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2006年ナショナルチーム選考レース

斎藤 愛子氏のレポートです


成績表    
  470級成績表 (PDF) Laser級成績表 (PDF)


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  レース公示 (PDF) 追加公示 (PDF) 470級計測規程 (PDF) エントリーフォーム (WORD)




Index 2006年ナショナルチーム選考レース  第1日目
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富士山がくっきり見えるレース海面で、女子チームが前を走って善戦しています。

12月14日 NT選考レースが始まりました。470は男子14隻、女子7隻、 レーザーは6隻の参加です。470男子は先の全日本選手権で関・柳川組が優勝して すでにNT選手になっていますが、アジア大会予選、ISAFワールドゲームとオリ ンピックテストイベントの選考も兼ねているレースなので、参加しています。女子も 吉迫・大熊組が全日本女子470で優勝しており、同様の理由でNT選考レースに参 加しています。レーザーは沖西が全日本で優勝しており、同様に選考を兼ねているた め、参加しています。今回は470男子の残り5艇、女子3艇、レーザー3艇をNT 選手として選びます。

本日は2レースを行いました。朝、9時に海上に出たものの、北風はなくなり、その 後しばらく不安定な状況が続きました。南西からの風が安定したのは12時頃で、第 1レースは470が12時25分、レーザーが12時30分にスタートしました。第 2レースは14時10分に470、15分にレーザーがスタートしています。第2 レースの後半は白波も混じっての強い風になりましたが、今年一番の寒気で、頭がこ ごえる冷たい風でした。レーザーは飯島が2レースともトップをとりましたが、47 0は第1レースで田畑・栗田組、第2レースは関・柳川組がトップをとりました。総 合では松永・上野組が3−2でまとめていますが、2位に田畑・栗田組、3位は吉 迫・大熊組、4位に近藤・鎌田組と女子が並んでいます。男子と女子は同時スタート でレースを行い、総合成績の順で女子の1位から7位を決めます。
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南西が強くなるとセールが半分しか見えなくなります。支援艇コーチボートには赤十字マークの旗が掲げられています。


Index 2005年ナショナルチーム選考レース  第2日目
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第3レーススタート。

本日は470級が3レース、レーザー級が2レースを行いました。昨日の西風はおさ まり、北東からの風が次第に東、南東へとシフトしていく、強弱、シフトのある複雑 なコンディションのレースとなりました。

総合で、レーザーは飯島がオールトップですが、2位の永井は常に接戦の末、飯島に 逃げ切られてしまいました。470は上位4艇が同点で並びましたが、着順で1位の 数が多い田畑・栗田組がトップになっています。上位は混戦で、誰が抜け出すのか、 これからのレース展開が楽しみになりました。それにしても、5位以内に女子が3艇 入っているのは、心強いです。


Index 2005年ナショナルチーム選考レース  第3日目
午前9時、10時のスタートに間に合わせてレース艇がハーバーを離れていきましたが、北からの風はなくなり、スタートは延期となりました。レース艇は一度ハーバーに戻り、午後2時前に再度スタートを試みるために出艇しましたが、結局南からの風もいまひとつ強くならず、今日は1レースも行われませんでした。

明日はスタート時刻を30分くりあげて、午前9時30分が最初のレースのスタートとなります。



Index 2005年ナショナルチーム選考レース  第4日目
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大西が吹く日は富士山がくっきり。スピンをはってかっとぶのは女子の井嶋・加藤組。

朝9時半から470、レーザーともに3レースを行いました。今日は日本列島に今年一番の寒気が入り、江ノ島も南西から西の強風で最大14メートル、白波だらけの海面での戦いになりました。

男子470は関・柳川組と松永・上野組が一騎打ち状態になっています。トップを走る両艇がスピンをあげて巨大な波の上をかっとんでいく姿は圧巻でした。総合3位には山田・中村組が入っています。6位までがNTに入りますが、6番目の座を石川・野呂組(日大)、谷口・吉見(第一経済)、川田・吉田(東大・法政)の大学生陣が争っています。

女子470は田畑・栗田組、吉迫・大熊組、近藤・鎌田組が三つ巴のまま最終日を迎えます。今日のレースでは田畑が男子の中に混ざって安定した走りを見せていました。

レーザーは飯島が吹いた中でもよい走りでトップをキープしています。2位を永井がキープするか、沖西が逆転するのか。また、4位に入るのがホールか安田かと大学生の2名が接戦を続けています。

今日までで470が8レース、レーザーが7レースを終了していますので、明日が最終日となります。吹き始めた大西の風が明日までにやむのか、どうか。

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レーザーは波に埋もれてしまいそうなほど、巨大な波です。 レーザーのロアセクションが折れてしまいました。


