● レース情報 / Race Informations |
斎藤 愛子氏のレポートです
関連サイト: 全体の成績
http://www.jklabud.hr/sosw/rezultati/08/laser/total/Rpl_gus_09_en.html
2008年スプリットオリンピックウィーク 第1日目
2008年スプリットオリンピックウィーク 第2日目
2日目のスプリットは朝から風がなく、背後にせまる山の上に雲が覆うようにひろがりはじめました。まったりした空気が流れる中、とにかく待つのみで、夕方4時にレース委員会の本部艇が海上に出て、僅かな風でレースを行うかどうかを協議している間に風がなくなり、本日、ノーレースの決定が下されました。
陸での時間は貴重な情報交換もできました。クロアチアの選手がタフなサイボーグばりのハイクアウトをするのはどういうトレーニングをしているかを聞きました。子供の頃から学校体育でいろいろな運動をしていること、またOPでヨットレースの基本を覚えてしまうから、そこから体の成長に合わせてオリンピック種目の中で自分に適正なものを選んで先へ進むプログラムが考えられています。レーザー級は身長が175cm以上あることが重要で、体重はコントロールできるが身長が生まれながらのものと考えています。体を作るのは背が伸びるのがとまってからで、筋トレの基礎から始まり、持久力を高めるための走力、自転車でのアップダウンのインターバル、バスケットやサッカーなどの球技をやりますが、当たり前のように何でもこなせる運動神経の持ち主達ですから、サイボーグのようなハイクアウトができるのもわかります。
でも、こちらへ来てから、飯島がその中に入っても、しっかりミニサイボーグのように見えますから、体力面ではしっかりと世界の流れについていけるようになりました。ダウンウィンドの技術を高めるには、とにかく練習で競り合いながら、少しでもスピードを落とさないことを考えて長い距離を走ることの積み重ねです。彼らは体にスピードをしみこませて、考えなくても体が動くまで乗り込んできています。
明日は北からの風で3レースができるのではないでしょうか。山では雨が降りましたから、天気の変化で寒くなりそうです。春は風が安定しませんが、とにかくレースができる風が吹くことを祈るだけです。
日本からの参加:
レーザー級 6カ国19艇参加 本日レース無し 8位 飯島 洋一 飯島木型 9−6
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)スプリットのJKラボットとJKもモナーは同じマリーナにあります。微 妙にライバル意識がありますが、多くのオリンピック代表を出してきました。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)沖にブローラインが見えるのですが、イタリアとの間に就航している定期フェリーがブローを追い越して走ってきました。風は弱く、入りそうで入らない1日でした。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)ヨットクラブから事前に国旗を持参するように連絡がありましたが、弱い風ではたれさがるのみでした。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)風待ちの時間にPCをヨットクラブの無線ランについないでインターネットを楽しむ飯島。横浜市がJOCのパートナー都市になり中田市長が調印式に出ているニュースで盛り上がりました。飯島は横浜市在住です。
2008年スプリットオリンピックウィーク 第3日目
今日のスプリットは気温10度、朝から雨が降る中、11時30分に第3レースがスタートしました。北東の風が12ノット、強弱あり、シフトあり、エリア内にむらありと、難しいコンディションのレースでしたが、飯島は6−3と調子をあげて、トータルでも6位にあがりました。今日は3レース予定していましたが、2レース目途中で風がなくなり、2レースのみとなりました。
今日の飯島はアップウィンドでもダウンウィンドでも接戦の中で抜いたり、抜かれたりのレースで粘り勝ちできました。昨日から10度も気温が下がり、キプロスのように集中力が持続できない選手もいましたが、課題をひとつづつ克服していく中で、飯島は自分の走りができるようになってきました。
トップにでたズボガー選手(スロベニア)はアテネで銅メダルをとりましたが、北京では本命イギリスを倒す筆頭の選手で、12ノットから弱まり、2レース目の最後は3ノットまで落ちる中、風の変化に合わせた走りの鋭さは見事でした。
