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NISSAN CUP 2005(国際470級スーパーチャンピオンヨットレース)

日産カップ実行委員会からのレポートです

レース公示: http://www.jsaf.or.jp/470/international_race/NISSAN_FUGA_CUP_notice.htm



Index NISSAN CUP 2005(国際470級スーパーチャンピオンヨットレース) 3月19日 第1日目

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10時スタート予定のレースは北東の強い季節風の影響で1時間ほど延期され、レース艇が海上に出たのは10時半になりました。第1レースのスタートは11時35分に行われましたが、レース途中で風が南に回り、途中でノーレースとなりました。

再度スタートしたのは13時45分で、南南西の10ノット前後の風の中で3レースを行いました。第1レースは松永・上野組(柳が崎セーリングクラブ)が安定した走りで抜け出し、日産カップ最初のレースでトップフィニッシュを飾りました。

第2レースは第一経済大学の新居・森田組と谷口・吉見組がデッドヒートの末、新居組がトップで入りました。フランスのボーノー兄弟組が3位に入り、招待選手の海外勢も徐々に調子を上げてきました。

第3レースはスタートから飛び出した近藤・鎌田組が男子を圧倒する走りでトップを快走しましたが、ダウンウィンドでオーストラリアに追いぬかれ、その後は接戦の末、オーストラリアのベルチャー・ベーレンス組がトップでフィニッシュしました。

朝吹いていた強い風がおさまったかと思いきや、南へ変化した後はシフトの大きいコンディションとなりました。スタートの良い艇がレースをリードする結果となり、関・柳川組は苦戦しています。ウクライナのブラスラベッツ・マトビエンコ組(アトランタ五輪金メダリスト)とクロアチアのチェシッチ・クユンジッチ組は旅の疲れか、出だしでつまづきながらも、徐々に調子をあげてきています。

本日は予定されていた4レースのうち、3レースを行いました。明日、コンディションが良ければ、今日できなかった分を合わせてレースを行うことになるかもしれません。20日の最初のスタートは10時を予定しています。

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第1レースのウィナーは松永・上野組。
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第1レースの第2レグ。ウクライナと競り合う日本大学生軍団。
  第1日目の成績 (PDFファイル)


Index NISSAN CUP 2005(国際470級スーパーチャンピオンヨットレース) 3月20日 第2日目

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やはり貫禄です。ウクライナが第4レースでトップをとり総合でも1位。オリンピックが終わってから1度も練習せずに佐島へきたとは思えない走りです。
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女子チームながら、外国勢の中で堂々と走っています。スタートが大切なショートコースが得意なチームですが、中止になった第5レースでは果敢にスピンをあげる場面もありました。

午前中はまったりした状態で、風が少し吹いたかと思うと全くなくなってしまうため、選手は陸上待機で風待ちになりました。13時50分に延期信号がおりて海面へ向かう頃には5メートルとなり、第4レーススタート時刻の15時には時折8メートルを越える風が入るようになりました。

強い風になると海外の選手がよみがえったように走り始めます。最初のマークこそ日本の選手がトップで回航したものの、第2マークから第3マークへのコースでブラスラベッツ・マトビエンコ組(ウクライナ)が角度をつけたダウンウィンドの走りで素晴らしい展開を見せ、第3マークからは彼らの独壇場になりました。しかし、松永・上野組は2回目の2マークでウクライナをとらえると、ランニングで離されることなく、最後の最後までウクライナにくいさがりましたが、あと一歩のところで逃げ切られてしまいました。ウクライナが吹いたコンディションではボートトリムで一歩リードしていました。

引き続き、第5レースがスタートしましたが、スタート直後に10メートルを超える強い風が入り始め、いっとき25艇参加しているうちの8艇しか走っていない状況になりました。15艇が沈していたということになりますが、ますます強くなる状況で、レースは中止となりました。

