● レース情報 / Race Informations 

2009年アジアユースゲーム

箱守 康之氏のレポートです
Photo:箱守 康之
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関連サイト:
公式サイト「
http://www.ayg2009.sg/

Index 2009年アジアユースゲーム の開会式

 日本オリンピック委員会(以下JOCと記す)の派遣事業である標記大会は、来年開催される「第1回ユース五輪」(IOC主催)のプレ大会としてシンガポールで開催され、6月29日に開会式が行なわれました。

 セーリング以外には、日本から陸上競技、ビーチバレー、バスケットボール(3on3)、卓球、ボウリングの6競技に総勢60名の選手、役員が6月26日から派遣され、7月7日まで競技が行なわれます。

 来年開催される「第1回ユース五輪」の前哨戦としてアジア各国40ケ国から、種目によって年齢制限に違いがあるが、選手、役員が構成されU―17の大会としてアジアで初めて開催されるスポーツイベントでもあります。

 セーリング競技は、14歳以上16歳未満の選手で構成され、日本から競技種目であるバイトCU及びビッグテクノ293に男子2名、女子2名を派遣しています。

<日本選手>
●バイトCU
※男子/北村勇一朗(浜松市立三方原中学校)
※女子/永松瀬羅(大分市立賀来小中学校)

●ビッグテクノ293
※男子/倉持大也(足立区立行伊興中学校.)
※女子/ジョーンズ直美(鎌倉市立卸成中学校.)

<帯同コーチ>
   ※宮野幹弘(オリ特強化コーチボード担当)
   ※箱守康之(競技力向上委員会)
 
日本チームは、6月26日に日本を出発、同夕刻に現地入りし、27日から28日の2日間、競技艇の艤装と会場練習を実施。特に日本では1隻もないバイトCUクラスでの練習が不可欠であり、地元シンガポール選手の艤装やセーリングを見ながらの短い練習であったが、短い2日間をレース前の有効な時間を費やすことができた。 セーリングの参加国は、バイトCUクラス(男子12ケ国、女子9ケ国)、ビッグテクノ293クラス(男子7ケ国、女子5ケ国)である。

29日は、大会前のプラクティスレースが行なわれ、参加国のレベルを確認することとなるが、バイトCUクラスでは、地元シンガポールを筆頭に、インドネシア、中国、タイ、マレーシア、韓国を含めた6〜7ケ国の争いとなりそうである。

ビッグテクノ293クラスは、中国、タイ、香港が上位に入り、日本チームがこの一角をどう崩すかが予想される展開であり、どちらにしても参加隻数が少ないことで、ミスをしないで上位をコンスタントに帆走し、点数を抑えられるかが大きなポイントになりそうです。

風の状況は、3〜6m/secと比較的弱い状況ですが、亜熱帯地方特有のスコール雲が発生し、大きく風速と風向が変化することが、選手を悩ます1つとなりそうです。

また開けた湾内のため潮流の影響もあり、コーチの役割りも重要な要素でもあります。

 30日からのレースでは、選手達も現地の生活にも慣れ、元気で頑張りますので日本からの応援を宜しくお願いします。
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セーリング会場である「シンガポール・ナショナルセーリングセンター」で艇のチェックを行なうバイト級の日本選手
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同じく会場でレース前のチェックを行なうビッグテクノ293クラスの日本選手

 

 

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開会式会場大会ボード前で、セーリング競技の日本選手4名は明日からのレースに向け記念撮影
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2時間に及ぶ開会式は、コンサートホールでシンガポール大統領も参列し盛大に式典が行なわれ、聖火の点火も行なわれた


Index 2009年アジアユースゲーム 第1日目

大会は、12:00がスタート時刻で1日/2レースを予定、11レースを行いますが初日は、風が安定せず12:30スタートで、テクノ及びバイトクラスがA、B海面で開始されました。

