● レース情報 / Race Informations |
大山 麗氏のレポートです
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)マリーナの様子
関連サイト: 大会サイト
http://www.fragliavelariva.it
420級世界選手権 のお知らせ
日程 7月29日〜8月5日 開催地 イタリア ガルーダ湖 参加艇数 男子122艇、女子84艇 参加選手 稲葉幸平(ヘルムス・唐津西高校) 峯卓人(クルー・唐津東高校) 吉永紀仁(ヘルムス・唐津西高校) 森拓斗(クルー・唐津工業高校) 大日向喜咲(ヘルムス・唐津西高校) 牟田絢美(クルー・唐津西高校) 帯同コーチ 中村健次(ナショナルコーチ)大山麗(アシスタントナショナルコーチ) 大会サイト http://www.fragliavelariva.it
420級世界選手権 第1日目
420級世界選手権 第2日目
世界との実力差を痛感した2日目。スタートの位置取りが重要。
大会2日目・7月31日は、前日までの南風とは逆の北風でレースが行われました。
ガルーダ湖は、地形特有の風が吹くレース海面です。左右どちらの海面に行きたいかでスタートの位置取りが重要になる場面が多く見られました。スタートから第一線で出ることができるようになると、日本選手もさらにレースの組み立てがしやすくなると思われます。このワールドはユースとはいえ、特に男子はレベルの高い選手が多数参加しています。体型の違いというよりは、体を十分に使ったセーリングに違いがあるように感じました。さらには、動作そのもののスピード感にも違いがあります。
また、今回のレースでは、パンピング、スカーリング等のルール遵守が改めて示され、選手にも厳しいジャッジがなされています。ユースのレースだからこそ、セーリングルールを守ることの重要性を示しているようです。今日・8月1日はレイデイです。女子の予選・最終レースが明日早朝に行われます。
8月2日から、ファイナルシリーズが始まります。
残念ながら、日本選手はゴールドフリートに遠く及びませんでしたが、後半戦で少しでも多くのセーリング技術を体得できることを願っています。レース成績: (2日目終了時点) 稲葉・峯組 総合113位/122艇 244pt 52-43-52-44-(54)-53 吉永・森組 総合116位/122艇 253pt (60)-51-56-44-52-50 大日向・牟田組 総合 63位/84艇 114pt 40-25-26-37-16
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)稲葉・峯組
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)吉永・森組
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)大日向・牟田組
420級世界選手権 第4日目
世界のユースセーラーの迫力を目の当たりにするファイナルシリーズ
昨日のレイデーを経て、女子は一昨日消化できていないクオリファイ(予選)シリーズの最終レースを行い、午後からは男子3レース、女子2レースのファイナルシリーズが行われました。
日本チームは、混戦に負けないようにスタートすることを目標に臨み、クオリファイシリーズよりは、第一線からラインを切ることができ、フレッシュウィンドをつかむことができるようになりました。ここに集まる世界のユースセーラーは常に強気で、スタートラインでは他艇を牽制する大きな声があちらこちらから聞こえてきます。ラインナップも早く、スタートの2分程前からスタートラインが形成されています。スタートの場面でも艇のストップ&ゴーが巧みで、強風の中でも艇を止めている技術に優れているように思われました。
ヨーロッパのチームは、各国で行われた選抜レースを経て男女それぞれ6~7チームがエントリーしています。
スペインでは、100艇以上の420が活動をしているそうです。その中から参加資格を得たチーム男女各7チームがエントリーしており、女子の選抜を1位で通過したチームが現在2位。またニュージーランドでは、約30艇程の420しか活動をしていない様子(思ったより少ない・・)ですが、今大会にエントリーしてきた女子チームは現在トップにいます。3位の英国もファイナルシリーズに入り、調子を上げてきています。
