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第15回アジア競技大会セーリング競技

斎藤 愛子氏のレポートです
470級女子金メダル確定!!

※2007年3月5日 写真を追加でアップしました!
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関西空港でカタール航空にのる直前です。ユニフォームでの遠征はちょっと堅苦しいので、たいへんです。セーリングチーム15名、行ってきます!



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コンテナの裏でファーストフードのランチが、ドーハ最初の弁当でした。
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ハーバーへは選手村から大会バスで通います。
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入村式の後、日本選手団最年少でテレビインタビュー中の磯崎選手。
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選手村の村長と420女子の記念撮影

成 績(外部リンク)
大会全体
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSASchedule.aspx
全クラスのサマリー
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverallSummary.aspx?rscid=SAW03-SATNA0-10-X
420女子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAW01-SATNA0-12-X
420男子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAM01-SATNA0-12-X
470女子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAW02-SATNA0-12-X
470男子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAM02-SATNA0-12-X
OP女子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAW04-SATNA0-12-X
OP男子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAM05-SATNA0-12-X
ミストラル女子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAW03-SATNA0-9-X
レーザー男子
  http://www.doha-2006.com/gis/Sports/SA/IGSAFleetOverall.aspx?rscid=SAM06-SATNA0-12-X
   
  選手団名簿 (PDF)

Index 第15回アジア競技大会 最初のレポート
Photo:斉藤 愛子
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東京港でのコンテナ積込。無事に時間通り到着して、練習もばっちりです。ありがとうございました!
出発

アジア大会代表チームは11月22日に関西空港からカタール・ドーハへ向けて出発しました。福岡や羽田から空路で関空に入った選手と、関空からのメンバーが集まり、15名での渡航となりました。セーリングは競技団体がまとまってドーハ入りする最初のチームでした。ユニフォームでの渡航はちょっとたいへんでしたが、乗り合わせた飛行機の中で、応援をいただき、無事にドーハに到着しました。

ドーハというと、サッカーの「ドーハの悲劇」くらいしか思い浮かばないかもしれませんが、中東カタールの首都で、アラビア半島の中央付近で、ペルシャ湾に突き出た小さな半島の東側に位置します。油田や天然ガスで潤った国で、イスラム教の国です。15名のメンバーの中で、斉藤だけが93年にドーハで開催されたレースに参加した経験がありますが、当時と比べたら、近代化がすすみ、宗教色も少し薄くなってインターナショナルな雰囲気がでてきた気がします。

セーリングチームは22日に到着、23日にコンテナを受け取り、その日にミストラルの大西は少しだけ海に出ました。24日は朝からNHKの取材があり、日本選手団の中で、初練習の一番のりということで取材をしていただき、近藤・鎌田のインタビューまで放映されました。25日、26日は朝から5時間の練習を行いましたが、1年の間に数日しか降らない雨が25日の夕方はさらりと・・・、そして、26日は早朝からまとまった雨が降り、夕方近くまで降ったり止んだりの1日でした。砂漠にきても雨か・・・。27日は日本選手団の入村式があり、その後で、選手団最年少選手の磯崎がテレビのインタビューで囲まれるシーンもありました。

残念ながら、アジア大会の期間中は私達が撮影する写真の掲載ができません。テレビ放映や取材の権利をもっているジャーナリストにたよるしかないので、写真掲載は大会が終わってからアルバムを考えたいと思っています。期間中はレースの報告をこのページで続ける予定です。

日本代表;

470男子 山田 寛・中村 健一 (チーム・スレッド)
470女子 近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング)
420男子 飯束 潮吹・古谷 信玄 (福岡第一高校)
420女子 高橋 友海・津ヶ谷 加依 (三ケ日高校)
OP男子 磯崎 哲也 (つくば市立手代木中学校)
OP女子 小宮 悠 (関東学院六浦中学校)
ミストラル女子 大西 富士子 (桜美林大学)
レーザー級 飯島 洋一 (飯島木型)

大会のスケジュール

12月1日 開会式
12月2−4日 計測
12月5日ー13日 レース (ミストラルは11日、OP男女とレーザーは12日、420、470は13日が最終日となり、12月9日はレイデーを予定しています。)

毎日2レースずつの予定です。参加国などは計測と受付が終了した時点で、有望選手の情報と合わせてお知らせしたいと思います。セーリングチームは470女子の練習熱心さにひっぱられて、全員まとまって、毎日練習を続けています。さすがに、OP男女は大人のペースについていかれず、28日はみんなよりもひと足先に休息をとることにしました。シンガポールが秘密練習を重ねていますが、コンテナの到着が遅れて暗い顔をしている韓国や、いまだに到着しない中国、練習をいっしょにしようとしないマレーシアのOP、などなど、現場ではいろいろな空気が漂っています。日本チームは基本に忠実に、ヨットレースを確実にできるように考えて、潮の影響を受けた中でのスタート練習、エリアごとの連携、ドーハ湾全体の潮や風の状況を調べたり、工夫しています。選手がレースで力を発揮できるよう、日本からも応援をお願いします。

韓国がコンテナを受け取れずにいる様子をみながら、10月17日に東京港で積込をしたコンテナが日程の狂いもなく、ドーハに到着したことは凄いです。輸送に苦労された日本郵船の皆様には選手一同、心から感謝しております。貨物も無事に届きました。準備は順調です。

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大谷さんが到着。全員集合で、帆走指示書の説明ミーティング。
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中村コーチのボートでレースエリアの風データを収集。
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練習期間中はGPSを各艇に積み、エリアと水深をチェック。
チャートに読み込み、潮を研究。
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大谷さんの一番の仕事はおにぎり製作。毎日60個!OPチーム一人で7個も食べた奴がいた・・・
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計測も無事終わり、問題なし。
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唯一の休みは全員で砂漠へ。カタールらしい場所へ息抜きにいきました。


Index 第15回アジア競技大会 大会前日のレポート
12月5日が初日です!