風向120〜130°3〜5m/secの軽風で、第1レースからスタートダッシュをかけたい日本チームにとってあまり良い成績ではありませんでした。

特にバイト、テクノクラスともに、上位を走る国が絞られている中で、着順を落とすことは点数が離れることで、後半戦に大きな致命傷になるからです。

テクノクラス男子は、シンガポールが3レース全て1位の成績を収め、タイ、中国、インドネシア、マレーシア等の上位国に少し遅れを取る展開となってしまいました。

女子の永松選手も、スタート後のクロースホールドで除々に遅れが見え、順位を上げることができないでいます。
両選手ともに、上り角度とスピードが上位艇と比較し、今ひとつ悪いコメントがあったので、明日以降はトラベラーの調整を細かに行なうことで、スピードアップを図ります。

シンガポールの女子は、1レースをトップフィニッシュするも、2レースを5位と低迷し、順位を落としていますが、相当な自国開催のプレッシャーがある感じを受けます。

テクノクラスは、2レースを実施し、男子の倉持選手が同点5〜7位に付けていますが、本来のレースがまだ、出来ていない様です。女子のジョーンズ選手も風待ちの陸上待機に腹痛を訴えるほどの緊張があったとのこと。
中学生では、国際大会の初日に「緊張せずいつもと通りの同じ気持ちでセーリングを!!」とアドバイスするも相当な緊張があったと思います。

2日目で平常心に戻る事を期待します。

<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 6−8−8 22点  9位
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 6−4−3 13点  5位
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 6−6. 12点 同点5位
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 5−5 10点 5位

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テクノ男子最終マーク手前で隻数が少ないことで3位〜6位集団が団子でアプローチの中に北村選手も健闘
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トップ争いで上マークにアプローチする中国チームとタイチーム

 

 

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第3レースで3位でまとめ健闘する永松選手


Index 2009年アジアユースゲーム 第2日目

大会2日目は、朝から局地的豪雨と雷が鳴る天候の中、雨を降らせた雲が通過後に天候が回復し、12:50にテクノクラスの3レース目がスタートし、バイト級が14:00に別海面でスタートしました。風向210〜220°3〜6m/secの軽、順風で、それぞれ2レースが行なわれました。

バイトクラス男子は、シンガポールが昨日に続き上位成績を収め、タイ、マレーシア、インドネシア、中国と上位国が続き展開で、北村選手が第4レース目に4位を走り、僅差で7位に付けています。

女子の永松選手は、第4レース目のスタート直前にメインシートブロックのピンが飛び、修理に時間を要して最下位。このレースで上位の中国、マレーシアがOCSに掛かり、もし普通にセーリングできていれば、より上位を獲れる成績であったことで、悔いの残るレースとなってしまいました。

 このクラスも、シンガポール、タイ、中国、インドネシア、マレーシアが上位を獲得し、日本が6位に着ける状況です。
テクノクラスは、昨日に続き2レースを実施し、男子の倉持選手が5−4位を獲得。総合5位に上がってきました。
女子のジョーンズ選手も何とか上位選手に着いていくも、軽風でのパンピング(セイルを煽って加速させるテクニック)が続かず5位の成績です。

明日も厳しいレースが続きますが、選手の開き直りとユース代表のプライドを持って、レースに臨んで行きます。

<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 34点  7位
6−8−8−4−8
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 27点  6位
6−4−3−7−7
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 21点 5位
6−6−5−4
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 20点 5位
5−5−5−5
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テクノ男子、女子のスタート風景。隻数が少ないことで自分のポジショニングを取りやすいが、スタートで出遅れるとコースも短いので挽回が難しいレースです
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テクノ男子、女子のスタート風景。隻数が少ないことで自分のポジショニングを取りやすいが、スタートで出遅れるとコースも短いので挽回が難しいレースです

 

 

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トップ争いで下マークにアプローチする上位集団案の中、後方から上位を伺う北村選手(第4レース下マーク)
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第5レースで上マーク廻航する北村選手のシーン


Index 2009年アジアユースゲーム 第3日目

大会3日目を迎え、昼過ぎにシーブリーズが入るパターンで、陸上待機後の13:10にバイトクラス、テクノが13:26に風向180〜200°3〜5m/secの軽風で、それぞれ最初のレースが行なわれました。