それにしても、クロアチアの6選手は強いです。飯島が3位に入ったレースでは最後の最後までミラン選手と競り合いましたが、普段から接戦に慣れているミランはあわてることなく、ワンチャンスで頭を出して、飯島の前でフィニッシュ。強風でのスーパーハイクアウトだけでなく、微風での忍耐力も持ち合わせています。基礎体力がある上に、シーズンが始まったら毎日セーリングをして培うセーリング体力があるのが強みだと思います。クロアチアチームはだらだらと長い時間乗るのではなく、2時間から3時間の練習を集中して走るのが基本です。
明日最終日は2レースを予定しています。北風で寒い1日かもしれません。
日本からの参加:
レーザー級 6カ国19艇参加 本日2レース 6位 飯島 洋一 飯島木型 9−6−6−3
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)2レースともトップで総合でも1位にでたスロベニアのズボガー。スピードを落とさない丁寧な走りに驚かされます。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)いつも1上マークはいいのに、寒さに弱いのか最後まで集中できていなかったキプロス。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)飯島は弱まる風でも丁寧に走り、接戦の中でも負けません。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)フィニッシュ前のデッドヒートは北京五輪クロアチア代表のルカとミラン(手前)。飯島も落ち着いて上からルカを抜きました。
2008年スプリットオリンピックウィーク 第4日目(最終日)
最終日は朝から北東の風が20ノットを越えるガストで入り、地元の人達がブーラと呼ぶ山からのおろしの強風でした。クロアチアにきたからには、サイボーグ軍団と強風での勝負をしてみたかったので、絶好のチャンスでした。
1レースしかできなかったのですが、岸のそばのレースエリアだったため、強弱が激しく、シフトも頻繁な、体を使うだけでなく、考えてコースをとらなければならないレースでした。スタートから1上まではスロベニアのズボガーがリードをしていましたが、2上までの間にクロアチアの若手でここのところ急激に伸びてきたトンコ選手がトップにでました。OPからレーザー4.7、レーザーラジアルを乗り継いで2005年からフルリグにあがってきた選手ですが、すでにグレード1の大会でトップ20に入る実力の持ち主です。疲れを知らないハイクアウトと果敢なダウンウィンドで危なげなくトップをキープしました。2位にズボガーが入り、優勝をきめ、4位で入ったミランがトータルで2位になりました。
飯島はアップウィンドでルカ選手と2艇右よりのコースをとり、左からのガストにのれずに1上で先頭集団から遅れてしまいました。ダウンウィンドでも1回沈する場面があり、久々の強風に体が出遅れていました。レース後半にはシャープな動きが戻ってきましたが、9位をとり、総合で7位です。ポーランドやキプロスに競り勝ち、このメンバーなら8位には入らなければならないと思っていた目標をクリアできました。
次は8日からイタリアのガルダ湖でのオリンピッククラスが集まるガルダウィークです。470男女、RSX男女、49erチームもすでにガルダ入りして準備をしていますので、レーザーも合流します。クロアチアでは小グループでのレースで強い選手達と手合わせができて、大きなプラスになりました。ここで見つけた課題にガルダで取り組み、イエールで結果が出せるように練習を続けていきます。期間中、応援いただき、ありがとうございました。
日本からの参加:
レーザー級 6カ国19艇参加 本日1レース 7位 飯島 洋一 飯島木型 9(9)−6−6−3−9
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)最終日は北東の山からのおろしで、ブーラとよばれる強風の中でのスタートでした。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)1上マークを回ってリーチングに入るクロアチアのサイボーグ軍団。吹いたら速いです。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)ミランのジャイブ。ブームが水をたたいても、力でねじふせていきまし
た。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)飯島のリーチングは20ノットを超えるガストの中で凄いスピードでした。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)優勝したスロベニアのズボガー選手とちょっとミーハーな飯島。
Photo:斎藤 愛子
(写真をクリックで拡大)2位のミランと飯島。ミランは地元の選手で、飯島の到着時からいろいろと世話になりました。
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