11月22日から現地入りし、ずっと練習を続けてきたセーリングチームですが、各クラスとも計測を終え、本日14時からプラクティスレースが行われました。

各クラスの参加状況

OP級男子 11カ国参加

タイ、シンガポール、中国(元ワールドチャンピオン)が有力ですが、マレーシア、日本も互角にメダル争いができるのではないかと思います。タイ(36kg)、磯崎(37kg)は軽量選手ですが、吹いてもそこそこの走りができています。

OP級女子  10カ国参加

世界選手権で上位を走るマレーシア、秘密練習を重ねてきたシンガポール、中国、日本の争いになりそうです。マレーシアはアルゼンチン、シンガポールはペルーというように南米からコーチを招いて強化してきています。小宮は全日本2連覇をした力で、世界を相手にどこまで通用するか試すときがきました。

レーザー級男子 11カ国参加

マレーシア、日本、中国、シンガポールの争いになりそうです。風が強いとここに韓国が加わることになるでしょう。飯島は現地入りしてからマレーシアと対戦しながら調整をしてきましたが、互角の争いかと思います。

ミストラル女子  5カ国参加

1点の重さが最終的に成績につながります。中国、香港が抜け出ているかもしれませんが、風が強くなければ大西も良い走りができています。がむしゃらにぶつかっていって、上位に入れるチャンスを逃さないことが大切な大西です。

420男子  8カ国参加

ユースワールドの成績からいえば日本が有利ですが、弱めの風だと飯束・古谷は体重が重たいために苦戦しています。チーム・ダイエットを結成してがんばりましたが、元気を取り戻して、どこまでレースと勝負に集中できるかがポイントになります。

420女子 4カ国参加

シンガポールが圧倒的に強いクラスです。高橋・津ヶ谷は打倒・シンガポールで頑張ります。

470男子 8艇参加

韓国のキム選手がアジア大会3連覇するかどうかが見所です。山田・中村も走りこみを続けて体重を落として準備してきました。クルーの中村がチーム・ダイエットの親分ですが、130kgをきるシンガポールが軽風で速く、あなどれない存在です。

470女子 4艇参加

中国もからんでくるかもしれませんが、基本的にはシンガポールと日本の対決になるでしょう。ユース時代に420級で世界タイトルをとったシンガポールですが、近藤・鎌田も9月に開催された470世界選手権で銀メダルを獲得しています。

練習期間中は選手村で調理ができないため、昼食用のおにぎりを作ることができませんでした。米と炊飯器を準備してきたのに、米15kgを没収されてしまい、選手は毎日バナナ、りんご、ビスケットのスナック類に選手村の食堂からパンなどを持ち出して昼食にしていました。昨日、エキストラオフィシャルの大谷さんが到着し、選手村ではなく外部ホテルに宿泊するため、大谷さんが食事当番でランチを担当することになりました。おにぎり40個を毎日作ってハーバーへ持ってきてくれる役割は重要です。

レースはAエリアにOP男女で、斉藤がサポートします。Bエリアは470男女、420男女の4種目で、中村健次が担当します。Cエリアはレーザー、ラジアル、4.7ですが、日本からはレーザーだけで、大谷が担当します。Dエリアはウィンドサーフィンの男子2種目、女子とホビー16が使い、ミストラル女子の大西には大庭がつきます。五輪のセーリングでメダルを獲得する選手を懸命に育成しているシンガポールや北京五輪を控えて強化にはげむ中国を相手に普通にぶつかっていったら負けてしまいます。日本もチーム一丸となって練習してきました。自分のヨットレースをすることを目標に、いよいよ第1レースが始まります。



Index 第15回アジア競技大会 第1日目
すべりだし好調です

初日は残っていた北風がスタート時刻の11時になくなり、海風が入ってからのレースとなりました。ドーハに来てから2週間になりますが、東から海風が入ったのは2度目。水温が高いせいか、なかなか強く入りません。今日も弱い東からの風が1−2mのコンディションで満月の強い潮の中でのレースとなりました。

初日はOCSで5艇が失格となりトップと2位をとったレーザー級の飯島、470女子の近藤・鎌田組がトップに立ちました。弱い風の中でパンピングでがんばったミストラルの大西は2位を2回とり、香港に続いて総合2位につけています。その他のクラスは1レースしかできませんでしたが、OP男女が惜しいレースをしてしまいました。女子の小宮は第1レースでトップフィニッシュをしながらも、スタートでOCSの失格となりました。また男子の磯崎は第1マークを3位で廻りながらも、途中でコースミスをしてしまい、10位に落ちてしまいました。2レース目は小宮がトップ、磯崎が2位で走っていたレースでしたが、風が弱くなり、レースが途中で中止となりました。

今日、1レースしかできなかったクラスは明日以降の日程のどこかで、1日3レースを行う日がでてきます。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日1レース
10位磯崎 哲也
10
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日2レース
飯島 洋一
1−2
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日2レース
大西 富士子
2−2
 
