーターボートとセールの手配を協会の方にお願いしました。

現地で、ギリシャチームのコーチが船とセールを用意していただいたのですが、オーストリアから船3艇とコーチボートを借りる事が出来るようになったので、結局ギリシャチームからセールだけ2セット借りる事にしました。

ところが、オーストリアからの船が9日に到着すると聞いていたのですが、1日待っても来ません。次の日からは計測も始まるのですが、オーストリアの担当者とも連絡がとれず、選手たちは心配そうな顔をしていました。このままでは、計測にもレースにも間に合わないと思い、またギリシャチームの方々に船を探していただきました。

バタバタでしたが、なんとか3艇用意することができ準備を始めました。計測は10日と11日の2日間でしたが、事情を話し理解してもらい特別に12日の午前中に計測を受ける事が出来るようになりました。

11日の夜には開会式が行われたのですが、その日に船を探して受け取って、船をレースに出られるように整備をしていたら夜の9時くらいまでかかり、残念ながら開会式には参加できませんでした。

そして12日(レース1日目)の朝、オーストリアからの船を載せたトラックが到着していることを期待してヨットクラブに行ったのですが、残念な事に到着していませんでした。結局選手たちは、昨日(11日)借りて準備をした船で9時から計測を受けました。現地で借りた新しい船1艇はスムーズに終わったのですが、残りの2艇(少し古いです)を計測すると、総重量やマストの重量が足りなくて、時間がないにもかかわらずおもりを探すところから始まりました。でも、レースは13時に予告信号が掲揚されることになっているのですが15時まで延期になり、その間に選手・コーチみんなで手分けして、選手たちは不慣れな英語に戸惑いながらも各国の選手やコーチに話しかけていました。全て終了して計測が通ったのは夕方の4時半くらいでした。しかも、今日は低気圧の影響とは思いますが1日中強風で、レース委員会は4時半の時点でレースをしませんと判断しました。

最初の延期が、日本チームの計測が終わっていないからか? 強風だったからなのか?は定かではありませんが、日本チームにとっては本当にラッキーだったと思います。でも、選手たちは連日の忙しさで少しお疲れ気味ですが、明日からのレースに向けての意気込みはみんな立派なものです。

頑張れ! 期待しています。

Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
ヨットクラブでの大会計測。チャーター艇での計測は大変。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
大変だった計測が終わり一安心。思わず笑顔が。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
レース初日の海面の様子。一日中ドン吹きです。


Index 2009年470ジュニアワールド 第2日目

報告:松永鉄也

昨日の夕方、待ちに待っていたオーストリアからのチャーター艇とコーチボートがやっと到着した。
私たちは、今朝までは現地で借りた船で計測も終わっているのでその船をもう一度艤装等の確認をして、準備をして選手たちがレースに臨めると思っていたが、ヨットクラブに行くと計測の方が「あの新しい船を計測するよ。」と言ってくれたので、時間的に少し厳しかったが、みんなで急いで船を降ろし準備をして2艇計測を受けた。(ギリシャチームから借りた3艇のうち1艇は新しいので・・・)

ところが、またしても船の重量が足りなくておもりをつける作業から始まった。昨日よりはスムーズに作業はできたが、女子チームは作業が手間取り出艇が遅れてしまった。もう1艇の計測を受けた男子チーム(飯束・大嶋組)はなんとかギリギリ1レース目に間に合ったが、女子は残念ながら1レース目に間に合わなかった。

私たちコーチも、選手を送り出した後に急いでコーチボートを降ろし、レース海面に向かった。今日こそはゆとりをもって出艇ができると思ったが、昨日に続いて今日も結局は朝からレース前にバタバタしてしまった。

今回、選手にアドバイスした内容としては、レース前に準備に追われていたが、出艇後レース海面に向かいながらレースモードにスイッチを切り替えること。そして、一度も乗ったことがないチャーター艇で互角に戦うことは厳しいので、少々リスクを負ってもよいので、スタートから攻め、大きくコースを取るよう指示を出した。やはりこのような状況下で結果を出すことは難しいが、選手は精いっぱい頑張ってくれた。

昨日は強風のためノーレースとなったため二日目は予定よりも1レース多い3レースを実施。風は昨日の北寄りの風が本日も残り、5メートルから8メートルの絶好のコンディションであったがこの北寄りの風はシフティーで選手を悩ませる風だった。

そんな中、女子チームの松下・森本組(関西学院大学)は第2レースで3位に入り、日本チームに大きく勢いをつけてくれた。

男子チームの富岡・内野組(福岡経済大学)はスタートが消極的で自分達のリズムがつかめていない印象だ。また飯束・大島組(福岡経済大学)も良いスタートながら風に翻弄されて思うような展開ができていない感じだった。そうとは言っても艇のチューニングもままならないような状況での出艇だったので、選手には酷かもしれない。