バイトクラス男子は、北村選手が良いスタートを切るもX旗(リコール艇あり)が掲揚され、スタートラインに戻るハンディーを持つが、スタート後のリコールの判断は正しく、彼がラインに戻った時点でX旗が降下され、先行艇を追いかける展開となったが最終9位でフィニッシュ。

次に行なわれたレースでは、上位艇の中で4番で上マークを廻航し、その後に上位艇と接戦を展開するも4位をキープしフィニッシュとなりました。
女子の永松選手は、風速が少し上がると上位のタイ、中国、シンガポール、マレーシアの走りに付いていけない状況で、下位グループの集団でのレース展開が続く状況となり、上位と下位グループがはっきり分かれるレース展開となりつつあります。

テクノクラスは、昨日に続き2レースを実施しましたが、男子の倉持選手が昨日と打って変わり、7−7位とビリを2回続ける結果となりました。

女子のジョーンズ選手も何とか上位選手に着いていくも、軽風でのパンピング(セイルを煽って加速させるテクニック)が続かず5位の定位置を脱することが出来ません。

前半のレースも終了し、明日はレイデイとなり、他競技選手の応援をして気分転換を図る予定です。後半戦に向け1つでも順位を上げる様、選手も頑張りますので応援を宜しくお願いします。

<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 38点  7位
6−8−8−4−8−(9)−4
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 32点  6位
6−4−3−7−7−5−(7)
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 28点 6位
6−6−5−4−7−(7)
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 25点 5位
5−5−5−5−5−(5)
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レースを重ねるごとに上位集団で上マークを廻航する北村選手
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ナショナルセーリングセンターのポンツーンには参加各国の国旗が掲揚されています

 

 

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砂浜からの出艇ですが、センター内は整備され広大なスペースにレーザー、OP、420のユース艇が保管され多くのゴムボートが収納されています
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選手村(日本選手は21階)のエレベーターホールでは、新型インフルエンザ対策として朝、夕2回の検温チェックが義務づけられています。
 (同じ階の他競技選手の検温風景)


Index 2009年アジアユースゲーム 第4日目

今日から、7月3日のレイデイ後の後半戦が始まりました。

大会5日目を迎え毎朝定期的に実施されるコーチミーティングでは、バイト級が本日2レースを実施し、明日2レースを行うことで初日に3レース実施したことで予定より1日早く11レースを全て終了することで、明日で全てのレースが終了し、予定より1日早く終わる報告があった。

テクノクラスは、予定通り6日に終了するとのこと。

アジアでは、風がなくなる予測から、予定より1レース早く前倒しでレースが運営されることが一般的とのことで、スケジュールを変更することがよくあるらしい。

また女子バイト級のスタート時刻を13:00に変更する案内があり、今までと違って「何のために男子と女子を時間差でずらすのか???」考えさせられるが運営に於けるシンガポールマジックでもある。

今日は、日本選手団の木村 興治団長(JOC常務理事)、阿部幹夫本日員(JOC)、中嶋幸平本部ドクターがセーリング会場を視察、選手の激励に来て下さった。

日本の他種目では、陸上、ボーリング、バスケット3ON3で、金、銀、銅メダルを獲得し、国別メダル獲得が3位である。セーリングでは、メダル獲得が絶望的な位置であり何とか今の順位を上げるしかない。

朝から今までにない5〜8m/secのシーブリーズが、コンスタントに吹きバイトクラス男子、テクノクラス男子、女子が12:05に風向120〜140°の中で、それぞれ最初のレースが行なわれました。バイトクラスの男子は、シンガポール、タイが1、2位を独占しほぼ、金、銀が確定予定です。

3位以下は、マレーシア、インドネシアの争いが明日の見所ですが、日本の北村選手は総合6位獲得を狙います。
女子のバイト級も、タイ、シンガポールに続き、中国、マレーシアが3位以内の争いで、5位の永松選手が現在の順位を確保できるかが焦点です。

