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2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会

斎藤 愛子氏のレポートです
Photo:斎藤 愛子
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開会式はブレストの市民ホール前で行われ、壁画をバックに記念撮影でした。
関連サイト:
大会全体のサイト
http://www.rsxclass.com/europeans08.html
成績 http://www.rsxclass.com/euros2008/livescores.html

Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会
北京五輪のウィンドサーフィン種目であるRS:X級のヨーロッパ選手権が5月1日ー10日の予定で、フランスのブレストにおいて開催されます。日本からは五輪代表の富澤慎、小菅寧子、男子補欠の上野一也の3名が出場します。

開催地のブレストはフランス・ブリタニー地方の西端になり、パリから西へ400kmほどのところです。地図で見るとイギリスの南になります。アテネ五輪で女子金メダルを獲得したメレット選手の地元になるため、この大会のメディアの熱の入れ方は半端ではありません。(メレット選手は五輪連覇を狙っている北京代表です)

大会の日程:
5月1日-3日 受付、計測、開会式、プラクティスレース
5月4日-6日 レース
5月7日 予備日
5月8日-10日 レース、10日はメダルレースを予定

大会はエントリー数によって予選、決勝に分かれますが合計11レースを予定し、最終日に上位10艇はメダルレース、そのほかの選手はファイナルレースを予定しています。途中、7日が予備日になっていますが、レース数が足りない場合はこの日を使って数をあわせます。

各国ともオリンピック代表が決まり、選手の数が少なくなる期間ですから、今年のヨーロッパ選手権は例年よりも参加数が少ない様子です。また、エントリーしていても、キャンセルする選手もおり、最終的な数はレース初日までわかりません。参加数、国数、予選があるかないかは、初日の成績とあわせてお送りします。

日本からは男子2名、女子1名、合計3名が参加します。ガルダウィークで優勝しながらも、イエールでは15位でメダルレースに残れなかった富澤は、今回もより高いレベルの中で上位を目指します。小菅は大会前半が軽風の予報がでているので、北京目指して自分の走りをより完成していく予定です。数は少なくとも、各国の五輪代表が中国、香港などのアジア勢以外はそろっていますので、手ごたえのある1戦になりそうです。

 RSX級男子 
 富澤 慎  トミザワ マコト  関東自動車工業
 上野 一也  ウエノ カズヤ  ウィンタートゥールスイス生命保険
   
 RSX級女子 
 小菅 寧子  コスゲ ヤスコ  ジェイ・ウィル・パートナーズ

Photo:斎藤 愛子
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日本チームのプラカードもちは地元の15歳のクレメント君。180cm の長身で現在はウィンドサーフィンに毎週末のっています。富澤慎の少年時代によく似ている感じですから、4年後にはひょっとしてロンドン五輪目指すホープになっているかも!


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第1日目
初日は11時スタート予定が風がなくて陸上待機になり、13時すぎから男子が1レース、その後また無風になったので男子は一度陸へ戻り、15時すぎに女子が出て2レースを行い、男子がその後から海へでてレースをはじめたのが19時。すべてのレースが終わってハーバーへ戻ったのが20時すぎで、たいへん長い1日でした。

男子76艇はイエローとブルーの2グループに分かれて予選2レースを行い、富澤はトータルで7位につけています。ヨーロッパ選手権ですから、ヨーロッパ圏外からの参加は、ブレストオープンという形での参加になります。また、上野も2レース目は14位をとり、「コース選択はばっちりなんだけど、体力がついていかない・・」と、ベテランらしいレースぶりを見せて、2レース終了後にゴールドフリート圏内をキープしました。

女子は51艇が1グループでのスタートです。小菅はスタートでうまくでられず、走りで上位にスピード負けしており、20位前後の位置からあがれず苦しい1日でした。風のむらが多い海面でのレースになったので、トップが入れ替わり激しく、上位から中盤以下まで転落する選手も多々みられました。