艇の確保もなんとかなり、明日からは十分に時間があるので、良いレースをしてくれることを期待したい。
       

[成績] 男子: 富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)23−12 (白グループ:総合19位)
     飯束潮吹  大島龍介(福岡経済大学)18−21 (青グループ:総合19位)
女子: 松下結   森下紀代(関西学院大学)DNF−3  (総合15位)


Index 2009年470ジュニアワールド 第3日目

報告:松永鉄也

今日も朝から良い天気だ。当地に来て一度前線の通過で雨が降った以外は毎日紫外線にやられっぱなしだ。昨日は選手全員ぐっすりと眠れたようで、良い朝がむかえられたようだ。今日は予選最終日。3レースが予定されている。出艇前は入念に艇のチェックを行い、レースに臨む準備は万端だった。昨日と同じくスタートは攻めるように指示はしたが、正直なところ、選手たちには世界に通用するだけのテクニックが身についておらず、本日も苦戦を強いられた。彼らに共通して言えることは、スタートの飛び出しが悪く、第一上マークの順位が悪いこと。これが何よりも成績に響いている。彼らはマークを回るごとに順位を上げることができるので、スタートに更なるエネルギーを費やしてもらいたい。しかしながら、本日圧巻だったのが女子チームの松下・森下組(関西学院大学)だ。スタートで失敗したにも関わらず、トップフィニッシュを飾った。3〜5メートルのコンディション下では彼女たちのボートスピードは素晴らしいものがあった。男子チームの飯束・大嶋組(福岡経済大学)は第3レースを3位でフィニッシュする健闘を見せ、3レースともに安定した成績(9-9-3)で大きく順位を上げ、手応えを感じているようだ。富岡・内野組は少しムラのある結果(11-7-22)となってしまった。大会3日目が終わり、明日から決勝が始まる。男子はゴールドフリートとシルバーフリートに分かれてのレースだ。思い切りのよいスタートダッシュを決めよう!! 

行けるぞ!チームジャパン!!

3日目終了時の暫定結果 (通算6レース)

男子: 富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)(23)-12-10-11-7-22  30位/54艇中

    飯束潮吹  大嶋龍介(福岡経済大学) 18-21-(22)-9-9-3  27位/54艇中

女子: 松下結   森下紀代(関西学院大学)(dnf)-3-23-13-7-1  11位/25艇中


Index 2009年470ジュニアワールド 第4日目

報告: 松永鉄也

今日でテッサロニキに来て、ちょうど10日目となった。選手は生活リズム、また環境にはだいぶなれてきたようだ。しかし、ホテルの朝食は毎日同じメニューなので、少し飽きてきている。それも遠征の良い思い出になることだろう。

とうとう決勝が始まった。男子はゴールドフリートとシルバーフリートに分かれることになった。女子は変わらず1グループでの争いだ。男子は予選が終了した時点で、飯束・大嶋組が27位でぎりぎりゴールドフリートに残ったが、残念ながら予選最終レースで崩してしまった富岡・内野組が30位とゴールドフリートには一歩及ばなかった。

本日は今までで一番風が弱く、2時間の陸上での風待ちの後、2レースがおこなわれた。まずは女子がスタート。第1レースの松下・森下組のスタートは決して良いとは言えなかったが、すぐにフレッシュポジションを確保し、抜群のスピードで第1上マークを4位で回航。そのまま順位をキープし、4位フィニッシュ。軽風域では世界を驚かせる程のパフォーマンスを発揮している。第2レースは10位でフィニッシュするも、陸上にあがると抗議を出されており、審問の結果失格(DSQ)となってしまった。本人たちはまったく自覚がなかったようだが、世界の厳しさを痛感することになってしまった。

一方男子チームは、飯束・大嶋組は素晴らしいレース展開でゴールドフリートの中4−3とまとめ、一気に総合順位を15位まで引き上げた。「これが予選でできていれば…」と思いながらも本当に頑張ってくれた。惜しくもシルバーフリートでの戦いとなってしまった富岡・内野組は6位と1位でまとめ、決勝2日目を終えてトップに立っている。
明日は風が弱く、最高気温が40度近くになるという予報だ。集中力が切れないよう体調には気をつけてレースに臨んでほしい。ゴーゴージャパン!!