明日の2レースで最後の大会となるので、今までのセーリングの総括として今後につなげる想い出に残る思い切りの良いレースをしてもらいたいと思います。

テクノクラスも2レースを実施しましたが、男子の倉持選手、女子のジョーンズ選手が良い結果を残せない状況です。
両選手ともに、スタート後のパンピング(セイルを煽って加速させるテクニック)が他選手より続かず、またタクティクスに於いてもなかなか上位での争いが出来ない状況が続いています。

選手達のもう一歩、思い切りの良いコース選択とメンタル面での頑張りに期待したいものです。

<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 54点  7位
6−8−8−4−8−8−4−8−(10)
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 41点  5位
6−4−3−7−7−5−(7)−4−5
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 40点 6位
6−6−5−4−7−7−(7)−6
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 35点 5位
5−5−5−5−5−5−5(5)
 
( )は、カットレース
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木村JOC常務理事(団長)、JOC委員の激励を受けレース前の全員での集合写真
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毎日が緊張のレースですが、今回の国際大会を踏み台に今後の成長と技術アップが課題のジョーンズ選手の上マーク廻航
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バイト女子の廻航順位も、5番手が安定してしまった永松選手の風上帆走


Index 2009年アジアユースゲーム 第5日目

大会6日目を迎え朝のコーチミーティングで、運営サイドから「本日のバイトクラスは、1レースを実施し、最終日に予定通り1レースを実施する」また「女子バイト級のスタート時間を正規のスタート時間に戻す」変更があった。

昨日のコーチミーティングでの決定は、何であったのか?またまたシンガポールマジックである。

結果的には、120〜140°の風軸で4〜5m/secの中、バイト級の第10レースが実施し、テクノ級が第9、第10レースの2レースが定刻通り行われた。

昨晩の日本チームミーティングでは、「今回のレースから学んだことを、残りのレースで思い切り試し、日本でのレースに活かして欲しい」ことをアドバイスし、自分からテーマを持ってレースに臨むアドバイスを行なった。

今日のレースでは、スタートから積極的に狙うことで、良いスタートであったが、上位艇との艇のスピード差がハンドリングを含めあり、定位置の順位となってしまったが、選手個人の目的意識は前向きになったと感じられた。

シンガポール男子が、本日のレースで1位フィニッシュし、バイト級で金メダルが確定し、北村選手も明日のレースで総合6位を目指します。

女子のバイト級も、タイ、シンガポール、中国、マレーシアの接戦で、明日の最終レースでメダルが決定する混戦ですが、永松選手の順位は5位で確保予定です。
 
ちなみに、タイ、インドネシアチームは、このアジアゲーム開催でのバイト級決定に伴い、シンガポールに遠征し強化合宿を実施し、タイチームにおいては、4回の遠征を行ない艇のハンドリング、セーリングテクニックを磨いてきたとのことです。

テクノクラスは、2レースを実施しましたが男子の倉持選手、女子のジョーンズ選手ともに思い通りのレースが出来ない状況です。

参加隻数が少なく、上位艇とのボードコントロール、スピード差もあることで、なかなか上位での順位が取れない状況ですが、最終日の1レースに一矢を報いてもらいたいです。

<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 62点  7位
6−8−8−4−8−8−4−8−(10)−8
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 46点  5位
6−4−3−7−7−5−(7)−4−5−5
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 53点 7位
6−6−5−4−7−7−7−5−(7)−6
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 45点 5位
5−5−5−5−5−5−5−5−5−(5)
 
( )は、カットレース
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シンガポールの国技は、セーリングであることから今回の会場となる「ナショナルセーリングセンター」は、国の予算で建てられた施設です。
    この施設を使用し、ジュニア、ユース強化が図られています。
    <セーリングセンター正面ゲート>
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<クラブハウス建物>

 

 

Photo:箱守 康之
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セーリングセンターで教育され今回、10レース中1位8回、2位2回とダントツのセーリングを見せた男子バイト級シンガポール代表のダレン選手のリーチングマーク帆走