420男子  8カ国参加  本日1レース
5位飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
 
420女子 4カ国参加  本日1レース
3位高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
 
470男子 8艇参加  本日1レース
2位山田 寛 ・ 中村 健一
 
470女子 4艇参加  本日1レース
1位近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
 

レーザー級は優勝候補のマレーシアが初日にスタートでの失格でOCS,第2レースでもコース短縮のフィニッシュを間違えてしまい、DNFとなり、英語が2個つく最悪の出だしとなりました。堅く走った飯島は少し貯金ができました。
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大西が出艇。ウィンドの選手が1人で練習から苦労しました。
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とにかくマイペースだった磯崎。


Index 第15回アジア競技大会 第2日目
取り戻しの1日

弱い北風の中、各エリアで1レースが行われました。日本チームは今日はよく走りました。470女子は始めのうち、ミャンマーに先行されましたが、ダウンウィンドで抜きさると、後はフィニッシュまであぶなげなくトップをキープしました。470男子は韓国が1位をとり、山田・中村は2位をキープし、同点トップながらもタイをとくと2位という状況です。

昨日、OCSに泣いたOP女子の小宮は、強い気持ちをもってレースにのぞみ、今日はスタートでの失格もなく、トップをとりました。総合でも5位にあがり、淡々と逆転を狙います。男子の磯崎も2位をとり、総合5位にあがり、OP級は元気を取り戻しました。420級男女もともにトップを走っていたのですが、最後時間切れでノーレースとなり、悔しい思いをしました。

ミストラルの大西はスタート後、右へ出したときにフリートから遅れてしまい、4位をとりましたが、総合は中国と同点で2位につけています。

レーザーの飯島は中国から抗議をだされて、3位でフィニッシュしたレースが失格となり、総合でも2位になりました。失格となった審問に納得がいかないので、明日、再審の要求を出す予定です。

2日目は軽風で長い時間、海上待機となりましたが、それなりにチーム全体がよく走り、明日からまたしっかりレースしていきます。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日1レース
5位 磯崎 哲也
10ー2
 
OP級女子10カ国参加 本日1レース
5位 小宮 悠
OCS−1
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日2レース
2位 飯島 洋一
1−2ーDSQ
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日2レース
2位 大西 富士子
2−2ー4
 
420男子  8カ国参加  本日レースなし
5位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
 
420女子 4カ国参加  本日レースなし
3位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
 
470男子 8艇参加  本日1レース
2位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4
 
470女子 4艇参加  本日1レース
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1
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トップ2回で抜群のスタートかと思いきや、最初のレースがOCSでした。
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レーザーはプロテストのオンパレード。飯島も大谷さん相手に審問の練習をしてから審問室へ行きました。


Index 第15回アジア競技大会 第3日目
砂漠の雨

砂漠の国に来たはずなのに、何で朝から夕方まで雨なのでしょうか。途中、激しく降るときもあれば、雷雨の時間帯もありました。ビニールコートだけで運営しているメンバーやボランティアも大勢いましたから、気温19度では、ずぶぬれでさぞかしつらい1日だったことでしょう。

レースのほうは、雨が降るたびに南東から東へと徐々に変化していく5m前後の傾度風の中、ミストラルは2レース、それ以外のクラスは3レースを行いました。

今日は420男子がよく走り、2−1−1ととり、シンガポールを逆転してトップに出ました。ドーハに来てからずっと軽風だったため、体重の重たい飯束・古谷はダイエットにはげんで二人で5kgおとしての本番となりましたが、今日は生き生きとしたレースぶりで、自信を持ったレースができました。明日以降もこの調子を崩さずに取り組んでもらいたいです。

420女子はトップのシンガポールが頭ひとつ出ていますので、まずは2位のミャンマーを攻略することが目標です。今日は同点まで追いつきました。女子は隻数が少ないため、1点が非常に重たくなります。明るさを取り戻した高橋・津ヶ谷組ですが、雷がなる中をハーバーへ戻り、さすがに疲れた表情でした。

OP男子は磯崎が奮闘していますが、1位の中国が抜け出ており、2位から6位が大混戦です。今日は2位を走っているレースでマストトップのロープがはずれて4位に落ちてしまったのが残念でした。走り負けていないので、明日からもこつこつと取り戻すことに努力します。

OP女子は上位の4艇が熾烈な争いを繰り返しています。小宮は第4レースでマレーシアとポートスターボードのケースを起こしてペナルティーターンをしたため、遅れてしまいましたが、その他のレースも中国、マレーシア、シンガポールと激戦になっています。今日はシンガポールとマレーシアが調子よく、中国と小宮が1歩遅れてしまいました。

470女子は第4レースで近藤がスタートでケースを起こした近藤・鎌田組がペナルティーターンを行っている間に離されてしまい、4位をとりました。しかし、ライバルのシンガポールも次のレースで4位をとったおかげで、差は全くつまらず、着々とポイントを稼いでトップをキープしています。

470男子はシンガポール、韓国、日本の競り合いですが、今日は山田・中村にさえがなく、総合3位に後退してしまいました。この接戦をものにするためには、ボートスピードをアップできるように、明日から少し工夫が必要です。

ミストラルの大西は風が強いとなかなか前を走らせてもらえません。軽風で稼いだ貯金がだいぶなくなってきて、3位に後退しました。

レーザーの飯島は昨日の失格になった抗議について、救済の要求を出しましたが、却下されました。しかし、今日の3レースは集中して1−2−3とまとめ、総合でトップになりました。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日3レース
4位 磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6
 
OP級女子10カ国参加 本日3レース
4位 小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日3レース
1位 飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日2レース
3位 大西 富士子
2−2ー(4)−4−4
 
420男子  8カ国参加  本日3レース
1位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1
 
420女子 4カ国参加  本日3レース
3位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2
 
470男子 8艇参加  本日3レース
3位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3
 
470女子 4艇参加  本日3レース
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1
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ここは砂漠なのに、何で雨と嵐になるのでしょうか。
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レースエリアが雨でけむるなんて、考えてもみなかったです。


