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2008年ガルダ・オリンピックウィーク

斎藤 愛子氏のレポートです
Photo:斎藤 愛子
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   RSX級男子 富澤 慎が優勝!

関連サイト:
全体の成績
http://www.fragliavelariva.it/public_new/RegataDetail.asp?RegataID=165

Index 2008年ガルダ・オリンピックウィーク 第1日目

イタリア北部のガルダ湖にて、2008年ガルダ・オリンピックウィークが始まりました。この大会はイタリアのナショナルチームの選手が中心に周辺諸国から集まる選手と争う国際セーリング連盟のグレード2のレースです。今年は470級のヨーロッパ選手権が6月に同じ場所で開催されることもあり、日本の五輪代表選手が全員参加しています。

ガルダ湖はミラノの北150kmで、アルプスの南側斜面から地中海へ抜ける谷筋にできた湖です。南北に50kmと長く、イタリアのディンギーやウィンドサーフィンのメッカです。毎年イースターには250隻のオプティミストディンギーが集まる大会があり、オリンピックウィークはその後にあります。水深が300mもある湖ですが、イタリアでは古くからヨットレースを行っており、ブイの打ち方ひとつにも工夫をしています。雪解け水がそのまま流れこんでくる湖ですから、4月は水温が低くて、湖面を流れる風は特に冷たいですし、山からのおろしには雪の気配を感じる痛いような冷たさがあります。

初日は12時スタート予定で湖面に出ましたが、無風の時間があり、2時頃に南からの風が安定して入ってきてからのスタートでディンギーは2レース、RSX男女は1レースを行いました。

RSX男女は女子の参加が3艇しかいないため、男女ミックスでスタートしてレースしています。男子は富澤が1上マークを2位で回りましたが、その後トップに出て、1位フィニッシュ。女子の小菅も男子にまざって7位でフィニッシュしました。水が冷たく、普段は冬場でも半そでで乗っている富澤が着こんでレースしていたほどです。

470は男女ともにイタリアの五輪代表チーム対日本の五輪チームという構図です。
今日は男子のザンドナ組が新艇をおろしたて、またスピンを破損してリタイアするというミスがあり、松永・上野組が1−2でトップにたちました。「コースは右か左かで考えてましたけど、外へ出るようなコースでなくきっちり走りました。(松永)」、「これといったミスをしなかったし、スピードも良かった(中村健次コーチ)」。女子はイタリアが2−2と安定してトップで、近藤・鎌田組が2位です。
「1レース目にスタートしてからみんなが右へいっている時に左のほうがいい風が入っているとみて、左に伸ばしたのが失敗でした。」とは鎌田。7位から5位まで挽回した1レース目の反省を活かして、2レース目はトップで入りました。

49erは2位とでていますが、イタリアとタイでトップのスコアです。波がなく、中風だと石橋・牧野組は互角の走りをしていますが、上位4艇が各国の五輪代表で、せっています。イタリアは世界選手権でも上位の常連ですから、強い選手と競り合えることは先へつながります。

78艇参加のレーザー級では飯島が頑張りました。第1レースを4位、第2レースも13位でトータル4位です。飯島自身、レーザー級で海外レースに出だしてから、シングルスコアでトータルの成績がついたのは初めてです。レーザー級は五輪代表が10カ国そろっていますし、層の厚さではこの大会もっとも激戦クラスです。スタートがきちんと出られたことと、ダウンウィンドで順位をキープできたことが一歩前進できた原動力です。

9日から12日までに10レースを行い、13日は上位10艇によるメダルレースです。日本選手はモチベーションも高く、頑張ってくれそうです。予報では明日も雨。
5−6mの風でのレースとなりそうです。

日本からの参加:
 日本からは8艇、13選手(男子10名、女子3名)出場します。
 470級女子 7カ国14艇参加  本日2レース
 2位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   5−1
 
 470級男子 10カ国31艇参加  本日2レース
 1位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   1−2
 11位  原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟  アビームコンサルティング
   19−11
 29位  石川 裕也 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   OCS−21
 
 49er級 6カ国15艇参加 本日2レース
 2位  石橋 顕 ・ 牧野 幸雄  福岡ヨットクラブ(Team Believe)
   2−3
 
 RSX級男子 7カ国14艇参加  本日1レース
 1位  富澤 慎  関東自動車工業
   1
 
 RSX級女子 3カ国3艇参加  本日1レース(成績は男女別なし)
 7位(女子1位)  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   7
 