Index 2009年アジアユースゲーム 第6日目(最終日)

大会最終日を迎え、バイト級、テクノ級の最終1レースのみが行われました。

いつもの様に海面の状況等を伝達し悔いのないレースを行なうよう指示し、最終レースなので選手たちの思い切りの良いレースを期待する。

210〜220°の風軸で6〜8m/secの絶好のコンディションの中、最終レースが行われるが、最初にスタートした女子バイト級では、シンガポールと日本がリコールとなったが、風下から良いスタートを切った永松選手であったが、トップグループに離されずレースが出来たことは、大きな収穫であった。

男子バイト級は、風上側からスタートした北村選手が、風が右にシフトしたことで片上りのコースであったが、金メダルのシンガポール、マレーシアに継いで3位をキープし、初めての3位フニッシュをしました。

ちなみにシンガポールを含めタイチームは、金メダル獲得に日本円にして15万円の報奨金が出るとのこと。国際大会とは言えこの年齢のセイラーに賞金を出すことが望ましいかは別として、各国がアジアユースゲーム、そして来年開催される「ユース五輪」のアジア枠を獲得するために非常に力を入れていることが伺える。

その結果が、今回の日本チームの成績に現れていると痛感する。しかし日本に存在しないバイト級を練習前に数時間のセーリングしか持てず、レースに臨んだ日本選手の頑張りは褒めてあげたい頑張りと思います。

テクノクラスは、男子の倉持選手、女子のジョーンズ選手ともにフィニッシュ順位が大きく変わることは無かったが、今後の日本でのレベルアップに期待したい。

ボードクラスは、トップクラスの選手も中国、香港、韓国が強いことでジュニア/ユースクラスも強化されている印象を持った。日本では、ジュニア/ユース選手の人口も少なく競争相手が少ないことで今後の国内強化について、セーリングクラスと共にしっかり行なうことが重要であることを再認識した大会となった。

 アジア地区は、10月〜12月にかけてユース世代の大会も多いので、日本のジュニア/ユース選手も欧州等ではなくアジア地区に目を向けアジア内の海外レースを経験することが必要かもしれません。

本日18:00からナショナルセーリングセンターでセーリングの表彰式が行なわれましが、表彰式と総括のレポートは明日に最後報告をします。日本からの応援、有難うございました。

そして代表選手の頑張りを称え、大会報告を終えると共に、大会レポートに誤り等があったことをお詫び致します。

※毎日のレース写真がhttp://www ayg2009.sgに掲載されていますので、参照ください。
<日本選手の成績>
●バイトCU男子/12ケ国
北村勇一朗 65点  7位
6−8−8−4−8−8−4−8−(10)−8−3
 
●バイトCU女子/9ケ国
永松瀬羅 53点  5位
6−4−3−7−7−5−7−4−5−5―(PMS)
 
●ビッグテクノ293男子/7ケ国
倉持大也 59点 7位
6−6−5−4−7−7−7−5−(7)−6−6
 
●ビッグテクノ293女子/5ケ国
ジョーンズ直美 49点 5位
5−5−5−5−5−5−5−5−4−5−(5)
 
( )は、カットレース
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最終レースを終了し、3位でフィニッシュしホットした表情の北村選手(男子バイト級)
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最終レースを終了しリコールを心配する永松選手ですが、レース中は緊張の毎日で眠れない日が続きましたが最後に笑顔が見られました。(女子バイト級)
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プレーニングする絶好の風の中、最終レースフニッシュ後に、安堵の顔を見せる倉持選手
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レース初日から緊張で腹痛を起こすなど、緊張の連続であったジョーンズ選手もやっとレースが終わり、お疲れ様でした


Index 2009年アジアユースゲームを終えて<総括>

 6月29日の練習レースから7月6日まで11レースの競技が終了し、18:00からナショナルセーリングセンター会場で閉会式が行なわれました。

シンガポールはここ数日、夕方になると雷雨があり最終日の表彰式に影響があるかと心配していましたが、この日に限って表彰式のセレモニーに合わせた様に上がり、太陽の光が覗く素晴らしい表彰式となりました。