中止になるまでのレースは、ウクライナ、オーストラリア、フランスがデッドヒートを展開していました。強風の中で果敢にスピンをあげて8番手から一気にトップまであがっていたフランス、そして3週目に入ったところでも3艇身差でデッドヒートを続けていました。このコンディションでも日本の選手が海外の選手と競り合えるようにならなければいけないわけです。世界の頂点にたつ選手は基本技術がしっかりしています。その走りを目の前で見せられ、日本の若い選手には刺激になりました。

ウクライナが第4レースのトップで総合でもトップに出ました。2位に安定した走りとレース展開を見せている女子チームの近藤・鎌田組、3位はオーストラリアがあがってきています。

明日は最終日です。本日までに4レースを消化していますので、明日レースができると5レース目となり、最も悪いレースを捨てることができるようになりますから、OCSをかかえている松永、フランスがあがってくる可能性があります。優勝争いは最後までわかりません。

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1艇だけスピンをあげてトップにせまるのはフランスのボーノー兄弟。
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次の五輪代表を目指して結成したチームですが、チャーター艇にもなれ、良い走りを見せてきました。明日も期待ができそうです。
  第2日目の成績 (PDFファイル)


Index NISSAN CUP 2005(国際470級スーパーチャンピオンヨットレース) 3月22日 第3日目(最終日)

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日産カップ最終日は定刻どおり午前10時に第5レースをオールフェアでスタートしました。北よりの風が徐々に弱まる中、スタートからオーストラリアが飛び出し、トップで1上マークを回りました。また、逆転優勝を狙う松永・上野組も集中して先頭集団で粘り、最終日らしい白熱した接戦になりました。

風が弱まった第3マークから第4マークまでの間に谷口・吉見組(第一経済大学)は沖にすじで残っていたブローにのってトップに出ました。ブローを見落として一時は4位まで落ちたオーストラリアは第4マークを回ってからフィニッシュまでの間に逆転を狙いましたが、谷口・吉見組が逃げ切り、1位で入りました。オーストラアが2位、3位に田畑・栗田組(第一経済大学)、4位に松永・上野組が入りました。

この時点で5レースが完了したので、最も悪いレースを捨てた点をつけますが、松永組が13点、オーストラリアが14点、ウクライナが19点となり、松永が逆転してトップにたちました。

第6レースは12時45分にスタートしましたが、風が大きく変化してしまい、第1マークを回ったところでノーレースとなりました。この結果から、日産カップは5レースをもって終了となり、松永・上野組の優勝が決まりました。2位はベルチャー・ベーレンス組(オーストラリア)、3位はブラスラベッツ・マトビエンコ組(ウクライナ)となりました。

ウクライナはアトランタから五輪キャンペーンを続けているベテランチームです。オーストラリアは現在ランキング2位の北京を目指すチームですから、松永・上野組ともこれからずっと戦っていく相手になるのでしょう。アテネの銅メダリストである関選手は新チームでのレースとなりましたが、スタートでリズムを崩し、ショートコースの中で盛り返しが難しい状況でした。逆に、風が強くなければ、こういったレースに慣れている大学生チームの健闘が光りました。

また、女子の田畑・栗田組は第5レースで3位にはいり、総合でも4位にあがりました。逆に、昨日まで2位につけていた近藤は最終レースのスタートで出遅れたのがひびき、総合でも7位に落ちてしまいました。しかし、両チームとも男子に混ざって見事なレースを見せてくれました。

日産カップはレベルの高いレースだけでなく、日本の若い選手達に世界の頂点の走りを学ぶ機会を与えてくれました。今後、日本の選手達が海外へ出ていくときに、力のもととなってくれる大会でした。全5レースで本日をもって終了いたしますが、このような機会を与えてくださった皆様に感謝いたします。ありがとうございました。

  最終成績 (PDFファイル)
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北京代表になるためには、世界チャンピオンのオーストラリアNO1チームを破らなければなりません。日本に練習に来ます!
ベーレンス(左)とベルチャー(右)はタスマニアとブリスベンという数百キロ離れる遠距離コンビです。
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すっかりベテランになってしまったウクライナのブラスラベッツ(左)とマトビエンコ(右)
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逆転優勝を果たしてうれしい笑顔の松永、上野(手前)組。新艇を買って、この大会に間に合わせてきました。









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