 レーザー級 26カ国78艇参加  本日2レース
 4位  飯島 洋一  飯島木型
   4−13
Photo:添畑 薫
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78艇がエントリーしたレーザー級で暫定4位につけた飯島洋一選手(飯島木型)
Photo:添畑 薫
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レーザー級の第2レース、第1マーク35位だった飯島選手は、驚異的な粘りを見せて14位にまで浮上した

 

 

Photo:松本 和久
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470級男子の第1レースでトップフィニッシュを果たした松永/上野(スリーボンド)
Photo:松本 和久
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松永/上野(中央)と、セーリングパートナーとして同行している関東自動車工業所属の石川/柳川(右端)

 

 

Photo:松本 和久
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第1レースはアップウィンドのコースミスで5位と出遅れた近藤/鎌田(アビームコンサルティング)だが、第2レースではダントツのトップフィニッシュを決めてキッチリとお返し 


Index 2008年ガルダ・オリンピックウィーク 第2日目

ガルダウィーク2日目は朝から弱い北風が山から吹いているだけで、湖面はまったりした状態で、11時前にスタート延期の回答旗があがり、陸上待機となりました。時折、雨が激しく降る中、13時を過ぎる頃から風が南へ回り、13時50分に旗が降りて、470とレーザーは出艇することになりました。

海上待機になったもの、風は安定せず、結局、本部艇に回答旗とA旗があがり、出ただけで戻ってくる結果となりました。470は曳航されてレースエリアへ行き、曳航されて戻ってきましたが、寒い時間でした。

明日も似たような気圧配置で、予報は雨がひどくなるようです。この大会が五輪代表選考になっている国もあるようですが、天候にはさからえませんから、明日はレースができる天気になりますようにと、祈るばかりです。

日本選手の成績: 昨日と変更ありません。
 日本からは8艇、13選手(男子10名、女子3名)出場します。
 470級女子 7カ国14艇参加  本日レース無し
 2位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   5−1
 
 470級男子 10カ国31艇参加  本日レース無し
 1位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   1−2
 11位  原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟  アビームコンサルティング
   19−11
 29位  石川 裕也 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   OCS−21
 
 49er級 6カ国15艇参加 本日レース無し
 2位  石橋 顕 ・ 牧野 幸雄  福岡ヨットクラブ(Team Believe)
   2−3
 
 RSX級男子 7カ国14艇参加  本日レース無し
 1位  富澤 慎  関東自動車工業
   1
 
 RSX級女子 3カ国3艇参加  本日レース無し(成績は男女別なし)
 7位(女子1位)  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   7
 
 レーザー級 26カ国78艇参加  本日レース無し
 4位  飯島 洋一  飯島木型
   4−13
Photo:斎藤 愛子
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霧の彼方へ曳航されていく近藤・鎌田組。Bエリアの470は曳航されてエリアへ行き、曳航されて戻ってきました。
Photo:斎藤 愛子
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本部艇はレース運営専門艇で、300mのアンカーロープはキャビン屋根上にドラムがついており、巻き取れるようになっています。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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レースエリアへ向かう飯島はだるまのように着こんでいきます。スタート前にカッパ上下を脱いで、レースになりますが、今日は脱がないまま戻ってきました。
Photo:斎藤 愛子
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レースエリアは風が雨とともに少しあがり、雲が抜けるとなくなることの繰り返しで、湖上待機はけっこうつらかったです。
Photo:斎藤 愛子
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遠征では各チーム別に自炊しています。いためものをするのは470男子の柳川と上野。松永チームのトレーニングパートナーで石川・柳川組が来て共同生活中。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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RSXの富澤はもっぱらゲーマー。暇な時間はネットかゲームかというくらい、眉間にしわよせて集中しています。ガルダへくる前はマルセイユでフランス選手と強化練習してきました。
Photo:斎藤 愛子
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屋根裏部屋のような宿舎でバランスボールを使って腹筋運動する飯島。
レーザーはフィットネス勝負ですから、毎朝のトレーニングはレース中でもかかせません。


Index 2008年ガルダ・オリンピックウィーク 第3日目
Photo中村 健次
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1上で出遅れても落ち着いてあがってこれた松永・上野組はトータルでトップをキープしています。
今日も雨が激しく降る中、陸上待機をした後、13時45分にAPが降りて、470がレースエリアに向かいました。レーザーもその30分後にエリアに向かい、1レースを行いました。49erは2レース、RSXは1レースを行いました。