Index 2005年ナショナルチーム選考レース  第5日目(最終日)

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新居・森田組のマストは突風の入りぎわで折れてしまいました。無念のリタイアでした。

17日までに7レース以上を完了していましたので、予備日を使わずに18日が最終日となりました。午前9時、各艇ハーバーをあとにし、レース海面に向かいましたが、相模湾は日本列島を襲う寒気に伴う西の風が関東平野側から回って北からくるものと、アルプスの西側、琵琶湖のくびれを通過してくる西風とが出会うような格好となり、9時半のスタート時は風向が変化しやすい不安定な状況でした。レースでは一時90度近くふれることもありましたが、10時を合図に北風が思い切り25ノットオーバーで入ってきたため、瞬時にしてレースエリアは修羅場になってしまいました。突風をまともに受けた新居・森田組はスピンを張ったままマストが折れてしまいました。レースは田畑・栗田組が3回目のトップフィニッシュ。フィニッシュ直後に更に強まる風の中、レース艇は一度ハーバーへ戻り避難しました。最終日は13時以降のスタートがないため、これで終了かと思いきや、レース海面でずっと待機していたレース運営艇から、もう1レースできそうだという連絡があり、再度出陣。

最終レースは13時前にスタートしましたが、このレースで関・柳川組が1位で松永・上野組が4位以下をとると逆転があります。変化にとんだ風の中、2艇のガチンコ勝負は続き、第3マークで両サイドから入る風がぶつかり、エアポケットのような無風の場所があり、そこにはまった松永組と、何とか第3マークまで持ちこたえた関組。反対サイドからの風で一気に追い上げてきた集団に食われてしまった松永組でしたから、関組の逆転かと思った矢先、本部艇がN旗をかかげて、レースの中止を合図しました。

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不安定な風で、風のないところに入らないように必死のレース艇。松永が逃げ切るか、関が抜き去るか・・・ドラマがありました。

結果、470男子は松永・上野組が競り勝ち1位、2位に関・柳川組となりました。
この2組は今年の国内レースで常にワンツーを争ってきました。今後は海外で自分達と同レベルのスピードで走るチームが30艇とかいる中でしっかりレースができるようになることが課題です。3位には思い切りの良い走りで3回トップをとった田畑・栗田組が入りました。インカレ、全日本女子で悔しい思いをしてきたのを、ここで帳消しにするくらい、男子を圧倒するレースぶりを見せてくれました。女子は5位に吉迫・大熊組、6位に近藤・鎌田組が入りました。この競り合いの中から抜け出したチームは本当に強くなり、2年後には重・木下に続くメダリストが誕生するのではないかと期待も膨らみます。4位に入った山田・中村組、8位の吉峰・中村組はベテラン勢ですが、選考会を何度も通過してきた中で、女子チームに負けてしまったことはなかったと思います。今後の発奮に期待します。新たに入れ替わって入ってくるのが7位の渡辺・今村組、9位の石川・野呂組、女子4位の井嶋・加藤組になります。

レーザー級は飯島選手がオールトップの圧勝でした。1レースたりとも負けないという気迫がそのまま成績につながっています。2位の永井選手は抜けそうで抜けない飯島選手に気持ち負けしていました。3位には先の全日本選手権で優勝した沖西選手、4位に大学生のイアン・ホール選手が入りました。

両クラスのナショナルチームに選考された選手は、5月のISAFワールドゲーム、8月のオリンピックテストイベント、9月の世界選手権(470は中国・日照、レーザーは韓国・済州島)を最大の目標に活動していきます。

2006年ナショナルチームに選考された選手は下記のとおりです。

470男子  
松永 鉄也・上野 太郎 (FEEL FINE)
関 一人・柳川 祥一 (関東自動車工業)
山田 寛・中村 健一 (Team SLED)
渡辺 哲雄・今村 公彦 (和歌山県星林高校教員・第一経済大学)
吉峰 秀樹・中村 昭仁 (高松市役所・境港造船)
石川 裕也・野呂 英輔 (日本大学)
   
470女子  
田畑 和歌子・栗田 直美 (第一経済大学)
吉迫 由香・大熊 典子 (ベネッセコーポレーション)
近藤 愛・鎌田 奈緒子 (アビームコンサルティング・法政大学)
井嶋 千寿子・加藤 彩香 (東亜建設工業)
   
レーザー級  
飯島 洋一 (飯島木型)
永井 久規 (豊田合成)
沖西 祥宏 (エスピーネットワーク)
ホール イアン (第一経済大学)
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最終レースは、結局本部艇がN旗をあげて中止を決めました。


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