● レース情報 / Race Informations |
斎藤 愛子氏のレポートです
関連サイト: 大会全体のサイト
http://www.deltalloydregatta.org/2008v2/default.asp 成績のURL http://www.deltalloydregatta.org/2008v2/results/
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2008年デルタロイドレガッタのお知らせ
過去にスパレガッタと呼ばれて親しまれてきたオランダ・メデンブリックでの国際セーリング連盟グレード1の大会が、今回は大会スポンサーがデルタロイドにかわり、明日からレースが始まります。
大会の日程
5月20日 受付
5月21日ー23日 予選レース
5月24日ー25日 決勝レース、メダルレース
開催地
メデンブリックはアムステルダムの北に70kmいったアイセル湖畔の小さな街です。周辺には酪農のフィールド、花畑、運河に堤防とオランダらしい風景がありますが、最新型の風車も数多く見られ、その回り方で風を判断するレースエリアです。国土は平らで、教会の塔が一番高い建物になるのでしょうか。メデンブリックにはオランダナショナルチームが練習場所とするセーリングセンターがあり、1980年代から「スパレガッタ」と称する国際大会を開催してきたメッカです。
大会のみどころ
昨年は470女子で田畑・栗田組が優勝しています。今年は先月、フランスのイエールで優勝した近藤・鎌田組が日本女子2連覇と自分自身の2連勝を勝ち取ることができるのかに注目が集まります。女子は少ないエントリー数ですが、五輪代表は12カ国参加していますので、北京への準備を占うには充分なレベルといえるでしょう。
日本からは3艇、6選手(男子4名、女子2名)が出場します。
470級女子 19カ国28艇参加 グループ分けなし
近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング
470級男子 28カ国68艇参加 予選2グループ
原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング
49er級 19カ国50艇参加 予選2グループ
石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe)
2008年デルタロイドレガッタ
2008年デルタロイドレガッタ 第2日目
2日目のメデンブリックは東からの風が8ノット前後でレースを行いました。近藤・鎌田組は第5レースでトップをとり、その時点ではトータル4位まであがりましたが、第6レースでの22位をカウントしなければなりませんので、6レース終了時点でトータル10位です。BFDが捨てレースになるのは49erの石橋・牧野組も同じです。今日から1レースカットが入りました。
Richard de Jong
(Delta Lloyd Regatta)
(写真をクリックで拡大)8ノット前後の風の中、スピンホイストで動作中の近藤・鎌田組
レーススケジュールは毎日、朝から夕方まで長時間におよびます。470は男子が先に11時スタートし、女子のレースが始まるのは午後3時すぎになります。最終レースがスタートするのが17時頃になると、陸へ戻るのは18時すぎ。コーチの小松さんは、朝から夕方まで海へでずっぱりの恐ろしい毎日になってしまいます。メデンブリックの大会は過去ずっとこんな調子で運営されてきたため、コーチ泣かせです。
3日目は予選最終日になります。男子470の原田・吉田組は今日の3レースで18位にあがりましたから、明日は待望のゴールドフリート目指して走ります。
日本からは3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 470級女子 19カ国28艇参加 グループ分けなし 10位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 7−4−(BFD)−9−1−22 470級男子 28カ国58艇参加 予選2グループ 18位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 21−30−(43)ー15−26−5 49er級 19カ国45艇参加 予選2グループ 11位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 8−3−14−(BFD)−18−7
2008年デルタロイドレガッタ 第3日目
3日目も弱めの風でスタートした1日でしたが、途中から風があがり、各クラス3レースを行いました。今日で予選が終了ですが、男子470の原田・吉田組、49erの石橋・牧野組はともに12位でゴールドフリートに入りました。
470女子は軽風だとイタリアが堅い走りでトップを守っています。今回はイギリス、スエーデンも調子よいですが、トップ10は五輪代表チームでかたまっており、青島のコンディションを目指して多くの選手が軽風に焦点を合わせてきていることがわかります。
残り2日は決勝グループでのレースとなり、日曜日はトップ10のチームだけがメダルレース、残りはファイナルレースとなります。日本からの3艇が全部メダルレースに残れるかどうかは、土曜日のレースしだいです。
日本からは3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 470級女子 19カ国28艇参加 グループ分けなし 7位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 7−4−(BFD)−9−1−22−9−6−6 470級男子 28カ国58艇参加 予選2グループ 12位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 21−30−(43)ー15−26−5−11−25−11 49er級 19カ国45艇参加 予選2グループ 12位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 8−3−14−(BFD)−18−7−20−11−17