49er級の石橋・牧野組は難しい風での2レースを2−1とまとめてイタリアを抜いてトップに出ました。クルー牧野の湖面を見る目がさえていて、コースどりでミスがありません。同じエリアでレースしていたRSXは富澤は途中沈したせいもあり、3位をとって、トータルでハンガリーに逆転されてしまい、2位になりました。女子の小菅は小さいエリアのセールで男子と同時スタートですから、男子がダウンウィンドでプレーニングする中を女子はプレーニングしないため、必死にパンピングで走っていました。

470男子は松永・上野組がスタートしてから右海面にいったところ、左シフトが入り、1上マークで13位と出遅れてしまいましたが、弱まる風の中をじりじりと挽回して5位まであがることができました。最後のつめでよろくり勝った原田・吉田組がトップで、石川・柳川組も7位で入りました。

470女子は近藤・鎌田組がトップを走っていたのですが、弱まる風の中中国とイタリアに先行されてしまい、3位に落ちてしまいました。トータルはイタリアがトップで近藤組は2位です。

レーザーはスタートに間に合わない艇が数多くいた中で、飯島が落ち着いて下エンドからスタート、左海面に突っ込む風とりの走りで、1上マークを3位で回りました。
しかし、78艇という巨大フリートの中、1下で6位、2上で3位、そして最後のランですぐ後ろにいた固まりにやられてしまい、8位でした。「ダウンウィンドでも岸側がいいと思っていたのですが、いき遅れて、反対も見てしまって、失敗しました。
(飯島談)」レーザーは僅かなミスで5艇は抜かれます。それでも、トータル3位にあがり、踏ん張りました。

今日はレースが終った後にガルダ湖は雷雨で雷はなるし土砂降りだし、散々でした。
明日は午前9時スタート予定で、遅れたスケジュールを取り戻すべく、レースします。

日本選手の成績:
 日本からは8艇、13選手(男子10名、女子3名)出場します。
 470級女子 7カ国14艇参加  本日1レース
 2位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   5−1−3
 
 470級男子 10カ国31艇参加  本日1レース
 1位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   1−2−5
 7位  原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟  アビームコンサルティング
   19−11−1
 22位  石川 裕也 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   OCS−21−7
 
 49er級 6カ国15艇参加 本日2レース
 1位  石橋 顕 ・ 牧野 幸雄  福岡ヨットクラブ(Team Believe)
   2−3−2−1
 
 RSX級男子 7カ国14艇参加  本日1レース
 2位  富澤 慎  関東自動車工業
   1−3
 
 RSX級女子 3カ国3艇参加  本日1レース(成績は男女別なし)
 7位(女子1位)  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   7−11
 
 レーザー級 26カ国78艇参加  本日1レース
 3位  飯島 洋一  飯島木型
   4−13−8
Photo:中村 健次
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RSXは男女同時スタート。小菅、富澤がいっしょにレースしています。
Photo:中村 健次
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49erは強豪イタリアをおさえて、石橋・牧野組がトップ。マッキーがさえてます。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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どんより曇って、雨が降ったりやんだりの1日。夕方から豪雨になり、雷が凄かったです。
Photo:斎藤 愛子
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あわやトップかと思う場面もあった飯島ですが、レーザーは本当に激戦です。最後は何とか8位で踏ん張りました。


Index 2008年ガルダ・オリンピックウィーク 第4日目

12日はスケジュールを取り戻すため、朝9時スタートで3レース予定していましたが、雨が降る中で風がなく、結局9時半まで陸上待機となり、そのあとレースエリアに出艇しました。470男女、RSX男女、49erは14時すぎには3レースを終えて陸へ戻りましたが、レーザー級は2レース目の途中で風がなくなりノーレースとなり、16時すぎまで海上待機の上、17時から2レースを行う強行スケジュールで、合計3レースを行うことができましたが、9時間半、海上にいたことになり、たいへんな1日でした。

49erは石橋・牧野組が安定したスコアでまとめていますが、今日はデンマークが3回トップをとり、トータルでも1位の座につきました。石橋組は2位で、明日の逆転を狙います。

470男子は松永・上野組が今日も安定したスコアでまとめて、トータルでもトップをキープしています。原田・吉田組、石川・柳川組も10位以内に入ったので、3チームがメダルレースに進むことになりました。

470女子もトップを2回とり、イタリアと並んで同点ながらも、タイブレークで1位になりました。明日のメダルレースでは、後続の中国勢が逆転の可能性をもっていますが、点差が少し開いたので、イタリアとのガチンコ勝負となります。勝ったほうが優勝でしょう。

RSX男子の富澤は強めのプレーニングコンディションになると2位以下になってしまうようで、今日はポイントが稼げず、逆にトップと点差が開いてしまいました。明日はメダルレースなので、しっかり逆転を狙ってほしいものです。