明日は11時から女子、13時から男子のスタートを予定しています。朝からちゃん とレースができて、今日のように遅くまでレースをせずにすむように祈ります。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日2レース
 7位  富澤 慎  関東自動車工業
   7−6
 36位  上野 一也  ウインタートゥールスイス生命保険
   22−14
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日2レース
 19位  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   19−23

Photo:斎藤 愛子
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女子のスタート。小菅は混雑した中からしっかりスタートしていきました。
Photo:斎藤 愛子
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ブレストの南東にある橋をバックにスタート直後のフリートをリードするのは地元のマレット選手のF9です。

 

 

Photo:関 一人
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イエローグループのスタートで並んででていく富澤(JPN10)と上野(11)。
Photo:関 一人
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第1レースでは途中、ギリシャのニコスと競り合う場面もありました。



Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第2日目

今日は女子が定刻の11時にスタートし、続けて2レースを行いました。13時のスタート予定で後から海上にでてきた男子は1レースを行ったところで風がなくなり、一度ハーバーへ戻ってから、17時に2レース目を行い、男女とも2日間で4レースずつを終えました。

北東の風が7−9ノット吹く中で、ガストに入ってプレーニングするか、抜けてパンピングするかで勝負が決まりました。上位の選手はずっとガストにのって走ってくるのですが、先に抜けてしまった人から落ちてしまいます。特にランでの強弱のつかみは決定的でした。小菅はコースどりで工夫しながらも、トップ艇群と比べるとスピードにのるのが遅れてしまい、いまひとつ前へ出せない走りにおわりました。ダウンウィンドではパンピングが持続するようになり、抜いたり、抜かれたりながらも、あがってくるのはよかったです。「明日は、もっとこぎます。(小菅)」というように、明日も弱い風の予報がでています。

男子は風が少し弱まった中での1レース、一度陸へ戻って、しきりなおしで行った2レース目は8ノット前後の風ながら、ガストに入った選手が後続艇に差をつけてしまい、前にいると風を逃さずにコースがとれてリードを広げる展開でした。ラルにはまると数艇にごっそりやられてしまい、なかなか順位をあげることができませんでした。2レース目でトップをとったオランダのキャスパー選手は2mの長身で重たいのですが、ガストをうまくつかみ、抜け出してしまいました。富澤はいまひとつ風に乗り遅れて10位と13位で、トータルは13位に後退しました。上野は41位でゴールドフリートへのボーダーラインのため、明日の2レースにかけます。

明日3日目は男子11時スタート、女子13時スタートで2レースを予定しています。予報は弱い東風で、定刻どおりにレースができるのか、少し不安です。明日で男子は予選最終日です。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日2レース
 13位  富澤 慎  関東自動車工業
   7−6−10−13
 41位  上野 一也  ウインタートゥールスイス生命保険
   22−14−20−31
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日2レース
 16位  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   19−23−17−17

Photo:関 一人
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「実力どおりの順位になってしまいました。あああ。」(上野)
Photo:関 一人
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オランダのキャスパーは2mを越える大男です。初代RSXワールドチャンピオンです。

 

 

Photo:関 一人
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富澤は、「今日はベテランが経験いかして、きっちりレースして、若手がずるずる落ちていったレースでした。」といいつつも、自分のレースを振り返り、う〜ん、とうなるばかりでした。
Photo:斎藤 愛子
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スタートラインか、それともコーラスラインか・・・女子はピンクのビブスと黒ウエットスーツ、ポニーテールが定番で、誰が誰なのかわからない状態です。
となりの板に足がのりそうなくらい接近してスタートしていきます。
Photo:斎藤 愛子
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大会はインターネットで中継しようと、海上から陸へ映像と回航順位を無線通信で飛ばしています。リアルタイムで陸の巨大スクリーンにうつり、実況放送が入るのは国体によく似ています。

 

 