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)出艇前の近藤・鎌田組。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)混雑した上エンドにそーっと入っていく近藤・鎌田組。
2008年デルタロイドレガッタ 第4日目
最初に訂正です。470男子、49erともにグループ分けなしでレースを行っている模様です。予選グループがあるのはレーザー、ラジアルなどの80艇ベースのグループのみになっています。
土曜日のレースはトップ10でメダルレースへ残るか、その他として最終レース(ファイナルレース)へ進むかの、最後の追い込みとなりました。470男子の原田・吉田組、49erの石橋・牧野組はともに15位に終わり、あと一息でメダルレースだったのに残念な結果となりました。470女子の近藤・鎌田組は7位でメダルレースに進みました。
男子470は4日目の19時からメダルレースが実施され、オーストラリアのウィルモット・ペイジ組が優勝しました。ウィルモットは11年の470生活の中、今回の優勝ですべてのグレード1の大会で優勝、ワールドタイトルも獲得しています。北京五輪で470を最後とするつもりでいますから、集大成の金メダルを目指して青島への準備をしています。2位はイタリアのザンドナ組、3位がフランスのシャボニー組でした。
470女子の最終日は11時からメダルレースの予定です。49er、470男子のファイナルレースは13時からを予定しています。
日本からは3艇、6選手(男子4名、女子2名)出場します。 470級女子 20カ国28艇参加 グループ分けなし 7位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 7−4−BFD 470級男子 29カ国56艇参加 予選2グループ 15位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 21−30−43 49er級 19カ国45艇参加 グループ分けなし 15位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 8−3−14
Richard de Jong
(Delta Lloyd Regatta)
(写真をクリックで拡大)7位でメダルレースに残った近藤・鎌田組
Richard de Jong
(Delta Lloyd Regatta)
(写真をクリックで拡大)グレーと白のスピンは、新スピンを試しているのか、それとも古いのを引っ張りだしてきたか。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)石橋・牧野組の上マークラウンディング直前。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)ベアして、ためて、一気にスピンアップです。
2008年デルタロイドレガッタ 第5日目(最終日)
最終日は東からの風が20ノットを超え、強風下でのメダルレースやファイナルレースとなりました。470女子は11時からメダルレースが始まり、470男子のファイナルレースは13時、49erは強風のため、ファイナルレースが中止となりました。
スタート直前に沈してマストが底にささってしまった近藤・鎌田組でしたが、スタートしてからはマストトップの黒さも目に入らないくらい素晴らしい走りで強風番長のオランダに続いて2位でフィニッシュし、トータルでも5位にあがりました。オランダはトータル3位にあがり、初日からトップを守ってきたイタリアが優勝、イタリアとトレーニングパートナーとしてともに練習を重ねてきたブラジルが2位でした。470女子は北京五輪でメダルを狙う国々が上位に名前を連ねています。近藤組の最大のライバルとなるのはイタリアとなるでしょう。イタリアもそう思っています。強風レースが入れば、オランダ、イギリスがそこに入ってくることになります。出だしでBFDがつき、捨てレースがなくなった中、近藤・鎌田は後半にじりじりと追い上げ、終わってみたら5位という結果でした。今の470女子のレベルでは、3位以内を目標とするならばミスが許されないということが実感された大会でありますが、近藤組は吹いてもヨーロッパ勢に負けない走りができることも確認できたレースでした。5位で表彰台にあがれなかったことが残念と思えるのは、近藤組がそれだけ強くなったからでしょう。常に表彰台を目指すチームに成長してくれたからこそ、五輪本番でもメダルが狙えると思います。
49erはメダルレースでチャンピオン艇がスピンをあげずに安全第一で走るようなレース展開になりましたが、10艇中7艇が沈するような厳しいコンディションの中での戦いでした。メダルレース以外のファイナルレースは安全を重視して、中止となりました。
メデンブリックでのレースは本日で終了となります。近藤・鎌田組はこの後、場所をイタリアのガルダ湖へ移して、470級ヨーロッパ選手権(6月5日ー14日)に参加します。石橋・牧野組は帰国し、次の大会はキールウィーク(6月25−29日)となります。5日間にわたり、応援をいただき、ありがとうございました。
最終成績:
470級女子 20カ国28艇参加 5位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子 アビームコンサルティング 7−4−(BFD)−9−1−22−9−6−6−6−3−10−2M 470級男子 29カ国56艇参加 16位 原田 龍之介 ・ 吉田 雄悟 アビームコンサルティング 21−30−(43)ー15−26−5−11−25−11−11−23−37−10 49er級 19カ国45艇参加 15位 石橋 顕 ・ 牧野 幸雄 福岡ヨットクラブ(Team Believe) 8−3−14−(BFD)−18−7−20−11−17ー25−8−24
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)スタート前に沈して、あせってます。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)水深の浅いアイセル湖でマストが底についてセールのピークが黒くなってしまいました。
Photo:添畑 薫
(写真をクリックで拡大)強風のため、49erのファイナルレースは中止。陸でウォームアップ中の石橋・牧野組