Index 第15回アジア競技大会 第4日目
またもや雨の中で3レース

今日は西から弱い低気圧が近づいて、またもや雨模様の中で3レースを行いました。
昨日と比べると風は340度付近で安定しており、風速は5mのときもあれば3mに落ちる場所もあるという、むらのある海面でした。雨は降ったり止んだりで、昨日のような雷雨ではありませんでしたから、いいコンディションでレースができました。

470女子は王道を走っています。スタートでリコール旗があがった時には近藤・鎌田組が一番に戻り、その後を追うようにして残りの3艇が戻ったりする場面がありました。すでに近藤組をマークする艇はなく、残りの3艇が2位争いをしています。しかも、レース海面ではルームのとりあい、抗議の出し合いになっており、3艇で海と陸と両方でのつぶしあいが始まりました。近藤組はそんな状況を横目に淡々とレースしています。

逆に470男子は上位でシンガポール、フィリピンが抗議をだしまくりで、あわよくばつぶすという作戦にでています。山田・中村組はフィリピンからマークでのルームがないのに割り込んだと抗議を出されましたが、審問で正確な数字を用いて説明したところ、うまく聞き入れてもらえて、抗議は却下となりました。今回の日本チームは大谷さんがついているので審問の前によく予習をして準備を整えて審問室に入るようにしています。山田組もしっかり勉強して入りましたので、よい結果につながりました。

420男子はリコールをしてしまい、2位に後退しましたが、走りはOKです。もう少し、細かいところまで気を使ったら1位をキープできるので、後半はすきなく、ぽかなく走れるように頑張ります。

420女子は1位のシンガポールが世界でも上位のレベルなので、苦しい状況ですが、まずは2位にあがることを目標にし、今日はミャンマーを逆転して2位にあがりました。明日のレイデーをはさみ、後半は1回でもシンガポールを破るべく、作戦を練りたいと思います。

OP男子は大混戦ですし、上位が抗議を出し合っています。特に中国がトップを取り続けて関係ないはずなのに、それでも抗議を出すのは何か意図があるのか、よくわかりません。磯崎もカタールに抗議をだし、カタールは失格になりました。レースは450mの短いレグを2周廻るトラペゾイドのコースですが、スピード派の磯崎にとってはレースの組み立てが難しいです。10分のレグで1回振れるだけなので、下先行でふれタックという作戦があまり効果的ではあません。後半にむけて、短いコースでの作戦を練る必要があります。

OP女子の小宮は今日のレースのスタート直前に緊張した面持ちでしたが、いざレースが始まると自分の走りで1−2−4とまとめ、2位に浮上しました。トップのマレーシアが6点先行されていますが、後半も1レースずつかえすように、こつこつとポイント差を縮めていきたいものです。スタート直後の2回転ペナルティーや、マークタッチでのペナルティーターンを行ったために遅れましたから、明日からはミスを少なくすることがポイントでしょう。

ミストラルの大西は1レースリコールで失格になりました。4位のタイと同点になり、首の皮一枚の3位です。また、レーザーの飯島はトップにたった緊張からか、少し弱めの風のコンディションで丁寧に走ることができませんでした。力が入り、肩から動いてしまい、スピードや角度で他国に負けてしまい、2位に後退しています。

明日はレイデーです。毎朝早く起きていましたので、明日は疲れをとってエネルギーを蓄積する日になりそうです。10日にあらためて全種目の第9レース(レーザーは第10レース)を始めます。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日3レース
4位 磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6−5−4−4
 
OP級女子10カ国参加 本日3レース
2位 小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3−1−2−4
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日3レース
2位 飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3−2−3−6
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日2レース
3位 大西 富士子
2−2ー(4)−4−4−4−OCS
 
420男子  8カ国参加  本日3レース
2位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1ー1−OCS−4
 
420女子 4カ国参加  本日3レース
2位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2ー2−2−2
 
470男子 8艇参加  本日3レース
4位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3ー6−4−3
 
470女子 4艇参加  本日3レース
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1−1−1−1
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大西のスタート。初日の2位から追い上げにあっています。
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ダイエットしてがんばる420男子。でも、本当はポカミスがブレーキなんです。
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毎日のビブで1−3位は特別なのを着ます。朝、1位のビブで緊張気味の飯島。


Index 第15回アジア競技大会 第6日目
470女子は金です

残り2レースですが、470女子は2位との差が開き、逆転されないところまできました。金確定で、残りのレースに出なくてもいいのですが、近藤・鎌田は最終レースまでしっかり走る予定です。シンガポールと中国の2位争いは熾烈で、同点のままです。

470男子はインドを抜いて3位にあがりました。トップの韓国はアジア大会3連覇を狙っているキムで、シンガポールの追撃を必死でかわしている状態です。軽風ではシンガポールが鋭い走りを見せています。

420は3レースを行いましたが、男子の飯束・古谷組はトップのシンガポールから少し話されてしまいました。残り2レースで挽回できるか。女子の高橋・津ヶ谷組はスタートからトップを走っていたレースで、2上までのコースでミスをし、3位をとってしまいました。そのレースはミャンマーが1位をとり、シンガポールのオールトップを崩した結果となりましたが、シンガポールは金を確定しました。

レーザーも歯軋り状態です。飯島は6位から4位まであがりましたが、トップのシンガポールには5点差となり、残り2レースで逆転しなければなりません。弱い風だとシンガポールが強いです。