Photo:関 一人
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フィニッシュ直前の小菅。プレーニングしたり、パンピングしたりの強弱があるコンディションで、なかなか前を走らせてもらえません。
Photo:関 一人
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女子のレースが終了して、ハーバーへ戻った時間は潮がだいぶ引いており、スロープの長いこと。ボードをコロのついたバッグに載せて運ぶ小菅。こけが岩についている上まで、水位はあがってきます。


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第3日目
今日も風待ちで、朝11時のスタートにあわせてハーバーに到着した男子選手は、14時頃に一度出艇を試みたものの風がなくなり陸へ戻され、次にAP旗がおりたのは18時12分、女子は18時45分に降りて海へ出ました。男女1レースを行い、男子は今日で5レースを消化したため、予選が終了し、8日から決勝グループでレースをはじめます。

18時をすぎるまでずっと陸上待機だったので、今日はもうないかもしれないという楽観もありましたが、21時まで明るいブレストですから、18時すぎの出艇もありでした。富澤と上野はハーバー周辺を散策している最中にAPがおりて、あやうくスタートに出遅れるところでした。男子はポルトガルがダントツになり、トータルでもトップで予選を通過しています。富澤は9位をとりましたが、トータルは16位に後退、明日の予備日はレイデーで休みになります。上野は今日もがんばりましたが、20位で、トータル40位となり、惜しくも38位までのゴールドフリートに残ることができませんでした。

女子は19時15分スタートがゼネリコになり、やり直して19時28分にスタートしました。レースエリアは男子の時よりも風が安定して入りましたが、プレーニングできるガストに長く入ることと、持っているスピードを100%出せているかがポイントでした。昨日までいまいちだったワールドチャンピオンのバーバラ・ケンドールが今日はセッティングを少し変えてでてきて、上位に入ってきましたが、ポーランドのゾフィア、スペインのマリナ、フランスのフォースティンらは1ランク上の走りで上位を独占しています。「スピードが、上位に比べると、ないです。ちょっとしたことなんでしょうけど、いいポイントやバランスを探りながら走っているからガストに入ったときにおいていかれてしまっています。(小菅)」

明日はレイデーで休み。8日からしきりなおして、後半戦が始まります。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日1レース
 16位 富澤 慎 関東自動車工業
  7−6−10−13ー9
 40位 上野 一也 アクサフィナンシャル生命
  22−14−20−31−20
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日1レース
 20位 小菅 寧子 ジェイ・ウィル・パートナーズ
  19−23−17−17−17

Photo:斎藤 愛子
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朝から夕方18時まで陸で待ちました。もう終わりかと思いきや、AP降下で、みんなすっ飛んで海にでました。
Photo:斎藤 愛子
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上野はあと1歩及ばず、シルバーフリートになってしまいました。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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接戦の中でふんばる小菅。
Photo:関 一人
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プレーニングコンディションの中でがんばる富澤慎。上野も必死に食い下がっています。


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第4日目
本日 レイデー


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第5日目
7日はレイデーで1日休み、今日は朝から雨。時折、稲光も見えたりして、付近では雷雨になっていました。風は一日中あがったり下がったりしながら、右へシフトしていきましたが、午後4時過ぎには霧が濃くなり、風も不安定なままだったので、レース委員会は午後5時半に本日のレース中止を決定しました。決勝に入っての初日が中止はつらいところですが、天気には勝てません。明日、やり直しです。

RSXは五輪本番でチャーター艇を使いますが、艇差をなくすために建造元から新しい五輪用仕様の板とマスト、3世代目のセールが配られます。すでにマストとセールは市場に出回っていますが、板はやっと建造が終わり、5月末か6月初旬に売りだされることになっています。「マストが硬い。いいフィーリングで走れない。」と本番用のマストの硬さに頭を痛めているのが小菅ですが、サポート陣と話ながら、これから日本へ帰ってからの練習で何を考えていくか、今日の暇な時間を使って相談をしました。富澤もその話を聞きながら、自分の中で「追い込みの練習はもう終わったと思っていたけど、日本帰ったら、またやらなきゃだめじゃないですか。」と、ひらめくところがあったようです。マストベンドを測定するおもりは30kgにしたらいいといって、30kgのウエイトトレーニング用の板を考えていた富澤に、「10kgのを3枚にしてくれる?30kg一個じゃ運べない・・・」と漫才みたいな会話に笑いました。