また、米国チームもエントリーしていますが、今のところ上位に入れません。男子は、ギリシャ、イタリア、英国が上位です。レース成績: 本日の成績は以下の通りです。 稲葉・峯組 シルバー48位 113(クオリファイシリーズの順位)-25-52-36 吉永・森組 シルバー55位 116(クオリファイシリーズの順位)-58-44-39 大日向・牟田組 シルバー15位 55(クオリファイシリーズの順位)-16-23
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)ギリシャチーム
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)スタート(男子ゴールド)
420級世界選手権 第5日目
本日は、午後から女子チームがレース海面に出ましたが、前線通過による悪天候により、レースができませんでした。男子チームは、1日中陸上待機。長い1日となりました。
420級世界選手権 第6日目
今日は、男子が8時30分からのスタートとなりました。午前中特有の北風で続けて3レースをした後、入れ替わりで女子が海面に出て行きました。女子は、南風に変わるのを待ってからスタート。だんだん弱くなる風の中で、2レースが行われました。レースでは、3チーム共にスタートで第一線から出ていけるようになりました。それぞれのチームでスタートのプランを考え、うまくいかないときに修正していくことが上手になったと思います。スタートで飛び出せると1マークの回航順位も次第に良くなり、本日の目標である10位以内には2チームが、そしてもう1チームも11位になりました。レースに参加している選手たちの中で、420でのトレーニングが決して多くはない日本チームですが、レースを重ねるごとに上達していく様子がうかがえます。
明日は最終日、日本チームの成績、そしてゴールドフリートの上位争いにも注目です。レース成績: 本日の成績は以下の通りです。【 * クオリファイシリーズを終えたフリート順位】 稲葉・峯組 シルバー33位 52*-25-(52)-36-33-18-9 吉永・森組 シルバー47位 55*-(58)-44-39-40-48-11 大日向・牟田組 シルバー 7位 13*-16-(23)-3-6
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)大日向・牟田組
Photo:中村 健次
(写真をクリックで拡大)稲葉・峯組
420級世界選手権 第7日目(最終日)
大会無事終了。多くのことを学んだ日本チーム
今日7日目は、午後の南風を待ってからシルバーフリートのレースが行われました。
吉永・森組は、本部船のすぐ下から1番でスタートしたり、稲葉・峯組も積極的なスタートをするなど、両組は後半になるにつれ、レース運びがうまくできるようになりました。大日向・牟田組も調子を上げ、今日は3位、6位でフィニッシュしましたが、3位のレースは痛恨のリコール。そして最終レースは、スタートで失敗するも上位に追いつきつつある時に残念ながら艇のトラブルでリタイアを余儀なくされました。たとえ不利な場面があっても、少しずつ上位に入ってくる様子など、レース運びに顕著な成長がみられるシリーズとなりました。大会は閉幕しましたが今回のレースで日本選手達は、多くのことを学びました。経験したことの多くが、彼らが帰国した後のセーリングにも生かされることを私は望んでいます。世界のレベルを体感し、今後の目標を大きく持つきっかけになってくれたらうれしく思い次第です。
そして、日本のセーリング界において、ジュニア・ユース選手育成の環境づくり、加えて、420をはじめとしたワールドスタンダードな種目の活動が日本でも早く広まり加速することが、将来のオリンピックに必ずつながると確信します。
http://www.420sailing.org/
「Sail to the Olympic through the 420!」インターナショナル420協会のスローガン通算成績: 暫定 【クオリファイシリーズを終えたフリート順位】 稲葉・峯組 シルバー41位 吉永・森組 シルバー49位 大日向・牟田組 シルバー10位 正式順位は公式サイトでご確認ください。男子ゴールドフリートは、優勝ギリシャ、2位ニュージーランド、3位英国。女子ゴールドフリートは優勝ニュージーランド、2位イタリア、3位米国となりました。各国ともユースに力を注いでおり、多くのコーチと父兄が同伴で参加している様子がみられました。
以上大会報告を終わります。レポートをご覧いただき有難うございました。今後とも若き日本のセーラーたちにエールをお願いいたします。
Photo:中村 健次
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