  表彰されるユースセイラーたちの活躍を神様も祝福するかと思わせる光景です。

バイト級及びテクノ級男女の全てのクラスで2位以内(金2、銀2)を獲得したタイランド、 テクノ男子で金メダル、女子で銀メダル、バイト級女子で胴メダルを獲得した中国、 バイト男子で金メダル、バイト女子で銀メダル、テクノ女子で胴メダルを獲得したシンガポール、 この3ケ国が、アジアのユース世代を代表するセイラー及びアジアのセーリングを引き上げる存在となり、国別対抗戦でも上位を独占することとなった。

そして、その一角を崩しメダルを獲得したマレーシア(バイト男子3位)、韓国(テクノ男子3位)の選手たちの活躍にも拍手を送りたいです。
 
日本チームは、国別13ケ国中で6位であったが全てのフルエントリーは、タイ、中国、シンガポールと日本だけで、その他の国は参加しないクラスもあることを踏まえ、日本の実力をしっかり認識しなければならない。このままでは、2010年ユース五輪のアジア枠選考が11月〜1月にタイ(パタヤ)で開催されるが、アジア枠を獲得するのも厳しい現実を投げかけられた。

メダル授与の選手たちの嬉しそうな表情、全員が起立し国旗が掲揚されるのを見ながら、五輪ではありませんが国際大会での惨敗の悔しさが込み上げて来ました。

この悔しさは、11月のアジア枠獲得の大会、そして来年のユース五輪につなげなければなりません。

  各クラスの上位選手は、日本選手と比較し体型や体重の大きな違いがありません。むしろ日本選手の方が大きいクラスもありました。

日本のジュニア/ユース選手は、学校の通常授業及び放課後にセーリング練習ができる環境が整っている学校を除き、一般的には練習日が土、日曜日となる。また春、夏、冬休みを活用した集中練習及びそれぞれの大会参加等、年間を通してタイトなスケジュールです。

その中で、今回の国際大会の出場やその大会の種目での練習を加えても、なかなか練習時間が取れない状況でもあります。
他国は、明らかに本大会を目標に来年のユース五輪に焦点を絞って事前に強化を行なっている報告は、レース報告内でも記載しました。

担当コーチが長い期間を掛け指導する体制、練習時間(学校を休ませての強化合宿等)の豊富さとアジア内での国際大会を多く経験している違いがあります。
タイ、インドネシア、マレーシア、シンガポール等は、多くのアジア圏内の国際大会を行なって、情報交換やレベルアップを図っています。また大会での成績で報奨金制度も採用しています。
  中国は、省単位で独自の指導体制を組んで国内での競争を行ない、相互のレベルアップを図っています。

アジアの中で日本は、セーリングにおいて高い水準でしたが今回の大会を見る限り、他国に水を開けられていたことは真に受け止めなければなりません。

  クラス別の国際大会代表選手の選考方法、選考された代表選手の指導体制、強化合宿等を連盟としてしっかり取り組むことが必要です。
ジュニア/ユース強化の課題として、具体的な項目は現時点で記載できませんが、下記内容を含め早急に連盟委員会として改善しなければならない問題と考えます。

(1) 代表選手の選考方法(時期、コンデション、選考の艇種)
(2) 代表選手の国際大会までの指導環境作り(勝つための指導と教育、競技艇の配備)
(3) 学校関係者、指導者等の協力と理解(練習日程の調整と国際大会参加の理解)
(4) 勝つための指導体制作り(代表選手を指導する指導者と連盟との連携)
(5) その他活動資金のサポート(補助金等を含め国際大会の積極的な参加)

帰国後、早急に連盟関係者と協議し、方針を決定する予定です。

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国別対抗1位 タイチーム
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国別対抗2位 中国チーム

 

 

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国別対抗3位 地元開催で賑わったシンガポールチーム
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バイト級男子表彰の3選手
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バイト級女子表彰の3選手
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テクノ級男子表彰の3選手
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テクノ級女子表彰の3選手


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