成績
男子: 飯束潮吹  大島龍介(福岡経済大学) 18-21- (22 )- 9- 9- 3- 4- 3
    ゴールドフリート15位/27艇中 

    富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)(23 ) -12- 10- 11- 7- 22- 6- 1     シルバーフリート 1位/27艇中 

女子: 松下結 森下紀代(関西学院大学)  (DNF)- 3- 23- 13- 7- 1- 4- DSQ     12位/25艇中
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
毎日の日課となったお昼御飯のサンドイッチ作り。一日はここから始まる。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
スタート前の練習風景。しかし良い天気だ!。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
1レース目で4位フィニッシュ。本日も絶好調!。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
ようやく自分達のレースができました。一安心。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
飯束・大島組の2位での上マーク回航。目指すはトップフィニッシュ。しかし、世界は甘くなかった。


Index 2009年470ジュニアワールド 第5日目

報告:松永鉄也

決勝2日目となった。本日も晴天の中風は無く、2時間ほど陸上待機してからの出艇となった。風はいつもと同じく、弱い南西の風が2メートルから4メートルのコンディション。チャーター艇とはいえ、かなり慣れてきたようで、選手が不安を抱えている様子は見受けられない。海外でのレースの展開の仕方、スタートの仕方に重点を置いてレースに臨んだ。男子はゴールドフリート(上位27艇グループ)の飯束・大島組(福岡経済大学)は第1レースで勢いよくスタートするもOCS(リコール)を取り、第2レースではリズムがつかめず、トップ集団についていくことができなかった。一方、シルバーフリート(下位27艇グループ)ではあるが、富岡・内野組(福岡経済大学)が少しリードを広げて1位をキープ。

女子の松下・森下組が本日も見事な結果でした。これで2回目のトップフィニッシュ。

本人たちも手ごたえを感じているはずだ。

男子ゴールドフリートはフランスのBouvet Sofian, Mion Jeremie組が2位に30点以上も得点差をつけ、ダントツの1位となっている。スタートから安定したスピードとタクティクスが抜群だ。女子はスペインのPacheco Van Rijnsoever, Betanzos Berta組がこちらも余裕を持って首位に立っている。

選手にとっては1レース1レースが勉強であり、非常に良い刺激を受けているようだ。

明日も1日有意義なレースにしよう。

成績
男子:飯束潮吹  大島龍介(福岡経済大学)18- 21- 22- 9- 9- 3- 4- 3- (OCS )- 21
      ゴールドフリート位 22位/27艇中 

富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)(23)- 12- 10- 11- 7- 22- 6- 1- 14- 2 シルバーフリート 1位/27艇中 

女子:松下結 森下紀代(関西学院大学)(DNF)- 3- 23- 13- 7- 1- 4- DSQ- 18- 1 11位/25艇中
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
松下・森下組のトップ回航。風下に見える艇団が2位グループです。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
今日も良いレースをします。出艇後の港の風景。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
陸上で艇の準備中。リラックスできています。


Index 2009年470ジュニアワールド 第6日目
報告: 松永鉄也

大会6日目を迎えた。今日も朝から風が弱く、しばらく陸上での風待ちを余儀なくされた。13時を過ぎ、気温の上昇とともに弱い南の風が入り出艇というのがいつものパターンだ。今日の結果次第で、メダルレースに残れる選手と脱落選手の明暗が分かれるため、選手、コーチともにいつもよりも緊張した面もちだ。朝の時点で、日本選手団の中でメダルレース進出の可能性があるのは、女子の松下・森下組だけだ。今レガッタを通じて各々の課題が明確になっているので、気をつけるべき点を十分に理解した上でレースに臨んだ。

男子はゴールドフリートの飯束・大嶋組はスタートこそ良いものの、ボートスピードが安定せずに有利なサイドに展開することができなかった。シルバーフリートの富岡・内野組は抜群のスピードレース展開で艇団をリード。しかし、第1レースではトップを快走するも痛恨のマークミスで10位まで後退してしまった。

一方、女子の松下・森下組は1レース目を15位でフィニッシュ。しかし、マークタッチしたにも関わらず、回転しなかったためレースコミッティーから抗議が出ていた。そのためリタイアすることになった。残念なり。セーラーとしてルールはきっちりと守ってほしいものだ。第2レースは手堅く走り、7位でフィニッシュした。

本日は、日本選手の甘さが浮き彫りとなる結果となってしまった。艇を操ること以外にも、精神面やルールその他足りないものが多く、結果として世界に負けているように思えるところが散見できた。

男子はフランスのBouvet Sofian, Mion Jeremie組がメダルレースを前に圧倒的な強さで優勝を決めた。女子はスペインのPacheco Van Rijnsoever, Betanzos Bertaが2位に13点差でメダルレースを迎えることになった。

明日は大会最終日。前を走って、今後のヨットライフにつながる何かを見つけて陸に上がってきてほしい。

成績
男子:飯束潮吹  大島龍介(福岡経済大学) 18-21- (22 )- 9- 9- 3- 4- 3- (ocs )- 21- 20- 14
   ゴールドフリート20位/27艇中 

   富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)(23 ) -12- 10- 11- 7- 22- 6- 1- 14- 2- 11- 2    シルバーフリート 1位/27艇中 

