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2008年レーザーラジアル級世界選手権

秋山 紀夫氏のレポートです
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関連サイト:
大会全体のURL
http://www.takapunaworlds.org/index.cfm?eid=991
エントリーリス
http://events.laserinternational.org/en/entry/list/100z12

Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 のお知らせ

3月13日から20日まで、ニュージーランドのオークランドで2008年レーザーラジアル級女子世界選手権が開催されます。北京五輪からヨーロッパ級に変わって女子シングルハンドクラスとなったレーザーラジアル級ですが、40カ国119艇がワールドタイトルを争います。また、北京五輪の国枠は6枠がこの大会で選ばれますが、枠のとれていない23カ国が北京への切符の獲得を目指します。

開催場所: ニュージーランド  オークランドのノースショア・タカプナビーチ今年1月にRS:X世界選手権、2月にトルネード級世界選手権を開催したタカプナビーチが会場で、過去にアメリカスカップを開催してきたハウラキ湾でのレースとなります。

日程:  
3月13日 受付、計測
3月14日 受付、14:30よりプラクティスレース
3月15日 予選2レース、11:00スタート予定
3月16日 予選2レース
3月17日 予選2レース
3月18日 決勝2レース(予選4レースが成立したら決勝に入る)
3月19日 決勝2レース
3月20日 決勝2レース、表彰式、閉会式

日本からの参加:
才木 雪代 サイキ ユキヨ (光セーリングクラブ)
佐藤 麻衣子 サトウ マイコ (中部ガス)
蛭田 香名子 ヒルタ カナコ (琉球大学)
高橋 香 タカハシ カオリ (レーザーいわきフリート・鹿屋体育大学)
石川 あゆ美 イシカワ アユミ (ベネッセコーポレーション)

大会のみどころ
シングルハンド女子種目がヨーロッパ級からレーザーラジアル級にかわり、ラジアルを採用しているISAFユースワールド(世界選手権)からあがってきた選手とヨーロッパ級から転向してきた選手達が上位を争っており、若手女子選手が集まっている種目です。日本からもアテネ五輪代表だった佐藤麻衣子と、ユースワールド代表だった高橋香が参加します。

予選は4レース以上、最大で6レース、決勝6レースを予定しています。119艇がグループに分かれてレースしますが、残り6の国枠を獲得するためには、ゴールドフリートに残ることが必至です。枠のとれていない23カ国は、若手を中心に力を入れてきています。昨年のカスカイスでの世界選手権が終った後、若い選手達が短期間にどこまで伸びてきたかが結果に左右しそうです。

日本から参加の中では、国体のシングルハンド女子で常勝、レース上手な才木、佐藤、石川のベテラン勢が軽風域でどこまで上位を走るレースができるかが、枠とりのポイントです。佐藤、石川は2月中旬からオークランドに入り、強風域での練習やタカプナ独特の波に対する走りをマスターすべく、いきっぱなしで現地練習を重ねてきました。また、大学生の蛭田、高橋は大会を通じて力をつけるような上昇気流に乗ることができるか。レーザー級と同様に国枠を獲得した選手が日本代表に選ばれます。

6枠に23カ国がチャレンジするという、かなり厳しい枠とりになりますが、1月の49er、2月のレーザーに続いて北京五輪に代表が選出できるよう、20日の最終日まで応援をよろしくお願いします。

斎藤 愛子

Photo:秋山 紀夫
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JPNのセールは佐藤麻衣子。1月はオーストラリア遠征、2月後半からオークランドで現地練習を重ねています。3年のシングルハンドのブランクをどこまで克服できたか。
Photo:秋山 紀夫
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ベネッセの石川はNT選考で5位に終ったものの、ラジアルワールドの日本枠が5に増えたおかげで参加権利を得ました。2月中旬からオークランドで特訓してきた成果が表れることを祈ります。


Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第1日目
朝10時強風での出艇後も出てすぐふれ回り風おちてそれからは7時間の風待ちの後本日はキャンセルとなりました
Photo:秋山 紀夫
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2〜3m・sの風ははいるのですなかなか続きません
Photo:秋山 紀夫
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こんな状態で7時間過ごしました



Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第2日目

昨日レースが行われませんでしたので実質今日が第1レースです
朝から南の風が入り始め昨日とうってかわって8〜10m・ sのガスティーな風が吹き荒れます
予選シリーズは116艇を二つのグループに分け毎日組み合わせを変えて行います
イエローグループ 58艇 才木選手、佐藤選手、蛭田選手、石川選手、ブルーフリート  58艇 高橋選手

コースは台形(トラペゾイド)の最初のスタート アウターループ10分遅れて次のスタート インナーループのコースです
9m・sのなかでのイエロースタート 本部船よりに集まりますが 2分前になると全艇 きれいにスタートラインに並びます 下集団に佐藤選手、真ん中から才木選手、 石川選手 上よりに蛭田選手が飛び出していきます コースは右、左海面ばらばらに散っていきます
やはり絶対的なボートスピードが要求されるのでいかにクローズホールドでドライブさせて他艇より前にでるかが勝負です
レース目標所要時間を60〜70分としているので この風の中、下マークから上マークまでは約1.3マイル(2.3km)
クローズホールドで16〜18分ほどかかります 思いっきりのハイクアウトと波にあわせたボディーアクションが求められとてもタフなレースです ただ体重があっても通用せずアスリートのような敏捷性が要求されます

今回ワールド初出場の蛭田選手が長身とウエイトを生かして第二集団に揉まれながら頑張ってフィニッシュ33位と中盤につけます
佐藤選手、ら才木選手、石川選手はフリーで沈やスピードにのれませんブルーフリートの高橋選手はスタートで思うようにでれず強風に悪戦苦闘です

続いて2レース目 イエローフリートでは、日本選手、皆慣れてきたのか真ん中から飛び出していきます
上マークまでも集団について行きフリー、下マークまではいいのですが 二回目の上りでスタミナ切れかスピードについていけず遅れていきます 佐藤選手32位、才木選手34位、蛭田選手35位、石川選手44位とゴールドフリート入りへ望みをつなぎます
ブルーフリートの高橋選手はうまくスピードにのりきれません

今日の総合トップはフィンランドのMultala Sari 総合1位2-1 強風はそれほど得意ではありませんがこのワールドのためにトレーニングをつんできました ワールドの常連Ralley Paige総合4位 3-2 と 中国の Xu Lijia 総合7位3-5 も上位に付けています
明日で予選終了です 3レース以上だとカットレースとなります

蛭田選手 総合 67位 33-35
佐藤選手 総合 83位 41-32
石川選手 総合 89位 43-44
才木選手 総合 90位 54-34
高橋選手 総合113位 55-51

Photo:秋山 紀夫
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一レース目イエローフリートトップのオーストラリアの
Blanck Sarah 選手
Photo:秋山 紀夫
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下マーク回航の JPN 石川選手


Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第3日目

朝方は肌寒く日差しも弱く10時の出艇予定になっても風速2m・sほどしかなく13時ころまで 陸上待機です やはり北からのシーブリーズか南風でないと安定しません

北から2〜3m・sほどの風が入り始め やっとスタートです
風向5°にたいして潮が左よりの325°から1.5knot ほどで流れていきます
スターボードのクローズでは正面から押される形になります
イエローグループ58艇 石川選手
ブルーフリート 58艇 才木選手、佐藤選手、蛭田選手、高橋選手
スタートでは皆 むりせず 真ん中のスペースの空いたところからでます
風が弱いときはフレッシュウインドをつかむことが重要なのでフリーウォータは必要です

海面は左から流れてくる潮に対してどうポジションをとり、かつ右海面おくから そよそよ吹いてくるパフをいかにつかみマークにアプローチするかがポイントです
ブルーフリートの才木選手、佐藤選手は序盤から20位すぎをキープしつつレースを展開しますが各国、牽制し合いながらのレース展開で コースも思うようにいきません

ジュリーボート(審判艇)もスタートから各フリート2艇づつ後ろからついてきており常にロッキング、パンピング、スカリング違反を見張っています
(常勝のRailey Paigeはスタートで二回目の42条の反則となりリタイヤです)

イエローフリートのトップは昨日リコールだったUSA のTunnicliffe Annaブルーフリートは中国のXu Lijia 第1上マークから抜群のスピードで 二番手を引き離し2位に200mもの大差をつけてのトップです
彼女は昨日2レース目ケースをおこし抗議されて 失格になっています(5位から失格dsq)

