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斎藤 愛子氏のレポートです
関連サイト: 全体の成績
http://www.trofeoprincesasofia.org/result.php?miclase=470%20Women
2008年プリンセスソフィア杯 第1日目
2008年プリンセスソフィア杯 第2日目
2日目は風がないという予報に反して、中風のコンディションの中で470は2レース、49erは3レースを行いました。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)予選第3レースではトップフィニッシュを飾った石橋・牧野組。マヨルカ島で一躍有
名になったマッキーは好調です。予選第3レースでは石橋・牧野組がトップをとりました。大会ポスターになったクルーの牧野ですが、世界選手権の時よりも中風域では上位チームのスピードについていかれるようになってきました。スタートから思い切りがよいと、1−2番がとれるようになりましたから、レースを重ねるたびに安定度をましていくことが目標でしょうか。日本では1艇での練習ばかりですから、相手がいる中でのレースが練習になります。
470女子は近藤・鎌田組がなかなか安定しません。トップ10にくいついているものの、イタリア、ドイツが中風域では非常に安定した走りで、5位以内で固めてきています。女子は38艇ですから、1グループでのレースとなり、ミスをすると簡単に20番台をとってしまいますから、集中が大切です。
プリンセスソフィア杯は、11種目で開催されていますが、参加艇の中でもっとも良い成績のチームがソフィア杯を手にします。クラスにより参加艇数とレース数などを計算して割り出します。その仕組みのせいか、各クラスのトップをいく選手達はトップや2位をとっても安心せずに、ひたすら少ないポイントでの優勝を目指していますし、他クラスのトップスコアにもコーチ達は目を光らせています。ソフィア杯は、マヨルカの王宮での閉会式で、スペインのソフィア女王から直接トロフィーを受け取るため、ただ勝つだけでなく、全クラスのトップになることが目標になるのです。オリンピッククラスだけでなく、過去にファン・カルロス国王がオリンピックを目指したドラゴン級も含まれており、バルセロナ五輪でソリング級の選手だったフィリペ王子やソウル五輪で470女子の補欠代表だったクリスティナ王女、一家そろってのセーリングファミリーでセーリング競技をサポートしているため、ソフィア杯は多くのセーラーが城での表彰式を目指して頑張る大会です。
この伝統ある大会ですが、「火曜日は吹く」というジンクスがあります。大会3日目の火曜日、今年はどうなることでしょうか。
日本選手の成績:
日本からは3クラス3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 49er級 22カ国52艇参加 予選2グループ3レース実施 12位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 2−13−1−16−8 470級女子 20カ国38艇参加 1グループで2レース実施 10位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−16−7−20 470級男子 28カ国83艇参加 予選2グループ2レース実施 22位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 13−8−19−16
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)やっぱり、トップフィニッシュに限る!
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)石橋・牧野組の中軽風での走りは思い切りがよくなりました。
2008年プリンセスソフィア杯 第3日目
予報では南からの強風になっていましたが、実際に吹いた風は北からで、しかもレースエリアには不安定な入り方をしたため、スタートがやり直しになるクラスもあり、難しい展開になりました。
470女子は近藤・鎌田組がトップと8位で総合7位にあがりました。前をいくスペイン、ドイツは非常に安定した走りですが、イタリアが崩れた1日で、3位に後退しました。昨年のチャンピオンであるオランダが5位にいますが、女子は北京五輪本番でメダルを狙う国々が、しっかりと形になりつつある模様です。アルゼンチンとオーストラリア以外はほぼ面子が出揃っています。
予選を行っていたクラスは今日で予選グループが終わり、明日からは決勝のゴールド、シルバーに分かれてのレースとなります。470男子に参加している原田・吉田組は今日の2レースをBFD,OCSとたたいてしまい、ゴールドフリートに残ることができませんでした。
49erは3レースを行い、上位でふんばっています。アップダウンがあるものの、良い時に5番以内を確実にキープできるようになってきました。北風では岸に近いエリアになりますから、波が少なく、シフティーなコンディションは得意なのかもしれません。メダルレースまであと3艇抜くのが目標です。
日本選手の成績:
日本からは3クラス3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 49er級 22カ国52艇参加 予選2グループ3レース実施 13位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 2−13−1−16−8−6−18−4 470級女子 20カ国38艇参加 1グループで2レース実施 7位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−16−7−20−1−8 470級男子 28カ国83艇参加 予選2グループ2レース実施 47位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 13−8−19−16−BFD−OCS
2008年プリンセスソフィア杯 第4日目
予選グループでレースをしていた49er、470男子、RSX男子は今日から決勝グループのゴールドとシルバーに分かれてのレースが始まりました。13位で決勝に残った石橋・牧野組は上位グループの中で簡単に前を走らせてもらえませんが、それでも少しずつペースがつかめてきたようです。中風で始まったレースは徐々に弱まる風の中で3レースを行いました。
470女子は昨日スタート前にティラーを破損してDNCになっていたイタリアがよみがえりましたが、3位を2回とって一気に5位まであがってきたイギリスの活躍がめだった日でした。ドイツは2個目の英語スコアがつき上位争いから脱落しましたし、オーストリアも崩したおかげで、近藤・鎌田組は12−6というスコアながらもトータル6位にあがりました。軽風シリーズながらもじりじりと3位まであがってきたオランダチームは北京対策をしっかり進めているようで、成果がでているのでしょうか。