7日がレイデー、8日が8時間の風待ちの末にノーレース、明日9日はレースができることを祈ります。プレーニングコンディションなら3レースを行いますが、2レースやって1度あがり、休んでから3レース目を行うスケジュールになります。予報はあまりかんばしくないですから、とにかく、レースができることを願っています。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日レースなし
 16位  富澤 慎  関東自動車工業
   7−6−10−13ー9
 40位  上野 一也  アクサフィナンシャル生命
   22−14−20−31−20
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日レースなし
 20位  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   19−23−17−17−17

Photo:斎藤 愛子
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陸での待ち時間はパソコンでひまつぶし。
Photo:斎藤 愛子
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時間があり余ってしまい、ハーネスの研究もしました。フックの位置を工夫している富澤。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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マストのチェックで、五輪仕様マストにセールをつけてチェック。今後の 練習方針も考えていました。
Photo:斎藤 愛子
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8時間の陸上待機の後、今日はレースができず、AP/A旗があがり、明日しきりなおしです。


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第6日目
朝から雨が降る中、8−10ノットの風で定刻11時を少し回ってからのスタートになりました。男子2レース、女子2レースを行い、一度陸へ戻った後にもう1レース実施する予定で選手全員待機していましたが、風が落ちてしまい、プレーニングコンディションではなくなってしまったことから、1日3レースを実施できず、2レースのみで本日のレースが終了となりました。

ゴールドフリートになってからのレースは厳しく、富澤はスタートから前へ出ることができません。強弱のあるエリアで中盤から抜け出せないで終わりました。10ノット前後の風ではトップクラスと中盤の選手とで差があります。富澤はまだその域のスピードが出せておらず、更なる研究が必要です。シルバーフリートになった上野は冨澤のサポートも兼ねていますので、今日はコーチボートから上位選手の研究と富澤の走りをチェックする役割を果たしていました。

小菅は男子の後にインナーループでのレースとなりましたが、今日はスタートからよいスピードで前へ出ることができ、先日までとは走りが変わりました。セールのセッティングと乗り方を少し修正したのですが、よい方向へ変化したようで、1上マークは3位で回ることができました。課題はフリーで、ガストの中でジャイブしすぎたことが原因で、プレーニングで伸ばした艇群にやられてしまいました。それでも、五輪本番で使う道具のことを考えて、ひとつひとつ問題点を解決しているので、前へ出るスピードが戻ってきたことはよかったです。

ヨーロッパ選手権はヨーロッパ外からのエントリーをのぞきます。明日最終日のメダルレースでは女子のニュージーランド、男子のブラジルがトップ10でメダルレースに残っていますが、これはブレスト・オープンのトップ10であり、メダルレースにはもう1選手ずつヨーロッパ選手が入ります。男女とも、合計11艇ずつがメダルレースに進出し、12位以下の選手が最終レースを別に行います。

明日は11時からメダルレース、12時から最終レースを行います。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日2レース
 20位  富澤 慎  関東自動車工業
   7−6−10−13ー9−25−24
 60位  上野 一也  アクサフィナンシャル生命
   22−14−20−31−20−DNC−DNC
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日2レース
 21位  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   19−23−17−17−17−23−22