RSX女子の小菅は男子といっしょに走ると、プレーニングコンディションではおいていかれてしまいますから、苦しい走りになりました。女子では1位です。

レーザーの飯島は今日も頑張りました。第4レースで42位をたたいたのですが、5レース目は65番を走っているときに風がくしゃくしゃになりノーレース。これはラッキーでしたから、気を取り直してうまく立て直しができ、残りの2レースは13−17とまとめ、トータル6位でメダルレースに残りました。飯島にとって、海外レースでメダルレースに残ったのは初めてです。

日本選手は全員がメダルレースに残ることができました。勝負もかかっていますが、オリンピック代表の面々にとって、メダルレースの経験を積むことは非常に重要なポイントです。明日は午前8時45分からミーティングがあり、その後、フィン、470男子、女子、レーザー、ラジアルとがB海面で。またC海面で49er、RSXがそれぞれメダルレースを行います。

日本選手の成績:
 日本からは8艇、13選手(男子10名、女子3名)出場します。
 470級女子 7カ国14艇参加  本日3レース
 1位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   (5)−1−3−1−1−3
 
 470級男子 10カ国31艇参加  本日3レース
 1位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   1−2−(5)−3−1−5
 6位  原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟  アビームコンサルティング
   (19)−11−1−7−7−8
 10位  石川 裕也 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   (OCS)−21−7−9−15−1
 
 49er級 6カ国15艇参加 本日3レース
 2位  石橋 顕 ・ 牧野 幸雄  福岡ヨットクラブ(Team Believe)
   2−3−2−1−3−2−(OCS)
 
 RSX級男子 7カ国14艇参加  本日3レース
 2位  富澤 慎  関東自動車工業
   1−(3)−2−2−3
 
 RSX級女子 3カ国3艇参加  本日3レース(成績は男女別なし)
 13位(女子1位)  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   7−11−(14)−14−14
 
 レーザー級 26カ国78艇参加  本日3レース
 6位  飯島 洋一  飯島木型
   4−13−8ー(42)−13−17

Photo:斎藤 愛子
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レーザー級のスタートは78艇が風上有利で本部艇側に集まり、たいへんな過密となりました。飯島はこの中でポジション争いをしています。
Photo:斎藤 愛子
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風下マークラウンディングは30艇が団子状態で、割り込む隙間もないほどです。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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第6レースでトップをとった石川・柳川組。メダルレースに滑り込みセーフ。
Photo:斎藤 愛子
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松永・上野組がダントツになったのは第5レース。中央にブローが残ったので、後ろが見えないくらい離れました。
Photo:斎藤 愛子
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近藤・鎌田組も今日はトップ2回とって、イタリアと同点ながらもタイでトップにたちました。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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フィニッシュ手前でガッツポーズの松永。カメラ目線の余裕ができるほど、後続艇を引き離しました。
Photo:斎藤 愛子
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少ない艇数でトップ狙いだったはずの富澤は苦戦していて、今日もトータル2位からあがれませんでした。


Index 2008年ガルダ・オリンピックウィーク 第5日目(最終日)
Photo中村 健次
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ニコチャンスピンのイタリア五輪代表はザンドナ組。松永・上野組はこの大会を通じて、走りに自信がもてるようになりました。
最終日のメダルレースは、日本の男子チームが参加全種目でトップをとり、470男子、49erでは優勝、78艇の激戦のレーザーでは飯島洋一が4位に入る大健闘でした。RSXの富澤も逆転優勝のはずだったのですが、運営の間違いで、同点タイのブレークが間違えてしまっており、2位になっています。(書面で正式に訂正をお願いすることになります)

日本対イタリアの決戦になった470女子はスタート前から両艇が牽制しあう中、右からのガストを見てサイドをうまくかえて有利な位置をとったイタリアがその後も近藤をみつつもフリート全体をよくみてというレース展開で手堅くトップをとりました。近藤は追い上げたものの、3位におわり、銀メダルに終りました。

49erはデンマークが崩れてしまったこともありますが、石橋・牧野組がトップをとり、逆転優勝を飾りました。石橋組は自分が自信を持てる風域ができましたので、今後、更なるスピードアップで上位進出を目指します。