ソフィア杯総合のほうは、ラジアル級のニーマン選手(ドイツ)がオールトップという成績で圧倒的なリードです。フィン級のベン・エインスリー、レーザー級のポール・グディソンが追っています。
20日はフリートレースの最終日となりますが、上位10艇が21日のメダルレースへ進みます。
日本選手の成績:
日本からは3クラス3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 49er級 22カ国52艇参加 決勝2グループ3レース実施 15位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 2−13−1−16−8−6−(18)−4−18−15−7 470級女子 20カ国38艇参加 1グループで2レース実施 6位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−16−7−(20)−1−8−12−6 470級男子 28カ国83艇参加 決勝2グループ2レース実施 45位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 13−8−19−16−(BFD)−OCS−1−2
2008年プリンセスソフィア杯 第5日目
20日は朝から強い風が吹き、少し弱くなったのでレースをする予定が、今度は弱くなりすぎてしまい、470はスタートしたレースが途中で中止となり、その後もレースができずに終りました。最終日のメダルレースに進む上位10艇は昨日までの10レースで決まりました。
470男子はイタリアのザンドナ組が24点のリードをもってトップで入ります。女子もイタリアのコンティ組がトップですが、ダントツのザンドナとは異なり、2位と1点、6位の近藤まで18点差という僅差でメダルレースに入ります。
49erは2レースを行い、石橋・牧野組は15位とかわらずでした。49erはプリンセスソフィア杯のあと、引き続き、同じ場所でヨーロッパ選手権が始まります。
21日金曜日はイースターフライデーでヨーロッパの多くの国はホリデーに入ります。6位でメダルレースに入る近藤・鎌田組はメダルレースで表彰台への逆転も可能ですから、もうひとふんばりです。
日本選手の成績:
日本からは3クラス3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 49er級 22カ国52艇参加 決勝2グループ2レース実施 15位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 2−13−1−16−8−6−(18)−4−18−15−7−11−15 470級女子 20カ国38艇参加 1グループでレースなし 6位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−16−7−(20)−1−8−12−6 470級男子 28カ国83艇参加 決勝2グループレースなし 45位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 13−8−19−16−(BFD)−OCS−1−2
2008年プリンセスソフィア杯 第6日目(最終日)
最終日のメダルレースは強風の中で全クラスが順番にスタートし、特に470女子は最終結果が大きく動く結果となりました。
日本からは近藤・鎌田組が6位でメダルレースに残り、レース成績の倍のポイント(1位だったら2点)で、しかもカットすることのできないメダルレースを3位、トータルはかわらず6位でした。
470女子は強風では男子の上位選手とかわらない走りを見せるオランダが敵なしの走りでトップをとり、そのまま優勝も手中に収めました。デコニング組は、元は軽風の弱いチームでしたが、青島対策にとりくみ、体重コントロールに始まり、リグやセールの研究、走らせるテクニックから、軽風でのストラテジーやタクティクスの見直しをはかり、オールラウンドに力をつけました。最後が得意の強風パターンになり、チーム力アップの成果がでていることを証明した大会となりました。2位のスペインはアテネで銀メダルをとってからしばらく470から離れていたデフレスネが新しいクルーとチームを作って復活してきました。1月の世界選手権で国枠をとり、今回の選考でスペイン代表になり、次は青島への準備です。本番で勝つことための準備を確実にできる選手なので、手ごわい相手が復活した印象が残りました。
3位のイギリスは吹くと速いチームですが、前半の軽風で苦しみながらも、後半の追い上げにはチームGBRのパワーを感じさせます。メダルレースの最後のダウンウィンドで近藤・鎌田を抜き、2位でフィニッシュしましたが、総得点がイタリアと同点になりメダルレースで勝ったイギリスが3位を獲得しました。1位でメダルレースに入りながら、同点で4位に甘んじたイタリアにとっては、最悪の結果になりました。
今回は非常にハイレベルなプリンセスソフィア杯の争いになりましたが、2位を捨てレースとしてオールトップで快走したドイツのぺトラ・ニーマン(ラジアル級)が優勝となりました。素晴らしい成績ではあるのですが、ラジアル世界選手権でニーマン以外の全トップ選手がニュージーランドにいった留守のもので、ドイツ代表に決まっているニーマンだけがこの大会を走っての勝利に、フィン級や470男子のようにメダルレースをまたずに優勝が決まっていたという大差で強豪がそろう中での激戦を勝ち抜いた他クラスの選手は苦笑いでした。
49erは引き続きマヨルカでヨーロッパ選手権が始まります。470チームは4月7日からのガルダオリンピックウィークが次の大会になります。
日本選手の最終成績:
日本からは3クラス3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 49er級 22カ国52艇参加 15位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 2−13−1−16−8−6−(18)−4−18−15−7−11−15 470級女子 20カ国38艇参加 メダルレース 6位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 4−16−7−(20)−1−8−12−6ーM3 470級男子 28カ国83艇参加 45位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 13−8−19−16−(BFD)−OCS−1−2
Photo by Princess Sofia MAPFRE
(写真をクリックで拡大)メダルレースを戦う近藤・鎌田組。
Photo by Princess Sofia MAPFRE
(写真をクリックで拡大)これまでに出た大会のほとんどでメダルレースに残ってきましたが、470女子はメダルレースの顔ぶれがいつも同じです。
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