その後今日の2レース目スタートを試みますが風が弱くなり(1〜3m・s)ハーバーバックとなるもまた陸上待機となりますが17時30分今日のレースはなくなりました
結果、まだ予選レースが3レースしか行われていないため 明日予選レースを一時間繰り上げ10時からとし3レース行うこととなりました
北京オリンピックへの国枠あと6ヶ国がかかる大会ですが6カ国目は 6カ国目は CRO 22位 (49ポイント)ゴールドフリートへは58位まで(88ポイント)です

佐藤選手 総合 80位 41-32-28
才木選手 総合 84位 54-34-29
蛭田選手 総合 88位 33-35-52
石川選手 総合 91位 43-44-39
高橋選手 総合113位 55-51-50
Photo:秋山 紀夫
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安定しない風の中、集中してトップスピードをめざします
Photo:秋山 紀夫
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佐藤選手フィニッシュ 28位



Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第4日目

今日で予選5レースを消化し1レースカット、ベスト4レースで予選終了しました
結果は日本女子すべてシルバーフリートとなりました
国枠未取得22カ国中13カ国がゴールドフリートとなり残り国枠6カ国枠を巡って争います
よってレーザーラジアル日本女子チームは北京オリンピック国枠を取得できませんでした

今日は予定より一時間早めて10時スタート3レース予定でしたが 朝からまた風弱く 陸上待機です
その後南から3〜4m・sほどの風が入り、皆レース海面へ向かいます
イエローフリート 石川選手
ブルーフリート  才木選手、佐藤選手、蛭田選手、高橋選手
潮は風とほぼ同じく北へ流れていきます 不安定な風のなか左海面をつかった集団が先行しますがその後も風が安定しません
佐藤選手、才木選手がうまく振れをつかみ上位集団でレースを展開します
佐藤選手は常に集団のなかに位置しうまくパフをつかみ前にでてフィニッシュは12位と健闘です
才気選手も最後まで集中し25位と踏ん張ります

2レース目はさらに風も弱まり風軸も20°ほど振れる中イエローグループからスタート、10分後にブルーフリートのスタートです
どうにかイエローフリートは70分近くかかってフィニッシュしますが ブルーフリートはどんどん風がなくなり ついにノーレースとなってしまいました
このレースで才木選手、佐藤選手はシングルポジションにいたのとても残念です
イエローフリートは2レース消化したのであとの1レースは中止です
ブルーフリートはまだ1レースしかしていないので、なんとしてもあと1レースせねばなりません
一旦全艇 風がくるまで 陸上待機となります
夕方北から遅めの弱いシーブリーズが入ってきたのを見逃さずブルーフリートのみ再度出艇です
何回かスタートライン合わせをした後スタート、右奥にかすかなブローが見えます
軽風に自信ある才木選手、高橋選手が右海面よりにコースをとり トップ集団にくらいつきます
結果才木選手23位高橋選手27位と皆、軽風の感触をつかんだようです

総合トップはゴールドフリート 中国のXu Lijia 3-dsq-1-1-3と圧倒的な艇速です(まさに北京オリンピックのエースです) 2位はフランスのSteyaert Sarah 3位はベルギーのVan Acker Evi 4位はアメリカ 常勝の Ralley Paige

シルバーフリート
才木選手 総合  8位 (54)-34-29-25-23
佐藤選手 総合 15位 (51)-32-28-12-46
高橋選手 総合 40位 (54)-50-50-30-27
石川選手 総合 42位 43-44-39-33-(45)
蛭田選手 総合 47位 33-35-52-(55)-51

Photo:秋山 紀夫
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しばらく陸上で風待ち待機となります
Photo:秋山 紀夫
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上マークにむけて競り合う蛭田選手


Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第5日目

決勝二日目 日本チーム5人は皆シルバーフリートで頑張ります
一日2レース決勝の予定でしたが 予選が一日決勝にずれこんだので今日は3レースです
曇り空なのですが朝から北風7m・s チョッピーな波がたっています

いつも通り、8時コーチミーティング、8時半日本チームミーティングの後出艇です
イエローフリートでは上位陣がお互いを牽制しつつレースを展開します
総合一位は中国のXu Lijia選手 1-30-6とコースミスで30を取ってしまいましたが以前リードしています
2位はベルギーのVan Acker Evi選手 コーチとともに常にレース海面を走り回っています
3位はフランスのSteyaert Sarah選手練習の成果がでて波に乗っている感じです