女子:松下結 森下紀代(関西学院大学)(dnf )- 3- 23- 13- 7- 1- 4- dsq -18- 1- raf- 6    12位/25艇中
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
レース前ですが、余裕があります。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
女子スタートのシーン。


Index 2009年470ジュニアワールド 第7日目(最終日)

報告: 松永鉄也

470ジュニアワールドも最終日を迎えた。大会が始まってしまえば日が経つのが本当に早く感じる。本日はフリートレースが1レース、メダルレースがフリートレースの後に行われた。最終レースは悔いのないように思い切ってレースをしてほしい。そんな思いで海に選手を送り出した。

ゴールドフリートの飯束・大嶋組はスタートこそよくはなかったものの、冷静にコースを取り、第1上マークをトップ回航。第2上マークで1艇抜かれ、2位でフィニッシュ。シルバーフリートの富岡・内野組はダントツのトップフィニッシュ。決勝での彼らのセーリングを見ていると、本当ならばシルバーフリートで争うべき選手ではない。ゴールドフリートでどのように戦うかを見てみたかったのが残念でしかたがない。

女子の松下・森下組は勢いよくスタートを飛び出し、無難に走り6位でフィニッシュした。

今大会は風が弱い中、予定の全13レースが行われた。日本選手はチャーター艇の準備でバタバタとし、毎日暑い中大変だったと思う。しかし、結果はともあれ良く頑張ってくれた。選手は今大会を通じて良い刺激をもらったようで、日本で早くトレーニングを積みたいと言っている選手もいるくらいだ。意識改革ができたことは何よりも今後のセーリングにつながることだと思う。そして一番良い自分へのおみやげができたのではないだろうか。

来年はカタールで開催だ。是非とも表彰台に上がってほしい。

最後に、470ジュニアワールドの日本選手団を応援してくださった皆様、誠にありがとうございました。今後の彼らの成長に期待してください。以上報告を終わります。

成績
男子:飯束潮吹 大島龍介(福岡経済大学)18-21- (22 )- 9- 9- 3- 4- 3- (ocs )- 21- 20- 14-2
   ゴールドフリート19位/27艇中 

   富岡潤貴  内野航太(福岡経済大学)(23 ) -12- 10- 11- 7- 22- 6- 1- 14- 2- 11- 2-1    シルバーフリート 1位/27艇中 

女子:松下結 森下紀代(関西学院大学)(dnf )- 3- 23- 13- 7- 1- 4- dsq -18- 1- raf- 6-6    12位/25艇中
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
レースが終わって、みんな真っ黒です。
Photo:松永鉄也
(写真をクリックで拡大)
次こそはこの壇上にあがるぞ!。


Index 2009年470ジュニアワールド 総 評

報告: 松永鉄也

今大会には日本代表チーム3組6名に栗田コーチともども帯同し、参加しました。大会を終わった今、自分なりに感じたことを、簡単ですが総評として記したいと思います。

今大会において目標としていたのは男子、女子ともにメダルレースに進出・参加することであった。コンテナが大会に間に合わないという非常事態ではあったが、急遽チャーター艇での出場ということになった。少しだけでも大会前に練習をして、艇に慣れたいところであった。さすがに初日はうまく走らせることができなかったが、2日目からは綺麗にセーリングできたことは、選手たちの潜在能力である。レース前にセーリングしているところを見ても、特にボートスピードに問題を抱えているわけではなかった。しかしながら、レースになると自分達のセーリングが出せない。スタート直後にすぐに風下の艇に追いやられ、タックを余儀なくされる場面を幾度となく見せられた。その場その場でのセーリングの仕方(セールの展開の仕方、ハンドリング、バランス等)に問題があり、狭いポジションの中での位置取りができていないということが結果に大きくつながっているように思える。ポテンシャルがあるのだから、そうしたことを改善して、スタートが成功し、長い距離を自由に走ることができれば、決して戦えないレベルではない。

レース終了後に選手と話す機会を多く持てたが、非常に前向きで明日につながるセーリングができていたことは大変喜ばしいことである。

世界との差として一番大きいことは、『選手と担当のコーチが非常に密接な関係にあり、また、長い間海外の遠征を共に過ごしている』ということである。日本にいる間に今大会のメンバーとあまり接点を持つことができなかったことが、結果として世界との水を空けることになってしまったことが悔やまれる。日本では、各大学の練習等でそのような機会を作ることは容易ではないが、今後はできる限り選手らとコミュニケーションを図り、大会に向けての取り組み方を変えていく必要があるように思える。

今大会で得たものは彼らの今後のヨットライフを大きく変えるものになったに違いない。いつまでも新鮮な気持ちでセーリングを続けてもらえることを願うばかりだ。遠いギリシャで苦労を共にした彼らのこれからにエールを。 



Index