OP男子は磯崎が5−3とがんばりましたが、5位のレースは本当ならシンガポールよりも先に4位でフィニッシュできたかもしれないレースでした。フィニッシュラインで中国のコーチボートの引き波で止まってしまい、競っていたシンガポールが先に入ってしまいました。しかし、次のレースではダウンウィンドでシンガポールを抜き、明日につなげました。

OP女子の小宮はトップから5位まで落ちた第10レースが響きましたが、このレースで2位に入った中国がシンガポールからの抗議で失格となったため、3位に浮上しました。しかし、4位とは1点差、前とも僅差なので残り2レースはシビアなものになりそうです。

ミストラルはレースがありませんでした。男子のレースをスタートしたのですが、風の強さが足りなかったせいか、途中で中止となり、そのままレースは行われませんでした。ミストラルは明日11日が最終日で、12時までにスタートを行うことができたら2レース、できなければ1レースを予定しています。

今日は高気圧に覆われ、いい天気でした。ぽかぽか陽気で風もなく、2レース目が終了したのは15時半を過ぎていました。明日は雨の予報がでていますが、空を見た感じでは、どうなることやら。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日2レース
4位磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6−5−4−4−5−3
 
OP級女子10カ国参加 本日2レース
2位小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3−1−2−4−4−4
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日1レース
2位飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3−2−3−6−4
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日レースなし
3位大西 富士子
2−2ー(4)−4−4−4−OCS
 
420男子  8カ国参加  本日3レース
2位飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1ー1−OCS−4−5−3−2
 
420女子 4カ国参加  本日3レース
2位高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2ー2−2−2ー3−2−2
 
470男子 8艇参加  本日2レース
4位山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3ー6−4−3−4−2
 
470女子 4艇参加  本日2レース
1位近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1−1−1−1−1−1
 
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確実にポイントを稼ぐ470女子チーム。
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飯島が目標としている韓国のパクさんと。


Index 第15回アジア競技大会 第7日目
またもや雨

ドーハにきてから、何回目の雨になったのでしょうか。今朝も起きて外を見たら雨。
砂漠の国にいるとは思えないほど、雨ばかりです。今日は弱い低気圧の通過に伴い、雨が降り、南から南西の風の中でレースを行いました。

すでに金メダルが決まっている470女子ですが、近藤・鎌田は今日も1位をとり、負け知らずです。また、420女子は打倒シンガポールでレースにのぞみ、待望の1位をとることができ、1レースを残して銀メダルが決まりました。420男子もトップのシンガポールに逃げられてしまい、銀メダルが決まりました。ダブルハンドは明日がレイデーとなり、13日に最終レースを行います。消化レースになってしまいましたが、テレビ中継があるので、全艇出場します。

470男子はビッグプロテストがありました。山田・中村組は証人艇となりましたが、スタート前のケースでペナルティーターンをしている韓国艇を故意に妨害したため、シンガポールが失格してDNEをうけました。この成績から総合3位の山田組と2位のシンガポールは3点差となり、最終レースが決戦となります。1位の韓国はアジア大会3連覇が決まりました。

OP男女は激戦が更に激化しています。男子の磯崎は2位でフィニッシュしたのですが、マレーシアから、「ケースを起こしたときに2回転ではなく1回転だ」と抗議を出され、審問で証人が数名1回転だと主張して失格となりました。しかし、磯崎はケースを起こしたときに2回転しており、明日、審問の再開を要求しています。OPは明日が最終日になります。残り1レースですから、磯崎はベストレースをして、審問の再開の結果が成績につながるように祈るしかありません。

OP女子の小宮は2位でフィニッシュしましたが、タイが1位で入り、同点となりました。総合1位のマレーシアは金メダルが決まりましたが、2位の小宮、3位のタイは同点、4位のシンガポールが1点差、5位の中国が5点差で続いています。明日の結果次第で表彰台にあがる選手が決まります。実力的には接戦ですから、小宮も明日、いいレースをすることが必至です。

ミストラルの大西は最終日に2レースを行い、4−5と遅れて総合4位になり、メダルを逃しました。軽風では鋭いパンピングをみせて上位に食い込むことができましたが、4−5mになるとスピード負けでした。ミストラルは今日で競技が終了ですが、男子のヘビー級は香港、男子ライト級は中国、女子も中国が優勝しました。

明日がヤマです。OP男子の磯崎は、「漁夫の利作戦」で、シンガポールがマレーシアやタイを攻撃して、日本が眼中にない間に成績を稼ぎ、レース終了後に審問再開で今日とった2位を取り戻そうと考えています。OP女子の小宮は「番長がんばれ!」と接戦に心が負けないよう、明日レイデーの470と420チームが応援に海に出ます。レーザーの飯島も銀メダルゲットのために、韓国と競り勝たなければなりません。このヤマを乗り越えられ、選手が表彰台に上がることができるよう、日本からも応援をお願いします。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日1レース
5位 磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6−5−4−4−5−3−DSQ
 
OP級女子10カ国参加 本日1レース
2位 小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3−1−2−4−4−4−2
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日1レース
2位 飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3−2−3−6−4−4
 
ミストラル女子  5カ国参加 本日2レース
4位 大西 富士子
2−2ー(4)−4−4−4−OCS−4−5
 
420男子  8カ国参加  本日1レース
2位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1ー1−OCS−4−5−3−2−3
 
420女子 4カ国参加  本日1レース
2位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2ー2−2−2ー3−2−2ー1
 
470男子 8艇参加  本日1レース
3位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3ー6−4−3−4−2
 
470女子 4艇参加  本日1レース
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1−1−1−1−1−1−1
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やっとプレーニング。でも、大西はパンピングコンディションのほうが戦えるのでした。
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420女子はこのレースが高校ヨット部活からの引退レースになります。