Photo:関 一人
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男子の第7レーススタート。富澤は中央から出ましたが、ちょっと飛び出しが足りなかったようです。
Photo:関 一人
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1点差で総合2位のリカルド・サントス選手。明日のメダルレースではポルトガル、フランスと優勝争いになります。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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 1上マークまでは2レースとも3位の小菅。ちょっとミスが多い1日になり、20番台に落ちてしまいましたが、走りに改善がされてきたので、1歩前進した内容でした。
Photo:斎藤 愛子
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時ポルトガルのジョアオ・ロドリゲスは男子のトップです。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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潮が速い中でのレースではマーク際がポイントになりました。慎重にマーク回航する富澤。


Index 2008年RS:X級 ヨーロッパ選手権大会 第7日目(最終日)
最終日は霧の朝で、風が全くない状態で陸上待機になりました。メダルレースと12位以下のファイナルレースを予定していましたが、あまりの風のなさに、13時を過ぎたところで、ファイナルレースが中止になり、メダルレースに出場する男女11艇ずつのみが待機となりました。その後、14時30分まで待ったものの、やっと吹き始めた海風も弱いまま安定せず、時間ぎれでメダルレースも中止となりました。

風に恵まれない大会ながらも、わずかなチャンスでレースを実施できたことは良かったし、北京五輪本番の青島を考えれば、潮も速く、風もなく、風がでたときにあわててレースを実施する運営の段取りもよく似た展開でした。男子のポルトガルはバルセロナ前からウィンドサーフィンでトップレベルの活躍をしているジョアオ・ロドリゲスですが、97年にもヨーロッパタイトルをとっているベテランです。ブラジルとの激戦は迫力のあるものでしたが、吹いても吹かなくても安定した成績は、北京へ向けていいサインです。女子はスペインのマリナ・アラバウがトップでフィニッシュしながらもBFDで失格になったため、フランス2艇とポイントが競っての優勝でしたが、今回のコンディションでは他を圧倒するスピードを見せています。プレ五輪ではいまひとつ走れていなかったので、波がある軽風ではどうなのかという点に興味が集中しますが、今回は見事な優勝でした。3位のフォースティン・メレットは地元でもあり、アテネ金メダリストで、北京代表です。僅差での3位ながらも、2連覇を視野にいれています。挽回策をねって青島へいくのでしょうか。

富澤は20位、小菅は21位で終わりました。トップレベルの選手がそろった大会だっただけに、いまひとつ走りきれていない部分もありましたが、五輪本番まで残り2ヶ月半で課題の克服につとめていくしかないでしょう。両選手とも、青島で多い微風のコンディションでは走りがよくなっていますが、やや強めの風の時にトップスピードでついていけてません。あまり細かいことにしぼっていかず、いいところは磨きをかけ、本番の道具をどう使いこなして、自分の走りを作るか、準備が非常に重要なところです。

ヨーロッパ選手権は本日で終了です。RSX男女はこの後大きな大会がないため、北京五輪の準備トレーニング、本番仕様の板やマストの調整が中心になり、日本での練習となります。微風のパンピングにそなえてフィットネスの充実もありますので、プログラムがうまく実行できるよう期待します。両クラスとも、メダルレースが狙える種目ですので、今後のがんばりに、応援よろしくお願いします。

次は5月21日からのホランドレガッタに470女子の近藤・鎌田組、49erの石橋・牧野組が出場します。1週間にわたり、応援をいただき、ありがとうございました。

 RSX級男子 29カ国76艇参加 本日レースなし
 20位  富澤 慎  関東自動車工業
   7−6−10−13ー9−25−24
 60位  上野 一也  アクサフィナンシャル生命
   22−14−20−31−20−DNC−DNC
 
 RSX級女子 25カ国51艇参加 本日レースなし
 21位  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   19−23−17−17−17−23−22

Photo:斎藤 愛子
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最終日は朝から無風。15時がスタートの最終時間制限だったため、ずっと待ちました
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天気は晴れ。風がなくて、みんなで井戸端会議です。一番右が優勝したポルトガルのジョアオ。

 

 

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わんちゃんもボードケースの上で風待ちです。
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女子はスペインが優勝、フランスが2−3と続きました。


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