470男子は松永・上野組がスタートからガストとシフトをよく考えたコースどりで、危なげない展開でトップをとり、優勝に花を添えました。

レーザーの飯島は初めてのメダルレースでしたが、470チームから話を聞いたり、中村健次コーチから、「順位をキープするのか、3位を目指してレースをするのか、自分で考えたらいい。」と、メダルレース特有の考え方を伝授され、他のレーザーセーラー達が集団でごちゃごちゃとレースしている時に1艇だけ右海面のガストをとりにいくという果敢な攻めを見せ、勝負にかけました。フィニッシュ手前では最後のジャイブで加速して前に出て、争っていたスエーデンも追いかけてジャイブしてきたりしましたが、結局、飯島が1位をとり、総合でも4位になりました。レーザーは表彰台にあがることができませんでしたが、78艇参加、しかも各国のオリンピック代表やイタリアの代表選考をかねているためにいい選手がそろっていましたから、4位という成績は立派です。

ガルダウィークは本日で終了です。グレード2で多少レベルは下がるものの、強い選手がいないレースではありませんでしたから、日本チームは全体で勢いがありました。明日14日は移動日となり、次はフランスのイエールでグレード1の大会が4月20日から始まります。今回で得た自信をもとに、レベルがあがった大会で上位を目指してチャレンジです。

日本選手の成績:
 日本からは8艇、13選手(男子10名、女子3名)出場します。
 470級女子 7カ国14艇参加  本日メダルレース
 2位  近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子  アビームコンサルティング
   (5)−1−3−1−1−3−3M
 
 470級男子 10カ国31艇参加  本日メダルレース
 1位  松永 鉄也 ・ 上野 太郎  スリーボンド
   1−2−(5)−3−1−5−1M
 7位  原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟  アビームコンサルティング
   (19)−11−1−7−7−8−9
 10位  石川 裕也 ・ 柳川 祥一  関東自動車工業
   (OCS)−21−7−9−15−1−7
 
 49er級 6カ国15艇参加 本日メダルレース
 1位  石橋 顕 ・ 牧野 幸雄  福岡ヨットクラブ(Team Believe)
   2−3−2−1−3−2−(OCS)−1
 
 RSX級男子 7カ国14艇参加  本日メダルレース
 2位  富澤 慎  関東自動車工業
   1−(3)−2−2−3−1
 
 RSX級女子 3カ国3艇参加  レースなし
 13位(女子1位)  小菅 寧子  ジェイ・ウィル・パートナーズ
   7−11−(14)−14−14
 
 レーザー級 26カ国78艇参加  本日メダルレース
 4位  飯島 洋一  飯島木型
   4−13−8ー(42)−13−17−1
Photo:斎藤 愛子
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メダルレースでトップフィニッシュを飾り、優勝に花を添えた松永・上野組。
Photo:斎藤 愛子
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スタート前にイタリアと責め合う近藤・鎌田組。ジュリーも優勝を争う2艇のためか、ずっとオンザウォータージャッジで見つづけていました。

 

 

Photo:斎藤 愛子
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メダルレースではレースフィニッシュ直後に本部艇に着順を書き出します。レーザーはスエーデンと日本が接戦でしたが、飯島が最後のジャイブで抜きました。初メダルレースでトップフィニッシュはできすぎなくらいです。
Photo:斎藤 愛子
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「この大会はスタートでうまく出ることができたのが良かったです。ダイエットも順調です。ダウンウィンドも抜かれなくなりました。」
Photo:中村 健次
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RSX男子の富澤は同点のタイの説き方をレース運営が間違えていたため、2位になりましたが、正式な抗議をだして、本当は富澤が優勝だと証明したいです。
Photo:中村 健次
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石橋・牧野組はイタリア、デンマークを押さえての優勝です。オリンピックに向けて、「スピードアップが成果につながる」と、原コーチの力強い言葉でした。

 

 

Photo:中村 健次
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ISAFランキング1位のイタリア、2位の近藤・鎌田組。あと少しの勝負強さが欲しいです。
Photo:中村 健次
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松永・上野組。ワインをもらって、とてもうれしそうな顔の上野太郎。

ガルダーウィークでは、RSX富沢の成績が2位ではなく、1位であることをレース委員会に訂正を要求していましたが、イタリアセーリング連盟より、富澤が指摘するとおり、タイをとく場合はメダルレースの勝者が勝ちであることが確認され、成績も優勝に訂正されました。晴れて、優勝!とアナウンスできるようになりましたので、お知らせします。富澤選手、おめでとう!でも、次からは表彰式の前に自分の成績を確認することにしましょう。
Photo:関 一人撮
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メダルレースでトップフィニッシュした時には優勝を確信していたので、ガッツポーズ。2位のハンガリーの選手も「おめでとう!」といってくれていたので、表彰式で2位になっていたときには驚きました。その日は訂正してもらえず、書面で出した救済で、レース委員会のミスが訂正されました。


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