Index 第15回アジア競技大会 第8日目
幻の銅メダル

本日は3種目で最終レースが行われました。低気圧が通過し、北西からの風が6−7mしっかりと入り、今大会一番のコンディションでした。

レーザー級の飯島は逆転の可能性がある韓国を抑えて3位をとり、銀メダルを獲得しました。レーザー級では銅メダルがこれまでの最高でしたから、ひとつあがりました。金メダルに届かなかったのはシンガポールが軽風域でスピードがあり、吹いたら 飯島という構図でしたから、軽風域のレースが多かった点が敗因となりました。3位に甘んじた韓国は連覇を狙っていましたが、今回はレベルの高さを認めていました。
また、優勝候補のマレーシアは初日の2失格が響き、4位どまりでした。

OP女子は日本、タイ、シンガポールが接戦の末、最終レースでトップをとった小宮が銀、2位のタイが銅、先に優勝を決めていたマレーシアが金となりました。小宮はスタートから徐々に前にでて、1マークからフィニッシュまでリードを保ちました。
「アジア大会では普段ない緊張感と戦いながらのレースでしたけど、凄い経験ができました。最終レースはスタート前は緊張しましたけれど、走り出したら大丈夫で、ばっちりでした。(小宮)」。トップフィニッシュで空に突き上げたこぶしが、苦しかったレースを物語っていました。

OP男子は磯崎がトップをとり、5位になりました。磯崎は昨日のレースで2位をとりながらも、ペナルティーターンをしていないとマレーシアから抗議されて、実際にはターンをしたにもかかわらず、ターンを行ったのを誰も証言できないといって失格にされていました。今日はそれに対して新たなる事実を用いて再審の要求を出しましたが、審判には認めてもらえませんでした。ルールどおりにペナルティーを行った磯崎は海の上では銅メダルをとりながらも、審問に負けてしまいました。ペナルティーターンをやったとしても、何人かが「やっていない」と証言したら、やっていなかったことになってしまったのです。その判決をくつがえす努力をして再審の要求をしましたが、結局、だめでした。幻の銅メダルになってしまいましたが、私達日本チーム一同は磯崎は銅メダルだと思っています。首からかけるメダルはもらえませんでした
が、磯崎の失格になってしまったレースでの2位はフェアなセーリングをしての2位でしたし、今日レースがなかった470と420の選手が見守る中のトップフィニッシュは感動的でした。表彰台にあがれなくて、本当に残念で、悔しくてたまりません。

明日は470男女、420男女の最終レースです。470女子は金、420男女は銀が決まっていますが、470男子は銀か銅かメダルなしかが明日で決着です。最終レースのスタートは午前11時を予定しています。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 本日1レース
5位 磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6−5−4−4−5−3−DSQ−1
 
OP級女子10カ国参加 本日1レース
2位 小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3−1−2−4−4−4−2−1
 
レーザー級男子 11カ国参加 本日1レース
2位 飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3−2−3−6−4−4−3
 
ミストラル女子  5カ国参加 レース終了
4位 大西 富士子
2−2ー(4)−4−4−4−OCS−4−5
 
420男子  8カ国参加  本日レースなし
2位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1ー1−OCS−4−5−3−2−3
 
420女子 4カ国参加  本日レースなし
2位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2ー2−2−2ー3−2−2ー1
 
470男子 8艇参加  本日レースなし
3位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3ー6−4−3−4−2
 
470女子 4艇参加  本日レースなし
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1−1−1−1−1−1−1
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さすが、番長。激戦のOP女子で最終レースでトップをキープする小宮。
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金メダルはマレーシアにとられたものの、敵をおさえて獲得した銀メダルに、万歳!
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とにかくトップフィニッシュしてから、昨日の2位を取り戻そう!と、合言葉どおりにトップフィニッシュした磯崎。
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大谷さんからアドバイスをもらって最審問にむかう磯崎。でも、わけのわからない結論に、唖然。
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マレーシアと小宮。
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レーザーの表彰は大谷さんがプレゼンター。飯島、よくがんばりました。


Index 第15回アジア競技大会 第9日目(最終日)
日本に戻った金メダル

アジア大会のセーリング競技最終日は470男女、420男女が最終レースを1レース行いました。快晴の中、3−5mのコンディションでしたが、470女子の近藤・鎌田組はスタートでリコール旗があがり、他の3艇が戻る中、1艇だけそのまま進む余裕でしたが、スタートからフィニッシュまでリードをひろげて、トップフィニッシュで有終の美を飾りました。フィニッシュ後、、ドーハへ来てからコーチボートの国識別用にと、手作りで作成した日の丸をこちボートから受け取り、それを掲げてのウイニングラン。90年の北京アジア大会で獲得して以来、ずっと中国に負け続けていた470女子の金メダルを取り戻しました。

470男子ははらはらさせられるレースとなりました。3位を競っていたフィリピンが2位で最初のマークを廻り、日本は2位のシンガポールが異常なほどのカバーの仕方で追いかけられ、一時はビリになって総合も逆転されてしまうピンチに立ちました。しかし、昨日までの貯金がきいて、何とか1点差で銅メダルをキープすることができました。男子470は韓国のキム組がアジア大会3連覇を達成。今回はコンテナの到着が遅れてしまい、ぎりぎりに艇を受け取り、出だしが苦しい状況でしたが、最後にはやはりキムと思わせる見事な走りでした。