シルバーフリートでもシビアなレース展開です
スタートから皆積極的で 毎回ゼネラルリコールを繰り返します もちろんブラックフラッグ有りです
いままで走りに悩んでいた高橋選手もスタートを決め、右海面でのレース展開で上位に食い込みます
佐藤選手も常に海面をチェックし風の振れ、パフを見つけコース展開します
才木選手はリフトを得意とした走りで 堅いコース取りです
石川選手は走り、コース取り等リズムが合うと上位につけます
蛭田選手は強風では飛び出しがいいのですが軽風で安定しません

明日決勝2レース予定です
皆タカプナのハウラキ湾に慣れてきて思い思いの走り、コース取りが出来るようになってきました

シルバーフリート
佐藤選手 総合  9位 (51)-32-28-12-46-11-19-13
才木選手 総合 12位 (54)-34-29-25-23-29-21-12
石川選手 総合 25位 43-44-39-33-(45)- 8-33- 9
高橋選手 総合 37位 (54)-50-50-30-27-38-11-43
蛭田選手 総合 49位 33-35-52-(55)-51-37-35-42

Photo:秋山 紀夫
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スタート直後 わずかなスペースで加速して飛び出していきます
Photo:秋山 紀夫
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チョッピーにこまかくハンドリングしていきます  JPN 高橋選手


Index 2008年レーザーラジアル級世界選手権 第6日目(最終日)

本日決勝2レース行いタカプナレーザーラジアルワールドが終わりました。
結果、優勝 フランス Steyaert Sarah選手 2位中国Xu Lijia選手 3位イギリス Brewster Andrea選手

フランス Steyaert Sarah選手はやはり 予選の強風から波に乗っていたというくらい調子を上げてきて決勝シリーズでも常に上位につける堅さがありました。みていて残念だったのは中国 Xu Lijia選手でしょう
常に圧倒的な艇速で走り抜け、コース取りも、決めうちのようにある一点に向かってひたすら走り抜くという感じでした。そこにはスタート前からの入念な風チェックや何回でも風軸にむけてコンパスチェックを行うといううらずけがあったように思います。ただ最終レースのクローズホールドでチーフジュリーによって ボディイパンプ(ロッキングによりリーチがあおられる)のイエローフラッグをとられ2回目の42条違反でリタイアせざるおえませんでした
(最終レース20位以上で優勝でした)

3位イギリス Brewster Andrea選手は予選ではまだ14位でしたが決勝にはいって抜群の走りを見せました
イギリスは今回9艇の参加と大所帯で北京、次ぎのロンドンオリンピック(ウェイマス)に照準を合わせています。

日本女子選手も最後まで頑張り抜きました。1レース目佐藤選手はスタート前のせめぎ合いもみ合いでジュリーにスカリングをとられ2回目の42条でリタイア、しかしその後のレースでは9位にくいこみ、石川選手もスタートではぎりぎりの第一線でのスタートを決めたり、才木選手は2レース目ゼネラルリコールでブラックフラッグにもかかわらず果敢なスタートを見せてくれました(OCS)写真
高橋選手もクローズ、フリーとも頑張って他艇とのせめぎ合いを常に演出したり、蛭田選手も強風での頑張りは今後も通用する走りを見せてくれました。

今回、オリンピックに向けての国枠取得は成りませんでしたがレーザーラジアル日本女子は確実に力をつけてきており、次ぎにつづく選手達も出てきています。しかしオリンピックに出場するだけではなく 入賞、メダルへの目標を視野にいれるにはもっとよりいっそうのレベルアップ、そして層の厚さが課題かと思います。
タカプナでのワールドを十分検討し、反省点、問題点、課題点をあらいだし今後に続けていきたいと思います。

最後になりましたが レーザーラジアル級女子がオリンピック種目となりその直後からとても多くの方々から暖かいサポート、応援また各関係者のご理解をいただき、選手ともども大変感謝しております。
まだまだロンドン、その先へとつづく道であり次世代選手、ユースも頑張っております。今後ともより一層のご支援、応援等、宜しくお願い申し上げます。

Photo:秋山 紀夫
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絶妙のスタート 飛び出しの才木選手(OCS)
Photo:秋山 紀夫
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トップ3  右より
フランスSteyaert Sarah選手
中国Xu Lijia選手 
イギリスBrewster Andrea 選手



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