420男女はすでに銀メダルが確定しての消化レースでしたが、男女ともに3位でアジア大会を終了しました。昨日のOP級と420級はジュニア選手達が挑戦した種目ですが、表彰台で銀メダルを首にかけてもらいながらも、やっぱり金がとりたいと思わずにいられなかったようです。飯束選手は、「僕は4年前にOPで金をとりましたから、今回も420で連覇を狙っていました。でも、銀だったから、次は4年後に470で代表になりたいです。」と、早くも次のアジア大会への夢をもっています。

各クラスの成績;

OP級男子11カ国参加 レース終了
5位 磯崎 哲也
(10)ー2-4−4−6−5−4−4−5−3−DSQ−1
 
OP級女子10カ国参加 レース終了
2位 小宮 悠
(OCS)−1−3−6−3−1−2−4−4−4−2−1
 
レーザー級男子 11カ国参加 レース終了
2位 飯島 洋一
1−2ー(DSQ)−1−2−3−2−3−6−4−4−3
 
ミストラル女子  5カ国参加 レース終了
4位 大西 富士子
2−2ー(4)−4−4−4−OCS−4−5
 
420男子  8カ国参加  本日1レース
2位 飯束 潮吹 ・ 古谷 信玄
5−2−1−1ー1−OCS−4−5−3−2−3−3
 
420女子 4カ国参加  本日1レース
2位 高橋 友海 ・ 津ヶ谷 加依
3−3−2−2ー2−2−2ー3−2−2ー1−3
 
470男子 8艇参加  本日1レース
3位 山田 寛 ・ 中村 健一
2−2ー4−(7)−6−3ー6−4−3−4−2−6
 
470女子 4艇参加  本日1レース
1位 近藤 愛 ・ 鎌田 奈緒子
1−1−1−(4)−1−1−1−1−1−1−1−1
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470女子はとるべくして、金をとりました。やっぱり、金がいいです。
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たいへんな2週間をすごした山田・中村組でした。
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OPで金、420で銀、つぎは470男子で出るぞ(飯束しぶき)
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シンガポールには届かなかったけれど、ユースワールドよりも前進して銀メダルはうれしい。


Index 第15回アジア競技大会 後記
Photo:斉藤 愛子
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成田空港に到着。アジア大会は金メダル1個でしたが、全員、無事に帰国いたしました。
アジア大会を終えて

11月22日にドーハに到着してから3週間になります。レースも全8種目が終了し、ほっとしたところですが、同時に疲れもどっとでてきたところです。

目標にしていた「オリンピッククラスは金メダル、その他の種目はメダル獲得」は達成できませんでした。何故か・・・シンガポールを筆頭にアジアの国々はアジア大会を目標に強化をしています。特に今回はシンガポールの躍進が目立った大会でしたが、シンガポールはオリンピックなみに選手よりも数が多いのではないかと思われるほどのスタッフを派遣し、どの種目でも金メダルを獲得すべく、強化練習を繰り返して取り組んでいました。そして、得意とする軽風域でのレースが多かったことも幸いし、セーリング競技の中ではトップにたちました。

日本は各クラスで代表に選考されてきたメンバーがアジア大会の前に1回合宿を行いましたが、OPは顔あわせをしただけで、実際には現地に入ってから初めて磯崎と小宮がいっしょに練習をした状態でした。そこからスタートした二人が、最終レースではともにトップフィニッシュを飾ることができ、この大会を通して成長していく姿にはたくましいものを感じました。磯崎は銅メダルを逃してしまいましたが、海の上で見せた力は3位です。絶対に表彰台にあがるのだと強い意志をもって、残り2レースを2−1と走ってきましたから、今回の悔しさはこれからのレースできっと生きてくることでしょう。小宮も最終日に1点差で3艇が並ぶ激戦をトップで勝ち抜きました。緊張する気持ちをチームジャパンのみんなに後押しされて立派なレースができました。OPでは、もう少し準備をしっかりしてくること、例えば、国内でトップクラスのOP10艇を集めて、アジア大会用の強化合宿を行うなど、強豪が揃うアジアの中で少数のレースをこなすことを念頭に入れた準備が必要でした。次回の大会には、そういった準備をし、今回凄い経験をした小宮、磯崎が次に挑戦する選手にドーハの話を聞かせるなどしてこれたらよいと思います。また、OPは斉藤が担当することになりましたが、両方とも金を狙うのであれば、OP専任のコーチを連れてくることが必要です。今回はドーハの異常な物価のため、スタッフ4名で8種目をカバーしましたので、手が廻らず、苦労しました。

420男女はユースワールド代表チームでしたから、2回目の遠征になり、しかも10月に江ノ島で合宿を行ったため、うまく準備ができたと思います。それでも、世界のトップを走るシンガポール女子には届きませんでした。ユースワールドが終わってからも420で着々と力をつけてきたシンガポールと、国体や高校ヨット部でのレースでFJに乗りながら420に時々のってきた高橋・津ヶ谷組とでは差をつめることができなかったのだと思います。男子は体重さが一番の問題でした。ドーハは風が弱いばかりでなく、吹いた日もあるのですが、何故か、420がレースをした時は微風の日になることが多く、しかもそんな日に無理やり短いコースで3レースを行ったり。レイデーが2日ありましたが、その日は風が強かったとか、つくづく、風に裏切られました。しかし、出だしから避けることができたはずのミスが多かったのも事実で、この取りこぼしがなければ最終結果は逆転できていたかもしれません。

ミストラルは4位に終わりましたが、このクラスも準備不足があげられます。オリンピッククラスはアテネ五輪の後、ミストラルからRSXに変更になりましたから、現在、RSXで練習している選手にとってミストラルに時間をかけられなかったこともあります。軽風が得意な大西は吹いたコンディションではまだまだ世界のトップにいる中国や香港に追いつけていないことがわかりましたし、タイにも逆転されて苦い思いをしました。ミストラルは男子がエントリーしていなかったため、現地での練習があまり効率よくできなくて苦労しました。1種目だけなら、トレーニングパートナーを連れてくることも、今後は考えていかなければなりません。

レーザーも1艇での参加でしたが、マレーシアと練習レースをすることが多く、自分なりの準備はできたと思います。マレーシアが優勝候補でしたが、レースの前から疲れてしまっており、精神的においつめられてミスを繰り返したのが初日のOCSとDSQにつながりました。それを取り戻せずに終わったため、韓国、シンガポール、日本でメダルを争うことになったのですが、吹いたら速いのが韓国と日本、軽風が速いのがシンガポールという状況でのレースになり、出だし好調だった飯島は後半の軽風域のレースで逆転され、シンガポールに逃げ切られてしまいました。最後は韓国にまけないで銀がとれましたので、これまでのレーザー級の記録の中では最高位となりました。金目指してドーハに入ったので、悔しい限りですが、ベストを尽くしての銀はオリンピックへのあしがかりにしてほしいと思います。

470男子は銅メダルで何をやっているのかと怒られそうですが、確かにふがいない結果に終わりました。ベテランのはずの山田ですが、少数の緊迫したレースは実は初めてで、レース中にあせってミスをおかす場面が多かったと思います。動作もスキッパーとクルーがばらばらなときが多くなり、意志の疎通がうまくできなかった日もありました。しかしながら、ベテランらしく、日々修正しながら立て直して、最後は何とか銅メダルをとりました。470男子は激戦で、プレ五輪2位の韓国、軽風が得意の超軽量なシンガポールと接戦ばかりになりました。金メダルを獲得した韓国はこれで3連覇になりますが、アジア大会を最大の目標においてセーリングしてきたチームであり、表彰台で掲げた3本の指が印象に残っています。中村健次(コーチ)が北京、広島と連覇したアジアタイトルを次回こそ、取り返してほしいと思います。

470女子は最初から最後まで危なげないレースぶりで、見事に金メダルを獲得しました。世界選手権で銀メダルですから、勝って当然といえば当然ですが、少数のレースはまた別の難しさがあることを実感し、その中で淡々とレースを勝ち続けました。
同じことを普通にやるマイペースぶりに圧倒されました。チームジャパンの中で唯一、技術的に弱い風域を持っていなかったのが彼女らで、苦手意識がなくレースにのぞめたことが勝因です。日頃の練習量も抱負で、取り返しのつかないミスは1回だけで12レースを完走しています。表彰台の中央にあがって、君が代を歌い、その先に北京五輪を見据えている近藤、鎌田でした。

競技が終了して、いろいろな反省があります。準備の仕方で今後改善したほうが良いと思われることや、アジア大会での勝ち方をもっと徹底して指導していくこと、シンガポールのように資金を存分につぎこんでの準備をして勝つのではなく、もっと日本のノウハウをつぎ込んで、選手に十分な準備をしてアジア大会へ派遣できるような体制を整えることが必要だと思います。今回はドーハの異常に高い物価のせいもあり、追加のスタッフを派遣することができませんでした。選手といっしょに選手村に入る役員が3名、追加が1名ということで、この1名には大谷たかを氏にお願いし、とくにルール関係をお願いしましたが、大谷さんのメインな仕事は50個のおにぎり作り+毎晩の抗議・審問となってしまいました。日本から抗議を出したのはOPの磯崎が2回だけでしたが、出されたり、証人になったりで、大谷さんがいなかったら失格になっていた選手もいたかもしれません。出された抗議には、モデルを使って抗議の前にしっかり予習を行い、自分で説明がきちんとできるまで準備をしましたし、選手も抗議になれて、具体的にどうやっていったらいいのかを理解することができたと思います。ただ、アジア大会が抗議の出し合いレースになってしまったことには問題があると思います。このままでは、おかしなヨットレースになってしまうので、今後、対策が必要です。

今回は大庭、中村、斉藤、大谷の4名でチームの世話をしてきましたが、とにかく毎日の仕事をしていくことで精一杯で、選手にはいろいろと苦労をかけてしまったと思います。1海面に1艇のサポートボートで、大谷さんが来た日からは4艇で4海面をカバーしましたが、470と420が4クラスあるエリアBでは、目が行き届かないこともありました。しかし、選手が非常によくまとまってくれたおかげで、何とかのりきることができたと思います。次回の中国では、物価も安いことでしょうから、バックアップ体制を整えて、今回達成できなかった目標を必ず達成したいと思います。

本日、コンテナを積み終え、後は閉会式に出て、帰国します。長いレース期間でしたが、応援をいただいた皆様、ありがとうございました。12月20日頃にアジア大会スペシャルレポートアルバムを掲載しますので、あらためてご覧ください。

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全員で撮影できたのはこの1枚だけ。大谷、小宮はこの後、帰国となりました。
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選手村のビクトリーロードには金メダルをとった選手のペナントが飾られます。愛ちゃん、ナオピー、おめでとう。
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レースも終わり、撤収作業開始。
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コンテナ積込作業も手早くおわりました。
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閉会式も無事に終了。疲れました。
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選手村の食堂では3週間ビュッフェが続き、さすがに飽きてしまいました。
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やっぱり、スタミナのもとはおにぎりでした。大谷さん、ありがとうございました。
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ハーバー以外の思い出は砂漠。でも、雨のほうが印象に残ったかも。


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